18禁アダルトゲーム

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18禁アダルトゲーム - (2019/03/03 (日) 21:54:10) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/07/25(月) 18:15:33
更新日:2024/04/09 Tue 10:44:57
所要時間:約 12 分で読めます




18禁アダルトゲームとはその文字通りAdult(大人)しか買ってはいけないゲーム。
つまるところ、エロ…すなわち性描写が含まれていることが原因で18歳未満は購入を禁止されているゲームを指している。
日本で18禁といえば大抵こちらの事を指すが、その理由は未成年厳禁の締め出しで最も歴史が長く、かつ目立つ為。
(性描写が有るメディアで除外されてるのは小説位で、それでも販売側の自主規制による購買制限がされているケースは多い)

PCでプレイするPCゲームソフトが主流で、人によっては「PCゲー」と聞いただけでこちらを連想する人も。
普通のゲームハード用のものは珍しいが、メーカーによっては普通のゲームハードでもプレイできる移植版を販売していたりする。

通称「エロゲ」「エロゲー」。「ERG(erg)」とぼかして言われることも。

同じく年齢規制のある、CEROでいう「Z指定」のタイトルは暴力・反社会行動等の描写が原因である場合が多く、本項目には該当しない。
余談になるが海外ではDとZの間に17禁とでも言うべき「Mature(マチュア)」という指定が有り
残酷描写等でZ相当のゲームはこちらに固まっているケースが多い。もっともほとんど日本市場に入らないゲームばっかりだが。

さらに最近は課金等の金融トラブルを避ける為責任能力の無い未成年を締め出すタイプ(ネットゲー・ブラウザゲー)もあるが、
本項目には該当しない。
一般的なエロゲーを元にしたブラウザゲーなどもよく出てはいるが。

また、ゲーム制作会社がリリースする、いわゆる「商業ソフト」と、個人ないしはサークルがリリースする「同人ソフト」が存在し、
前者は値段が高い分比較的きっちり作りこまれたものが多く、後者は作り手によってクオリティには差があるが総じて値段が安いという特徴がある。
ただし、商業ソフトにもいわゆるクソゲーと呼ばれるものは多く存在し、逆に同人ソフトも商業ソフト並のクオリティかそれ並の評価を受けることも数は少ないがある。(ひまわりとか月姫とか)
規制や需要の少なさのため商業でできそうにないゲームを作る意義というのもある。
同人サークルと企業の境目があいまいになることもあり、TYPE-MOONAKABEiSOFT2は同人上がりの法人であるし、Nornやsofthouse-sealなどはいまだに企業同人扱いであったりする。

値段という点においては大雑把に分けて
フルプライス(8K前後)
ミドルプライス(4K前後~6K前後)
ロープライス(3K前後かそれ以下)
となる(これは主に商業作品の話で同人作品は基本的にこれよりも全般的に安くなる)。
基本的には質・量ともに値段に比例するのだが、絶対的なものではない。
ロープライスでも満足して楽しめる神ゲーもあれば、フルプライスでもどうにも受け入れがたいクソゲーというのもある。
他にもフルプライスで質も相応だが量が圧倒的に不足しているパターンや、FDとして生粋のファンだけに向けているので価格がやや高いパターンなどもある。

【ジャンル】
主なジャンルは「ADV(アドベンチャー)」と「それ以外」に分類され、

●ADV
表示された文章を普通に読み進めて、途中の選択肢でルート分岐。世に溢れるエロゲーの殆どはこれ。
「紙芝居ゲー」と揶揄されることもあるが、よほどシステムが腐ってない限りは面倒くさいところもなく、作りやすさと相まって安牌なジャンル。
開発費用も抑えられるが、大手と称されるようなところだと他のゲームに劣らぬほどの手間暇や開発費がかけられていることもある。

