登録日:2011/05/04(水) 07:18:29
更新日:2024/04/12 Fri 20:40:28
所要時間:約 28 分で読めます
Fateシリーズで登場する用語。あらゆる願いを叶えるとされる聖杯を手に入れる為の競争行為を指す。
菌糸類曰く、「聖杯とされるものが出品されたオークションだって聖杯戦争」。
◆冬木の聖杯戦争
7人の魔術師(マスター)が
サーヴァントを召喚し、聖杯を巡って繰り広げる争奪戦。
召喚されるサーヴァントが7騎である理由は、ガイアの抑止力であるプライミッツ・マーダーの制御に必要な守護者の数が7体なのと合わせているから。
主宰は
魔術協会だが、仮にも「聖杯」を巡った戦いである以上
聖堂教会から監督役が派遣されている。
神霊は霊格が余りにも高くて降霊させることすら出来ない(凛曰く「神霊レベルの現象を再現出来るなら聖杯など最初から必要ない」)。
ヘラクレスやメドゥーサ等、神に昇格される前や降格された後の状態が存在する者であれば召喚は可能となる。
聖杯という概念が西洋に由来する為、西洋と無縁の英霊は召喚できない。
アサシン(Fate)は、メディアが稀代の魔術師として捻じ込んだ、英霊ですらなくそれに偽装したその辺の亡霊である。
もろにイスラムなハサンやオリエント系のギルガメッシュ、果てはインドのカルナが召喚出来る事につっこんではいけない。
なお、同じ英霊でもそれぞれ別のクラスでなら召喚可能。
例を挙げるとヘラクレスはキャスター以外のクラス適正があるので、キャスター以外のクラスなら別のクラスで召喚されていても、また別のクラスで召喚が出来る。
元は第三
魔法「
天の杯」を再現する為の儀式だったが、途中から聖杯の争奪戦に変わった。
1800年頃、ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン、遠坂永人、
間桐臓硯(マキリ・ゾォルケン)が創立した。
アインツベルンは聖杯の器、遠坂は土地と降霊魔術の術式(当代が降霊術の大家
ゼルレッチに師事していたため)、マキリ(間桐)は令呪等使い魔制御の術式を提供し、ここから始まりの御三家と称している。
徳川家リスペクト?
冬木の地を儀式の場所として選んだのは教会の目に届かない極東の地だからとのこと。それに加えて、冬木ほどの優れた霊地で魔術協会が掌握していない土地は極めて珍しい。
冬木でも魔法を発動させるには条件が揃わず、それを補う為に世界の外に繋がる孔を穿つ必要がある。それが聖杯戦争のそもそもの意義だった。
その完成度は、あの
英雄王をして「このシステムを考えた奴は間違いなく神域の天才だろうよ」と賞賛せしめた程。
当初こそ目的は「第三魔法による人類救済」で一致していたが、今ではそれぞれ迷走している。
アインツベルンは動機が形骸化しており、儀式の完遂だけを求めている。
間桐、というより間桐臓硯は第三魔法による不老不死だけを求めている。
遠坂は5代目である
遠坂時臣の時点で、世界の外にある
根源への到達だけを求めている。
6代目の
遠坂凛に至っては先代の早死にのせいで引き継ぎがなされず、単なる聖杯の争奪戦と信じ込んでいた。
実は聖杯と名の付くものは2つある。
■聖杯の器(小聖杯)
アインツベルンが聖杯戦争の度に用意する器物。形は何でも良い。
五次では
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの心臓。接続先がホムンクルスなら黄金の聖杯に、魔術回路がある人体なら青銅の聖杯に、
魔術回路が無い人体なら増える肉塊になる。
サーヴァントが敗れて魔力の塊になると、聖杯の器はこれを回収する。
5騎分の魔力が集まれば
キャスター(Fate)の死者蘇生に使え、6騎分なら世界の内側で完結する願いは何でも叶うと見られている。
