AK-47

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AK-47 - (2018/09/06 (木) 05:35:45) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/08/02(日) 23:15:38
更新日:2024/03/20 Wed 03:33:24
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人類史上最も多く生産され、
最も多くの人命をうばった銃



◎概要


ロシア人のミハイル・カラシニコフによって1947年に開発された突撃銃
作者の名にちなんだ「カラシニコフ」の愛称でも有名。
開発から70年近くたった現在でも派生・改良型含め現役の銃であり、フィクションの世界でも有名な銃である。

地球上のあらゆる戦場で使用され、軍隊のみならずテロリスト等や海賊などにも頻繁に利用されている。

反面、紛争を経て独立を勝ち取った国では建国の象徴であり、ジンバブエの国章やモザンビークの国旗にも描かれている。
国旗に書かれた数少ない武器でもある。



◎性能

  • 銃身長…415mm
  • ライフリング…6条右回り
  • 仕様弾薬…7.62mmx3
  • 装弾数…30+1
  • 作動方式…ガス圧作動ターンロックボルト
  • 発射速度…600発/分
  • 発射初速…730m/s



◎略歴

設計は第二次大戦時、上述のミハイル(当時軍曹)が戦場で見たドイツの短機関銃に衝撃を受け、負傷し入院中にトカレフ弾を使った短機関銃を考えたのがきっかけ。
ちなみにその機関銃の案は没になった。

AK47のAKもアブトマット・カラシニコバということでカラシニコフが作った自動小銃という意味合いである。もう少しロシアっぽくすると、
『アフタマート・カラーシュニカヴァ・アブラスツァー・トィースャヂ・ヂヴィチソート・ソーラク・スィヂモーヴァ・ゴーダ』
となり、カラシニコフ式1947年型自動小銃という意味である。

後に西側が低反動の5.56mmNATO弾を採用した銃器(M16など)を使用していることに対抗して、5.45mmを採用したAK-74が開発される。



◎長所

『頑強』

ソ連が想定する戦場は砂漠や極地等の環境負荷の高い地域であった。
そのため部品のブロック化(部品数の削減)、部品間のアソビに余裕をもたせる等の工夫をもって設計され、どのように扱っても(水につけても、泥につけても、凍っても)作動不良が起きにくい
(発砲時のガス圧を利用し内部の汚れやススetcを押し出せる作りになっている)
また銃弾の不良にも強く、よほど低品質の弾薬でもなければ作動不良は起こさないとされ、重いボルトが多少歪んだ弾薬(弾倉から抜いて地面にバラまき、一度踏み付けた弾薬)すらきっちり叩き込み作動させるその能力は賞賛に値する。

ちなみに、トライアルでライバルだった銃は「ゴミが入らないようにギチギチのパーツ組み」をしていたため、冷えて金属が収縮し、ボルトが機関部内で詰まって落選した

『安価』

上記のような工夫と同時に、極力工作精度を要求しない設計となっており、安価に生産できる。
当時ソ連の工業力は「車に入れた猫が一晩逃げなければ気密に優れると認められる」と揶揄される程であり、大量生産するには要求される技術水準を下げる必要があった。結果としてロシアの純正品はおろか、各地のライセンス生産品、果ては手作業の内職で作られた密造銃など、品質を別にすれば世界中至るところで作られ続け、製造におけるハードルの低さを証明している。
ちなみに某教団もAK74をフルコピーしたが、かなり低性能だったとか。
いくら作りやすい事を売りにしても銃器開発のノウハウの全くない素人集団が教育もなく作るのはさすがに無理だったようだ(今ではそもそもデマだったとも…)。

『すぐに使える』

基本、自動銃とは精密な工業製品であり、メンテナンスが不可欠なためしばらく整備訓練が必要となる。
だがカラシニコフであれば「敵に銃口を向けて引き金を引けと教えるだけですべて事足りる」と言われるほどである。
先述のタフさから頻繁な点検が必要なく、部品点数の少なさから整備自体も楽だと言われ、訓練に要する期間の短さは銃のみならず「兵」の数を揃えることを可能にする。



◎短所

『重い反動』

他の先進国で主流の5.56mm弾等の小口径より銃弾の威力が高い分、反動も激しく射手の疲労を招き易い。
さらに、先述したようにボルト(遊底)の重量がかなり重いため、反動の強さに追い打ちをかけている。
ただ同口径の銃としては比較的軽い部類に入る。

『低い集弾性』

上述の反動のためでもあるが、一般に工作精度が低く照門も拳銃並にお粗末なため狙撃や火点制圧等には全く適さない。
まぁ元々必要とされてない能力のためケチつけと言えなくもない。

