Ex-Sガンダム

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Ex-Sガンダム - (2021/10/02 (土) 22:09:21) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2013/10/19 Sat 10:37:15
更新日:2024/04/30 Tue 20:51:21
所要時間:約 7 分で読めます





ガンダム・センチネル」に登場するMS。正式名称は「Extrordinary-Superior ガンダム(エクストローディナリィー-スペリオル・ガンダム)」。

形式番号:MSA-0011[Ext]
全高:25.90m
全備重量:162.50t
出力:7,180kw(MSモード時)12,250kw(Gクルーザーモード時)
推力:1,182,000kg
センサー有効半径:18,800m
所属:地球連邦軍
開発:アナハイム・エレクトロニクス社



Sガンダムは機体各部がユニット化されており、状況に応じてパーツを換装、装着することで高い汎用性を持った機体として完成した。
そしてこのEx-SガンダムはSガンダムに強化パーツを装着した重武装形態である。
なおこれはフルアーマーガンダム等にあるいわゆるフルアーマー・ファミリーとして分類されることもあるが、ほとんどのフルアーマー系が後から考案されたのに対し、Ex-Sは設計当初からこの装備が想定され、開発されていたという点で異なる。



最大の特徴であり成果がGクルーザーモードへの変形が可能になっている点である。
この時代では、MSの航続距離や稼働時間の短さが問題視されており、かつてはGアーマーなどが開発されたがコスト高騰で没、その後ムーバブルフレームの普及によりMSの飛行形態が見直され、Ζガンダムのウェイブライダーが成功したことにより後継機であるΖΖガンダムもGフォートレスへの変形機能が搭載された。


しかし、ΖΖは大気圏突入が不可能な点とコア・ブロックの部分が脆弱になり、さらに大きな負荷がかかるといった問題点があり、ΖΖの再設計機である本機の場合は強化パーツを装着して変形を行うという方式に変更。主な変更点として

  • バックパックを強化型ブースター・パックに変更。スタビレーター基部に左右2基設置。

  • 両肩にプロペラント・タンク、ふくらはぎに推力強化パックを追加。これらにはランディング・ギアもある。

  • 両膝にリフレクター・インコムユニットを装備。ビーム・サーベルを収納する。

  • Bパーツ(Gボマー)コクピットを保護する腰部増加部品装着(ビーム・スマートガンのマウントが増設されて大腿部ビーム・カノンとの同時装備が可能)


  • 胸ブロックに複合防禦ユニットを装着。コア・ブロックの保護と変形時に胸部にかかる負荷を補強するため。
また、Iフィールド・ジェネレーターを搭載しておりMSモードではバリアを発生させる。
コクピット周辺のみであり、秒単位かつ出力も弱い非常に限定的な物だが、それでもIフィールド・バリアを装備したMSはこれが初。



これらの装備により、機動性や航続距離の大幅な上昇はもちろん、その大推力により単機での大気圏脱出や月面降下~再離脱(!)も可能とするなどまさにMSの変形形態として最高クラスの完成度を持つに至った。
またそれに付随する形でMSモードでの戦闘力もSガンダムに比べて遥かに向上しているというまさに鬼に金棒な状態となっている。



……この「付随する形」という点に「ん?」と思った人はいないだろうか。
そう、このEx-Sガンダムはあくまで「GクルーザーのMSモード」である。いわば通常形態がGクルーザーでありEx-Sは極端な話「オマケ」に過ぎないのである。
強化形態は設計当初から想定されていたと先述したが、その第一目標は変形を可能とし、機体の行動範囲を増やすこと。Sガンダムの戦闘力向上は二の次でしかない。
事実、作中でも当初はGクルーザーでの戦闘が主であり、MSモードになったのはガンダムMk-Ⅴ迎撃、つまり対MS戦のため変形したに過ぎない。
型番にある[Ex]というのが「余分な」という意味であることからもわかるだろう。
とはいえ、この[Ext.]と言うのは「extraordinary=extra-ordinary(常識外れな、桁違いな)」という意味でもあり、この名称からして規格外と言うのがお分かりいただけるだろう。
Sガンダムの時点ですでに規格外だったのにな……


・主な武装

※Ex-Sでの主な武装のみ記す。

リフレクター・インコムユニットの裏側に装備。またこのユニット自体での膝蹴りも可能。


  • ビーム・スマートガン
Sガンダムの手持ち火器である大出力ビーム・ライフル。Ex-Sの場合は腰部の追加ユニットに接続される。この状態のままスマートガンを前方に水平に携え、手を添えながら立つEx-Sの姿を見たことがある人は多いだろう。


