STAR WARS エピソードⅣ 新たなる希望

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STAR WARS エピソードⅣ 新たなる希望 - (2016/12/29 (木) 23:35:19) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/12/24 (木) 09:25:21
更新日:2024/04/28 Sun 03:52:35NEW!
所要時間:約 16 分で読めます





遠い昔、はるか彼方の銀河系で・・・・


STAR WARS
EPISODE Ⅳ
A NEW HOPE



1977年に公開された、スター・ウォーズシリーズ第1作。監督はジョージ・ルーカス。配給会社は20世紀FOX。
今やSF映画の古典的名作、神話とまで崇められるSWシリーズの原点である。

現在っ子は「なんで第1作がエピソード4やねん」と疑問に思うかもしれないが、実は公開当初は『EPISODE Ⅳ』も『A NEW HOPE』も書いていなかった。
現在観ることが出来るそれらのタイトルは「次回作がエピソード5になる」と言う告知後、「公開1周年大ヒット記念リバイバル上映版」のビデオ化に際して付け足されたものである。


製作

公開前史

前作『アメリカン・グラフィティ』のヒットで借金を返し、自分の会社「ルーカスフィルム」を作ったルーカスは、
彼自身が幼少より親しんでいた『フラッシュ・ゴードン』の映画化を検討していたが、版権問題がクリアできずに断念。
ルーカスは困った末に、フラッシュ・ゴードンを始め、古今東西の映画や神話、漫画、寓話をパクってのいいとこどりをしたSF映画を作ることにしたのである。
  • ジョーゼフ・キャンベルの神話・英雄論や、『金枝篇』と言った文献
  • 一人の青年が伝説の剣と師匠的な老人と出会うプロット→まんまアーサー王伝説
  • 2人のはぐれものが亡国の姫と出会うプロット→まんま『隠し砦の三悪人
  • 敵兵が味方の船に乗り込んでくる海賊映画ばりのシーンや、なんか西部劇っぽい服装のアウトローたち
  • レーザーガンが飛び交うSF映画の癖に、何故か光る剣を使ったチャンバラが始まる
  • 戦闘機シーンは第二次大戦の記録映画を参考に
結果、SWは「娯楽映画の見本市」とも称されるようになった。

余りに色々な要素を取り込みすぎたが故に、出来上がったシナリオはくそ長かった。映画化すれば9時間は余裕で越えてしまう。
そこでルーカスはシナリオをいくつかの章(6~9分割)に分けることにした。興行的に失敗した時に傷を最小限にでき、
成功した時には続編を作りやすい部分、加えて当時の特撮技術で無理なく表現できる部分……。それがEP4に当たる部分だったのである。

ちなみにこの時、ルーカスは盟友フランシス・フォード・コッポラの介入を嫌い(あくまで1人でやりたかっただけで、2人の関係自体は良好)、
映画学校時代から温めていた『地獄の黙示録』の企画原案を無償でコッポラに譲ってやっている。


当時のSF映画は非常に世間の評価が低く、安かろう悪かろう、大衆娯楽以下のナード向け文化としか観られていなかった。
当然、各映画会社はルーカスの企画案には渋い顔で、『アメグラ』のユニバーサルも話を断った。
(ただ、元々ユニバーサルは『アメグラ』を過小評価していた経緯があったので、ルーカス的にはむしろせいせいしたとか)
最終的にルーカスを高く評価していた20世紀FOXの重役、アラン・ラッドJrが買ってくれることになったものの、予算は300万ドルしか下りなかった。
当然それっぽっちで足りるわけもなく、経費は1500万ドルにまで膨れ上がる。契約を打ち切られることを危惧したルーカスがそれをギリギリまで黙っていたことで、FOXの重役陣は大激怒し(当然だ)、アランJrも半ギレ状態で重役陣を説得した。