●それ以外
上のADV以外のジャンル。所謂「遊べるエロゲー」と呼ばれる方。多くはRPG・SLGだが、稀にアクションゲームが出たりもする。
ADVと比べて高いプログラミング技術が必要だが、何よりもゲーム設計を考えたり難易度を考えたりとやることが多くなるので大変。
しかも一生懸命品質を向上させたところで、必ずしも面白いものが出来上がる訳ではないところも大変。
開発費用も比べものにならないぐらい高い。

その分18禁ゲームではコアなジャンルであり、ちゃんとした作品を出せばファンがしっかり着いてくれるハイリスクハイリターンなジャンルと言える。
有名どころは、『Ranceシリーズ』のアリスソフト・『戦女神シリーズ』のエウシュリー・『巣作りドラゴン』のソフトハウスキャラ
『BALDRシリーズ』の戯画の4つはまず名前があがる。
RPGツクールの様な簡易RPG製作ツールの流布などの影響もあり、
今は商業作品よりも気楽に開発できる同人作品の方が見かける事が多かったりするジャンル。

基本的に2Dな画像なり映像なりで作られているがILLUSIONなどに代表される3Dエロゲーも存在しており、そのためのエディタを備えていることもある。

【エロゲーの種類】
エロゲーにも様々な種類があり、その大まかな系統を紹介する。
勿論複数の種類を併せ持つゲームも多々ある。

●抜きゲー
「やはり『エロ』ゲーなのだからエロくなくっちゃ!」というわけで、エロを追求したゲーム。
純愛と凌辱の2パターンあるが、ストーリーに突っ込んだら大体負け。
ただし、最低限の文章の読み易さやエロシーンのテキストの質は求められており、超展開が飛び交う様な電波テキストだとクソゲー扱いされる。
以前は抜きゲーと言えばSM・鬼畜・陵辱系であった。
純愛抜きゲーが目立ち始めるのは2000年代と最近である。ちなみに純愛抜きゲーもキャラゲー扱いされたりもする。
純愛ならアトリエかぐやプリンセスラバー!ゆずソフトあたりを、凌辱系なら魔法少女アイ(3除く)や戦乙女ヴァルキリーシリーズあたりだろうか。
1つの作品で両方体験したいという欲張りな人は、アリスソフトの『超昂シリーズ』に手を出しとけばとりあえず問題ない。
delta作品もオススメ。

凌辱ゲーに「製作者は女に恨みでもあるのか?」と「警察に駆け込めよ」は禁句。
また、このジャンルの中には「儀式(要は輪姦・レイプや凌辱、調教)に使うため、島を一つ所有できる財力と隠蔽出来る権力がある一族」が居るが、特段珍しくもないのでツッコンではいけない。
また、主人公の彼女がスワッピングを提案する等もある。
モブキャラ(街のおっさん、不良やDQN等)が、ある意味大活躍するジャンルである。
女の子が可哀想? 知らんがな……。
つか地味にこの手の陵辱ゲー系のメイン製作陣は(ある種振っ切れた)女性が多かったりもするのだが…………。

ロープライスものの多くは大体これなので、しょっぱいボリュームのものも多い。

泣きゲー
「エロゲーだからってエロだけじゃダメ!感動できるようなストーリーを重視しようぜ!」という人向けシナリオゲー。
涙腺崩壊物が多いので泣きゲーと称されているが、当然ながら誰しもが必ず泣けるというものではないので注意。
多くの作品でエロが薄く、よく「エロいらなくね?」と言われるジャンルでもあり、実際エロ無しの全年齢対象版がよく発売される。
というかエロを多くすると通常シーンのCG数がしょっぱくなりやすいので、そういう意味でも「エロいらね?」ってなったりする。
そういった作品を中心としたゲームブランドとしてはkey
KanonAIRCLANNAD智代アフターリトルバスターズ!、どれも涙腺を破壊してくれる。
他にはONE、パルフェやこの青空に約束を―加奈〜いもうと〜家族計画こなたよりかなたまで車輪の国、向日葵の少女
そして明日の世界より――うたわれるもの辺りが有力。
相応の質があって初めて泣きゲーと呼ばれるため、泣きゲーを作ろうとして凡作程度の作品になってしまった場合は自然と別ジャンルになりがち(萌えゲーやらキャラゲーやら)。

