F/A-18

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F/A-18」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2011/06/14 (火) 22:35:41
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F/A-18(A~D:ホーネット,E・F:スーパーホーネット,G:グロウラー)はマクドネル・ダグラスが開発した戦闘(Gは電子)攻撃機である。

通常F/A-18と記述されるが、議会で使われる書類ではFA-18とされている(ファーとは呼ばない)。

主にアメリカ海軍の空母に載っける艦載機だがアメリカ海兵隊も所持している。意外にも輸出国は多く東南アジアや北欧まで多岐に及ぶ。

エンジンは前代のF-14に続いて双発。

ちなみに戦闘攻撃機(Fighter Atacker)を初めて名乗った機体でもある。これにより、なぜかアメリカの空母から純粋な攻撃機が少なくなった(この部分はある問題を招く運びとなる)。
 

□歴史
簡潔に纏めると…
(ホーネット)
1970年代開発
1978年初飛行
1983年実戦配備
2010A型退役
(スーパーホーネット)
1990年半ばに開発
1995年初飛行
2001年実戦配備
(グロウラー)
2006年初飛行
2010年実戦配備
 

□特徴
鼻から艦載機を前提として開発されたので艦上でのハンドリング性・整備性に優れている。戦闘機としては優れた性能を持つのである。

各種ハイテク兵器を装備する事が出来るので艦隊護衛・制空戦闘・敵陣制圧・偵察飛行など様々な任務につくことが出来、マルチロール機の名に恥じない柔軟性を備えている。しかし、元々戦闘機と攻撃機は要求される性能も目標も違うため、これが大変なことに・・・・。

外見の特徴として、ステルス性を考慮し、二枚ある垂直尾翼がそれぞれ外側に25度ずつ傾いている(垂直に付いていると、電波に当たったときに同じ方向に反射してしまう=レーダーに探知されやすい)。
…………垂直尾翼?

YF-17がコンペにおいてF-16の艦載機型に競り勝ったことで開発されたが、なぜそのままF-17にならなかったのかは不明。ちなみに競り勝った要因は色々あるが、エンジントラブルの危険度が陸上とは比べ物にならない海上での運用において、多発機なら万が一片方が止まってももう片方が無事なら問題なく飛べる、という点が大きかったようだ。

ちなみにA~Cはレガシーホーネット(Legacy=旧来の、つまり旧ザクならぬ旧ホーネット)という愛称がある。
 
◇ホーネット
A
最初期の型の単座型。
C型並にアップグレードされたA型をA+、A+をさらにグレードアップしたのをA++と言う。
海軍・海兵隊で運用中。

B
最初期の型の複座型。
既に実戦配備は解かれているが
まだまだ練習機・仮想敵役として現役。

C
A型の後継。
エンジン・電子機器を改良してある。
F/A-18シリーズ中最も就役数が多い。

D
C型の複座型…
なのだが一番影が薄い。
海兵隊で運用中?マレーシア空軍に輸出されたが、たった8機しかなかったとのこと。
 
◇スーパーホーネット
ホーネットとの主な違いは機体を全体的に大型(例えば主翼だと25%大型化)にし、燃料搭載量と武器搭載量を増加させ、運動性、特に低速域での運動性を向上させたこと。

これにより、ホーネット時代に指摘されていた航続性能の悪さを克服すると共に、合計11の武器ステーションに合計7tもの兵器を搭載する事ができるようになった。
エアインテークの形状も半円形から長方形に変化している。

また、レーダーをアクティブ電子走査アレイ型(最新世代に着けてるやつ)にし、内蔵コンピューターを強力にする事で、対空・対艦共に優れた結果を残すことが可能に。

ちなみに空中給油装置を吊しての空中給油母機としての役割(着艦時の混雑時などに)もある。

アメリカ海軍ではE/Fを少なくとも548機、最大1000機を配備する予定だった。
どっから金沸いてくるんだよ…

しかし、致命的な問題が発生した。最大速度がA~D型で最大マッハ1.7~8だったのが低下して1.6に。これは自衛隊のF-2配備前の戦闘機である[[F-1 (航空機)]]と同じ速度なのである。前のF-14がマッハ2.34だったことを考えればF/A-18Aの地点でこの遅さに気づくのが正当ではなかっただろうか?もしこれが攻撃機として配備されればこの遅さはそんなに深刻ではない。

