うる星やつら

「うる星やつら」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

うる星やつら - (2022/10/29 (土) 20:17:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/02/03(木) 01:39:04
更新日:2024/03/20 Wed 20:41:29
所要時間:約 9 分で読めるっちゃ




〇概要だっちゃ!

『うる星やつら』とは高橋留美子SFラブコメ漫画であり、作者の連載デビュー作にして代表作の一つ。全34巻。

週刊少年サンデーで1978年から1987年にかけて連載され、あだち充の『タッチ』と共にサンデーの看板漫画だった。
…実は本格的に週刊に連載し始めたのは1980年、作者が大学を卒業してからで、それ以前は不定期連載で約20-30Pの作品を数カ月おきに連載していた。
ちなみに、週刊連載の第一話は面堂終太郎登場話である第23話「トラブルは舞い降りた!!」。

〇あらすじだっちゃ!

女好きの諸星あたると一途な宇宙人ラムを中心に、その他愉快な仲間達と友引町を舞台に繰り広げられるラブコメ。
基本的に一話完結なうえサザエさん時空なのでこれといったストーリーは無い。

〇主な登場人物だっちゃ!

CVは1981年/2022年版。
1981年版の一部キャストは高橋作品の『めぞん一刻』・『らんま1/2』、同じサンデー連載作品の『名探偵コナン』や『機動警察パトレイバー』(押井作品でもある)と共通している。2022年版は『境界のRINNE』のキャストが一部出演している。

■諸星あたる
CV:古川登志夫神谷浩史
宇宙一の凶運から宇宙一の女好きに転身した宇宙一のツンデレ。これに加えてゴキブリ並みの生命力と卑しい食い意地を持ち合わせたダメ男。たまにキリッとした顔をすると少しだけハンサムになるが、顔の筋肉が持たない。
束縛されるのが嫌なだけでラムが嫌いなわけではない。
作者曰く主人公。

■ラム
CV:平野文上坂すみれ
「うる星」からやって来た侵略宇宙人にして、ふとした勘違いからあたるにプロポーズされたと思い、以降あたるを「ダーリン」として慕い続ける一途な鬼娘。恋愛に対しては異常に嫉妬深いが、それ以外は天然ボケだが善人の良い子(ただし、幼少期にランに対し色々やらかして恨まれている)。
毎度浮気を試みるあたるに電撃を喰らわせている(『ハートをつかめ』アニメ版では愛情表現だという事が明かされた)。
原作では髪の色は円盤ディスクのような見る角度で色が変わる構造だが、アニメでは作画不可能なので基本緑色。ただし2022年版では電撃時に虹色に発光する事で疑似的な再現をしている。
また原作&2022年版では瞳の色&アイシャドウがオレンジと赤、旧アニメ版では青いアイシャドウ&緑色の瞳である。
実質的な主人公。

■三宅しのぶ
CV:島津冴子/内田真礼
連載初期はあたると付き合っていたあたるの幼なじみ。最初は彼女がメインヒロインの予定だった。その後面堂に惚れるが、原作22巻で彼の許嫁となる水乃小路飛鳥が現れたこと、噂を振り撒く花『リュウゲンビリア』によって面堂が寝小便したと誤解し幻滅したことから、それ以降は彼を恋慕う様子はめっきり少なくなる。
男運が悪いのが悩み。終盤では作者によって救済エピソードが書かれた。
気付いたら怪力設定が…



■面堂終太郎
CV:神谷明宮野真守
資産五百億(アニメでは五兆)の面堂財閥の御曹司。
転校初日に当時あたると付き合っていたしのぶの心を奪い二人を破局させ、面堂本人はラムに一目惚れした為、あたるとは犬猿の仲になる。
イケメンで上部は紳士的だが中身はあたると同レベルのアホで女好き。ただしあたるより顔面偏差値と理性と成績と金があるのでモブにはモテる。ペットのタコを溺愛している。
暗所恐怖症の閉所恐怖症だが女性と一緒にいると平気な振りをする。ただし竜之介では駄目。
あたるや妹の了子には毎回いいようにやられている。
男は金だという名言を持つ。