7騎を集め終えると、大聖杯を完全に起動させ、根源に至る孔を開く儀式を執り行う仕組みとなっている。
集め終える前に壊れた場合、聖杯戦争は失敗に終わる。
■大聖杯
柳洞寺の地下大空洞にある魔法陣。これがある限り、何度でも聖杯戦争は開催される。
中心にはユスティーツァが納まっているが、魂は完全に昇華されており大聖杯に意思と言えるものはない。
大聖杯はサーヴァント7騎を喚び出すに足る魔力を50-60年かけて土地から吸い上げる。
そしてマスターを介してサーヴァントを召喚し、聖杯の器に回収させる。
7騎分集まったら、聖杯の器からそれを受け取って世界の外へ一気に放ち、できた孔を固定する。孔の向こう側には人間には使い切れないだけの魔力があり、これも願いを叶える力になる。
集まり切らない内に聖杯の器が壊れた場合、聖杯の器から集めた分を受け取り、単なる魔力として貯蔵する。
マスターは始まりの御三家を優先し、聖杯を必要とする者から選抜する。選ばれた者は後に
令呪になる痣を与えられる。
召喚する英霊を選ぶ基準は英霊の座にアクセスし、触媒がない場合、最もマスターに近い英霊を全英霊から召喚する(
雨生龍之介と
キャスター(Zero)が該当する)。
触媒がある場合はその触媒に対応する英霊が出現。複数の英霊に対応する触媒の場合、その中から最もマスターに近い英霊が出現する。
マスターのサーヴァント維持のバックアップも兼ねているので、聖杯戦争が終了したらバックアップも終了する。聖杯戦争終了後もサーヴァントを現界させるのは困難。
イリヤのように聖杯のバックアップも無く上級の英霊を召喚して何ヶ月も維持、などと言う行為は、並の人間から見れば正気の沙汰ではない。
魔術師として並外れた凛でも、すぐに魔力が枯渇してしまう程に魔力消費が激しいらしい。
後述するが、第三次で汚染された為本質の万能の無色の力が悪性の力の渦に変貌しており、願望機として使えば、その願いを破壊する方向で叶える欠陥品になってしまった。例外として
キャスター(Fate)程の魔術師ならば元の万能の願望機として扱う事が出来る。
この汚染により、本来なら召喚されない反英雄としての面を持つ英霊(
エミヤ、
メドゥーサ、
メディア、
ジル・ド・レェ等)が召喚可能になった。
冬木の聖杯戦争は儀式として完成度が非常に高く、その後に発生した聖杯戦争の参考にされている。
●第一次聖杯戦争
1810年頃に行われた。しかし、碌にルールが規定されていなかった為に、参加者のマスターとしての自覚が希薄だった。
そのうえ令呪が存在しなかったのでサーヴァントが命令に従わない等の問題も発生。儀式の体を成さず失敗した。聖杯降臨の地は柳洞寺。
当時は唯の儀式で聖杯戦争とも呼ばれていなかった。
◆参加者
詳細不明
●第二次聖杯戦争
前回の失敗を踏まえ、令呪システムを完成させた。降霊の地は遠坂邸。
報酬として知識を与える約束で招かれた外来の魔術師たちも、御三家の決裂を知ってサーヴァントを自害させずに参戦。
アインツベルン相談室によると「ロクにルールの無い殺し合いで全滅した」らしい。
◆参加者
詳細不明
●第三次聖杯戦争
1930年頃、第二次世界大戦前夜に行われた。聖杯降臨の地は冬木教会。
前回の反省を踏まえて、細かいルールを決め、更に今回から教会から監督役を招く事にした。
小聖杯を巡り帝国陸軍やナチスを交え、
冬木市ではなく帝都で戦いが繰り広げられたが、勝者が決まる前に小聖杯が破壊されて失敗。
この反省から第四次、第五次聖杯戦争の器には自己管理能力を備えたヒトガタ(
イリヤスフィール、
アイリスフィール)の包装を施すようになる。
但し取り込む英霊の魂が増えると行動不能になる欠点がある。
エーデルフェルト家も参加したが、仲間割れをして早々に敗退したとされる。
……え? セイバーのクラスは常に終盤まで残ったはず?
