登録日:2012/09/26(水) 14:26:10
更新日:2023/08/24 Thu 18:27:32
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「BF-大旆(たいはい)のヴァーユ」
遊戯王OCGに存在するカードの一つ。
《BF-大旆のヴァーユ》
チューナー・効果モンスター
星1/闇属性/鳥獣族/攻 800/守 0
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、S素材にできない。
(2):このカードが墓地に存在する場合、
チューナー以外の自分の墓地の「BF」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターとこのカードを墓地から除外し、
その2体のレベルの合計と同じレベルを持つ
「BF」Sモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
【概要】
BFのカテゴリに属するレベル1のチューナー。
しかし、チューナーでありながら
フィールドに存在する限りS素材にできないというデメリットを持つ異色のカードである。
(2)の効果を考慮しなければ使い道は「ゴトバ」や「烏合無象」の弾くらい。効果が効果だけに本気で使い道が限られる。
だが、そんなこいつも墓地に行くと本領発揮である。
墓地のこのカードと、チューナーでない他のBF1体を除外する事で、EXデッキからシンクロモンスターを呼び出す効果を持つ。
効果は無効になるものの、2500打点を上回るシンクロBFは多いので、
1ショットキルに貢献してくれる。
「
疾風のゲイル」や「
極北のブリザード」と違い状況を選ぶものの、
ヴァーユ主体のデッキ【墓地BF】は
第6期当時の環境デッキであり、「
黒い旋風」が規制された後のBFのスタンダードになった。
また、【墓地BF】はギミックそのまんまに【ファンカスノーレ】に出張し
『全体除去しながらアドを取り、シンクロモンスターを並べる』と言う意味不明なインチキデッキのキーパーツになった事もあった。
しかし、除外された「ヴァーユ」を墓地に戻すために使われていた「異次元からの埋葬」は2010年3月1日の改訂で
制限カード入り。
最終的に【墓地BF】も【旋風BF】同様に勢力を失うことになってしまった。
【その後】
長らく影の薄い存在となっていた彼だが、2017年7月1日の改訂で「異次元からの埋葬」が準制限、同年10月1日には無制限となった。
相対的なカードパワーの見劣りは否めないものの、かつての【墓地BF】の戦術は再び可能になったといえる。
2018年1月1日付けで
新マスタールール以降の【旋風BF】のキーカードであった「隠れ蓑のスチーム」が
制限カードとなった。
そのリペアとして注目されたのがこのヴァーユであり、あまり相性のよくなかった【旋風BF】に1、2枚搭載されるという事態になった。
「LINK VRAINS PACK」で登場したリンクモンスターの「
水晶機巧-ハリファイバー」は「チューナー1体以上を含むモンスター2体」という緩い召喚条件となっている。
リンク召喚ならばS素材にできないデメリットは関係なく、手札に来ても素材として墓地に落とすことができる。
さらにレベル3以下のチューナーを効果を無効にしてリクルートできるため、ヴァーユの効果で出したシンクロBFと簡単に次のシンクロに行える。
「ヴァーユ」+「クリス」or「ブラスト」で「ハリファイバー」+「
クリスタルウィング」を出せる。
1、「ヴァーユ」を召喚し、「クリス」or「ブラスト」を特殊召喚。
2、この2体で「ハリファイバー」を
リンク召喚。適当なレベル3チューナーをリクルート。
3、墓地の「ヴァーユ」と「クリス」or「ブラスト」を除外し、「ソハヤ」を特殊召喚。
4、レベル3チューナーと「ソハヤ」で「
クリスタルウィング」をS召喚。
↑に特殊召喚可能なモンスターがもう1体いれば、相手フィールドのカードを2枚割った上で
1ショットキルできる。
1、「ヴァーユ」を召喚し、「クリス」or「ブラスト」、適当なモンスターAを特殊召喚。
2、「ヴァーユ」とAで「ハリファイバー」を
リンク召喚。「スチーム」をリクルート。
3、墓地の「ヴァーユ」と「クリス」or「ブラスト」を除外し、「ソハヤ」を特殊召喚。
4、「クリス」or「ブラスト」と「スチーム」で「ライキリ」をS召喚。「スチーム」の効果で「スチームトークン」を生成。
5、「スチームトークン」をリリースして「スチーム」を蘇生。BFモンスターが他に2体いるので「ライキリ」で2枚まで破壊。
6、「スチーム」と「ソハヤ」で「
クリスタルウィング」をS召喚。再び「スチームトークン」を生成。
7、「スチームトークン」と「ハリファイバー」でLINK-3の「ガイアセイバー」を
リンク召喚。
8、3000+2600+2600=8200で
1ショットキル達成
1、「旋風」を発動し、「ブリザード」を召喚。効果で「ヴァーユ」をサーチ。
2、「クリス」or「ブラスト」を特殊召喚し、レベル6の「ノートゥング」をS召喚。
3、召喚権が増えているので「ヴァーユ」を召喚し、「オロシ」をサーチ。そのまま特殊召喚。
4、「オロシ」と「ノートゥング」で「ホーク・ジョー」をS召喚。墓地の「ノートゥング」を蘇生。
5、「ヴァーユ」と「ホーク・ジョー」で「ハリファイバー」を
リンク召喚。「スチーム」をリクルート。