撮影状況も芳しくなかった。
チュニジアロケは50年ぶりに発生した降水、それも豪雨に出鼻を挫かれ、劣悪なホテルの食事でスタッフ全員が体調を崩し、砂嵐でセットは壊れ、リビア軍の介入(後述)もあって撮影予定はまるで消化できず、本国での追加ロケを必要とする。おまけに帰ってくると空き巣に撮影機材を盗まれていた。
イギリスのスタジオでは、経験深い英国人スタッフと、若く内向的なルーカスが対立し、スタッフがサボタージュ寸前の勤務態度をとる。
ゲイリー・カーツプロデューサーと共にかき集めた人材で結成した特撮担当の「ILM(インダストリアル・ライト・アンド・マジック)」はロクな物を作らない……。
新人揃いの主要キャストは皆仲が良く、エネルギッシュに撮影をこなしていたこと。そして盟友スティーブン・スピルバーグから著名な音楽家のジョン・ウィリアムズを紹介してもらえたことが、ルーカスにとって数少ない救いだった。

ルーカスは連日の激務の末に高血圧が悪化、入院まで経験する。そして撮影終了間近には主演のマーク・ハミルが運転中に崖から転落して重傷を負い、残り数カットは代役で通した。
トドメとばかりに、公開前の業界内試写も酷評まみれだった。特にブライアン・デ・パルマからはボロッカスに貶され、
流石にキレたルーカスは「 アンタの映画は儲かったためしがない 」と応戦する。破産寸前だった『アメグラ』の一発屋が言っていい台詞かそれ……。
公開初日に至っては、遂にルーカスは自信を喪失し、興行が失敗した時にFOXが派遣してくるであろう差押人から逃れるべく、ハワイ・オーストラリア旅行に出かけてしまった。

だが、ルーカスとFOXの予想に反して『STAR WARS』はメガヒットを飛ばすことになる。


そして伝説へ…

当時のアメリカは、国家的苦行・ベトナム戦争の後遺症に苦しんでいた。
気晴らしをしようとしても、内罰的な「高尚な作品」か、セックス・ドラッグ・ロックンロールなヒッピー文化くらいしかない。
老若男女が楽しめる「健全な娯楽」に、合衆国市民は餓えていたのだ。

現実離れしながらも、妙な親近感を感じさせるストーリー。
ロマンスや胸躍る活劇、それでいて健全な男女関係。
アングラムードがありつつも決してどぎつくない、冒険心を刺激する設定。
『SW』は見事に「条件」を満たしていた。

そうした時代背景を抜きにしても、単純明快で、なおかついい感じに奥ゆかしさを残したシナリオや設定は、良質な冒険譚として人気が高い。
ルーカス自身が「SWは30の映画から成り立っている」と語る通り、至る所から寄せ集めた要素が単なるパクリに終わらず、オマージュとして昇華されているのである。


冒頭ではお馴染みの「これまでのおはなし」的な状況説明の字幕が流れるが、これはわざわざドラマにすると間違いなくだれる所を省略し、すぐにアクションシーンを始めて観客を映画に引き込むという工夫だった。
その割には登場人物たちは映画の本筋には関係のない事象や固有名詞を交えた世間話をすることが多い。


「R2何をしてるんだ! 帝国軍に捕まればケッセルの強制労働鉱山に入れられるのは分かってるだろう!!」
「君のお父さんと私は共に戦争を戦った」「クローン大戦のこと?」「そうだ」
新型のVT-16はもう見たか?」「まだだ。見たやつはなかなか良いって言ってたな」

太字で書いたセリフは本編にはそれ以上登場せず、伏線になっているわけでもない。
しかし、それが世界観が詳細に作られていることを観客に匂わせる結果となり、本格的なSFファンにもウケたのだ。


当初こそルーカスを失望させたILMは、その後に奮起して汚名を返上。彼らは後に映画界に大きな足跡を残すことになる。
金をかけ過ぎただけのことはある特撮のクオリティもさることながら、文学映画にも匹敵するような画面とセット作りの上手さも評価された。
ちなみに、かの黒沢明は「この映画は『汚れ』がいい」と評価した。まるで本当に人が生活しているような美術演出が、あのリアリティ至上主義者の黒沢に認められたのである。

それまでのSF映画の常識を覆す、重厚なクラシック音楽も人々を驚かせた。歌曲の様にテーマを重視した音楽によって、SF映画自体に対する印象が変わってしまったのだ。
「全く人々が見たことがない映画だからこそ、あえて普遍的な本格クラシック音楽を当てる」というルーカスの狙いが見事に的中した。
ルーカスは「この撮影で唯一自分の思惑以上に良いものが出来た」と述懐する。なんか日本のテレビアニメでもそんなこと言ってた監督がいたような。