問題は戦闘機として設計されたのに攻撃機の任務を与えたことだ。

戦闘機は身軽でなければならず、最前線に出れば、常に機敏に動いてミサイルや機影に警戒しなければならない。もし爆弾や空対地ミサイルを翼下に搭載したのなら鈍くなる。つまり、敵機に遭遇すれば鈍重な機体が災いして瞬く間に撃墜されてしまうのである。11ステーションというハードポイントに最大で7tの武装を搭載できるのは魅力的に思えるが、実際には、代償で戦闘機としての性能を犠牲にしたに他ならない。

事実、我が国・日本では先の大戦で零戦に爆弾を搭載して出撃させたら、大挙出動してきたF6Fに次々と撃墜されたので、戦闘機に爆弾を乗っけて飛ばすことがどれ程やばいかはイメージできるだろう。

また、機体前部に付けられたストレーキもこの遅さに関与している。これは離着陸性能の改善や急旋回時における失速の防止、旋回性能を上げる目的で装備されているが、このストレーキによって空気抵抗が生じて加速が悪くなり、本機の戦闘機としての問題に拍車を掛ける運びとなった。ついでいうとインテークもE型の地点で変更されたため大量の空気を取り込める反面、抵抗が増えました。

そもそもE/F型の地点で純粋な戦闘機として設計し直していれば真っ当な機体になれたはずである。

こんなF/A-18の最初の量産型であるA型とB型に搭載されたエンジンはジェネラル・エレクトリック製のF404-GE-400と呼ばれるターボファンエンジンであり、やがてC型とD型ではF404-GE-402に換装された。次いで、E/F型ではF414-GE-400に換装されている。これらのエンジンは型式と共に最大速度がただでさえ遅いマッハ1.8から1.6へと段々低下していくという粗悪品であり、操縦するパイロットからすれば不幸を背負ったようなものだが、逆に整備員にとっては幸運であった。エンジンの部品点数が最終的に40%も削減されたため、空母の艦上での整備性が程良くなったのだ。事実、F-4は一部の点検を空母の中に移動させないと出来ないという問題点があったが、F/A-18ではその必要がない。そして、部品が減ったため空母のスペースに多く納められるというメリットも生まれた。

あとエンジン換装の弊害で騒音がとってもえろいことになった。
A~D型までは寛容に受入れていた米本土地上基地周辺の住民が、今度ばかりは我慢ならんと訴訟を起こしたほどである。
(なおF-35はもっとうるさい。しかもB型は垂直離着陸型なのでさらにうるさい)

E
現在の主力で単座型。
Fと性能は変わらないが割と対空ミッションに従事することが多いようである。前述の通り加速が悪いため空戦では不利になる。

F
同じく現在の主力で複座型。
後席に武器管理担当の士官を置いている。
対空・対地どちらにも使われる。
 
◇グロウラー
G


グロウラー(本名:EA-18G)はF型をベースに開発され各種電子戦装備を所持している電子攻撃機。

ちなみにグロウラーの一つ先輩は約40年前に就役したEA-6B。

古すぎじゃね?と思うかも知れないけど…
実際はEA-6Bでも十分強すぎなんだよね!!

例えば湾岸戦争やイラク戦争だとEA-6Bがレーダー施設やSAMをぶっ飛ばして防空網を丸裸にしたお陰で爆撃し放題!!

米帝升乙!!


さて、EA-18Gにアップグレードすることにより、機種が同じになるので訓練の効率向上・部品調達が容易になるなどかなりのメリットが期待されている。


ちなみにEA-18Gの電子攻撃ミサイルはめちゃくちゃお高い。

3/25に厚木基地へ第141電子攻撃飛行シャドウホークス所属の6機のEA-18Gが来ました。
日本に浮かんでるジョージ・ワシントンに搭載される予定です。
ちなみに引退するEA-6Bは一足先に本土へ戻っています。

お疲れ様EA-6B!
 