まあ、再契約でもしたか、そもそもこの聖杯戦争が小聖杯の破壊でアッサリ終わってしまったから「早々」の時点でもう終盤に差し掛かっていたのかだろう。
何度も失敗を繰り返したことで、大聖杯に狂いが生じ、アインツベルンによる
アヴェンジャーの召喚が追い討ちをかけた。
アヴェンジャーは「この世で唯一の悪であれ」という願いだけで英霊になった為、聖杯の器に回収された時、大聖杯はこれをやっと来た願望と認識、
進んで自らの内に取り込み、「この世全ての悪」を生み出そうとする。またこの後に新しく願いがかけられたとしても、人を殺す形で叶える様になった。
臓硯だけは大聖杯の異状に勘付いていたが、確信は持てず、第四次聖杯戦争まで様子見することになる。
◆参加者
その他には間桐家が当て嵌まると思われる。
●第四次聖杯戦争
『
Fate/Zero』参照。1994年11月頃に行われた。
聖杯降臨の地は前述の3箇所が候補だったが、過去3度続けられた聖杯戦争の影響で新たに候補地として出来上がっていた新都の一角が
言峰綺礼によって選ばれた。
◆参加者
◆監督役:言峰璃正→言峰綺礼
●第五次聖杯戦争
『
Fate/stay night』参照。2004年2月2-15日に行われた。サーヴァントの召喚自体は約2ヶ月前から始まっている。
歴代の冬木の聖杯戦争の中でも最もサーヴァントのレベルが高いと言われている。
言峰綺礼は第四次聖杯戦争を経ていれば必ず死ぬ。
◆参加者
◆監督役:言峰綺礼
●夜の聖杯戦争
『
Fate/hollow ataraxia』参照。2004年10月8-11日の出来事。
繰り返す4日間で行われる、「第三次聖杯戦争の再現」にして「第五次聖杯戦争の延長戦」。
アヴェンジャーとそのマスターであるバゼット、聖杯の器かつサーヴァントを剥奪されたイリヤ以外は、おそらく自身が参戦していることに気付けていない。
参加者
- アヴェンジャー:バゼット・フラガ・マクレミッツ
- セイバー:遠坂凛(?)、間桐桜(?)
「昼間のアンリマユ」である衛宮士郎以外のマスター、ランサーと第三次では召喚されていないバーサーカー以外のサーヴァントは全て参加していると思われる。
●聖杯戦争の解体
2010年頃、遠坂凛とロード・エルメロイⅡ世(
ウェイバー)が冬木の聖杯戦争を解体しようと試み、
大聖杯復活を企む協会側と対立するが、聖杯戦争に匹敵するほどの大騒動の末に解体され聖杯戦争は終結したらしい。
また衛宮切嗣が「保険」として大聖杯がある地下洞窟に爆薬を仕込んで地脈をいじり、数十年後に地脈に溜まった力が爆発するようにしている為、
解体に失敗したとしても第六次聖杯戦争は発生しない(本来は第五次聖杯戦争を阻止する為に仕掛けたが、予定より大幅に開催が早かった為に防げなかった)。
誰かが冬木の聖杯戦争の技術を模倣し、アメリカ・スノーフィールドにて再現させたモノ。
但し不完全な模倣なので欠陥があり、セイバーのクラスが欠け、選ばれる筈のないサーヴァントが呼び出されている他、本来マスターになり得ないモノにまで令呪が宿るという現象が確認されている。
どうやら「偽の聖杯戦争」は「真の聖杯戦争」の呼び水となるものであるらしく、「偽」の開始後「真」に参加するサーヴァント6柱が追加で召喚されている。
◆参加者(偽)
◆参加者(?)
