47(HITMAN)

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47(HITMAN) - (2023/05/30 (火) 16:49:40) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/06/12 Thu 00:20:53
更新日:2024/04/27 Sat 08:31:08
所要時間:約 5 分で読めます





47(フォーティセブン)とは、『ヒットマン』シリーズに登場する暗殺者。
国際的暗殺請負機関「ICA(International Contract Agency、もしくは「エージェンシー」「機関」「組織」とも)」に所属する凄腕の暗殺者。
世界最高の暗殺者として裏の世界でその名を轟かせている。(表の世界では都市伝説扱いになっている。)
吹き替えは(HITMAN(6作目)まで)てらそままさき。


概要

スーツに赤いネクタイ、そしてスキンヘッドで後頭部にバーコード状の入れ墨があるのが特徴。
ただしロケーションによってサマースーツやタキシードも着用する他、潜入先で服を奪って変装することも多い。
またホテルに潜入する際など、名乗りやサインを求められる時はよく「トバイアス(トビアス)・リーパー」という偽名を用いている。
ICAで暗殺を請負うようになったのは2000年からで、年齢は『Abusolution』の時点で48歳。

ちなみに彼のスーツだが、第4作である『Blood Money』では変装したまま(=スーツを着用することなく)エリアを脱出すると報酬がスーツ回収費用として5000$減少するシステムになっていることから、
どうやらそれと同額かあるいはそれ以上の価格がする高級品の模様。
もっとも、スーツ回収費は暗殺の証拠を隠滅するための処置費用+証拠を残したことに対する罰金である可能性もあり、スーツ自体が5000$というわけではないかもしれないが。
ただし高級品という事には変わりはないようで、第5作『Absolution』の終盤で新調したスーツは手編みウールに強化シーム、隠しステッチ仕上げ、裏地はシルクという逸品である事が作中で語られる。
スーツの仕入れ先は特に語られていなかったが、『Absolution』でイリノイ州・シカゴのリトル・イタリーにあるトムという老人(実はICAの物資調達を長年やってきた人物)の経営する仕立て屋であることが判明した。

彼が得意とするのは「人の記憶に残らない殺し(サイレントキリング)」。

基本的には2丁のサプレッサー付きシルバーボーラー(実在する自動拳銃「AMTハードボーラー」のカスタム銃。家1軒以上の価値がある逸品)か絞殺用のワイヤー、狙撃任務ではWA2000を使用してターゲットを暗殺する。
その他ありとあらゆる武器や格闘術にも通じており、警官や非合法組織構成員などが所持している銃器や、包丁や防火用の斧などのような刃物
果てはその場にあるおおよそ武器とは言えないようなモノ(マグカップ、犬の骨、ロボットのおもちゃなど)ですら、彼が持てば標的を仕留めるための凶器と化す。

いかなる手段を用いてでも確実に標的を暗殺するプロ中のプロであるが、そのため時には
  • 寿司職人に扮して、フグ肝を仕込んだ猛毒の寿司を標的にふるまって毒殺(Silent Assassin)
  • 立ちションをしている標的に高圧電流を流して感電殺(Absolution)
  • 開発中の育毛剤のサンプルに着火剤を混入させ、標的(ハゲ)に塗らせて焼殺(Absolution)、
  • 標的の真上にあるヤシの木から実を落として撲殺(2016)
と、完全にギャグにしか見えない方法を取ることもしばしば。
こうしたあまりに奇想天外な殺しの数々から、裏社会における伝説的存在でありながらその存在自体が疑問視されており、
彼の「仕事」を直接見た者や迷信深い者以外では「典型的な陰謀論」「事故や失態の原因を架空の暗殺者に擦り付けている」と一蹴される程である。


出生と経歴

そんな超一流の殺し屋であるエージェント47の正体は、「オットー・ヴォルフガング・オルトマイヤー」という人物によって人工的に創り出されたクローン人間である。
要は同じステルスゲー主人公の彼と同類。

かつてフランス外人部隊に所属していたオルトマイヤーはマッドサイエンティストでもあり、
当時の同僚たち4人と自分の遺伝子を利用し、生ける殺人兵器としてルーマニアの研究施設で極秘にクローン人間の研究を行っていた。
研究は実を結び、1964年9月5日に遂に47が「誕生」するも、同僚たちが47を引き渡すように要求。
しかしオルトマイヤーはこれを拒否。47を故意に脱走させ、ICAに匿わせた。

