Brotherhood Of Steel(Falloutシリーズ)

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Brotherhood Of Steel(Falloutシリーズ) - (2023/05/03 (水) 06:42:41) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/10/31 Mon 00:27:10
更新日:2024/01/27 Sat 02:10:25
所要時間:約 5 分で読めます




Brotherhood Of Steel(以下B.O.S)はFalloutに登場する勢力。

Falloutシリーズ全作品に登場している勢力でFalloutの象徴的な存在である。

ちなみにパッケージに写っているのがB.O.S隊員でありジャケット出演率も最多である(2・NV・4除く)

旧作、より厳密にはObsidianによる作品(1、2、NV)と3以降で作中での扱いが180度と行かないまでもかなり異なる。


概要

核戦争によってほとんどのテクノロジーが失われたウェストランドで数少ない戦前のテクノロジーを保有・運用する武装勢力。

戦前のパワーアーマーとエナジーウェポンで武装し、個々の隊員の練度も高く間違いなくウェストランド有数の戦力を保有する勢力である。

「戦前のテクノロジーを管理することによって人類が再び過ちを犯さないようにする」ということを目的として行動しているが、米軍の悪い部分を見事に受け継いでいる上に収集する技術が兵器関係に偏りがちで方々から嫌われている。
「3」以降のぶっちゃけ善玉なBoSですら接収と称した略奪を程度の差はあれ行っており、どの組織も清濁併せ呑んでいるといえばそれまでだがBoSはスタート地点が地点ゆえ堕落が酷い。

グールやスーパーミュータントに対しては蛇蝎のごとく毛嫌いしており、見つけしだい即せん滅が基本的な対応となっている。

思想

シリーズで最も古い時代を描くFallout76にて、初代マクソン、ロジャー・マクソンの肉声入りのホロテープが手に入り、B.O.Sの設立目的やその理念、目指すべき将来のビジョンが熱く語られている。
それによれば

  • 世界を滅びに導き、自分達は安全なシェルターに避難しているであろう支配者達(おそらく後のエンクレイヴを指している)に対抗すべく、旧来の軍人の階級ではなく、ナイト、パラディンといったB.O.S独自のシステムを採用し、支配からの脱却と存在意義を与える。
  • 世界の崩壊によって希望を失った人々に対して、希望を持って生きるための目的を与え、文明を取り戻すこと。
  • 未来の人々のために旧世界の技術を集め、研究し、それを次世代に繋ぐこと。

とされているが、たどった道は上記の通りである。かなり早い段階で
  • 外部の人間も組織に加えるべきだと考える革新派
  • 純血を保つべきであると考える保守派
が対立し、保守派が勝利。メンバーは身内のみ(=初期のB.O.S創設メンバーの子孫)が原則となる。
結果」、外部からの人材を受け入れるのは基本的に分裂した支部のみ、それも極稀な例外のみにも関わらず、入るのはNGなのに抜けるのは自由という先細りが明らかな歪な組織体系となってしまい、
案の定「いいBoS」は分裂した連中ばかりで、本流はまだまともな組織だった「fallout1」から凋落し続けている。

時の流れと変化する情勢の中でその理念はいつしか形骸化されてウェイストランド人からはハイテクレイダーと陰口を叩かれるまで思想が硬直化してしまったのは皮肉としか言いようがない。

歴史

もともとは大戦直前に反乱を起こしたマクソン大尉率いる合衆国陸軍の部隊の末裔であり、
核戦争を占拠したマリポーサ軍事基地のシェルターでやり過ごしたことで人員や兵器そして、その技術を無傷で保持することに成功。

その後これまた占拠した政府用シェルター「ロスト・ヒルズ・バンカー」を拠点に「Brotherhood Of Steel」を創設する。
当初は戦前のテクノロジーの収集も自存自衛のための手段だったが、上述の内部の政治闘争や外部の脅威による大規模な部隊壊滅要するに善人からから先に死ぬなどにより早期の段階で自浄作用を失い、組織は変節と分裂を繰り返し、時代が下るにつれて手段と目的が逆転。

地域と派閥によっては周辺住民からテクノロジーを略奪したり村ごとせん滅したりと、「新鮮な肉」「貴重なテクノロジー」に代わっただけの単なるハイテクレイダーへと成り下がっている。
その姿は組織を見限った元隊員からして「明日も未来も見ようとしない連中」と言われるほど。

ついでに過去にも興味がないらしく隊員の中にはB.O.S創設者の名前すら知らないものもいたりする。ほんと何がしたいんだろこいつら…

その意味では曲がりなりにも明確なビジョンの下行動していたエンクレイブよりも深刻で、その姿はまさに「戦前の亡霊」であり、刹那的に生きるウェイストランドの象徴的な存在と言えるかもしれない。