第50回アカデミー賞では編集賞・美術賞・衣装デザイン賞・作曲賞・録音賞・視覚効果賞を受賞。作品賞・監督賞・助演男優賞・脚本賞にノミネートされた。
1989年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されている。


それまでの記録を完全更新し、米国内に限れば2015年現在も史上第2位を誇る興行収入もさることながら、関連商品の大ヒットでルーカスは巨万の富を得た。
(FOX側は撮影報酬を上乗せしようとしたが、ルーカスは関連商品のロイアリティ獲得を提案して大当たりしたのだった)
彼は後にそれを使い、自分だけの作品が作れる理想郷「スカイウォーカー・ランチ」を設立する。
しかしこの時点のルーカスには長編映画を作る気力はかけらも残っておらず、結果として彼は監督業を半ば引退。
暫くはスピルバーグやコッポラに協力するプロデューサー活動を始めることになる。

なお、スピルバーグは試写の段階から本作の成功を確信していた数少ない人物だった。
逃亡先療養先のハワイで戦々恐々としていたルーカスにSWのヒットを伝えに行ったのもスピルバーグだった。
インディ・ジョーンズ』の企画が生まれたのはその時らしい。


特別編

EP5、6を撮り終えてから10余年。スピルバーグがILMを率いて制作した『ジュラシック・パーク』がヒットしたことで、特撮技術の進歩を実感したルーカスはいよいよEP1の製作を考え始める。
その手始めに取りかかったのが、3部作のリマスター公開であった。3年をかけてフィルムを物理的に洗浄し、CGによる新たなシーンの追加、既存シーンの微編集を行った『特別編』を97年に公開したのである。
特にいろいろ荒も多かったEP4は徹底的に手直しされ、真の意味で「現在でも通用する」出来栄えとなった。

現在発売されているDVD、BD版では更に編集が加えられている。



ストーリー

恐怖政治を敷く銀河帝国に反発する反乱同盟軍は、多くの犠牲を払いつつ、帝国軍が開発を進めている最終兵器の設計図を奪取した。
その兵器の名は「デス・スター」。設計図を受け取った反乱軍の中心人物、惑星オルデランのレイア姫は、父の古い友人に合うべく惑星タトゥイーンへ向かっていた。

だが、タトゥイーン上空でレイア姫の船は帝国軍に拿捕されてしまう。レイア姫は設計図をドロイドのR2-D2に託し、タトゥイーンへ脱出させた。
相棒の通訳ドロイド・C-3POと共にタトゥイーンへ墜落したR2は、廃品回収を営む原住民に捕まり、バザーに出される。
2体を購入したのは農場を営むラーズ家であった。

ラーズ夫妻の甥っ子で、いつか惑星を出ることを夢見る青年ルーク・スカイウォーカーは、R2の整備中に偶然機密ファイルを目撃する。
助けを求めるレイア姫の映像、彼女が呼びかける「オビ=ワン・ケノービ」なる人物に興味を持つルーク。
しかしR2は「古いデータの誤再生だ」と言い張り、それ以上の内容を語らない。それどころかルークが夕食から戻ると、R2は勝手に外に出ていってしまっていた。

翌朝、叔父の大目玉を恐れるルークは3POと共にR2の捜索に向かう。それはルークの人生を大きく変える冒険の始まりであった。



物語の舞台

1エピソードは3~4つの惑星で展開する」シリーズのお約束はここから始まっている。

◆タトゥイーン
銀河の辺境域に位置する砂漠の惑星。全ての始まりの土地。ロケ地はチュニジア。
2重太陽に照らされた過酷な環境では、水耕栽培を営む農家や、廃品を回収して売りさばく原住民のジャワ族、
そして法の目を潜り抜けてきた訳アリ人や、彼らを相手に商売をするいかがわしい連中がひしめいている。
ラーズ家は小都市アンカーヘッドの郊外に位置する。このアンカーヘッドからは惑星最大の都市で、大規模な宇宙港を擁するモス・アイズリーへの定期便が出ている。
デス・スター
帝国軍が開発した最終兵器。衛星クラスの大きさがある人工惑星。
最大の特徴はクレーター状に抉られた「スーパーレーザー」。
◆ヤヴィン4
ガス巨星ヤヴィンの第4衛星で、広大なジャングルが広がっている。ロケ地はグアテマラのマヤ遺跡。
原住生物以外の知的生命体は存在していない。各地には古代文明の遺跡が残っており、そこに反乱軍が秘密基地を築いている。


