Dishonored

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Dishonored - (2023/01/01 (日) 12:53:02) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/01/06 (金曜日) 20:32:00
更新日:2024/04/17 Wed 19:18:16
所要時間:約 13 分で読めます




─ 我、復讐に命を捧げん─



Dishonoredは、ベゼスダ・ソフトワークスより2012年10月に発売された一人称ステルスアクションアドベンチャーゲームである。開発はフランスのゲーム開発会社Arkane Studios。

プラットフォームはMicrosoft Windows、PlayStation3、Xbox360だが、日本語版はPS3版のみが通常販売されており、Xbox360はamazon専売、PC版はローカライズされていない。

日本では2015年8月27日に、PlayStation4、XboxOneでDLC全部入りのHD版が発売されているので、今からプレイするならこちらがおすすめ。

2016年12月8日には、続編の「Dishonored2」が発売されている。




■概要

スチームパンクとオカルトを基調とした架空の都市「ダンウォール」で繰り広げられる、復讐と政治的陰謀を題材としたステルスアクションゲーム。プレイヤーは高速移動や時間停止といった超常能力や、機会に細工をしたり金属片をばらまいたりする様々なガジェットを駆使して、面クリア方式の暗殺ミッションに挑む。

ミッションの舞台となるステージにはあらゆる侵入経路が存在するうえ、指定された目的さえ果たせれば敵の目を盗んで隠密に徹しようと、立ちはだかる者全てを切り刻もうとクリアすることが出来る。先述の超常能力やガジェットの存在も併せて、攻略の自由度は極めて高い(ネズミに取り付いて通気口から侵入、時を止めて敵の銃弾を躱し、眼前にクロスボウを放ってDIO様ごっこ……等々)。

但し、あまりにも敵を殺し過ぎると「カオス度」と呼ばれるステータスが増加し、周囲の状況が悪化していく他、エンディングの内容にも影響を及ぼす。カオス度を低くしておくには、非殺傷の手段で敵を無力化していく必要がある。

また、全ての標的には単純に殺害する他に、「社会的抹殺」を行う手段が存在するのも特徴の一つ。前述の非殺傷の手段(首絞めや麻酔ボルトなど)と併せれば、暗殺が主題のゲームなのに、誰一人手にかけないというプレイも可能。標的によっては死よりもえぐそうな末路を辿ることになるのは言わないお約束

また、このゲームはあらゆる意味で非常にリアルである。NPC同士で口論を始めたり相談し合うなど妙に人間臭い行動を取ったり、挙げ句の果てに「お前この間の賭け事でボロ負けしたんだってなwwww」「うるせー馬鹿」みたいな会話を始める。退廃的ながらも美しく描写された街並みや恐ろしげな雰囲気はゲームへの没入感を高めてくれる。また、洋ゲーらしく凄く過激なグロ描写も完備。人体の切断描写は序の口、ネズミの群れに生きたまま貪り喰われたり焼き殺されたり、銃殺刺殺斬殺などあらゆる死因に凄惨な描写がついて回る。オマケに聞いてるこっちが悲惨な気持ちになるほどの断末魔も付いてくる。

■ストーリー

女王ジェサミン・カルドゥインの治める「諸島帝国」の首都ダンウォール。王室護衛官コルヴォ・アッターノは女王の命で、近年ダンウォールを蝕み続けている疫病の問題解決のための救援要請を求めるために周辺国へと赴く。

しかし、旅から帰還したコルヴォの報告は、あまり良いものでは無かった。その直後、奇怪な能力を使う暗殺者の襲撃を受け、コルヴォの奮戦虚しく女王は殺害され、女王の一人娘エミリーまで誘拐されてしまう。そしてコルヴォ自身も女王殺害の実行犯に仕立て上げられる。

処刑を待つ身となったコルヴォは王政支持者を名乗る集団の手引きで脱獄に成功。仮面でかつての身分を隠し、謎の存在「アウトサイダー」から受け取った「超常能力」と共に、復讐への戦いを始めるのであった。


■登場人物

  • コルヴォ・アッターノ
主人公。かつては王室護衛官であったが、王室間諜の策略によって濡れ衣を着せられ、暗殺者として活動するようになった男。諸島帝国の一つ「サーコノス」の出身。