◆参加者(真)
◆乱入者
◆監督役:ハンザ・セルバンテス
舞台は『Fate/stay night』の平行世界で、第三次聖杯戦争でアインツベルンがアヴェンジャーではなくルーラーのサーヴァントを召喚して分岐した。時間軸は第三次聖杯戦争の60年後。
「Fate/Apocryphaの第三次聖杯戦争」は熾烈な闘いの末にダーニック・プレストーン・ユグドミレニアが冬木の大聖杯を奪い取り、行方不明になり終結。
数十年後にルーマニアで設置された大聖杯が発見され、ユグドミレニア一族と魔術協会の大聖杯を巡る闘いを描いている。
アヴェンジャーが召喚されていないため、大聖杯は本来の機能を維持している。ジャック・ザ・リッパーなんて明らかな反英雄を召喚できてるけど
大聖杯にはマスター達が徒党を組んで聖杯戦争が立ち行かなくなった時、新たにサーヴァントを召喚するための予備システムが存在することが判明。
ユグドミレニア一族の「黒」の陣営と、魔術協会の「赤」の陣営。サーヴァントが7騎ずつ別れてかつてない大規模なものとして「聖杯大戦」と呼ばれる。
更に監督役として
ルーラーのサーヴァントが召喚されていて、全てのサーヴァントの令呪も所有している。
この聖杯大戦では14騎という大量のサーヴァントを召喚可能になっているが、これはユグドミレニアが改良を施した訳ではない。
冬木の霊脈もトゥリファスのそれがより優れているお陰でより膨大なマナを蓄積し易かった、という理由もあるが、大聖杯によるマスターへのバックアップの程度を減らし、マスターへの負担を増大させて召喚可能な上限を引き上げたのも一因。
そのため、二流魔術師程度だとサーヴァントを召喚するだけでもかなりの疲労を覚える羽目に。
また外部に大聖杯が出た影響もあって冬木の儀式の術が部分的に流出してしまい、各地で同様の聖杯戦争が起こって聖遺物の奪い合い等の事態に発展している。
ただし「根源に向けて孔を穿つのに必要な英霊の魂が7騎」という肝心な点等は魔術協会の上層部以外は知らず、多くて精々5騎のサーヴァントによる大抵の願いは叶えられる範疇に留まる擬似聖杯を奪い合う、という比較的小規模なものに留まる。
平行世界なので、大体の人物が『Fate/stay night』とは異なった経緯を辿っている。
衛宮切嗣:アインツベルンと関わらない。
衛宮士郎:切嗣に拾われず、姓も元のまま。性格は『カプセルさーばんと』のシロウに近い。
遠坂凛:遠坂家が聖杯以外での根源到達に転針した為か、高校生の頃には魔拳使いになっている。桜と士郎を巡ってラブコメするとか。
間桐臓硯:大聖杯を奪われたことで廃人になった。間桐家自体も魔術師としてはほぼ断絶。
間桐桜:間桐家の代わりにエーデルフェルト家へ養子に行った。凛が高校生になる頃、お嬢様笑いをするプロレスラーとして来日する。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン:切嗣がアインツベルンと関わらないので生まれない。アインツベルン自体は健在で、ムジーク家に技術提供をしている。
言峰璃正:第四次聖杯戦争が無いので幾らか長生きしたが、作中では病死している。第三次聖杯戦争の縁で、シロウを養子にする。
言峰綺礼:冬木で神父をしている。自分の本性のことで開き直っていない。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト:何らかの経緯で悲惨な状態で帰って来た。
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ:本作で初めて登場した。『
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』同様、エルメロイ家の跡継ぎ。生まれ年が早くなっていると思しい。
ブラム・ヌァザレ・ソフィアリ:本作で初めて登場した。『Fate/Zero』同様、ソフィアリ家の跡継ぎ。
ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ:『Fate/Zero』同様、ケイネスの婚約者。