基礎用語

◆ジェダイの騎士
2万5千年の長きに渡り、銀河共和国を守護してきた戦士達。
万物に宿る力・フォースと共に歩み、光線剣「ライトセーバー」を振るう。
共和国の崩壊と帝国のジェダイ狩りでそのほとんどは死に絶え、今では数えるほどしか残っていない。
◆フォース
森羅万象に宿る不思議な力。素質のある人物は訓練を積むことで、このフォースを自在に操れるようになる。
具体的には瞬間的な未来予知や透視能力、対象の精神操作やサイコキネシスによる攻撃など。
ジェダイが死に絶えた現在ではおとぎ話程度にしか思われていないが、かつての共和国の理念を継ぐ反乱軍の間では
フォースと共にあれ」「フォースが共にあらんことを」という言いまわしが激励の文句として使われている。

◆ドロイド
ロボットの総称。
◆ハイパースペースとハイパードライブ
超空間(ハイパースペース)を航行するための動力パーツが「ハイパードライブ」。
要は「ワープ航行」で、通常航行では数か月~数年かかる距離を数日~数週間で移動できる。
ちなみに、劇中でハン・ソロが「銀河の果てのケッセルまでたった12パーセクで跳べる」と語っているが、この「パーセク」はハイパードライブを使った距離の単位。
◆スピーダー
宇宙船とは異なり、基本的に惑星の重力圏内でしか動けない浮遊式の乗り物。

◆ブラスター
特殊なガスを弾のエネルギー源とするレーザーガンの総称。
個人用のブラスター・ピストルやライフル、戦闘機用のブラスター・キャノンがある。
要塞や宇宙戦艦に設置されている大型砲は「ターボレーザー」などと呼ばれる。
◆防御シールド
隕石やブラスターを弾くエネルギーの壁。劇中では特撮技術の関係で本当に貼られてるのかわからないが、気にしないであげよう。
主にブラスターを防ぐ磁気シールドとエネルギー・シールドや、特殊な弾頭をも止める粒子シールドなどがある。
◆プロトン魚雷(光子魚雷)
宇宙船用のミサイル。弾頭先端から特殊な粒子を放出しており、エネルギー・シールドを突破できる。
劇中では反乱軍戦闘機の切り札として使用される。
◆トラクター・ビーム
牽引ビーム。照射した物体を引き寄せる不可視のエネルギー。
宇宙港などで宇宙船や物資の移動に使われる。


登場人物

味方サイド

ルーク・スカイウォーカー(演:マーク・ハミル)
映画が始まってから15分後に登場する主人公。タトゥイーンで叔父夫婦の農場手伝いをしている青年。
若さ故に冒険心が過剰で、少々怒りっぽいが、正義感は強い。機械いじりの才能があり、叔父には重宝されている。更に田舎生活のうっぷん晴らしに始めたスピーダー操縦の腕前はかなりの域に達している。
砂ばかりの惑星を嫌い、帝国アカデミーで宇宙船パイロットになることを夢見ているが、叔父から反対されて不貞腐れている。そのくせベンから旅立ちに誘われた時には「帝国軍は許せないけど、僕には何もできない。それに叔父が許してくれない」と妙にリアルな断り方をしてしまうティーンエイジ。

当初、20世紀FOXから「主役が15分も出ないってどうよ」と言われたルーカスは「冒頭の宇宙戦を地表から見上げるルーク」のシーンを撮ったものの、結局没にした。ブルーレイの特典映像でようやく日の目を見ることになった。

レイア・オーガナ(演:キャリー・フィッシャー)
惑星オルデラン王室の王女にして、オルデラン選出の銀河元老院議員。その裏では反乱軍の中核メンバーとして戦っている。
長髪を頭の両サイドでくるくる巻にした独特すぎる髪型が特徴で、パロディ作品で格好のネタにされる。
冒頭で帝国に捕まってしまうが、ヒーローに救われるか弱いお姫様キャラとは異なり、
自白剤を使った拷問にも耐え、牢を出てからは自分もブラスター・ライフルをぶっ放す。最早女傑。