『大量の粗悪品』

銃そのものの欠点ではないが、簡便な設計から多くの模造品が生産され、中には銃としてまったく機能しないどころか、発砲が危険なものまで出来てしまっていたりする。

『操作性』

セレクターレバー、ボルトハンドルが右側のみ、マガジン装脱着に癖があり、さらにボルトストップ機能は無し、曲銃床のためフルオートの制御が困難等…
しかし近年、操作性を向上させるパーツやテクニック等は多数出回っており、致命的欠点とは言い難い



◎総評

[如何なる過酷な状況でも確実に作動する]
この大きなアドバンテージが、欠点を補って有り余ると言っても過言ではないだろう

アメリカ軍人をして「もし未知の惑星に武器を持っていくのならこれにします」とまで言わせたこともあり、実際ベトナム戦争では、ベトコン、北ベトナム軍が装備したが、制式採用されていたM16は登場したばかりで不具合も多くアメリカ軍兵士も鹵獲して使用した。
特殊部隊においては信頼性だけでなく、「敵に発射音を聞かれても、敵味方の判別がつかない」という点からも重宝されたという。
また、アフガニスタンでは、AK-74を装備したソ連兵がAK-47を装備したゲリラとカラシニコフ銃同士の撃ち合いになっている。

他にも、FN-FALなど古い西側製からAK-47に切り替える国(内戦があったアフリカ諸国やマルタなど)がある。また、現代の傭兵の武器としても愛用されている。やはり補給・整備能力を確保できる後ろ盾が少ない中で簡単に調達できるといった事情が大きいようだ。
最近だとウクライナにおいて親ロシア派と親EU派で内戦が行われているが、どちらの勢力もAK74を使用して戦っている。

このようにAKシリーズは世界中の紛争地域に大量に出回り、

「世界最小の大量破壊兵器」

と呼ばれるに至る。

世界一量産された工業製品であり、正確な数は不明だが、一説には非正規品を含めれば1億丁を遥かに超えるとも言われる*1

ちなみに、最近になってAK-47を製造していたカラシニコフライフル製造会社「Izmack」(イズマッシュorイジェマッシ)が倒産してしまったそうな
コピーされすぎて自社純正品が売れない、という嬉しくない理由で
まぁ、ロシア政府が公的資金突っ込んで立て直したけど



値段

アフリカの紛争地では安いのは500円から3000円程で買える。
恐ろしく安い値段である。
なんと東京マルイの電動ガン(30000円位)よりも安い。

しかし粗悪なコピー品がほとんどなため、正常に動くかは不明。
弾薬に関しても一発15セント程で入手可能と言われるが、やはり粗悪品も多数流れてるのが現状。
特にルーマニア製は材質が悪いのか、「フルオートで撃っていると銃身が曲がってくる」という話まである。
良いAKが欲しいなら、ロシアかブルガリア製を探そう。
意外にも中国製も良質であり、射撃ツアー主催者等アメリカのフルオート火器免許所持者からの人気が高いという。



《トイガン》
東京マルイ(箱出しで問題無し、極めて安定した性能。外装は…)
VFC(なかなかリアルな外装、箱出しでもまずまず)
LCTやINOKATSU(AKユーザーの終着駅、飾るだけでも絵になる質感。箱出しでもまずまず)
CYMA等の大陸系メーカー(荒々しい作りはある意味リアル。大半はVFCのコピーで、しかも安い!ただし、内部調整は必須)



《派生》
以下、派生のほんの一部

AKM (生産性を向上させたマイナーチェンジ)
AK74(5.45x39仕様の小口径モデル)
AKS74U (上記のショートモデル)
56式歩兵槍(中国製造のコピー)
AK-100シリーズ (輸出モデル)
RPK(分隊支援火器モデル)
AMD63、65(ハンガリー独自の改修モデル)
AIM、AIMS (AKMのルーマニア製造モデル)
PP-19ビゾン(サブマシンガン


《フィクションで登場する作品》
メタルギアソリッドシリーズ
バイオハザード CODE:Veronica
バイオハザード5
ゴルゴ13
BLACK LAGOON
BATTLE ROYALEⅡ
ブラックホーク・ダウン
ランボーシリーズ
ティアーズ・オブ・ザ・サン
他、FPS、ガンシューティングゲームなどの大半の作品。



余談


  • わが日本の陸上自衛隊も、AK-47やRPG7ロケットランチャーを研究用にロシアから購入したという噂がある。



追記修正はまかせた

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