いわゆる無口系主人公で、うめき声などを除いて台詞は一切存在しない。素顔は手配書など限られた場所でしか拝めないが、かなりのイケメンである。

  • アウトサイダー
「虚無」と呼ばれる場所に姿を現す、白目の部分まで黒く染まった青年の姿をした超越者。コルヴォの左手に印を刻み、超常能力を授けた。他の人物にもそれぞれ違う能力を付与している(つまり、超常能力の使い手は一人ではない)。

善悪の概念は存在せず、超常能力を授けられた人間がどのような行動をするかを眺めて、楽しんでいる模様。


  • ジェサミン・カルドゥイン
「諸島帝国」を治める女王。ダンウォールに帰還したコルヴォから報告を受けた直後、超常能力の使い手である暗殺者に殺害される。

その後、彼女の魂はアウトサイダーが造り出した奇怪な道具「心臓」に封じ込められる。生前は民のことを一心に思う良君であったが、心臓に転生してからは何かと陰鬱な発言が目立つようになる。ちなみにゲームでは「心臓」を使うと、パワーアップアイテムの「ルーン」や「ボーンチャーム」の在処を感知し、キャラクターの秘密を聞けることもある。


  • エミリー・カルドウィン
何かと暗い本作の癒し要素。ジェサミンの娘で次期王位継承者。齢10歳にして目の前で母親を殺されたうえに、暗殺者によって誘拐され、よりにもよって監禁先が売春宿という悲惨な境遇のヒロイン。それでも気丈に振る舞い、明るく生きようとする。コルヴォを父のように慕っている。物語の終盤で、本当にコルヴォとジェサミンの間に生まれた娘ではないかと噂されていることが判明するが、本編中で真偽が明かされることはない。

前述のカオス度の影響を最も大きく受ける人物。カオス度が高いと残酷な暴君としての片鱗を見せるようになっていき……


  • ハイラム・バローズ摂政伯爵
女王ジェサミン暗殺計画の首謀者であり、コルヴォを暗殺の実行犯に仕立て上げた張本人。現女王が死亡し、継承者も行方不明となったことで、ダンウォールの実権を握り、横暴な独裁政治を始めた。ハゲ。元々の役職は王室間諜であり、当時から疫病患者に対して強硬な姿勢を取り、度々ジェサミンと対立していた。
実は、ダンウォールに疫病が広まるようになったのは、この男が未知の大陸から持ち込んだ凶暴なネズミが原因。つまり、全ての元凶である。貧困層の排除が目的であったそうだが、人道的問題云々以前に、そんなことをしたら国全体が崩壊する可能性もあることに気が付かなかったのだろうか。

  • サディアス・キャンベル上級監督官
「大衆の大修道院」の指導者を努める老人。こっちもハゲ。この地位は他人を脅迫しまくって得たもののようで、その性格は聖職者にあるまじき典型的な悪党そのもの。おかげでコルヴォの暗殺ターゲットに指名される羽目に。彼を社会的に抹殺した場合、今までの罪を追及されて破門、疫病を発症し一人寂しく郊外を彷徨い続けるという自業自得の末路を迎える。

  • ハブロック提督
コルヴォの協力者であり、王政支持者たちのリーダー。初老の軍人で、威厳のある男。任務を着々とこなしていくコルヴォを見ているうちに少しずつ危険な考えに囚われていくようになってしまう。そして最終的には……


  • トレバー・ペンドルトン
王政支持派のメンバーである貴族。臆病な性格で、兄弟にも長年いじめられていたらしい。そのコンプレックス故に女性遍歴は周辺で噂になるほどのもの。尤も、兄弟たちがコルヴォの標的となった際は複雑な感情を吐露するなど、心底憎んでいるわけではない様子。


  • テーグ・マーティン
王政支持派のメンバー。ダンウォールで強い権力を持ち、アウトサイダーやその信奉者と対立する宗教組織「大衆の大修道院」の聖職者である、「監督官」を務める男。
物語の序盤では拘束されているが、コルヴォの手によって救出される。


  • ピエロ・ジョプリン
王政支持派の協力者であり、自然哲学者兼発明家の中年男性。コルヴォの仮面の制作者である他、ガジェットの改良や、消耗品の調達なども務めている。

