NSG-12α コボルド/NSG-25γ シュトラウス

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NSG-12α コボルド/NSG-25γ シュトラウス - (2018/11/14 (水) 22:22:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2016/12/24 Sat 16:44:58
更新日:2022/11/10 Thu 00:44:25
所要時間:約 8 分で読めます




概要

NSG-12α コボルド/NSG-25γ シュトラウスとは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」の一部。

戦争初期から中期における月側の主力FAであり、異形の人型FA「コボルド」と、鳥か恐竜を思わせる「シュトラウス」といういかにも「敵側」な外見が特徴。
二機が合体することでさらに別の形態である「ヴァイスハイト」になる。

本項目では二体が合体した「NSG-04δ ヴァイスハイト」およびその系列機種も取り扱う。


目次





NSG-12α コボルド


月側の主力陸戦FA。CC211年9月の第二次降下艇団の飛来以降、後述の「シュトラウス」と共に確認された。
小柄な体躯と長い腕を持ち、確認された当初は戦闘能力は限定的なものと考えれていたが、「SA-16b フセット」1個小隊4機を単機で全滅させた事件以降、脅威と見做されるようになった。
陸戦FAの中では高い機動性が特徴で、陸戦型にもかかわらず背部にはブースターを搭載しており、飛行型FAに肉薄する描写も見られる。
加えて光学兵器を装備するなど火力も高く、轟雷と同等以上の馬力も持ち格闘戦にも強い。

反面、肩や背面などフレームが露出している部分が多いため、総合的な防御力は低い部類になると思われる*1

月側の量的な主力といえばフレームアーキテクトを武装・無人化した「アント」だが、そのアントによる物量作戦に対抗するために防衛機構が投入したFAを回収し、ウェアウルフ・スペクターとして運用して得られたデータをフィードバックして開発されたのが本機を含むNSGシリーズである。

アントと同様多くが無人機であり、主にアントによる戦線が破られた際に出現し降下艇基地の防衛を強化している。多くの場合「NSG-25γ シュトラウス」が随伴するのも特徴。
また無人機の活動範囲を超えた遠隔地で搭乗者と思しき人物とあわせて目撃された例も存在する。


◇武装
  • APG-005 ビーム・オーブガン ×2
腕部にマウントされる粒子ビーム兵器。マニピュレータと選択式。片腕のみ装備する場合もあった。
高い威力を持つが、後の解析によれば燃費と冷却性能に問題があり連続使用に耐えられないとのこと。
NSG-X1の出現以降、確認されなくなったことからTCS技術の研究課程で生み出されたものとみられている。
取説のショートストーリーでは普通に登場してたりするけどな!
鹵獲・接収されたものが防衛機構側で対TCS兵器として用いられたこともある。



◇キット
定価3,200円。デザイナーはNAOKI氏。
短足で腕の長いやや異形の人型と単眼カメラが特徴のFA。
前腕と脛を入れ替えることで独特のバランスを実現している。
頭部センサーのオレンジ、胸部の赤が塗装済みで、パチ組みでも十分に色分されている。
部品数も少なめで組みやすいが頭部の可動域が狭く足首は左右に曲がるものの前後にはほとんど曲がらない。胴体も固定されてしまう構造なのでポージングに苦労する。




NSG-25γ シュトラウス


太く長い二脚に小さな手、長い首に細長い顔という異形のFA。もはや恐竜か何かに見える。
主にコボルドの随伴機として運用される無人FAで、機動戦を得意とする。
脚部に補助動力を搭載し、長い足と馬力を生かした高速走行が可能。最高速度は250km/hに達する。
跳躍力にも優れており、油断して低空に来た空戦FAに格闘を仕掛けることも可能なほど。
コボルドと同様光学兵器を装備でき、火力も決して低くはない。

通常は砲・射撃戦を主体とし援護に徹するのが特徴で、その行動傾向は明らかにコボルドが指令機であると推測できるものだとされている。


◇武装
  • EC-003 イオン・ブースター・キャノン
頭部に装備されている光学兵器。
詳細は不明だが、コボルドのビーム・オーブガンよりは威力は低いものと思われる。