6、墓地の「ヴァーユ」と「クリス」or「ブラスト」を除外し、「ソハヤ」を特殊召喚。
7、「スチーム」と「ソハヤ」で「
クリスタルウィング」をS召喚。「スチームトークン」を生成。
8、「スチームトークン」と「ハリファイバー」でLINK-3の「ガイアセイバー」を
リンク召喚。
9、3000+2600+2400+800=8800で
1ショットキル達成。
単に打点目的でレベル7の「ライキリ」「チドリ」「ホーク・ジョー」(攻撃力2600)やレベル8の「シルバー・ウィンド」(攻撃力2800)を呼び出しても強力。
元々ポテンシャルの高いカードではあったが、思いもよらぬ形で性能を引き出された恰好となった。
【効果処理の解説】
遊戯王OCGを知らない人には難しい話になるため、興味が無いなら飛ばしてくれて構わない。
ヴァーユは割と特殊なモンスターなので3つだけ解説しよう。
どういうことかというと蘇生制限のルールに引っ掛かってしまうのである。
正規の方法(この場合はS召喚)で出されていないため、蘇生や帰還ができない。
そのため、「一度ヴァーユで出したモンスターは使い切りと思った方がいいだろう。
また、ヴァーユで「孤高のシルバー・ウィンド」を出す場合「ヴァーユ+レベル7のBFモンスター1体」で出して良い。
シルバー・ウィンドのシンクロ素材は3体要るのだが、ヴァーユ自身の効果だけで召喚するため、素材の数は無視できる。
2、自身と他のBFモンスターを除外するタイミング
(2)の効果で素材を除外するのは、効果を発動する時のコストではなく、効果を解決する時に行う処理。
これがどういう風に重要かというと、特殊召喚のカウンターに強いのである。
相手が「ヴァーユ」の効果を止めたい場合、当然「ヴァーユ」の効果にチェーンしてカウンターしてくるのだが、
「ヴァーユ」の効果にターン1制限はなく、効果発動時に素材を除外しないため、
効果を止められてももう1度効果を発動できるのである。
よって「神の警告」や「神の通告」など、モンスター効果を止めるカードには滅法強い。
「
弾圧」が現役の頃はこの点で併用が可能であり、【墓地BF】のメリットの1つとなっていた。
ただし、出したシンクロBFを「
奈落」や「
激流葬」で除去するのは当然可能なので、油断しないようにしよう。
3、S素材にできないデメリットの効果分類
このテキストはいかなる場合も無効にできない「効果外テキスト」ではなく、「永続効果」と呼ばれるモンスター効果である。
何が違うの?と遊戯王知らない人は思われるかもしれないが、
仮に『ヴァーユ自身の効果を無効にするカード』があった場合普通にチューナーとして使えると言う事。
おかげで「
シュラ」とのコンボが成立する。
てかシュラでリクルートできるレベル1チューナーは空風のジンと選択になるのだが、
墓地に行ってもヴァーユは役に立つどころか墓地に行ってこそ本領発揮なのでこのカードの存在が空風のジンの存在をソスにしている。
後に、明らかにヴァーユ封じの召喚条件ながらも墓地で仲良くアームズを出せるグラムと言うシンクロが出た為、
墓地型どころか相性が悪いハズの旋風型でもヴァーユを事故承知でピン差ししている人も増えた。
……ジンは今泣いていい。
ちなみに、同じ
BFの「東雲のコチ」は特殊召喚したターンにS素材にできないデメリットを持っているが、
こちらは「効果外テキスト」という分類なので
いかなる場合でも無効にできない。
ややこしいが、
第9期以降のテキストでは、モンスター効果にのみ番号が付くようになったので、見分けることは容易になった。
もしルールに自身が無い人はなるべく新しいテキストのカードを使うといいだろう。
【相性の良いカード】
シュラでリクルートしてヴァーユを出すと、デメリットが無効になるのでS素材として使える。
墓地型とシュラ、旋風型とヴァーユは噛み合いが悪いため、無理に一緒のデッキに入れるのは無理があるが、
いざとなったら「闇の誘惑」で除外できるため、ピン差しなら悪くないかも。
新マスタールール以前ならばリクルートした「ヴァーユ」と「ソハヤ」をS召喚し、「ヴァーユ」の墓地効果で別の「ソハヤ」を出すことで、
「
スタウォ」や
ランク5を狙うことができた。
しかし、EXモンスターゾーンに関するルールの関係でこのコンボはやりにくくなっている。
とりあえず手札に来たら事故以外の何者でもない以上、墓地に落とせるカードがあるなら優先的に落とそう。
手札事故回避策その1。
手札のヴァーユを処理するカードである。
手札のヴァーユ処理方法その2。
ヴァーユはフィールドや手札で使いにくい以上誘惑の弾にして構わない事も少なくない。
墓地で効果を使い切ったり誘惑の弾にしたヴァーユを使い回すカード。
アームズウイングを並べてバウンサーをエクシーズしたりアーマードウイング並べてビックアイ出したりと、エクシーズと相性抜群。
もちろん鳥獣族なので弾になる。
手札に来たヴァーユを有効活用可能。
安定の闇変態。
手札のシロッコorヴァーユを処理しつつ墓地肥やしができる。
追記・修正はファンカスノーレに墓地型BFにギミック突っ込んで、ノーレコピーしたファンカスぶっ放してからのアームズウイングやアーマードウイング出しまくった人にお願いします
- コイツの墓地効果は起動効果だから弾圧BFとかいう意味の分からんデッキもあったな -- 名無しさん (2013-12-27 17:32:07)
- 当時はライロBFなんてのもあったな -- 名無しさん (2014-05-19 20:36:19)