□配備
アメリカの原子力空母には約70~90機が搭載できるが、そのうち
F/A-18F戦闘攻撃飛行隊 一個14機
F/A-18E戦闘飛行隊 一個14機
F/A-18C戦闘攻撃飛行隊 一個12機(→近いうちF-35Cへ)
F/A-18A+戦闘攻撃飛行隊 一個12機(→近いうちF-35Cへ)
EA-18G電子攻撃飛行隊 一個4機
とホーネットシリーズがかなりのウェイトを占めることが分かる。




ちなみにホーネットシリーズ以外では…
E-2C早期警戒飛行隊一個4機
SH-60F及びHH-60H対潜飛行隊一個7機
C-2A輸送飛行隊1分遣隊2機


まぁここら辺が米帝の空母のレシピ。

因みにライノ(E/F型の愛称)は後の計画見直しにより最大785機、最少548機に削減された。
さらに2002年第1四半期には、調達機数を460機に削減するよう指示され、現在ではF/A-18E/Fを387機、EA-18Gを90機装備する計画となっている。

□実戦
83年に運用を開始したが、その相手は海兵隊だったりする。しかし、その後は海軍でも運用されるようになり86年のリビア空爆の際にリビア軍の地対空ミサイル陣地の爆撃に参加したが[[F-111]]と違って戦果がどうだったのかは明らかではない。全体的にはアメリカが勝ったものの国際的に非難を浴びた。

1989年にはコソボ紛争でB-52の護衛に当たったが、こちらは相手であるユーゴスラビアの空軍が目立つ活動をしなかったため撃墜された機体はないという。

やがて、ホーネットは1991年の湾岸戦争にてイラク空軍を相手に出撃した。いずれにしても投入された空母6隻でF-14Aと共に派遣されたのが当機のA~D型である。しかし、損失した機体は空戦での1機のみという実にワンサイドゲームともいえる結果を残した。これは相手があの超音速でマッハ2~3を発揮可能な[[MiG-25]]だったためであり、これにはマッハ1台が限界だったF/A-18には大変分が悪かった。その後、イラク空軍は非公式でイタリア空軍の機体を撃墜した後は損害を恐れてイランに退避するようになり空戦を避けるようになったことから、F/A-18には有利に動いたのである。なお、最初に撃墜された機体のパイロットは最近になってようやく発見されたという。

2003年のイラク戦争にも投入されたが目立った成果は挙げていない。この時投入されたのが実質爆装が出来るE/F型なのだが、お察しの通りフル装備で飛ぶと鈍重なので空戦では分が悪かった。

□今後の展望
現在、米国はボーイング社が、国際共同開発を念頭に置いた発展型F/A-18E/Fスーパーホーネットの試作機を公開している。
同社は、日本が2016年度に調達予定の次期主力戦闘機(F-X)選定に向け、F/A-18E/Fの売り込みを図っていた。ふざけるな。こんな機体で国が守れるか。

発展型はF/A-18E/Fに改良を加えたもので、ミサイルをミサイルベイに納めて機体の下に設置するなどしてステルス性を高めている。
さらに、ミサイルに対する警戒能力やエンジン性能を向上させ、航続距離も伸ばしたとされる。

この選定は日本国の国防にも多大なる影響を及ぼす為、注視していく必要が有るだろう。

しかし、最終的にF/A-18並みの速度しか出ないけどステルス性があるF-35になりました。いつ引き渡されるか分からないけどね。

ちなみに、ボーイングでは最近のエコブームに便乗してバイオエタノール燃料を使えるグリーンホーネットなるものを発表している。
戦闘機にエコ?と思われるかもしれないが、軍事力の産油国への依存度を削るというのが真の狙いのようである。

さて、こんな機体がなぜ生産され、空母に乗せられているのか?別にドクトリンがないとかミサイルの性能が優れているわけではない。あえて言えば、数で押し切ることがF/A-18シリーズ最大の武器だからである。例えば、F/A-18をマッハ2級の戦闘機が撃墜しても、アメリカは次々と工場から同型機をロールアウトさせ空母に載せてくるのでどんなに倒してもきりがないのである。また、例えマッハ1級の戦闘機でも大量に飛ばして飽和攻撃を行えば、マッハ2の機体にでもどうにか勝てるのである。この「質より量」は大戦中の兵器である[[F4F]]や[[M4中戦車]]でもはっきり現れているから、一種の伝統と言えよう。