■サクラ
CV:鷲尾真知子/沢城みゆき
巫女兼保健の先生。美女。
元々は病弱だったが、原因の妖怪があたるへ移ったために健康体になり叔父より大食いとなった。
1981年版担当声優は名脇役として知られ、後に大河ドラマで男装姿を披露したり、江戸城の大奥で奥女中を演じたり、実写版『ちびまる子ちゃん』でおばあちゃん役(3代目)を演じたりした。

■錯乱坊
CV:永井一郎→梅津秀行高木渉
食欲以外の欲を打ち消した謎の怪僧。通称チェリー。
全く似ていないがサクラの叔父。
犬夜叉の映画第二作では、彼と良く似たお地蔵さまが登場する。

■テン
CV:杉山佳寿子
関西弁をしゃべる幼児。特技は吹き。
ラムのいとこで、母親は火消し。
いろんな意味であたると同レベル。

■藤波竜之介
CV:田中真弓
浜茶屋再建のため男として育てられたボーイッシュな女の子(オレっ娘)。
しのぶより胸が大きい様子。
作中で一番女子にモテ、多くのフラグを立て百合状態によくなるが本人は普通の女になりたがっている。
変態親父といつも喧嘩している。
ちなみに後述する親父の担当声優とはリアルで同じ劇団出身で、その所為か同じ頃某教育番組で似た様な声の埴輪王子と馬が仲良くやっていた。

■竜之介の親父
CV:安西正広→大川透
浜茶屋の跡取りにするために竜之介を断固男だと主張する、まさこ詐偽など非常にぶっ飛んでおり作中では変態熱血親父と呼ばれたりした。
この二人が出ると主役を食うほどの活躍をしてしまい、また人気が高かったため作者の続編『らんま1/2』でらんまこと早乙女乱馬とその父玄馬として生まれ変わり主役になった。

■おユキ
CV:小原乃梨子/早見沙織
ラムの友人で、常に冷静な海王星の女王。
酷薄な守銭奴で雪女。

■弁天
CV:三田ゆう子/石上静香
やはりラムの友人。喧嘩っ早い福の神。
OVAでは本作品唯一の乳首が…
2022年度版の声優は『境界のRINNE』にて四魔れんげ役を演じた。

■ラン
CV:井上瑤→小宮和枝/花澤香菜
ラムの友人兼幼なじみ…だがラムの天然ボケで被害に巻き込まれる&片思いしてたレイを奪ったラムに今も恨みを持っている。普段は「ランちゃんこわ〜い」などとぬかすぶりっこだが本性は「ワシお前に恨みあるんや!」と怒鳴る性悪という二面性を持つ。
弁天とともにOVAでは本作品唯一の乳首が…

■レイ
CV:玄田哲章小西克幸
ラムの元彼のイケメンだが牛に変化する。ランに惚れられている。
基本二言以上喋らない。食欲の塊。今もラムに未練タラタラだが食欲優先なのでランが餌付けして自分とデートさせている。

■面堂了子
CV:小山茉美井上麻里奈
面堂の妹。カオスな当作品をそのまま人格化したのが了子。原作者にすら「今で言うサイコパス」扱い。
とにかく兄を困らせるのが好きな歪んだブラコンで、兄や兄そっくりで言うことを聞くあたる、婚約者のトンちゃんなどをイジメ抜き、ロケットで宇宙に打ち上げ喜ぶという訳が分からない性格をしている。

■水乃小路飛麿
CV:井上和彦島田敏
面堂のライバル。通称トンちゃん。サイコパスな婚約者と鋼鉄の妹を持たされた不幸な人。
全裸の妹に風呂場で迫られるこれなんてエロゲ状態の大変うらやましい御方だが本人は嬉しくないので鼻血を流しながら妹をさとしている。

■水乃小路飛鳥
CV:島本須美
飛麿の妹。アルフォンスのような鎧を着てお兄様と迫るが中身は美少女。兄と結婚できなくても兄に迫るブラコン。素手で戦車を解体する。
極度の男性恐怖症(あたるのせい)。