  • AW-002 レーザー・バイト・クロー
腕部に装備された格闘武器。詳細不明。
ブレード状の武器に改修されたものもいた模様。


◇キット
定価2,800円。デザイナーはNAOKI氏。
逆関節に加えて延長された脚に、肩関節パーツを上下逆に接続して肩の位置を下げた胴というとても変則的な骨格となる。
コボルド同様組みやすいキットで、背中の黄色いラインが塗装済みで色分けは良好。
また頭部の砲口有り・砲口無しを選択可能、手も通常のクローと「MW-08 ランス・ダブルブレード」用接続パーツを選択可能、脚部側面パーツを外すことで「MW-04 ライフル・ミサイルランチャー」のミサイルランチャーをマウントできるなど、細かいパーツが充実している。
股関節軸がアーキテクトのものより若干細いのか股関節の保持力が低い場合があるので注意。




NSG-04δ ヴァイスハイト


コボルドおよびシュトラウスと同時期に確認された月側のFA。
別個の新型と考えられていたが、共通するパーツで構成されていることや「ブレーメン空港奪還作戦」でコボルドとシュトラウスが消えて本機が出現した事例などから、コボルド・シュトラウス・ヴァイスハイトは単一のFAの異なる運用形態に過ぎないことが明らかになった。
発見順が後だが、どちらかと言えばこのヴァイスハイトが基本形態でありコボルドやシュトラウスのほうが後に開発されたものであるらしい。
特筆すべき点として頭部の形状がフレームアーキテクトType001と酷似していることが挙げられるが、これについては製造ラインの共通化を図った結果であるとか、アーキテクトの頭部の発展改良型である為とか、色々な推測がなされている。

投入された当初は多数の光学兵器による高火力と、明らかに人の思考を匂わせる戦術により防衛機構を苦しめた。
ビーム・オーブガンなどは動力源となるフレームを内蔵しており、シュトラウスの脚部ユニットの補助動力も持つため比較的エネルギー消費の大きい武装も扱えるものと思われる。

しかし装甲と火力に偏重した結果機動性が低いという欠点もあり、少ない機種での戦力構築は戦術のパターン化を招いてしまった。
やがてコボルド・シュトラウスまで含めた攻略法「フォーメーション・ガンプ*2」を編み出した防衛機構に対して打ち手がなくなり、劣勢に追い込まれてしまう。
後に戦線を引っ掻き回してくれるXシリーズが登場したことにより勢いを取り戻すも、輝鎚が登場すると自慢の火力が通らず一方的に蹂躙されてしまう例*3も見られた。


◇武装
  • APG-005 ビーム・オーブガン
コボルドと同じもの。ヴァイスハイトの場合背中のアームに接続されており、手持ち武器との同時使用が可能になる。
後端にパーツが追加されているが、追加の動力源や冷却装置などではないかと推測されている。
コボルド同様腕に装備した機体もいた模様。

  • EC-003 イオン・ブースター・キャノン
シュトラウスと同じもの。手持ち武器になっており、射角が広くなった。
正確には前腕のジョイントに接続されているため、マニピュレータは空いている。


◇キット
上記のコボルドとシュトラウスを分解し、合体させることでこのヴァイスハイトを再現できる。
設定では戦闘中に合体した例もあるとのことだが、合体後は結構な量のパーツが余る。どうも再分離は難しそうだ。
二体分の塗装済みパーツがあることもあって色分けは良好で、パチ組でも十分見栄えが良い。
可動域もそこそこだが腰の可動がほぼ死んでいるのが難点か。
後に「コボルド+シュトラウス アーマーセット〈Ver.F.M.E.〉」(定価3,400円)が発売された。
ビーム・オーブガン用のフレームパーツも入っており、アーキテクト一体を足せばコボルド・シュトラウス・ヴァイスハイトを選択して組める。
そちらは成型色が白(センサーのみ無色クリア)のみで、部分塗装もないため塗装または加工が前提となっている。




NSG-04θ ヴァイスハイトθ


真紅の装甲に身を包んだヴァイスハイトの派生機体で、武装が二挺のベリルショット・ライフルに変わり火力が大幅に上昇している。本体に目立った改修箇所は認められない。

海上都市「ベイルゲイト」攻略戦に出現、その火力で大暴れした。
ラピエール ゼファーを発見すると執拗に狙いはじめ、最終的に真っ二つに切断して撃墜、コックピットを含む上半身を奪って逃走した。
目撃例が極端に少ないこと、NSG-X1の登場と並行して姿を消したことから、ベリルウェポンのテスト運用機だったのではないかと推測されている。