ウェイバー・ベルベット:ロード・エルメロイⅡ世として登場。生まれ年が早くなっていると思しい。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト:凛が高校生になる頃、桜と来日する。
フラット:エスカルドス:『Fate/strange Fake』同様、ロード・エルメロイⅡ世の生徒。生まれ年が早くなっていると思しい。
◆聖杯大戦参加者("赤"の陣営)
◆聖杯大戦参加者("黒"の陣営)
◆聖杯大戦参加者(ルーラー陣営)
- ルーラー:レティシア(マスターではなく「憑依」というかたちでのイレギュラー召喚)
- "黒"のセイバー:ジーク(マスターではなく「融合」という形で霊基を引き継いでいる)
- "黒"のライダー:ジーク(マスターがジークに変わったことで、自動的にライダーもルーラー陣営に移籍)
◆聖杯大戦監督役:シロウ・コトミネ
舞台は『Fate/stay night』の平行世界で、1970年代の出来事をきっかけに分岐した。ゲーム中では2032年だが、『Fate/EXTRA material』では2030年になっている。
トーナメント形式で行われる、128体のサーヴァントと魔術師によるムーンセル(聖杯)の争奪戦。
本戦参加者を決める予選を含めれば、おそらく全聖杯戦争中最多の死者数。わかっているだけで1000人弱が死亡している。
ムーンセルに招かれた
魔術師は一時的に魔術師としての記憶を封印され、無意識のうちに
固有結界の一種である電脳世界「SE.RA.PH」にて、いわば「偽りの学園生活」の中で自身に与えられた役割を演じることになる。
しかし自分の本当の素性を思い出し学園生活から抜け出すことで、魔術師は初めて「マスター」となりサーヴァントと契約、聖杯戦争本戦への参加が許される。
なお、本戦参加者128名に入れなかった時点で他のマスター候補者は敗退、電脳死が確定する。
SE.RA.PHに於けるマスターとサーヴァントの繋がりは地上のそれとは比べ物にならない強固さであり、マスターが死亡するとサーヴァントも消滅するのは同様だが、逆にサーヴァントが消滅した時点でマスターも敗退とみなされ、これまた電脳死する。
ただしこれは「型月の原則」なので、当然
例外が存在する訳で……
ムーンセルの実態は月にある超高度演算機。制作者は不明だが、人類が理解出来るモノではないらしい。
ムーンセルは人類史の全てと平行世界をも観察、記憶しており、凄まじい演算能力であらゆる未来を操作する事を可能とする。
所有者はその演算能力を使う事で願いを叶うように導く事が出来る。その気になれば世界規模の戦争を起こす事や人類全てを死に追い込む事も可能。
特筆すべきは所有者は現代にいながらも過去の時間軸から都合のいい未来へと改竄出来る点であり、まさしく万能の力といえる。
こちらは人智を遥かに超えた力を持つので、あらゆる魔術基盤に基づく英霊を召喚でき、神霊レベルの現象も完全でなくともある程度再現出来る。
ムーンセルが存在するのは『Fate/EXTRA』系列の世界だけで、他の平行世界にはない。
朱い月のブリュンスタッドは存在しないが、それに相当する星の頭脳体が存在するという。
◆参加者(※一部)
『Fate/EXTRA』の並行世界……ではあるのだが、この世界ではそもそも聖杯戦争のシステム自体が過去のものとなっている。最も未来の3030年が舞台。
電脳死するほかなかったマスターは敗退後も契約さえ切ってしまえば生存が許されるようになり、その結果参加者だったマスター達はそのほとんどがサーヴァントを手放したことで、完全に聖杯戦争という枠組みが瓦解してしまっている。
その上「契約を切ればマスターは消滅せず、SE.RA.PHに存在し続けられる」という現象を利用し、シンジのように永劫朽ちぬ理想都市を作って滅びゆく人類の移住先にしようとした者も出ていた。
この他にも
- 本戦に参加する条件が「記憶を取り戻しサーヴァントと契約する」から「他のマスター候補を殺害する」に変更されている
