F-16

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F-16 - (2018/05/20 (日) 10:29:12) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/06/14(火) 00:55:32
更新日:2022/04/30 Sat 10:15:07
所要時間:約 5 分で読めます





F-16 Fighting Falconは、史上最強の軽戦闘機と言われるアメリカ空軍所属の軽戦闘機……つまり全天候戦闘機。

が、

軽戦闘機なのに夜間作戦能力は有るし対地攻撃は得意なので、気付いたら米空軍の主力戦闘攻撃機となっていた。

日本には三沢基地に二個戦闘飛行隊がいる。




□誕生の背景

F-15をゴリゴリの空戦専門機に仕上げることに成功したファイター・マフィアのジョン・ボイドは、しかしながら我が子たる機体に強い不満を持っていた。
空軍のわからずやどもがあれもこれもとF-15に詰め込んでくれたおかげで、ボイドの理想の安くて小さな軽戦闘機とはかけ離れた、高くてでかい重戦闘機になってしまったのだ。

どうしても自分の理想である、安い軽い小さい三拍子そろった、ドッグファイトにめちゃめちゃ強い軽戦闘機を作りたかったジョン・ボイドは、お仲間のファイター・マフィアと協力して一計を案じた。
それが「ハイ・ロー・ミックス」である。
「F-15はちょっと高価すぎて数がそろえられない。空軍に十分な数の機体を用立てるにはもっと安い戦闘機が必ず必要である」と。
更にここで「海軍はそのうち高級品のF-14に代わる安価な機体を求めることになる。それを空軍側で先んじて開発しておけば、F-4のお返しで空軍機をあちらさんに押し付けてやれるぜ」とライバル心をうまい具合に刺激した。

(まるででまかせでだまくらかしているような書き方だが、事実ファイター・マフィアの一人であるピア・スプレイがその後「ハイ・ロー・ミックス構想はでっち上げ」と言っちゃってるんだから仕方ない)

これに見事乗っかった米空軍及び議会はF-XX計画を設立、すぐさま新たな予算を組んだ。
F-15での鬱憤を晴らさんとするファイター・マフィアのF-XXに対する要求水準は高く、最終的に高度な格闘戦能力を持つYF-16、YF-17が完成。

比較試験が行われた結果、ついに1975年、空軍はF-16採用を正式発表した。

ちなみに比較試験に敗れたYF-17は、後にF/A-18として、持ち前の格闘戦能力が台無しになる改修をされて海軍に採用されることとなる。


□特徴
F-16の大きな特徴はその外見。

まず空気取り入れ口を胴体下に配置したことにより、機体の小型化に成功。
これは、遷音速での格闘戦を前提としており、マッハ2を超すような速度性能を求められなかったことにより実現できた。

次に、主翼と胴体の接続部を滑らかな形状にする事により空気抵抗を大きく減らし、低速・低高度での安定性も改善することに成功。

また内部では、完全なフライバイワイヤ(電気信号を使って操縦する装置)を採用した。
これは実用戦闘機では世界初

また将来のアップグレードに備え、機体の設計には比較的余裕を持たせてある。
結果、様々な改良が施されることに。
そのため、生産台数との相乗効果で同一マイナーコードでも頻繁に仕様の変更が発生しており、「ブロック」の表記も使用されている。
詳細は後述




□採用実績
NATOやアジア諸国など、なんと24ヶ国に採用されている。

また、
オランダ
大韓民国
トルコ
ベルギー
にてライセンス生産が行われた。

これらとアメリカで作られたF-16の生産数は4300機以上と言われている。

このようにF-16はF-15と違い安価なので、ブルジョワだけでなく幅広い層から支持を受けている。

また幅広い層から支持を得ることで益々単価が下がり、ますます購買数が増えるという素晴らしい循環も巻き起こっている。

ちなみに、日本では自前で用意するつもりで採用するつもりは無かったのだがアメリカが買えと脅s…
おっと誰か来たようだ

……とまぁ、いろいろ魔改造を施し三菱F-2として採用されている。
明らかに魔改造するより自前でやった方g(ry
めでたしめでたし
結果アメリカからソースコードの提供拒否られるわ、開発費は倍増(1600億円→3274億円)するわで全然めでたくないんだけどね!
日本の予算案が見積りに甘かっただけというのはナイショ




以下一部の人向け

□性能
F-16C ブロック50について記述。

全幅10m
全長15.03m
全高5.09m
最高速度マッハ2(実際は1.6〜1.8)
上昇限度15,240m(F-15は18,898m)
行動半径1,760km
機外最大搭載重量8,742kg
(実用的には5,400kg)

小さい機体なので目視・レーダーなどで捉えにくいというのも特徴。




□発展
○F-16A(単座)/B(複座)
最初期の型です。
米空軍には
Aが664機
Bが120機
が導入された。現在では全て退役済み。ただし採用国によっては近代化改修で食いつないでいる。
この型に分類される派生型はブロックも含めて9種類に及ぶ。


○F-16C(単座)/D(複座)
A/Bの後継。
米空軍には
Cが1240機
Dが206機
が導入され、現在は
Cが1050機
Dが178機
運用されている。
この型からライセンス生産分の割合が一気に増えた。
現代の戦闘機にしては桁がおかしいのもアメリカならでは。

パイロットからはしばしば「豚」と形容されるほど機動性が落ちたらしいが、この辺からアメリカ空軍の本気も見えてくる。
C/Dはめちゃくちゃアップグレードされてるので大まかに記述していく。
設計に余裕を持たせることは大切だなとつくづく思いますねー

◇C/Dオリジナル(ブロック25)
中射程ミサイル運用能力付与
レーダー改良
複数の目標と同時に交戦可


◇ブロック30/32
エンジンの複ソース化(二種類のエンジンを積む事ができるように)
ちなみにブロックx0/x2の違いは積んでいるエンジンの違い。


◇ブロック40/42
対レーダーミサイル運用能力付与
レーダー改良
夜間作戦能力付与


◇ブロック50/52
対レーダーミサイル運用能力向上
レーダー改良
エンジン改良


◇CCIP(共通仕様履行プログラム)
デジタル地形システムの装備
レーダー改良
コックピット改良
センサー改良
機体仕様同一化(非複ソース化)


これらアップグレードは2011年に全ての作業を完了する予定。




□兵装

◇対空
AIM-9Mサイドワインダー(短射程AAM)
AIM-120AMR(中射程AAM)
AAMは最大6発搭載出来るが、これは空対空ミッションの時のみで、通常爆弾などを携行する場合は4発に。


◇対地
500ポンド通常爆弾
AGM-65マベリック(対地味噌)
↑3連架×2で6発携行可
1,000ポンド通常爆弾
2,000ポンド通常爆弾
↑1×2で2発携行可
GBU-38(500ポンド爆弾のJDAM(GPU誘導)版)
↑2発携行可
レーザー誘導爆弾(1,000or2,000ポンド)
↑1発携行可
AGM-88 HARM 対レーダー味噌
AGM-154 JSOW スタンドオフ(目標頭上まで滑空して爆発)爆弾
AG-158 JASSM スタンドオフ味噌
無誘導ロケット弾ポッド
↑1発携行可


固定兵装
M61A1 20mmバルカン砲
ECM





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