  • 背部ビーム・カノン
バックパック装備のビーム・カノン。バックパック換装により4基に増えている。Gクルーザー・MSモードどちらでも自在に動かすことができる。


  • 太腿部ビーム・カノン
腰部の追加ユニットに装備されているビーム・カノン。「ムーバブル・フレーム・ビームカノン」と表記されているゲームもある。


  • テールスタビレーター・バルカン
Sガンダムにすでに装備されているが、Gクルーザーモードではスタビレーターの機首部の火器となる。


  • リフレクター・インコム
両膝の追加ユニットに装備。有線式のインコム・ユニットであるが最大の違いがユニットはビームを屈折させるIフィールド発生機でしかないこと。
ではどう攻撃するのかというと、これに手持ちのビーム兵器を反射させて相手を攻撃するのである。
本家インコム以上に意表をつける攻撃ができる他、インコムは出力が標準以下という難点があるがこちらは手持ち火器によって威力が変わり、ビーム・スマートガンも反射できるので汎用性が高い
。制御は高性能コンピュータによって行われ、未来予測や適切な火器選択など効果的な戦法を行う。



・劇中での活躍

エアーズ攻防戦に伴い登場。最初はGクルーザーでの登場であり、行動不能になったネロ隊を助けたり、ホワイトフォース隊を射的のように撃破している。
その後、FAZZ隊がガンダムMk-Ⅴに撃破された知らせを聞いた後は迎撃のためMSモードに変形。降下中のMk-Ⅴを狙うが失敗。続いて少年兵達を葬りながら追撃するが逃げられてしまう。
そして、エアーズ脱出戦にてついに対決。リフレクター・インコムを使い先手を取るが敵のインコムに翻弄されるもALICEがスマートガンを盾にし凌ぐ。次に頭部インコムを使うがミサイル・ポッドで潰され、太腿部ビーム・カノンを使用した直後Mk-Ⅴの強烈な蹴りを喰らい、ビーム・カノンを潰されかけるがまたもやALICEが自動で腰部ユニットをパージし、膝蹴りを喰らわせ退ける。そのままMk-Ⅴはビーム・サーベルを抜き斬りかかるが、恐怖で動けなくなったルーツをよそにALICEがビーム・サーベルを抜き応戦。見事撃破した。

直後のマス・ドライバー攻略戦では装備の殆どを破壊されたのでヌーベル・ジムⅢの銃を持って出撃。しかしネオ・ジオンの介入により撤退を余儀なくされ、Gクルーザーで月面から離脱している。


その後はGクルーザー用のパーツ損傷が激しかったのと、ペガサスⅢの数を稼ぐためSガンダムをバラして使う事になったためかEx-Sは登場しない。




ゲームでの活躍

「ZERO」で初登場。
宇宙世紀後半やアナザー系の主役機には一歩譲るものの全般的に高性能な機体であり、高威力のスマートガンやリフレクター・インコムにより大体の敵に対応できる。
Sガンダムと比べてIフィールドが追加されていたり、ビーム・カノンの追加により威力が増しているのも長所。
ただ、装備がビーム寄りなので対ビーム属性持ちには少し辛い(スマートガンやインコムでどうにか出来ることも多いが)ものの、ビーム・ジェネレーター系のOPを付ければ凄まじいことになる。
最近ではビーム・サーベルを使うとALICEが発動する特殊演出があり格好いいのだが、NEOなどで「ALICE発動」という技があったことを思えば別技扱いでもいい気がするが……。
ちなみに「WARS」では何故かGクルーザーへの変形が出来なかった。これに憤慨した人は多く、「WORLD」では元通りになっていて、可変機のMA形態が削除された機体多数の「OVERWORLD」でもそのままだった。本当によかった。
「GENESIS」ではリフレクターインコムが特殊属性からビーム属性になってしまった一方で、乱舞技のALICEが追加された。

BUILD MS4弾でシークレットカードで参戦。パイロットのリョウも登場する。

家庭用初回特典としてプロダクトコードが封入された。その後2014年2月13日にアーケードでも解禁。
コストは3000。パイロットであるリョウ・ルーツは登録されておらず、待機画面や覚醒カットでは黒塗りの人物が写る。*1
勿論台詞も収録されておらず、4機全てがEx-Sだと非常に静かな戦闘となる。
特殊格闘のリフレクター・インコムは弾数3のリロード無しという使い切り武装だが、緑ロックであっても一瞬で2基のインコムを介して敵機を狙撃する。
リリース当初は射出と同時に狙撃すると、回避行動を取っていても驚異的な銃口補正で撃ち抜くバグがあったが、後に修正された。
全機体最長の射程距離を誇り、射撃武装も遠距離で十分機能するものばかりなので、遠距離射撃戦が非常に得意。
一方で機動力が3000コスト最悪クラスで、近距離戦の手札が少なく格闘性能も低いので前を張るのが苦手と、
高コストには珍しく完全な後衛タイプとなっている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONの頃になると、後特殊射撃でビーム・スマートガン(照射)が追加。特殊格闘も弾数が1発になった代わりにリロード形式となり、出し惜しみせずともよくなった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では幾つか格闘性能にテコ入れを受け、前よりかは若干頼れる性能になった。
サブ射撃の太さが細くなった代わりにフルヒットしやすくなったり、特殊格闘の銃口補正が強化され甘い空中浮遊程度なら撃ち抜ける性能に。
変形中特殊射撃が狙撃から特殊移動に変更。追いつめられた時の離脱方法として確立。
パイロットイラストが今作で完全に削除され、覚醒カットインすら表示されなくなった。


