Q.E.D. 証明終了

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Q.E.D. 証明終了 - (2014/12/21 (日) 07:46:57) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/03/31(木) 06:17:41
更新日:2024/01/12 Fri 11:08:44
所要時間:約 5 分で読めます




我々は

斯くの如くして先の命題を

そうせよと初めの折に請われし侭に

証明せり


『Q.E.D. 証明終了』は加藤元浩による漫画作品。既刊43巻。
現在は以前掲載されていたGREATとマガジンZとが統合されたイーノを経てマガジン+にて連載中。
イーノまでは以前と変わらず隔月発行だったが+でついに事実上の季刊化をしてしまったが、読者には(作者にも?)支障はあんまり無い。

雑誌を講読する人には親切な仕様として、基本的に1話で完結するスタイルをとっている。
ただその1話が約100ページにもなるので、しっかり読もうとすると結構疲れる。
1度だけ3話程を費やして語られた長編エピソードもある。

また、現在作者は親雑誌である月刊少年マガジンで同世界観の作品『C.M.B.』を平行して連載中。
総仕事量は何気に週刊漫画作家にも迫るほど。


ちなみに『Q.E.D.』とは、与えられた命題を証明するときの結び文句の一種で、「よって命題は証明された」の略。
作中では必ず何かしらの形でこの言葉が現れ、以降は謎の解明に移る流れになる。

そのまま回答を見るのも良し。
一旦読み返して自分の推理を展開するのもまた楽しいかも知れない。



【登場人物】

■燈馬想(とうま そう)
主人公の少年。
15歳でMIT(マサチューセッツ工科大学)を主席卒業した後、日本の高校に入学し直した経歴を持つ。
感情の機微に疎いこととその経歴から周囲に避けられていたが、可奈と知り合うことで日々を騒がしく過ごすことに。
知識は広範に渡り、先攻していた理数系だけでなく法、歴史、古典文学や生物、その他雑学にも及ぶ。わけがわからん。
その代わりなのか、どうしようもなく運痴で音痴。
事件に出くわす原因は世界中の知り合い絡みが半分、なんやかんやに首を突っ込む可奈が半分。
その度に解決役を任される。
解決後は「以上、証明終了です」がお決まりのパターン。
当初は合理性重視の無機質な面が強かったが、感情的になったり負けず嫌いな面を見せたりし始めている。
日本では1人暮らし。年末には可奈の家にお邪魔することも。


■水原可奈(みずはら かな)
想と同級生で、金髪ポニーテールが目印の女の子。
面白いこと好きの活発な性格で、想をあちこち引っ張りまわす。
学校の成績は残念だが身体能力に優れ、とにかく強い
事件時には参考人への聞き込みを行い、もっぱら想の助手役として活躍。あと犯人撃退とか。
ちなみに想よりちょっと背が高い。
初めはムカつく変人としか見ていなかった想に対し、最近は…?


◆水原幸太郎(みずはら こうたろう)
可奈の父で、捜査一課の警部。
捜査に対しては落ち着いた考えを持ち、また想が居合わせた時にはその助言を受け入れる懐の深さがある。
なおフルネームが判明したのはかなり後。ずっと警部警部言われてたお人。


◆シド・グリーン
MITでの想の親友にして理解者。
想と同じく数学を学び、想と出会うまでは自分と議論できるだけの友人に恵まれずにいた。
人をよくからかう陽気な人物で、その性格から周囲には『ロキ』の呼び名の方が通っている。


◆エバ・スークタ
インド生まれの情報工学者。
同じくMITに所属し、シドの相棒として過ごす。
穏やかで心優しい性格で、シドを普段から気遣っている。


◆燈馬優(とうま ゆう)
想の妹。兄と違い、ごく普通に年齢相応の女の子。
両親が世界中を巡って仕事をしている都合で、現在アメリカに1人暮らし。
兄妹仲は良好ながらも想の人間性を理解できず、可奈の仲介でようやくそれが氷解することになる。
言葉を聞き取る能力に優れ、多くの言語を使いこなす。
その為かふと聴こえた言葉から次の言葉を連想し続け、ボーっとする癖もあったり。


以下、準レギュラー(?)

◆アラン・ブレード
世界NO.1のシェアを誇るOSの開発元・アランソフト社の社長。
想とは古い馴染み。
優秀な人材として彼を引き抜くべく、嫌がらせじみた強引な手段で迫ってくる。


<探偵同好会>
以下3名で構成され、名称通り(?)の行動を日々行う。
事件を『自分達で起こして』解決しようとするなどで問題を起こし、なぜか想と可奈はそれに巻き込まれる。
後にミステリ同好会へと名前を変え、メンバーに1名ドMが追加される。

◆江成姫子(えなり ひめこ)
探偵同好会の創設者にして部長。
女王様っぽいので仲間内で「クイーン」と呼ばれる。


◆長家幸六(ながいえ こうろく)
探偵同(ryの会員にして通称「ホームズ」。
自称理論派ではあるが論理には穴だらけ。
眼鏡。カブトムシ。


◆森田織理(もりた おりさと)
探(ryの会員で通称「モルダー」。
他と同じく推理マニアだが、何につけても宇宙人や幽霊を話に持ち出す。
ある人物との問答ではちょっといい台詞を残したり。
「人類がまだちゃんと宇宙人と会えないのは仕方ないんです」
「ほォ……、なぜ?」
「オレが一番最初に会うからですよ」



ジャンルとしてミステリーを謳いつつ、本作では殺人事件に出くわすのは大体半分くらいの割合。
かつその殺人事件にしても他の作品では大抵加害者が存在するが本作では「結論として自殺だった」という事も少なく無い。
そして、事件と呼べないような小さな謎を扱ったりするのが残りの半分(参考→日常の謎)。
しかしそのいずれもが理路整然としたロジックで解決される様はお見事。

様々な理系知識の紹介とそれを絡めた事件も多く、そういった面でも楽しめる。
(ちなみに兄弟作品の『C.M.B.』では逆に歴史や地学等の話が多い)

主人公を筆頭に変人が多いものの、折々深い言葉が飛び出すことも本作を印象付ける要因なのかも。
以下に1例として想の言葉を挙げておく。


「君はなぜMITを出た後…日本の高校に入ったのかね?」

「お花見で見る、桜みたいなものです」

「形のない全体があって、そしてそれ全部があるだけで楽しくなるような…」

「今は形のない、そういう物に触れていたいんです」




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