StG44

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StG44 - (2019/06/29 (土) 16:51:42) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/06/05(日) 13:13:08
更新日:2024/01/06 Sat 09:07:30
所要時間:約 5 分で読めます




カタログデータ
全長:940mm
重量:5.21kg
口径:7.92mm×33
使用弾薬:7.92mm×33クルツ弾
装弾数:30
発射形式:セミ・フル
製造:ハーネル社(独)
採用:1944年←!?

今は昔、38式歩兵銃やM1ガーランドといった小銃が歩兵用武器のメインであった時代がありました。
しかしそんな時代は、過去の事。今日の軍隊で歩兵が持っている武器といえば突撃銃であろう。
アサルトライフルとも呼ばれ欧米の正規軍のみならず、アフリカや中東の紛争地帯のゲリラも使用している。


そんな突撃銃の系譜を辿っていくと
ある一つの銃に辿り着く
それがStG44である





○開発の経緯
第二次世界大戦では塹壕を挟んで撃ち合うといった戦闘はあまりなく、市街戦や電撃戦による機動力を生かした戦闘が主流となっていた。
しかし、歩兵火力の要、機関銃(MG34)はそこまで軽快でなく、
もっぱらこれを援護する小銃(Kar98k)は市街戦では長くて邪魔、装弾数5発では機関銃の援護が不十分、1000mも飛ぶ弾薬いらね、等の問題があった。
それならと、短機関銃(MP40)を使うが遠くの敵には当たらない。小銃では近過ぎ、短機関銃では遠い距離が市街戦での戦闘距離なのだ。

そこでGew41等の半自動小銃を開発する。
しかししかし、弾薬が強力すぎて射撃の反動で銃が暴れ制御できません状態に陥る。
仕方ないのでドイツ軍、1000mも飛ぶような強力な弾薬を諦め、7.62mm×33クルツ弾を開発し、これに合う銃の開発※1をスタートした。





○特徴
(カービン銃+短機関銃+自動小銃)÷3=StG44 と思っていただけばOK
全長が短く、連射が利いて、その上小銃のような狙撃が出来る、といった特徴を備えた銃。PSG-1同様「ドイツの技術は~世界一ィィィ!!」を教えてくれる素晴らしい銃である。

他にも
  • 大量生産がしやすいように、レシーバーやグリップにプレス加工の採用
  • ストックを直銃床にし、フルオートでの制御性をUP
  • 従来の7.92mm×57モーゼル弾より短い7.92mm×33クルツ弾※2を採用することにより、携行弾数を増やし、反動を抑えた

といった特徴がある。画像はもちろん、性能もGOODな銃なのだが……



○採用と配備
先行量産品のMkb42※3を1942年11月に東部戦線へ送る。兵士達には好評で1943年初期までに11,833挺が生産される。
がしかし、ヒトラーは「新型小銃開発中止」を命令する。新型弾薬で軍の配給が混乱すると判断したからだとか。
でも、こんな強力な銃を使わない訳にはいかない。
それならとMP43と呼び変えられ、「既存の短機関銃の改良ですよ」と偽装し開発続行。
結局見つかって中止を言い渡されるが、戦場で好評との報告を受け、ヒトラーは折れる。そしてMP44を挟み1944年にようやくStG44として日の目を見る事となる。

名前のStGはヒトラーが戦意高揚を狙って命名した「Strumgewehr(突撃銃、シュトゥルム・ゲヴェーア)」を略したもの。
これが後に英語圏で「Assault Rifle」と略され、StG44と同種の武器を表す言葉として定着する。




○その後
市街戦で柔軟に対応し、機関銃の代わりに制圧射撃もできる、と現場で活躍したが、銃一つで戦況が逆転する事も無くドイツの敗戦を迎えてしまう。
戦後は東西ドイツや旧占領地域(東欧・アフリカ北部)では第一線で配備されており、1960年代まで使用されていたと言われている。
さらに後にソ連のカラシニコフがStG44の仕様を参考にAK-47を開発した*1
勿論、アメリカにも接収されたが、大戦中のM1ガーランドの活躍に調子こいた結果7.62mm×51弾をNATO共通弾薬にごり押しし、M14なる良く分からない銃を開発している。
そしてベトナムでAKにボッコにされる。そして投入されたのがゴルゴ愛用のM16。StG登場から約20年後のことであった…



○登場作品
コールオブデューティー
メダルオブオナー
ヒトラー~最後の12日間~(映画)
紺碧の艦隊
旭日の艦隊
ヤングガン・カルナバル





○余談
「ボーザツラウフ」というアタッチメントが開発されている。
これは銃口に取り付ける延長銃身なのだが、もう見た目だけで出落ちというか、延長された銃身の先端が90度または30度に曲がっている。
勿論そのまま発射できる。しかし、銃身が150発程しか射撃に耐えられなかったとか
30度に曲がった銃身と専用の反射型照準機を装着したStG44は歩兵用で、物陰に身を隠したまま射撃するためのもの。こちらは「KrummerLauf(クルムラーフ)」とも呼ばれるらしい。
90度のものは戦車の天井に連動して動くペリスコープと共に取り付け、戦車によじ登ってくる敵兵への牽制に使う予定だったらしい。
量産が開始されたのが戦争末期だったので、実戦に投入されたかは不明。
これを見たアメリカ軍や自衛隊も同様の銃を試作したらしい。




※1銃⇒弾薬、ではなく基本的に弾薬⇒銃といった順序で開発されることが殆ど。
※2元々は7mm×33として開発されたが、既存のモーゼル弾と同口径にすることでコスト減を図った。
※3Maschinenkarabiner、マシーネンカラビナー、全自動射撃可能な騎兵銃。


エアガンでは、海外製のものがよく出回っています。(内部調整等は必須ですが…)
よりリアル且つ高級な代物をお求めの方は、松栄製作所謹製のMP44はいかがだろうか?
そのリアルさは、ベルギーの博物館に寄贈できる程の素晴らしさ!
ただし、値段が少々お高いのが難点。



追記・修正は総統の目を欺きつつお願いします。

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