  • 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2
2020年12月参戦。コスト650の汎用機であり、ΖΖガンダムと同格にして同枠。余談だが本作はCGモデルの品質が高く評価されており、商用作品での登場機会が少ない本機では2020年現在において最高峰のクオリティと言っても過言ではない。
武装はビームスマートガン、ビームサーベル、60mmバルカン、バック・パック部B・カノンx4、大腿部ビーム・カノンx2、頭部インコム、リフレクター・インコムx2と非常に豊富。
ただし射撃時に足を止める武装が多いため、一般的な汎用機として使おうとすると少々使い勝手が悪い。移動射撃可能なビームスマートガンも先行実装のZプラスC1のもの*2と異なりビームマシンガン方式のため、フルチャージしないとよろけが取れない。
インコム2種を同時に展開できるのは他のファンネル/インコム持ちとは一線を画すものではあるが、いずれも1回の使用でオーバーヒートになるためカスタムパーツによる補助が必須。
基本性能面はコスト相応だが近距離スロット数が少なく耐格用パーツが盛れない為、このコスト帯では異様に格闘に打たれ弱いと言う弱点を持つ。
このように壁汎用としては使いづらい性能にされた所、その翌週実装されたトーリスリッターが器用万能かつ同コストで環境を塗り替える性能だったおかげで、わざわざ本機を弱くして自分の所の機体(トーリスリッターは当時バトオペ2の開発に所属していた徳島雅彦氏がDを務めた作品が出身)をぶっ壊れで出したとかで騒がれてそれなりに荒れた。
(元々春・夏・年末に行われる大きなイベント最初の主役機はガチャを回させるための釣り餌として弱かった例も多かったおかげか)これ以降「最初に出てくる目玉機体は産廃」、酷い場合はガンダムゲーなのに「ガンダムは産廃」なんていう風潮が一部のプレイヤー間で出てきたりした。
現在では強化調整及び運用法の確立により、射撃に徹して変形も含めた豊富な武装を回し続ければ、同コスト帯屈指の射撃火力と蓄積よろけを提供出来るがそれ以外は殆ど何も出来ないピーキーな機体、という評価を得ている。
この運用は当然ながら汎用に求められる壁性能を他の味方に押し付ける戦い方のため、野良だと快く思わないプレイヤーもいる。
現在の高コスト帯は射撃環境かつ、更に三周年で実装されたカスタムパーツ「サイコフレーム」対応武装が2つあるという追い風を得てなお味方の顔色を伺いながら出す機体と言えば、そのピーキーさが伝わるだろうか?


・立体化

2000年にHGUCでS及びEx-Sが発売。さすがに可変機能や頭部インコムの着脱などは再現できず、Gコアが付属したりEXモデルでGアタッカーが発売するなど他の方面でサポートがされている。
2002年に完全変形を可能としたMGが発売。Sは並のパッケージサイズだったが、Ex-SはPGモデルに匹敵するサイズとパーツ数を誇り、当然ながら頭部インコムや両脚部リフレクターインコムの着脱も再現。可変機能も含めて作成に著しく高いレベルを求められる当商品は、長い間モデラ―達の間では鬼門となるキットとして君臨していた。
2018年にMG200番を記念したディープストライカーが発売されると、翌年の2019年にVer.1.5相当となる新作MGが発売。今回はSとEx-Sは選択式となっているが、やはりパッケージは大きくランナー数も50近くになるなどやはりPGモデル顔負けの構成だった。
こちらは配色が今までとはやや異なり、オレンジや赤色装甲部分が別の色に差し替えられやや青色が多めの淡い感じに整えられている。
その他GFFやメタルロボット魂などで何度か立体化の機運に恵まれ、その度にその物々しい風格と毎度お馴染みとなる立ち姿に多くのファンが魅了されている。


・余談

有志によってMMDを使って作られたガンダムMk-Ⅴとの決戦シーンが動画サイトに投稿されている。
MMDのコンテストで受賞しただけあって、個人制作とは思えないほど高クオリティ。
著作権等の兼ね合いで公式によるアニメーションが難しい本機においては貴重な動画となっている。


追記・修正お願いします。

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