機体色と武装構成から、ファンの間ではフレズヴェルク=ルフスとの関連を疑う声もある。



◇武装
  • 試作型ベリルショット・ライフル ×2
後に出現するフレズヴェルク=ルフスと類似の装備。
記録上初めて実戦投入されたベリルウェポンであり、試作型の名のとおり後に量産化もされている。
ルフスのものとの違いは砲身下部のブレードの色で、黒の刀身に金のエッジという珍しい色合いとなっており、ベリルユニットかどうか怪しいと言われることも。


◇キット
定価4,500円。コトブキヤショップ限定品。
成型色を変更した本体に、ベリルショット・ライフルを追加したキット。
コボルド・シュトラウスのアーマーが全部ついているため、通常版とのミキシングも可能。
ただし分離状態で使う関節パーツが無いためこのキット単体でコボルドとシュトラウスを作ることはできない。
部分塗装がなく、色分けの面では少々厳しいものがある。ベリルショット・ライフルのブレードも無色クリアなので、塗装が推奨される。
ベリルショット・ライフルは4挺付属しており、ボーナスパーツのフレズヴェルク用追加パーツを使ってフレズヴェルクと組み合わせることでフレズヴェルク・ルフスを再現できる。
地味に無色透明のブレードが付属する唯一のキットである(キット化されたルフスはクリアグリーン成型)。




NSG-17λ ブラックフード


ヴァイスハイトの亜種とみられるFA。
威力偵察型と考えられており、コボルドよりさらに一回り以上小さな骨格と背部にアームで接続された大型の機動ユニットが特徴的。
機動ユニットに跨り空を飛ぶ様は魔女のようである。


◇武装
  • ビーム・オーブガン
機動ユニット先端に一門装備。


◇キット
フレームアームズ公式ブログで公開された「コボルド+シュトラウス アーマーセット〈Ver.F.M.E.〉」を用いた公式作例。
「赤ずきん」+「魔法使い」というテーマ通り、頭身の低い少女型FAとなっている。
コボルドとシュトラウスの外装パーツはおろかアーキテクトも大胆に加工して使用しており、詳細な加工内容がブログで解説されているので気になる方は公式ブログへ。




余談
  • コボルド・シュトラウスともに設定上ドイツで初めて確認されており、命名者はドイツ防衛機構。コボルドはドイツ語で「(邪悪な)小人、ゴブリン」、シュトラウスは「ダチョウ」が名前の由来。ヴァイスハイトは「知恵」を意味し、無人機よりも知性的な戦闘を行う様から名付けられた。

  • 当初のデザイン案ではシュトラウス単体で変形・組み換える仕様だったものをコトブキヤ側が「せっかくだから合体メカにしよう(意訳)」と提案してコボルドが生まれたという裏話がある。設定上はコボルドが指令機とされるが、実際にはコボルドのほうが後にデザインされたことになる。

  • 型番のNSGは「Noble Satellite Guard(気高き衛星の護り)」の略。これ以降の月製FAも同じ型番を冠することとなる。

  • 本機以降、月側のFA開発には「パーツの組み合わせや配置を変えることで限られたパーツから複数の機体を生み出す」、「地球側のFA・兵器の良い部分を積極的に採り入れる」といった傾向がみられる。

  • 少ない種類のユニットで構成されている都合上、撃破された機体を寄せ集めて応急修理するなどの対応がしやすく、撃破したはずの機体がその戦闘中に復活していたりするどころか、いつの間にかコボルドがヴァイスハイトにクラスチェンジしてたり、時間を置くとアントやコボルドが残骸を漁って戦力を増強したりと雑魚としては厄介な事この上ない存在である。

  • コボルドのフレーム配置がレイダオの参考にされていたり、ビーム・オーブガンの基礎設計をバーゼラルド・レヴァスレイターのブリューナクランチャーに流用されるなど地球側のFA開発に大きな影響を与えている。

  • また月も地球も同じフレームを使っている、それなりの個体数が存在する、対処法が確立されている…といった点から、新型(カトラス・ダオ系)の完成以後は製造ラインを止められた轟雷などの補修パーツとして残骸を流用される、またはパーツ確保のために「コボシュト狩り」をする例も多いのでは…と分析するファンもいる。


追記・修正、お願いします。


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