その後オルトマイヤーはICAへの依頼という形で、クローン研究の秘密を知る元同僚たちを口封じのため47に暗殺させる…
というのがシリーズ第1作『HITMAN Codename 47』のあらすじであり、同作のターゲットだったリー・ホン、パブロ・ベリサリオ・オシェ、フランツ・フックス、アルカディフ・ジェゴロフの4名こそが47誕生に関わった外人部隊の元同僚たちである。

暗殺の成功後、邪魔者を消し去ったオルトマイヤーは47を回収しようと偽の依頼で自らの研究施設におびき出すが、
その目論見は47により潰され、47の後継作である「48」の軍団も壊滅。オルトマイヤー自身も抹殺されることになる。

47は「タイプ1」と呼ばれる「完全な」クローンであり、第4作『Blood Money』の時点では、(既に故人となっている)オルトマイヤー博士にしかタイプ1は造れないとされていた。
同作には47以外のクローン人間も登場するが、いずれもアルビノで寿命が短いなどの重大な欠陥がある。
第5作の『Abusolution』では47と同等ないしはそれ以上に高い能力をもつと思われるクローンの少女が登場しているが、彼女にも特定のペンダントを身に付けていないと体調を崩し力が発揮できないという欠点があった。

上記のような出自の47だが、自我も感情もない純然たる殺人マシーンというわけではなく自我もあれば感情もきちんと存在しており
『Codename 47』の後には自分自身の存在意義への疑問とこれまでの殺しに対する良心の呵責に悩まされ、ICAとの連絡を絶ってイタリアのとある教会で贖罪の日々を送っていたりする。

また、『Abusolution』ではパートナーであるダイアナが組織に弓を引く原因となった少女に声を荒げる一面も。
同作で物やキャラクターなどをチェックしたりすると出てくるメッセージでは、女性を負かせるのは気が引けると考えていたり、ただ情けなく命乞いをする敵キャラクターについて延々といたぶるのも不名誉だと考えていたりすることがわかるなど、
彼なりの価値観もきちんと備わっているのがうかがえる。
ただし何よりも契約を重んずる人物でもあり、自我や感情があるとはいえそれに流されることなく確実に依頼を遂行する
その為に必要とあればターゲットが過去に犯した罪を暴き、精神的に追い詰めて自ら命を断たせるように仕向けたり、肉親の手で命を奪わせるように「仕掛け」を行う等、残酷な手段も辞さない。

故に47は沈黙の暗殺者、「サイレントアサシン」の称号を冠されているのである。

暗殺に必要な技能のみならず、ターゲットに近づく為にあらゆる技術を身に着けており、ドラムの演奏やファッションショーを歩いたりと即興で何でもできる。
初心者の下手プレイでもそういった他技能だけはプロ級なので、極一部では「暗殺以外なんでもできる男」なんて言われたりも・・・
とはいえある程度は任務前に下調べして練習しているのか、北海道で完全未経験のDDRに挑戦した時は初心者丸出しの動きでミスを連発していた。ひょっとしたらダンスが苦手なのかも知れない。
ただし忍者装束を着た場合は普通にキレッキレのダンスを踊る。暗殺とは関係ないのにノリノリで踊る。
さらには様々な乗り物の操縦技術も習得しており、暗殺後には自動車やバイクはもちろん、軍用車両やヘリコプター、水上飛行機まで操縦してのける。ちなみに基本的に脱出手段は現地調達。要するに情け容赦無くバイクやらヘリコプターやらを盗んでいる。いやまあ中には暗殺した標的が持っていたスポーツカーなんかもあるけどさ…

なお、彼の創造主であるオルトマイヤーは感情を持っている47を不完全な存在と見なしており、そのためか後継作である「48」は感情を持たない従順な殺人兵器となっている。
しかし、その48は新型で、かつ10体がかりで挑んだにもかかわらず、47一人に敗れ去って全滅している。
また、『Silent Assassin』では47よりも旧型のクローンである「17」が登場したが、こちらも47と戦って敗れている。
48も17も、外見は47とそっくり(ただし、17はサングラスをかけている)である。