- 安全地帯だった学園エリアが無くなり、階層すべてが戦闘空間であるアリーナ化。そもそも「階層」という概念自体アリーナにしかなかったもの
- 各階層は勝者になったものの次の戦場に向かわなかったマスター、通称「フロアマスター」によって管理されている。
フロアマスターはそれぞれの階層で一番戦績が優れていたものが自動的に選出され、残っているマスターが存在しない場合は、最も強かったマスターが蘇生されて「フロアマスター」となる。その場合、死者が生前のままに蘇る道理はなく「勝利にのみ執着する亡者」と化す場合もある
- 階層間の移動は上から下に降りる時限定でいつでも可能だが、下から上への移動には勝者になって「ムーンマイルラダー」に乗らなければならない。しかし現状対戦者になり得るマスターはフロアマスターのみな上に、フロアマスターが敗退すると管理していたフロアも消滅してしまう=人類が絶滅に近づく
- 存在しないはずの「129人目の参加者」が存在する
等々、数え切れないほどの差異が存在する。
なお聖杯戦争のルールが変更されたのは、
セイヴァーのサーヴァントの宝具『
天輪聖王』が原因らしい。
というのも、そもそもとして『EXTRA』とは前提となる部分がいくつか異なっており、階層とムーンマイルラダー、本戦への参加条件はこの世界では初めからこうであったもの。
また『天輪聖王』が聖杯戦争が崩壊した原因なのはその通りなのだが、むしろ
- トワイスの理想形に最も近かった岸波白野でさえトワイスの思想に同調せず、その上でセイヴァーに敗北してしまった。
- それを受けてトワイスは完全に人類の救済を諦め、ムーンセルを「滅亡の未来」以外観測しない運営方針に切り替えてしまった。
ことの二つが大きな要因。
第1話でハクノが居た最下層は「聖杯戦争予選会場」などではなく、過去の聖杯戦争予選からシミュレートされた「再現データ」に過ぎず、ハクノは真の意味では聖杯戦争に参加していない。あくまでその残骸を利用して上に上っていただけ。
因みに真っ当に成立していた最後の聖杯戦争は、間桐シンジらが参戦した1000年前の物が最後。
つまりフロアマスターたちは電脳世界で1000年以上、生き続けていることになる。
◆参加者
◆フロアマスター
◆敗者
◆???
舞台は『Fate/stay night』とは別世界で、設定は互いに独立している。敢えていえば第三次聖杯戦争で分岐している。時間軸は第三次の2年後、昭和20年夏。
日本帝国陸軍が外部から招いた魔術師により召喚された
魔人アーチャーが、逆に帝国軍自体を掌握。第三次聖杯戦争に参加、勝利し冬木の聖杯を奪取することに成功する。
彼女により聖杯自体の汚染が看破され、願望機としては使用出来ない聖杯を81のパーツに分解し再構築した事で、聖杯の魔力をあます所なく純粋な破壊力へと変換した八十一号聖杯爆弾が誕生。
この聖杯爆弾を巡り、新たに召喚された七騎の救国英霊達とドイツより強襲してきた人造英霊兵団ヘルト・クリーガーが戦いを繰り広げる。
◆参加者
舞台は『Fate/stay night』とは別世界で、設定は互いに独立している。イリヤの年齢やアインツベルン、凛とルヴィアの聖杯戦争に関する知識などは独自のものになっている。
アイリスフィールがイリヤを聖杯とすることを拒絶し、切嗣と彼女の手によって四次(恐らく)が未然に阻止された。切嗣とアイリは現在でも再発を防ぐため活動している。
美遊が元居た並行世界においては、エインズワースが二つの魔術師家系(間桐家ともう一つの魔術師家系)と手を結び儀式を作り上げた。
特に「英霊召喚システム」は特殊で「
クラスカード」を用いて自身の肉体を媒介にし英霊の持つ力の一端を写し取り術者自身が英霊と化す、
それが宝具召喚「
限定展開」と英霊召喚「
夢幻召喚」である。
そうした「偽英霊」が戦い勝者が聖杯を得る仕組みであった。
この世界でも4回聖杯戦争を失敗していて、第四次の時には町を飲み込む程の闇が発生し、その時にエインズワース家の先代当主であるザカリー・エインズワースは死亡、協力関係にあった他の二家は壊滅した。