●萌えゲー
言わずと知れた萌え特化ゲーム。
ストーリーも最低限はあるが、基本は可愛さを重視したデザインのキャラとギャグで攻める。
手っ取り早く空気が知りたいならToHeart2SHUFFLE!つよきすあたりが鉄板。
夜明け前より瑠璃色な」等で有名なAUGUSTの作品は基本的にこの系統…というかエロやストーリーにも力を入れていて安定した品質とは裏腹に実は何とも言い難い存在。

燃えゲー
「エロゲーだからってエロだけじゃダメ!燃えるストーリーが読みたい!」人向けのシナリオゲー。
よく挙がるのはあやかしびとFate/stay night斬魔大聖デモンベインマブラヴ オルタネイティヴDies Irae -Acta est Fabula-あたり。
エロはそれなりにあるが、泣きゲー同様に全年齢対象版であるコンシューマ機への移植も考慮されていたり、エロはいらねって考えも多いことから、
エロは得てして薄く、グロも結構多いので耐性がない人は気を付けた方がいい。もしくはエロが特殊な場合も。

鬱ゲー
「エロゲーだか(ry」人向けのシナリオゲー。
その名の通り鬱になるゲームのこと。プレイ後、なんともいえないモヤモヤした気分になりやすい。人を選ぶジャンル。
ヒロインが精神崩壊したり病んだり、萌えゲーかと思ったらヒロインが殺されたり、逆にヒロインに殺されたりするが、救いのない展開であること以外に共通した特徴はない。
さよならを教えて沙耶の唄殻ノ少女School Daysなどが有名。
君が望む永遠は何とも言い難いが…鬱ゲー扱いされてもおかしくはない。
展開だけで言えば、GUILTY作品も大概これに当たる。

●グロゲー
欝ゲーとも重なるが、こちらは視覚面でダメージを与えて来る。臓物や排泄物にパーツチョンパ、えげつない殺害シーンなど。
ブランド単位ではブサイクことBlack Cycおよび今はなきたっちーの諸作品、ニトロプラスageCLOCK UPの一部作品にも含まれる。
単体作品ではDark Blueなども有名。中にはグロ緩和パッチが出ることもある。
ゴア・スクリーミング・ショウが有名で特徴も当てはまっているが、中身はある意味燃えゲーという特殊な作品。
単なるバイオレンスのみで終わる事があるが、時にシナリオや設定の緻密さで絶賛される大当たりが混じっていたりもするので、グロをこらえてプレイするファンも居るが、数あるジャンルの中でも飛び抜けて敬遠する人が多いジャンル。
なお、この範疇で排泄系特化のものは「糞(フン)ゲー」「クソゲー(物理)」と呼ばれることもある。これに該当するのは現行ブランドでは聖少女率いるEmpress。

●バカゲー
見ている内にキャラのテンションやツッコミがカオスになって、シリアスな笑いを誘うようなやつ。
でも、バカゲーでも後半は泣きゲーになったりする事もあるので注意が必要だ。
遊撃警艦パトベセル〜こちら首都圏上空青空署〜姫騎士アンジェリカ ~あなたって、本当に最低の屑だわ!~へんし~ん!シリーズなど。
ジブリールなんかは抜きゲーとして使えるが、一々理由がおかしかったりする。
タイトルの時点でブッ飛んでいる場合が多く、頭が悪そうなタイトルならたいていこのジャンル。
ただし、はき違えてただのクソゲー(上記と異なり、物理的な意味ではない)と化す失敗例も少なくなく、意外と難しい。