最新の時系列である「4」時点で総本部は絶賛バンカーに引きこもり中、支部の多くもせん滅されておりこのままいけばB.O.Sは遠くない将来その歴史に幕を下ろすことになる。

一方で分裂していった各支部はルート次第、そして程度の差こそあれアメリカ復興の貢献している場合もあり、その最たるものが「3」の東海岸支部である。

西海岸BoS

悪いBoSにして正統なBoS。本部である「ロスト・ヒルズ・バンカー」もこちら所属。
上記の通り先細り硬直化し手段と目的が逆転したハイテクレイダー。
エンクレイヴ同様、その武力とテクノロジーによって最もウェイストランドに平和と秩序を取り戻すことのできるアメリカの正当な後継者であったにもかかわらず、
時代の流れに取り残され、淘汰される存在となった不運な存在である。

ほぼすべての勢力と敵対しており、一方で味方は身内以外まったくおらず、一般住民の中には存在自体を知らないものもいたりと、完全に孤立している。

本部であるがすでにこの地域に存在する別勢力新カリフォルニア共和国によって完全包囲されてしまっており、やむなくNCRとは休戦。

すでに他の支部との連絡もままならなくなっており、他の支部は勝手に行動してたりとまさにB.O.Sの凋落の象徴とも言える状態にある。

最大の罪はNCRが最高しかけた金本位制という文明を金鉱脈ごと文字通り爆砕したこと。
これによって「NCRドル」はケツ拭く紙に逆戻りしてしまった。

南西部

Fallout:NewVegas」に登場。

NCRとの抗争によって戦力の多くを失いバンカーに引きこもりを決め込んでいる典型的なB.O.S。

ほとんどのルートでせん滅されるかハイテクレイダー化し、まるでB.O.Sの未来を暗示するかのような支部と言える。

ちなみにここのエルダー、マクナマラはB.O.Sの中でも有数の開明派らしい…らしい?

それだけB.O.Sの思想が硬直しきっている象徴的な事柄といえるかもしれない。


東海岸BoS

Fallout3」に登場。ワシントンDCを拠点とし、司令官はエルダー・リオンズ。
遠征途中にかつてのピッツバーグことピットで世紀末や地獄という言葉すら生ぬるいSAN値直送な世界*1を目にし、徹底的な破壊と略奪による大規模掃討作戦「天罰」を強いられたことで改心することとなった。
徹底的な破壊と略奪といわれるとヒャッハーの香りしかしないが、既に状況が手遅れであり、時系列的に既に末期状態の西海岸BoSを改心させた時点でお察ししてほしい*2

話を戻すとそうして改心したことで現地住人の支援に舵を切り、他のB.O.Sと違い徴兵を行うことで外からの人材を受け入れ、キャピタル・ウェイストランドの脅威のせん滅、治安の回復を第一に行動するようになるのだが、
結果として西海岸の本流からは異端の烙印を押されて一切の支援を打ち切られてしまう。
更には本部に同調した連中が離反して「アウトキャスト」を結成する始末。
結局身動きが取れなくなり、ここでもまた理想が現実に負けたのであった。

…というところで我らがVault101のアイツが登場。

彼を受け入れたことでキャピタルを救い、東部エンクレイヴこれでも残党との抗争で彼らの先進技術を接収することで飛行戦力であるベルチバードやパワーアーマーの新規生産、さらに未完の最終兵器ブリキ大王すら所有・完成させるにいたり、

結果としてB.O.Sの本来の理想を取り戻し、それを実現するだけの戦力すら手にすることとなった現地民には相変わらず嫌われてるが

そんなわけでB.O.Sの中で最も長く生き残り、繁栄する可能性の高い支部。
FOファンからの人気も高く、いずれはクソッタレな西海岸本部に反旗を翻すんじゃないかと言われたり言われなかったり。
フェラル以外のグールに対しても威嚇射撃で済ませている(言い換えると威嚇射撃する程度に差別しているが)。

ボストン遠征隊(仮)

3から10年後の旧ボストン周辺、連邦が舞台のFallout4に登場したその後の東海岸支部。
上記の通りエンクレイヴの技術と施設を接収したことで強大な軍事力を手に入れ、
巨大飛行船プリドゥエンと多数のベルチバードを従えるという鮮烈な登場をする。