交友関係は広いとは言えず、友好的と言える関係の人物は専属オペレーターであるダイアナ・バーンウッドと前述の仕立て屋のトムのみ。
ほかにはシリーズではたびたびCIAのエージェントであるスミスと顔を合わせるが、47自身は別にスミスを友人などとは思っておらず、厄介者としか思っていないらしい。

『Silent Assassin』で懺悔のために庭師として住み込んでいた教会の神父には恩義を感じており、多額の寄付をしたり、彼が拉致された際には再び暗殺者としての道に戻ってまで助け出したりしている。
また、『Abusolution』ではダイアナから託された少女をかくまうために、信頼できる人物としてある教会のシスターを選んで預けるなど、信仰厚い聖職者に対してはその後も敬意を払っている様子がうかがえる。

独特な暗殺スタイル

積極的に破壊工作による間接的な事故死が可能になったのは4作目『Blood Money』から。それ以降は上記の他にもシリーズの目玉としてユニークな暗殺方法が多数登場するようになった。
  • 寿司職人に変装してフグで寿司を握ってターゲットに出し、フグの毒で殺害(6作目『HITMAN』に至ってはその際に「死ぬほど旨いですよ」と言いながら出している)
  • 漏電させておき、墓に小便をしたターゲットを感電死
  • ゲーム(マインスイーパー)対決で医療用AIを暴走させターゲットの手術を失敗させる
  • カルト教団教祖の防火剤にウォッカを混入させ、パフォーマンス中に焼死
  • 花火や火炎に細工を施して対象を爆殺
  • レーシングカーのピットクルーに変装し、ピットイン時に標的の車のタイヤを緩める
  • 同じくピットイン時にレーシングカーに爆弾を仕掛けた挙げ句、そのスイッチをターゲットの親*1に渡して押させる
  • 軍用に開発されたロボットのテストモデルにターゲットの写真を読み込ませ、起動して蜂の巣にさせる
  • 手すりや窓ガラスのネジを緩め、それに寄り掛かったターゲットが転落死
  • 拷問器具『アイアンメイデン』にターゲットを押し込む
  • 飾られていた鎧を着てそのまま展示品のふりをし、ターゲットが来たところへ背後から剣で一突き
  • 占い師に変装してターゲットの運勢を占い、「死が見えます」と言いながらターゲットを殺害
  • 囚人にすり替わって寝ているふりをし、拷問しにきた対象を返り討ち
  • 現地の殺し屋を裏から手助けし、自らは直接手を下さずに標的を始末する。ダイアナからは「今後の仕事を全部アウトソースするつもりなの?」とからかわれる
  • 飼っているカバに餌をやっていた対象を突き落とし、肉の餌を与える
  • 列車のポイントを切り替え、そのままターゲットのアジトに突っ込ませる
  • 標的の元カレに変装し、標的にネックレスをかけてやる…と見せかけそのまま絞殺
  • 工事現場の機械を暴走させ、ターゲットをセメントで生き埋めに
  • 死体に扮して棺に入り、参列者から別れの挨拶を受けながらターゲットの番が来たところで刺殺
  • DJに変装し、クライマックスで標的を感電死させる
  • 緊急用のパラシュートに細工した上で敢えて騒ぎを起こし、脱出を図ったターゲットがそのパラシュートを使って落下死
  • 探偵に扮してターゲットが過去に犯した罪を暴き、それが間違いだったという真実を提示し、ターゲットを罪悪感で自殺に追い込む
  • タトゥーを彫ると見せ掛けてターゲットの側頭部を一突き
  • 整体するふりをしてターゲットの首をへし折る
  • バーベルトレーニング中のターゲットに対して上からバーベルを押し付け絞殺
  • 映画撮影用機材の大型ファンの勢いを最大にして対象を屋上から吹き飛ばす
  • ワインの圧搾機で標的を跡形もなくすり潰す
  • 怪しい実験の被験者となり、脳を支配しようとしてくる標的の脳を逆に焼き切る
  • ペットボトルロケットを発射してターゲットに落とす
  • 二人のターゲットが出くわすように仕向け、口論の末片方のターゲットにもう片方を殺させる
  • 心臓移植を控えているターゲットの移植用心臓を破棄する(ターゲットは特異体質の持ち主なので心臓も特殊、替えの心臓を手配する時間はない)
  • ↑のターゲットが移植までの時間稼ぎとして幹細胞療法を受けている際、その治療用幹細胞が収められた容器にボツリヌス菌を混入させて毒殺
  • ↑のターゲットが過去に犯した殺人をそれとなく執刀医に伝え、さらに彼が常用しているヤバめなクスリを過剰投与させて正常な判断を失わせて「医療ミス」を誘発させる
  • サウナの温度を致命的レベルまで上げ、入ってきたターゲットを閉じ込めて蒸し殺す
  • ターゲットを大砲でぶっ飛ばす。*2