一見腰の低い男にも見えるが、ソコロフの疫病治療薬を「家畜向け」と揶揄したり、若い頃は同期の学生に決闘を挑んだりと、実は結構プライドの高い性格。
彼の作った「ピエロのスピリチュアル治療薬」は疫病の予防薬として、「ソコロフのライフエリクサー」と競合している。ゲームシステム的には前者はマナ(超常能力を使うためのMPのようなもの)、後者はHPの回復薬である。気になるメイドの風呂を覗いたりするスケベオヤジな一面もある


  • サミュエル・ビーチワース
王政支持派の協力者。船頭としてコルヴォを各ステージに運ぶ役割を担っている。恋を忘れるために海に出た純朴な男。カオス度から受ける影響が二番目に大きい人物。
最終章にて、カオス度が低いとコルヴォを祝福した上で送り出してくれるが、カオス度が高いと銃声で敵をおびき寄せてしまう。


  • アントン・ソコロフ
自然哲学アカデミーの学長も務める王室医師。侵入者を一瞬にして灰にする「光の壁」や「電弧塔」を開発した天才発明家だが、その性格は偏屈の一言に尽きる。画家としての一面もある。

かなりのワイン狂であり、好物のワイン一瓶で、頑なに渡さなかった情報についてあっさりと口を割るほど。良い子は調達が面倒だからってネズミが空腹か確かめようとしちゃだめだゾ。
物語の終盤では、互いに反目していたはずのピエロと意気投合するという意外な一面を見せてくれる。


  • スラックジョー
ギャング「ボトルストリート・ボーイズ」を取り仕切るリーダー。強盗や誘拐を行うなど悪行を重ねてきたが「俺は約束を裏切らない」と言い、コルヴォとの取引に応じるなど義理堅い性格ではある模様。幼少期はグラニーのことを恐れていたらしい。{{なんと王族の
末裔である。しかし本人は知らない。}}


  • グラニー・ラグズ
盲目の老婦人。かつては気高く美しい貴婦人であったがよりによってアウトサイダーに一目惚れ。そのおかげで視力を失い気が狂ってしまった。スラックジョー曰く「自分が子供の頃から容姿が変化していない」とのこと。周りからは「魔女」「キ○ガイ婆さん」など散々な扱いをされている。この名前は通称らしく、本名はヴェラ・モーリー。実は本当に魔女であり、彼女もアウトサイダーから超常能力を授かった能力者。不死の肉体とネズミの召喚や瞬間移動で敵対者を容赦なく葬る。


  • ダウド
暗殺集団「捕鯨員」のリーダーにして、女王暗殺の実行犯。コルヴォ同様アウトサイダーから受け取った超常能力を扱う、極めて戦闘能力の高い暗殺者。「ダンウォールのナイフ」という中二病じみた二つ名を持つ。裏社会では名の通った人物で畏怖と軽蔑、敵意を持って扱われている。冷酷だが、ジェサミンの暗殺に関しては後悔している節もある。また、自分の行ってきた事でいつかは因果応報となることは覚悟しているが、部下達のことはそれに巻き込みたくないと告白する部下想いな面も。
女王暗殺が起きる序章に登場する他、第8章にて再登場。彼が持っている鍵は捕鯨員のアジトからの脱出に必須なため、彼との接触は避けられないが、女王を暗殺したことを後悔しているという会話の前後で鍵をすり取ることが出来る。これにより、社会的抹殺もせずに「見逃す」ことが可能。
DLCストーリーでは主人公を務めている。


  • デリラ・カッパースプーン
DLCで登場。魔女集団を率いる歴代最強の魔女。コルヴォ、ダウドと同じくアウトサイダーから超常能力を譲り受けた能力者。美女と言われているが顔はそうでもない。自身が底辺出身であったためか力を持った現在は周りを猛烈に見下しており、さらなる地位に立ち、権力と優越感を得ようと暗躍する。魔女になる以前はダンウォールでメイドをしていたらしいが、その美貌と才能を見込まれてソコロフに弟子入りし、画家として大成したらしい。


■敵対勢力

  • 衛兵隊
本作で最も交戦することになる勢力。許可なき通行人を一瞬にして灰へと還す「光の壁」や「電孤塔」、トールボーイと呼ばれる機械仕掛けの竹馬に乗った装甲兵など、潤沢な人材と兵器を背景に街の治安を維持する兵士達であり、疫病の拡散防止にも努める。実力主義かつ階級制が採られており、強い順に衛兵隊長→衛兵→下級衛兵となっている。最終ステージでは敵の七割近くが衛兵隊長というゲシュタルト崩壊が起こる。しかし、巨大組織かつ舞台が国として末期的な状況であるために腐敗も目立ち、尊大な態度や冷酷な性格の者も多いために守るべき当の市民からは疫病の次に恐れられている。コルヴォのことは女王暗殺の指名手配犯として追っており、親の仇とばかりに攻撃してくる。