ハン・ソロ(演:ハリソン・フォード)
高速貨物艇「ミレニアム・ファルコン」を駆る密輸商人。ルーク以上の操縦技術を持ち、更に銃の腕も立つ。
帝国軍の臨検に引っ掛かり、やむなく密輸品を捨てたために雇い主から借金を吹っかけられてしまい、仕事を探していたところルーク達と出会う。
状況が状況なので金にがめつく、血気盛んなルークや冴えないオビ=ワンをおちょくるキザなお調子者だが、基本的にはアウトローながらいい人。
なんだかんだでルークとは良きコンビとなり、兄貴分として頼られることになる。

『アメグラ』で注目されていたフォードの当たり役となり、これ以降彼は大スターの道を歩むことになる。
ちなみに『アメグラ』後のフォードは副業の大工仕事(結構評判が良かったらしい)に戻っていたが、たまたま一緒に食事したルーカスが役探しをしていると聞いて、即自分を売り込んだという。

C-3PO(演:アンソニー・ダニエルズ)
金色に輝くプロトコル(通訳)・ドロイド。R2の相棒的存在。
自分では「口下手で無口な方」と言っておきながら、自分の性能自慢や悲観的な現状分析、愚痴を喋りまくるやかましい奴。
とはいえその性能は確かで、様々な局面でルーク達の力となる。

ダニエルズは間接がロクに動かない、灼熱地獄のスーツを着込みながら必死にパントマイムと喋りをこなした。
撮影終了後は「スーツを叩き壊したい」と怒り狂ったらしい。

R2-D2(演:ケニー・ベイカー)
青と白のアストロメク(修理)・ドロイド。レイア姫からの信頼も厚い。
赤ん坊の声と機械音を混ぜて加工した独特の機械語で話す。3POと並ぶ、SWシリーズの裏の主役。

撮影には完全リモコンのモデルと、小人症俳優のベイカーが中に入る着ぐるみが使用された。
リモコンモデルは故障が頻発し、ルーカスとスタッフの精神をガリガリ削っていった。
おまけに撮影が長引くと、ベイカーは閉所恐怖症の為にかなりつらい思いをしていたらしい。

チューバッカ(演:ピーター・メイヒュー)
身の丈2mを越える毛むくじゃらのウーキー族。ハンの相棒でファルコン号の副操縦士。レイア姫曰く「歩く絨毯」。
獣のうなり声のようなウーキー語で話すが、ハンはしっかり意味を理解している。
気むずかし屋で怒りっぽいが、気を許した人間には真っ先にハグしに行くなど、なかなか愛嬌があるやつ。
キャラクターのモデルは当時のルーカスの愛犬「インディアナ」。

○ベン・ケノービ(演:アレック・ギネス)
タトゥイーンの荒野に一軒家を構える隠居老人。その正体は、かつての「クローン大戦」で活躍したジェダイの騎士、オビ=ワン・ケノービ将軍。
ルークの父アナキンの師匠で、レイアの義父とも親交が深かった。
老体を理由にルークを介添人に指名。彼をジェダイとして育てるべく、フォースの手解きを行う。
ソロ曰く「怪しいじいさん」。


オーウェン・ラーズ / ベルー・ラーズ(演:フィル・ブラウン / シラー・フレイザー)
ルークの叔父夫婦。水耕農場を経営している。
ベルーはルークに同情的だったが、オーウェンはルークが父のような末路を辿ることを心配しており、惑星を出たがる彼を何かと理由をつけて引き留めていた。
それでもルークからは良き保護者として慕われており、関係自体は良好だったのだが、2体のドロイドを追ってきた帝国軍に惨殺され、農場も遺体ごと焼き払われてしまう。
やたら生々しい2人の焼骨死体はSW屈指のトラウマポイント。