■温泉マーク
CV:池水通洋/三宅健太
友引高校教師。背広の柄から温泉マークと呼ばれている。彼のクラスが作中に出た時はほぼ授業は崩壊する。

■あたるの父
CV:緒方賢一/古川登志夫
色々な意味で騒動を呼んでくる息子を持つ平凡な中年男性。
1981年版の担当声優はこの後『らんま1/2』・『犬夜叉』と高橋作品に出演し、サンデー繋がりか『名探偵コナン』でもレギュラー出演している。
2022年版では見ての通り81年版であたるを演じた古川氏が演じるため、新旧あたるの共演となった。

■あたるの母
CV:佐久間なつみ/戸田恵子
息子の周りで騒動が起こるたび「産むんじゃなかった…」と嘆く平凡な主婦。
押井監督によるオリジナル回『みじめ! 愛とさすらいの母!?』では主役となり、奇妙な夢現と謎の少女に翻弄される。

■白井コースケ
原作でのあたるの悪友。アニメのパーマ(CVは『めぞん一刻』の五代と同じ)とは別人だが役割は同じ。

■メガネ
CV:千葉繁/佐藤せつじ
漫画&2022年版だとモブだが、旧アニメではパーマ、カクガリ、チビの4人で結成した『ラム親衛隊』隊長かつ最高幹部会議長として大活躍。哲学者のような思考回路を持ち、文学的な言い回しをする。本名はサトシ。
昭和版では監督押井守が声優千葉繁をモデルにして作り上げ、その極端なキャラクターは千葉のアドリブによって構成されているらしい。
脚本などが出来てなくスタッフが千葉に勝手にやらせたのが、かの有名な家の屋上でラムへの愛を叫ぶである。
彼の雄姿が見たい方はニコ動へ。

■だっぴゃ魚人
cv:???
背景やモブキャラとしてよく登場している、水中用スーツを着てサングラスをかけた謎の半魚人。
高橋留美子のデビュー作「勝手なやつら」に登場した半魚人が元ネタ。
犬夜叉では彼(?)と良く似たナマズの妖怪が登場する。


アニメ

1981年版

スタジオぴえろ制作、途中からスタジオディーン。
OP・EDともに南家こうじが作ったものが多く、当時はとても斬新だった。
特に一番最初のOPである「ラムのラブソング」は、誰もが一度は聞いたことがあると思われるほど有名。
また、最近でもよく見かけるキャラが踊るOP・EDの元祖と言われることもある。友引高校が木造建ての時計台っぽい校舎なのは実はこの旧アニメ版のみ。

実は監督(前半)が押井守だったりする。

○留美子vs押井

アニメ初期は数字が悪く、原作の良さが生かされていないなど当時のヲタに叩かれた。しかしある回によりそれが無くなる。
それはラムとあたるのクリスマスの話(アニメ第19・20話「ときめきの聖夜」)で、これが非常に出来が良かったために視聴率がV字回復したのである。
そのまま放送延長が決定し、劇場版「うる星やつら オンリー・ユー」も制作されこちらもヒット。名実共に大人気アニメとなった。

☆アニメはアニメ

それからは徐々に押井とスタッフの暴走が始まる。
元々原作に追いつきつつあったので15分2話→30分1話に変更、そしてアニメオリジナル回も沢山制作されたが、その内容が30分パロディ演出のみの回、突然別次元に突入、背景にまったく関係ない他作品のキャラ、作画監督の味付けにより各回、シーンごとに絵柄が変わる、モブキャラであった「メガネ」の大活躍、登場人物全員がトリップして一話やるなどやりたい放題。
特に「みじめ!愛とさすらいの母!?」に至ってはあまりにぶっ飛び過ぎて押井は社長に呼び出され
「何やってもいいが訳が分からないものは作るな」
と怒られた。
そしてその路線の極みが「劇場版うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」に繋がるのであった。
原作者、高橋留美子氏は「押井さんは天才。『お客さん』として楽しませていただきました」というかコメントを傑作、うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーに残している。

☆原作通り?