三家の中でただ一人生き残ったジュリアン・エインズワースは、結果的に一人で聖杯戦争のシステムを掌握。魔力の枯渇とそれに代わる「謎の物質」の出現によって滅亡の危機に瀕した人類の救済を目的に、第五次聖杯戦争を起こす。
この聖杯戦争は最終的に本来は聖杯戦争の参加者ではないイレギュラーである衛宮士郎が勝利し、聖杯の器である美遊をイリヤの世界に逃がしてしまったことで失敗に終わる(その時に『stay night』の英霊が宿った8枚のクラスカードも一緒に来た)。
だが、美遊が並行世界に帰還したことで、美遊(とイリヤ)を聖杯として、ジュリアンは再び聖杯戦争を行おうとしている。
◆参加者(五次)※陣営毎に統括
◆監督役(五次):言峰綺礼
◆参加者(六次)※陣営毎に統括
舞台は『Fate/stay night』の元になった旧Fateを再構築した世界。
東京で2回開催。マスターは七つの天使の階梯、サーヴァントはそれぞれのクラスによって一位から七位までの階位に分けられる。
発端となったのは聖堂教会のある枢機卿が秘密裏に模造聖杯を持ち出し、極東の地で奇跡の再現を目論んだこと。
召喚された七騎の英霊の魂を呼び水にして更なる高位存在を呼び出す事で東京を聖都へと生まれ変わらせる事がその枢機卿の目的であるが、集められた魔術師達は聖杯は根源への架け橋となる願望器として売り込まれている。
つまり冬木の聖杯戦争の真の目的が隠れ蓑として使われているような状態。
しかしその聖杯の真の機能は「
『黙示録の獣』を召喚する事で逆説的に主の愛を証明する」というイカレたものであり、サーヴァントの魂のみならず多くの生贄を必要とする代物だった。
そして史上初の聖杯戦争において沙条愛歌の手によって聖杯は起動しようとしていたが、そのサーヴァントであったセイバーの手によって阻止された。『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』参照。
その8年後、本来開かれるはずのなかった第二の聖杯戦争が『Fate/Prototype』となる。
◆参加者(一次)
◆参加者(二次)
◆Fate/Labyrinthの聖杯戦争
正確には亜種聖杯戦争。『Fate/Apocrypha』との関連は不明。『Fate/Prototype』系列の登場人物が、『Fate/stay night』系列の世界に迷い込んだ形。
《
アルカトラスの第七迷宮》に設置された亜種聖杯によって英霊が召喚され、最奥の亜種聖杯に辿り着くことで亜種聖杯を入手する事が出来るとされる。
一度に召喚される英霊は四騎。この亜種聖杯戦争で召喚された英霊達は基本的にマスターを持たず、迷宮内に設置されたアイテムを入手することで魔力を補充する。
その実態はラミュロス(吸血鬼。人間が変貌したものではなく、元から吸血鬼として存在する幻想種の類)、ヴォルフガング・ファウストゥスが英霊の霊核を抽出し、それを捕食するために仕組んだもの。
『Labyrinth』本編では
セイバー、
アーチャー、
キャスター、
アサシンが召喚されていたが、これ以前にも何人かの英霊を捕食している。
スマホ版Fateたる本作では、
主人公は聖杯戦争には参加しない。
「魔術師が聖杯を求めて争う」聖杯戦争と違い、本作の舞台は世界を救うための「聖杯探求」である。
ちなみに設定上主人公と本契約しているのはあくまでも
シールダーのみで他のサーヴァントは仮契約に近い。必要な時に随時カルデアから呼んでいるらしく、肝心な時に的確なサーヴァントがついていなかったりもする。
召喚にはそのサーヴァントと「縁を結ぶ」事が必要で、ストーリーを進めることで縁が深くなり召喚可能になるサーヴァントもいる(=ガチャのラインナップに加わる)。
召喚に使用される触媒は、ずばりシールダーの保有する「キャメロットの円卓」である。
多くの英傑が誓いの儀式を行ったこの円卓-ラウンド-を加工したラウンドシールドこそが召喚の要であり、言ってしまえば数多の英霊を呼べるのはシールダーの恩恵。
大体の事態を知っていそうな