ジャン・ドドンナ
反乱軍の将軍。旧共和国時代から戦い続けてきた歴戦の名将。
秘密基地にたどり着いたレイア達を温かく出迎え、デス・スター攻撃作戦を立案する。モニタ横で喋っているのが彼。
ガーヴェン・ドレイス
反乱軍Xウイングのレッド中隊隊長。作中では「レッド・リーダー」と呼ばれる。
急遽自分の隊に加わることになったルークの実力を疑問視するが、ビッグスの推薦を聞いた後は素直に激励する出来た隊長。
ビッグス・ダークライター(演:ギャリック・ヘイゴン)
反乱軍のパイロット。タトゥイーン出身でルークとは幼馴染。警戒色マークのヘルメットが彼。
ルークとは共にスピーダーを乗り回す良き友人だった。帝国アカデミーへ入学したが、帝国の暴虐を目の当たりにして反乱軍に参加している。
やっぱり「主人公を早く出せ」というツッコミで、タトゥイーンに帰郷してルークに反乱軍入りを話すシーンが撮影されていたが、結局これも没になった。
ウェッジ・アンティリーズ(演:デニス・ローソン)
反乱軍の若きパイロット。デス・スター攻撃作戦でルークの僚機となる。青いヘルメットが彼。
実は主役級以外では唯一、旧三部作皆勤を果たす人物。レジェンズ作品ではルークの相棒として獅子奮迅の活躍を見せる。


敵サイド

ダース・ヴェイダー(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ / スーツアクター:デヴィット・プラウズ)
黒いスーツに身を固めた帝国軍の前線指揮官。2mに達する長身と、スーツから漏れる呼吸音が不気味。
オビ=ワンの弟子の1人だが、フォースの暗黒面に墜ち、帝国と組んで仲間達を次々殺していったという。
高い戦闘機操縦技術とライトセーバーの腕前を持ち、刃向う者は容赦なく殺戮する。
アメリカ映画史に残る悪役。

声が別なのはプラウズの発音がかなり訛っていたから。当然ながらプラウズ本人は不服だったという。
逆にジョーンズの名前は当初クレジットされていなかったが、彼は「自分はあんまり映画に貢献したわけでもない」と特に不満には思っていなかった。海の向こうでも声優の立場は低かったのだろう。
プラウズは剣劇に慣れておらず、その上動きづらいスーツを着ていたため、ライトセーバーのプロップ(撮影用小道具)を頻繁にへし折った。
更にスーツは視界が悪く、通路の真ん中で派手にこけたこともあったとか。

ウィルハフ・ターキン(演:ピーター・カッシング)
デス・スターの総督である帝国軍のグランド・モフ(大提督)。ヴェイダーの上司に当たる。
帝国軍人らしい血も涙もない性格で、惑星住民の虐殺を平然とやってのける。

●ストーム・トルーパー
白い装甲服に身を固めている帝国軍の機動歩兵。やられ役。
スーツの都合上大きな動きが出来ず視界も悪いため、全員が妙に小走りで、ブラスターを腰だめで発砲している。
デス・スターのセットでは1人が開き切らない扉に頭をぶつけるアクシデントがあったが、撮り直す余裕がなかったのでそのまま編集された。
おまけにこの時、ぶつかったスタントマンは脳震盪を起こしていたとか……。
そして前述したプラウズがこけた時には、後続のトルーパー達が次々とプラウズに躓いてこけていったという。

●帝国軍パイロット
黒いストームトルーパーみたいな連中。やられ役。


●ドクター・エヴァザン / ポンダ・バーバ
モス・アイズリーの酒場でルークに絡んだごろつき2人組。顔に傷がある人間がエヴァザンで、アシカみたいなアクアリッシュ族がバーバ。
オビ=ワンは酒をおごってなぁなぁにしようとするが、馬鹿にされたと思ったのかキレてブラスターを抜いた為、オビ=ワンに腕を叩き切られる。
「可能な限り説得はするが、剣を抜くことになれば容赦しない」ジェダイの基本姿勢は、後のルークにも影響を与える。

●ジャバ・ザ・ハット
初出はEP6。『特別編』にて追加登場したギャングの親玉。ハンの借金主。
●グリード
ジャバの手下のローディアン族。酒場でハンを殺して賞金を奪おうとするが、逆襲される。
オリジナル版ではハンが問答無用で銃殺していたのだが、『特別編』では先にグリードが発砲するように編集された。
このブラスターをかわすハンの首の動きが相当不自然なことになっており、数少ない叩きどころとしてネタにされている。