暗殺以外にできること

目標に違和感を抱かれずに接近するという任務の都合上、外見の変装だけでなくさまざまな特技を身に着けている。例えば

  • 理髪師に扮してヒゲを剃る
  • バンドの新入りに扮してドラムを演奏する
  • ↑と同じシチュエーションでバンドの録音スタッフに扮してミキシングを担当する
  • 地下闘技場での試合に参加
  • 裁判官に扮し明らかに有罪な人物に無罪判決を下す(正確には請求を棄却)
  • 有名モデルに扮してファッションショーに参加する
  • 暗殺対象である作家の過去作を完璧に予習し、インタビューでファンの一人に扮して不満点を述べる
  • 板前に扮して寿司を握る
  • ニンジャ姿でDDRを完璧にこなす
  • バーテンダーに扮して注文されたカクテルを仕上げる
  • 秘密結社の幹部に扮し会議に出席
  • 豪邸の新入り料理人に扮してパスタを作る
  • 精神科医に扮してターゲットのカウンセリングにあたる
  • 画家に扮して数十秒でターゲットの絵を完成させる
  • 不動産屋に扮して標的に売出し中の空き家を案内する
  • 探偵に扮して密室殺人事件の謎を解く
  • ソムリエに扮してとてつもなく貴重なビンテージワインの解説をする
  • DJに扮してクラブを盛り上げる
  • 整体師に扮してターゲットにマッサージを施す
  • ターゲットが率いている傭兵集団のメンバーに扮し、要人の襲撃訓練に参加する
  • シャーマンに扮し、人骨が発掘された工事現場で精霊を鎮める儀式を執り行う
などなど。
多くの場合は変装元の人物が47と同じハゲだったり帽子を被ったりしているので頭をごまかす事が出来ているのだが、
変装元が髪フサフサで帽子も被っていないなどごまかしの利かない場合でも、周囲の人間が「髪を剃ったのか?」と独り合点してくれる。

更には開発スタッフらの悪ノリのせいで条件を満たした時の特別な逃走方法も定評が出てきており…

お前のキャラじゃないだろと言わんばかりの華麗なる逃走の数々

  • ショッキングピンクの鳥のマスコットの着ぐるみを着て空を飛ぶ
  • イルカの像に乗って颯爽と水上を去っていく
  • レーサーに扮しレーシングカーを借りパク、そのままコースに出ていく逃げなきゃならんのにすっげぇ目立ちそう
  • 銀行の窓から飛び降りるどう見ても脱出と言うよりは投身自殺にしか見えない飛び降り方で
  • 40代後半にもなる男がノリノリで恐竜を模した子供用の足蹴り車遊具に跨がり去る 
  • ワニのビニールバルーンの背に悠々と寝転がりそのまま海に流されていくホントに逃げる気あるのか
  • 人様の家からオールを一本拝借し、川へ向かい小さく粗末なイカダに乗ってそのまま漕いでいく
  • 木に引っ掛かってる傘を川へ撃ち落としたら目の前に浮いてきたので、拾って風に乗ってゆっくり飛び去るどう見てもメリー・ポピンズです本当に(ry
  • 孤島の断崖絶壁から大荒れの海目掛けスワンダイブ
  • 燃えさかる暖炉に飛び込み、煙突から脱出。火傷一つ負わず、それどころか服に付いた煤を指で払うほどの余裕
  • 未知の存在にアブダクションされる最早逃走ですらない
  • かごにアヒルの玩具が入った自転車で月をバックに夜空を飛ぶメリー・ポピンズの次はE.T.か

などなど…

追記・修正はICAに依頼をしてからお願いします。


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