しかし押井は売れっ子になり、TVアニメ&劇場版のスケジュール&上からの苦情にうんざりした結果降板。『天使のたまご』などに移っていき、監督が中核スタッフのやまざきかずお氏に変更された。
ここから基本方針が原作重視に変わるが、メガネ達の出番は継続、「うる星やつら」を描きたくて募ったアニメスタッフの情熱によってある意味押井時代とも原作とも異なるカラーの「うる星やつら」になっていった。
絵柄も目が大きくなり安定するようになってきたが、この頃からラムの瞳がツリ目→タレ目気味になっている。

原作通りかアニメはアニメでやるのかは今のアニメ界でも問題だがこの頃からこうした葛藤はあった。

その後は原作ストックが限界に達し同作者の「めぞん一刻」をアニメ化する為にTVシリーズは終了した。

また、TVシリーズ〜「完結編」の合間にOVAが11本制作されたがこちらと「完結編」はTVシリーズとスタッフが異なっている。

映画もTVシリーズ放送中は4作、全6作が製作された。
原作最終回をアニメ化した「完結編」以外は全てアニメオリジナルストーリーである。
「うる星やつら オンリー・ユー」
「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」
「うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラブ」
「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー」
「うる星やつら 完結編」
「うる星やつら いつだってマイ・ダーリン」
特に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』は、押井作品の最高傑作と評されるほど。
しかし、この作品が押井と高橋の決別を決定づけるものとなった。
前作の「オンリー・ユー」では高橋も絶賛していたのだが……
ちなみに「オンリー・ユー」と「ビューティフル・ドリーマー」の間に1作、「うる星やつら5」が制作段階では存在した。

2008年には高橋留美子画業40周年記念で久々に未アニメ化エピソードをアニメ化した新作OVAがらんま、犬夜叉と共に制作され、オリジナルキャストが集結したがスタッフ&制作スタジオはオリジナル、旧OVAとは異なり設定も友引高校がコンクリ建て、ラム親衛隊が未登場でコースケが出現するなど原作寄りで作られている。

完全に余談だが、初のアニメ化前に経営が不味くなり始めた円谷プロで実写特撮ドラマ企画が立ったことがある。企画書だけで中止になったようだが作られていたらこの作品の歴史は大きく変わっていただろう。

2022年版

時は移って2022年・寅年。
かつてテレビアニメを放送していたフジテレビから深夜アニメ『ノイタミナ』枠で再アニメ化決定!!
アニメ制作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのdavid production。
第1期は同年10月に放送、原作から選び抜かれたエピソードを4クールにわたり放送するとのこと。スタッフ、スタジオ、キャストも全て一新である。
再び15分2話構成となっており、時代設定もそのまま昭和である。
原作をベースに制作する予定のため旧アニメ時代の設定は破棄されている。


後世の漫画界とアニメ界に与えた影響

突然エロい格好の人外美少女が現れて嫁になる、続々と美少女が登場するなどという展開はうる星やつらがもとになったものもある。
特にラムの影響は強く水着の美少女が空を飛ぶ、それが単行本の表紙などは衝撃的で、
今では普通だが当時ラムの姿はみるのにも勇気いるもので留美子スゲー状態だった。

ラノベの各属性はうる星やつらもやったことであり、
故に高橋留美子を賞賛する者がいる。
ちなみに当時はこのアニメを見れば必ず自分のタイプの女の子が見つかると言われた。



余談だっちゃ!

よくハーレムものの元祖と見られることがあるが、実際はそんなことなく、ほとんどの女性はあたるを嫌っている。
主要キャラで明確に好意を示し続けているのはラムくらいである。

作品の男は基本的に性欲と食欲の塊。女も我欲の塊。まさしく「うるせえやつら」しか居ないのである。

まったくオチがない作品としても有名。押井さん、オチてないですよ。




一生かけて追記・修正させてみせるっちゃ

いまわの際にやってやる

この項目が面白かったなら……\ポチッと/