その他

○アナキン・スカイウォーカー
既に故人となったルークの父で、オビ=ワンの弟子の1人。優秀なパイロットだったという。
ヴェイダーに殺された後、形見となった彼のライトセーバーを、ルークはベンから託されることになる。

●ジャワ族
タトゥイーンの原住種族。廃品回収を生業にしている。
●サンド・ピープル(タスケン・レイダー)
タトゥイーンの原住種族。独特の部族社会を作って生活する砂漠の盗賊集団。


メカニック

○タンティヴィⅣ
反乱軍のブロッケード・ランナー。冒頭に登場するオルデラン王室の船。
実はファルコン号の初期デザイン案だった。

○ミレニアム・ファルコン
YT-1300貨物船を改造したハンの高速艇。ハンの前に何人もの手を渡っており、その度に改造を施されてきた。
度重なる改造や損傷のために、船体が非常にみずぼらしいことになっており、ルークからは「なんだよこのポンコツ?」、レイア姫からは「あれに乗ってきたの? 凄い度胸だわ」などと散々にこき下ろされる。
非正規の軍用パーツを使用したことで故障も多いが、そんじょそこらの軍用船をぶっちぎるスピードは本物。銀河系最速のガラクタ。
ルーカスとデザイナーのラルフ・マクォーリーは、ピザ食ってる時にこの船のデザインを考え付いたらしい。

○Xウイング・ファイター
反乱軍の主力戦闘機。戦闘形態では翼を上下に展開し、X字のシルエットを形成する。
その俊逸なデザインとギミックで非常に人気が高く、熱心なファンの中には自家用車の内装をこれのコクピット風に改造した者もいるとか。

○Yウイング・ファイター
反乱軍の旧式戦闘機。上から見るとY字のシルエットになっている。
整備性の向上と物資不足のために機体の装甲が引っぺがされ、一部内装がむき出しになっている。


●スター・デストロイヤー
「惑星駆逐艦」ではなく、文字通りの「惑星破壊者」。三角形の船体が特徴的な帝国軍の戦艦。悪役らしくない真っ白な船だが、これはマクォーリーが「一番不気味な色は白」と考えたから。
作中に登場するのは現在の主力艦である「インペリアル級」。全長1kmを越える巨艦で、反乱軍の小型船をそのまま格納してしまえる。
冒頭、タンティヴィ4を拿捕するシーンの見せ方は多くの観客の度肝を抜いた。
旧三部作の冒頭では必ずスター・デストロイヤーが飛ぶ」という伝統がある。シリーズの象徴の1つ。

●TIEファイター
帝国軍の主力戦闘機。正面から見るとH字のシルエットになっている。TIE(タイ)は「ツイン・イオン・エンジン」の略。
獣の咆哮のような飛行音が特徴。性能はXウイングに匹敵するが、生産性重視のために防御シールドとハイパードライブは非搭載。
コクピットも与圧されていないのでパイロットスーツが必須になる。

●TIEアドバンスドX1
通常のTIEファイターより2回りほど大きい試作機(エックス1)。作中ではヴェイダー機として登場する。
こちらは防御シールドとハイパードライブを搭載している。


○ランドスピーダー
ルークの自家用スピーダー。旅費調達のためにしけた値段で売り飛ばされる。
実はルークはちゃんと空を飛べる大型スピーダー「スカイホッパー」を持っているのだが、作中以前に壊してしまっていた。
ラーズ家のガレージでルークが遊んでいる模型の機体がそれで、背景には機体の一部が映っている。こういう無駄に作りこまれた設定が、後に膨大なスピンオフを生む下地となった。

●サンドクローラー
ジャワ族が根城にしている、ドロイド保管庫を兼ねた巨大な履帯式の車。初期にタトゥイーンにやってきた移民団の忘れ形見らしい。
撮影中は砂嵐でセットが完全に破壊されたり、リビア軍の国境監視団が「おたくの軍が謎の軍用車両を展開している」とチュニジア政府にクレームをつけるなど、まさに不幸の塊だったという。






THE STAR WARS SAGA CONTINUES――
NEXT:EPISODEⅤ THE EMPIRE STRIKES BACK

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