●特殊ゲーム 
エロゲーの「メジャーな著作物ではない」「年齢制限が有るため、表現規制が緩い」という点を最大限に活用した、実験的な内容のゲーム。
物によっちゃあ全年齢の表業界に関する舞台裏の黒い話をネタにしてるのも有る。
1990年代後半~2000年代に多く見られ、少なくなったものの2010年代に入ってからも散発的に見られる。
好き好き大好き!ジサツのための101の方法終ノ空のような電波ゲー、屠殺の園君と彼女と彼女の恋。のようなメタゲーなど。
かつてのにっかつロマンポルノがそうであったように、エロゲーも性描写さえあれば、
あとは何をやっても自由であるということを思い知らせてくれる作品である。



業界的には零細企業が多いためとにかく入れ替わりが激しく、1作出しただけで消えるブランドも珍しくなく、スタッフ(特に人気原画家)の移籍であっという間に勢力図が塗り変わるのはザラ。
最近は新たなエロゲ会社がちょこちょこと出てきているが、そのほとんどが古参会社に押され気味。
昨今の凌辱・抜きゲーを察知してか、KAIみたいに凌辱9割・純愛1割と言われるほど特徴的な構成で勝負をしている会社が多いらしい。
また、流石に零細ブランドのスタッフまで一々確認する人は少ないため、クソゲーを出してしまった新ブランドは名前だけ変えて再出発(?)というのもちょくちょく見かける。



そんなエロゲーの最大の敵はいわずもだが、

割 れ

である。
これはエロゲに限ったことではないが、パソコンソフトであるため半ば覚悟しなければならないのかもしれないが、エロゲーは割れが特に多い。
有名な話では『売り上げ10万本の戦国ランスのパッチのダウンロード総数は100万オーバー』という話。
勿論パッチは4、5回更新されているので100万が絶対の数字ではないが、
1つのパッチを全てのユーザーがダウンロードしたとしても50万ダウンロード。
何らかの事情があって何度も落とすことになったとして、それを差し引いても如何に大量に違法コピーされているかわかるだろう。

これは割れに限った話ではなく、動画共有サイトにはよく『プレイ動画』がアップされる。
中身は『ゲームをプレイした動画』で、会社によっては認めていたりもするのだが、
これがシナリオゲーや萌えゲーなどのADV(紙芝居ゲー)が中心のエロゲーをアップされると、メーカーからしたらたまったものではない。
シナリオ・キャラが中心のゲームでシナリオと絵を見て、それでもまだ買おう…という人がいないとは言わないが少ないであろう。
事実、訴訟を検討しているメーカーも存在する。
これについてもメーカー内で「プレイ動画が流れて購入が減るのはライターの力量不足もあるのでは?」など議論が交わされている。

最近では、不正ダウンロードを防ぐ為に、シリアルコードの入力や、正規ディスクによるデータの更新をする必要がある作品や
近場に販売店が無かったりロットアップした為にやむを得ず…という行為を無くす為に、
DLsite.com等のダウンロード販売サイトで永遠に販売を続けられる作品(バーチャルコンソールや、
ゲームアーカイブスと原理として同じ)が増えつつある。(これを「ロットダウン」とでも呼ぼうか)
だが、動画サイトへのプレイ動画投稿、流出を防ぐのは難しい。

世のエロゲープレイヤーには是非ちゃんとお金を払ってプレイしてもらいたい。


●余談

  • アダルトソフトを一番最初に出したメーカーはコーエー

  • 実はファミコンにもエロゲがある。が、そのほとんどが出来映え以前にソフ倫すら裸足で逃げ出すほどの危険な内容。
    幼女監禁は可愛い方で、胴体切断とか最早マジ〇チ。
    また、ガイナックスなどのアニメやテレビゲームで有名メーカー達もファミコンでエロゲを出していた。

  • ゲームのアニメ化的なノリで18禁アダルトアニメの原作になることが多いが、時折実写化のノリでAVの原作になることもある(LiliTHの人気タイトル「対魔忍」シリーズなど)。

  • 英語圏では「Wankware」というが、これを直訳すると「抜きゲー」となる。
    日本が「あらゆる事物が異常進化を遂げる国」であることを再認識させられる話である。



追記・修正は18歳以上の方がお願いします

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