プリドゥエンは支部の本部を兼ね、支部の最高幹部が軒並み乗船しているため、遠征隊と言う名の最高司令部兼最精鋭戦力と言う形となる。
「3」の最終決戦で損壊したブリキ大王様もパーツは90%再建済みであり
後は111のパパン/ママンの協力があれば組み立てて稼働できる状態に仕上げている。
実際、最終盤のストーリーでBoSと正面から協力or敵対する場合はブリキ大王の起動をめぐる物語となる。
なにより、本作で東海岸BoSを倒しきることはできず首脳部と切り札こそ殲滅したが本隊は健在。インスルートに至っては、組織の全力を出した最終決戦そのものがBoSに対する示威行動にしかならない(要するに残存戦力が後先考えず潰しに来たら余力無しでこちらが潰される)ことが語られている*3
まさに歴代最強のB.O.Sである。

しかし、実は「3」後のかれらは暗黒期に突入していた。
エルダー・リオンズが老衰死、後を継いだサラ・リオンズもスーパーミュータントとの大規模な戦争で戦死。一時は指導者が立て続けに変わるなど所詮はBoSか…と思わせる状況に陥っていたのだ。
そこで台頭したのが、3では血筋だけが取り柄だった従者マクソン。
3の姿からは想像もつかないほど立派な指導者となり、「現地民の支援」と「BoSの理念」を上手いこと一体化させることで空中分解しかかっていた組織を再結集、アウトキャストの帰順や西海岸本部の支援も復活させる政治的成功をみせ組織を持ち直させた*4
さしあたってボストンには現在の思想に反し自分たちのシマにも干渉してくる「シンス」の大本たるインスティチュートを潰しにカチコミをかけてきた形となる。

一方で現実に迎合し西海岸派に迎合した結果、B.O.S自体に蔓延る高慢さと排他性への揺り戻しがかかっており、所属人員からはしょっちゅう反リオンズなボヤキが聞けるウェイストランドの民にとっては危うい状況にある…
前述のサラの死にも不可解な点が多く、きな臭いものを感じる(因みに先代サラはマクソンの後見人であった)。

しかしながらゲーム上の都合も含むとはいえマクソン個人は柔軟な思考の持ち主であるのも間違いなく、組織の理想に反することでも大義名分や政治的都合さえ付けば実利や人情を優先することができる*5柔らかさは残っている。

アパラチア

『Fallout 76』に登場した支部。
最終戦争時、アパラチアで演習を行っていた陸軍のレンジャー部隊が母体。
精神病院を改装した「ディファイアンス砦」を本部とし、発電所等を拠点にして他の組織と協力して人々を守っていた。
しかしアパラチアを襲った脅威との戦いで次第に疲弊していき、他組織との関係も悪化*6、精鋭部隊による起死回生の作戦も失敗し、脱走者及びMIAなどで組織を離れていた者を除きを除いて全滅した。

新生アパラチア支部

その後、プレイヤーの活躍でアパラチアが再び人類の住める場所となった事でロストヒルズバンカーからの遠征部隊と言う形でBoSも帰還。
彼らが天文台を改装した「ATLUS砦」に居を構えアパラチアの新たなBoSとなる。
しかし水面下では後世でいう西海岸派と東海岸派が対立しており、プレイヤー次第で組織の方針が変化することになる。

いずれにせよ東海岸BoSの登場は200年近く先のため、アパラチアに「BoSと言う組織」が長居することはない可能性が高い。


アナザー扱い


  • 中西部
「Fallout Tactics:Tactics」に登場した支部。
FO1でマスターズアーミーが崩壊した後、政争に敗北した革新派を主体として東に逃れたスーパーミュータントを飛行船で追撃するも人員の大半を失った挙句シカゴに墜落。
当然本部の支援もなければ肝心の技術の大半も喪失。
結果、使える人員であればスーパーミュータントだろうがグールだろうが人語を話すデスクローだろうが登用するため、その顔ぶれは他のB.O.S支部では考えられないことになっている。
排他的な他の支部に比べれば他勢力に対してオープンではあるが利他的というわけでもなく、特に技術確保に至っては実質的に恐怖政治の方針をとっている。
BoSの思想を維持しつつ、ウェイストランドに良くも悪くも帰化した派閥と言える。
その結末はプレイヤーによって代わり、自領地から接収・略奪を繰り返す単なる圧政者になることもあれば、中西部の環境を完全に回復させる英雄になることも。
アナザーとしては作品の扱いはよく、FO4では「中西部に小さな分遣隊がいる」と軽くだがその存在について触れられている他
25周年記念で一部のDL販売ショップにて期間限定で無料配信された。

  • テキサス
「Fallout:Brotherhood of Steel」に登場した支部。
はじめに言っておくと「Tactics」とは違うゲームのため注意。
FO1に登場したハイエルダー・マクソン死去後、パラディン長ロンバスがその後を継ぎ、スーパーミュータント撲滅のために旅だった遠征軍一団。
テキサスの試作Vaultに拠点をかまえる。
例によって拠点から出発した部隊が消息を絶ち、グールを含む現地人の主人公3人を登用することになる。

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