英雄王が「我を喚ぶとは運を使い果たしたな!」と言っているあたり、召喚できるかは運が大いに絡む模様(所謂ソシャゲのガチャ運を指している可能性も高いが)。
また
ナーサリー・ライムのように本来召喚されるはずの姿ではなく『前の召喚者』の影響を強く受けている者も多い。
姿を変えたら誰だか分からないというメタ的な話はともかく、召喚しているのは主人公という一個人ではなくカルデアの召喚システムというのが理由だろうか。
イベントストーリーではプレイヤーが所持していないサーヴァントも当たり前のように登場するため、
「馴染みのような顔してるけどあんたうちにいないでしょ
アルトリアさん!」となるプレイヤーも多い。
また、登場するサーヴァントのクラスに縛りもないため、それぞれ真名で呼び合うのが基本。
例外は、一部の『stay night』勢同士や互いに「セイバー」「ランサー」と呼び合う
ネロと
エリザベート、自分からクラス名で名乗っている
セイバー・リリィや
巌窟王くらいなもの。
しかし、1.5部からは『真名当て』が実装され、メインのストーリーを進めなければサーヴァントの真名が表示されず、それまでは『〇〇(初登場した特異点の地名)の〇〇(クラス名)』という表記になる。
またこちらの世界線でも本作の10年前に冬木市にて聖杯戦争が執り行われたらしい。
勝者は時計塔のロードにしてカルデアの前所長であるマリスビリー・アニムスフィアとそのサーヴァントのキャスター・ソロモン。
手に入れた聖杯にマリスビリーはカルデアの活動や開発のための資金を、ソロモンは人間への転生を願った。
後に冬木市での聖杯戦争の英霊召喚システムをもとにして、カルデアの「守護英霊召喚システム・フェイト」が造られた。
追記・修正は聖杯戦争を制してからお願いします。
- 反対意見もなかったようなので、コメント欄のリセットを行いました。 -- 名無しさん (2017-12-29 22:27:22)
- すげぇ、あのゴチャゴチャしてたのが見やすくなってる 編集乙 -- 名無しさん (2017-12-30 00:17:08)
- 偶然サーヴァントを召喚できてしまって巻き込まれてしまっただけの人間も少なからずいるけど、仮にそういう人間が棄権してサーヴァントを自害させて教会に保護されたとして、最後まで無事に生き残れるもんなんだろうか?監督役が言峰みたいな超武闘派であってもサーヴァントとまともにやりあえば勝ち目は無いだろうし… -- 名無しさん (2018-04-10 00:02:28)
- 棄権したら殺す必要もないんだしほっとかれるんじゃない? -- 名無しさん (2018-04-10 01:05:31)
- 令呪の再配布で再びマスターにならないように殺すんだとしても、下手したらルール違反で残存する全陣営から狙われる可能性あるしな。そんな低確率の特例のためにわざわざ棄権したマスター殺しなんてハイリスクローリターンにも程がある -- 名無しさん (2018-04-12 22:23:57)
- エクストラクラスがいない、サーヴァントが7騎だけ。と実はかなり真っ当に聖杯戦争やってる帝都聖杯奇譚。聖杯爆弾?あれはアインツベルンのせいだから…… -- 名無しさん (2018-06-30 14:46:10)
- 龍之介のご先祖様が参加したのは第二次かな? -- 名無しさん (2019-04-03 05:41:13)
- 一次二次三次もZeroみたく小説化して欲しい -- 名無しさん (2019-06-23 06:32:35)
- FGO2部以降のこと、Requiemのこと(“とある聖杯戦争”と“聖杯トーナメント”の両方)、帝都聖杯奇譚のこと(コハエース等とtype Redlineとの関係性をどう扱うべきか)……近年の事情が気にかかる。 -- 名無しさん (2020-06-30 23:17:40)
- 聖おにいさんの片割れが出たから、もう片方だそうぜ!とか言ってる人がいるけど、聖杯ってなんなのか忘れてませんかね? -- 名無しさん (2020-08-04 06:44:54)