  • 大修道院
本名は「大衆の大修道院」という宗教組織であり、ゲーム中では帝国最大の宗教団体と言われている。『七つの戒律』という戒めや国との癒着など中世キリスト教をモデルとしているようで、一組織ながら監督官という武装信者を使って独自に治安維持に務めていたりする。「オルゴール」という独特な機械で超常能力を封じ込めたり、ピストル、手榴弾など結構重武装。アウトサイダーを異端として敵対視しており、彼の殺害を目指している。衛兵隊とは仲違いしている模様。しかしこちらも衛兵隊と同じく上層部は腐敗が激しく、上記のサディアスは上級監督官というトップの人間にも関わらず贅沢三昧の生活を送っていた。また、自分達が「異端」と見なした者に対しては慈悲もクソもなく、例え同僚の家族であろうと容赦なく殺害する。コルヴォに対しては不審者かつアウトサイダーの力に頼る異端者と見なしており、発見次第発砲してきたり手榴弾をぶん投げてくる。


  • 正規軍
DLCの一部のステージで登場。ゲーム中の資料に出てくることはほとんど無く、その全容は不明。黒っぽい服装の衛兵隊や監督官と違って赤い服装であり、こちらも階級制をとっている。衛兵隊とは仲が悪いのか互いに皮肉を言い合ったりしている。装備は衛兵隊と同じ。


  • ギャング
街の至る所で悪行を行う悪党達。それ故に上記の三つの勢力と敵対しており出会い頭に殺し合いをはじめる。ギャング内でも派閥争いが起こっており、コルヴォのことも敵として扱っているが、条件を満たすと中立になってくれる。


  • 捕鯨員
ダウドの部下達。本作の重要資源である鯨油の精製の際に着用するガスマスクと濃緑色の分厚い皮の作業服に身を包むのでこの名が付いた。ぶっちゃけバイオのハンクと言った方が分かりやすい。彼らもダウドから能力を分け与えられた能力者であり、華麗な剣術と超常能力を駆使する超難敵。序盤と終盤に登場するが終盤に十何人と現れるので正面戦闘はかなりキツい。ダウドが元傭兵やスラム街の孤児からスカウトしてきた者達のようで、ダウドには並々ならぬ恩義を感じている。


■超常能力

  • ブリンク
瞬間移動。
敵の視界のはざまを縫うように移動したり、背後を取って奇襲することも出来る、本作の最重要能力。
ちなみに、本作では高難易度でもブリングを使用せずともクリアできるほどバランス調整が成されている。
強化すると移動距離が伸びて、更に汎用性が増す。


  • ダークビジョン
壁の向こうにいる敵と、その視界が見えるようになる。強化すると、アイテムや保安装置まで見えるようになる。


  • ポゼッション
動物に乗り移る。
小さい動物に乗り移って溝を移動したり、魚に乗り移って水中を移動することが出来る。強化すると人間への憑依が可能となり、敵に乗り移って敵陣を突破することなどが出来るようになる。

オーハイエス

  • ベンドタイム
一段階目では時の流れを遅くし、強化すると完全に時間を停止させる。
時止め中に放ったボウガンはその場で停止し、解除と同時に動き出す。
気に入らないあんちくしょうに対してDIO様ごっこするのは誰もが通る道。


  • ラットスワーム
ねずみの群れを召喚する。
一見殺傷にしか使えない能力のようだが、ポゼッションと併せて使う事でねずみに乗り移り、移動するといったことも可能。強化すると、更に大量のネズミを召喚する。
しかし、国を滅茶苦茶にした疫病ねずみを召喚するということから、あまり使いたくない超能力ではある。


  • ウィンドブラスト
突風を起こし、敵や扉、ねずみの群れなどを吹き飛ばす。
空中にあるものならばかなり遠くまで吹き飛ばせる。そのためベンドタイムと併せて使う事で超長距離への遠投も可能。強化すると風圧が強くなり、敵を壁に叩きつけて殺せるようになる。



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