更に、質を落としたエンジンの整備性の良さやフライ・バイ・ワイヤを駆使した操縦性の良さもF/A-18の魅力の一つであろう。

以下追記者
速度の遅さが致命的とか戦闘機に攻撃機任務を与えることは間違いといった
記述があるが、現在の航空機で純粋な戦闘機は殆ど存在しないことは賢明な
方々ならご存知のことだと思う。米国といえど予算は無尽蔵ではなく、
近年の兵器は高性能化により、価格は高騰し続けているので、一定数を揃える為に
性能を妥協することは必ずしも間違いではない(戦力は数の二乗というしね)。

速度についても、E-2Cと連携した早期発見や同時攻撃による早期撃破を
念頭においた、単独での対応ではなく共同対応がなされるためさほど問題
とはならないのである。第一、任務の危険度に応じて装備は柔軟に
変更できるので、危険度が高ければ当然、必要最小限度の装備で運用される。
フル装備なんぞ、制空権が確保された地域での空爆任務くらいのものである。
早期警戒機、電子戦機そして戦闘機こういった複合機種の運用実績に長け、
また実際に相当数を投入できるところが米国のパワーではないだろうか。



追記・修正は飛行甲板の潮風を感じながらお願い致します。

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- 知人曰く機体の違いが簡単に区別できるほどうるさいとのこと。やっぱりF-35で良かったな…  -- 名無しさん  (2013-12-27 14:50:16)
- ミリヲタからは不人気だけど俺は結構好きな機体。ブサカッコいい名脇役  -- 名無しさん  (2014-01-10 18:58:11)
- F-35のがうるさいと聞いたが  -- 名無しさん  (2014-04-03 22:04:22)
- スーパーホーネットが一番好きだわ  -- 名無しさん  (2014-07-16 18:16:50)
- 素人意見で何なんだが、機体を大型化、ってそんな簡単にできんの?大きさ変わったらバランスぐちゃぐちゃになって設計大幅に変えないといけないもんなんじゃ?  -- 名無しさん  (2014-10-21 09:27:26)
- ↑そだよ、大幅に設計変えてるよ。それでもイチから作るよりは早くて安かったってこと  -- 名無しさん  (2014-10-21 10:08:17)
- 米議会は財務省と真逆で改修予算には寛容だけど新造には超ケチなのよ。だから米軍の兵器は既存機の改良型と銘打って新型レベルの代物が多い  -- 名無しさん  (2014-12-25 05:52:55)
- F-16CとF-2みたいな関係かな?  -- 名無しさん  (2015-01-09 01:35:39)
- お前らがどうほざこうとF-14トムキャットが最高。さすがバルキリーのモデル。  -- 名無しさん  (2015-02-14 21:56:43)
- 調達数3桁って数字を見てああ、やっぱりアメリカだなぁと思いました。現代戦闘機でここまでの数、しかも輸出用でない自国運用で出されるともうわけわからんくなるな…  -- 名無しさん  (2015-02-14 22:28:14)
- 鈍重であることを誇張しすぎな上に質より量だのとデタラメばっかり…ロクな記事じゃないね  -- 名無しさん  (2015-07-04 13:11:10)
- 現代戦では運動性や速度よりアビオニクスが重要視されるから結構強力な機体だと思うんだが  -- 名無しさん  (2015-11-05 13:28:22)
- ↑けど加速性が大事だと思われ。現にこの機体じゃ敵の追尾を振り切れないしたたき落とされる。なんかこう猫時代から米海軍の艦上機は短所が目に付く(例、手動で全てを操作するF4Fとか数人掛かりで翼を畳むF6Fとか)  -- 名無しさん  (2015-11-07 02:02:47)
- ちょっとこの記事はバイアスかかりすぎてて良くないんじゃないの?  -- 名無しさん  (2016-05-22 02:22:08)
- こんな機体でとか書いてあるけど明らかに高レベルでマルチロールをこなせる名機なんだよなあ  -- 名無しさん  (2017-06-01 14:45:36)
- 翼面荷重の高さから来る離陸性能、にもかかわらずF-5から受け継がれた機動性(ブルーエンジェルスが使っているのもF/A-18)、長い航続力、先進的な複合材料やアビオニクス。艦載機でありながら内陸国にさえ採用されるのも納得の高性能高コスパ機。  -- 名無しさん  (2017-06-02 11:30:10)
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