ひょっこりひょうたん島

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ひょっこりひょうたん島 - (2023/01/01 (日) 09:04:01) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/05/17(月) 04:03:48
更新日:2024/03/29 Fri 17:23:43
所要時間:約 7 分で読めます





「ひょっこりひょうたん島」とはNHK総合テレビで放送された人形劇である。
1964年~1969年放送のオリジナル版、1991年~1993年放送のリメイク版がある。
ミュージカル風の笑いあり、風刺あり、冒険ありの内容で当時の少年たちに多大な人気を誇った。


OPは「それいけひょっこりひょうたん島」。
まさしく神曲であり、特に
「苦しいこともあるだろさ、悲しいこともあるだろさ、だけど僕らは挫けない、泣くのは嫌だ笑っちゃお、進めー!」の下りは素晴らしい。
日本通運のCMにも使われたことがあった。



【ストーリー】

ひょうたん島にサンデー先生と子供たちが遠足に来た。
だがひょうたん島の火山活動の結果、島が分離し流れ出してしまう。
しかたなくサンデー先生と子供たちは島に暮らす羽目になるが島には奇妙な人たちが一杯訪れ、ひょうたん島も変なところにたどり着いたりしてしまうのだった。

リメイク版でも基本設定は共通だが、旧作とはエピソードをシャッフルしている*1のでレギュラーメンバーが時々変わってたりする。

【メインキャラ】

本放送当時は「声優」というカテゴリーが確立されていない時代であり、舞台俳優なトラヒゲの担当声優や子役出身のキッド坊やの担当声優も含め、「専業声優」の割合はゲストやリメイク版含め低くなっている。
また一部キャストは後枠の『空中都市008』や『ネコジャラ市の11人』、『プリンプリン物語』にも出演していた。

【大人たち】

ドン・ガバチョ
CV:藤村有弘(オリジナル版)→名古屋章(リメイク版)→栗田寛一(プレマップ版)
テレビからこぼれおちた政治家にしてひょうたん島初代大統領。
笑い声は「ハタハッハ」。ちなみにこれは台本の誤植をそのまま読んだとか。
演説好きでお調子者・自慢屋な性格から皆からはウザキャラと思われているが、「大統領」としての責任を果たす時もある。
トラヒゲとは「政治」・「経済」という政治家として超えてはならん壁を超えての悪友と化し、トラヒゲの儲け心からの提案を飲んでしまったり、2人揃ってバカをやったりする。
プリンプリン物語』にもゲスト出演したことがあるが(これがオリジナル版ガバチョ最後のアフレコ)、なぜかその時の島には彼しか住んでいなかった。

ガバチョのテーマソングである、「未来を信じる歌」を聞いて、自殺を思い止まった人がいるというエピソードは有名。

◆サンデー先生
CV:楠トシエ
情に脆いが男勝りな一面を持つ美人教師にして薙刀5段の腕前。
良くも悪くもレギュラー陣の中では一番の「常識的社会人」であり、それゆれに頭の固い面もある。

◆トラヒゲ
CV:熊倉一雄
通称「トラドン」(ガバチョからの呼び名)。
イカダで流れ着いた片目の海賊。島に居ついてからは「トラヒゲデパート」を経営する強欲商人となっている。
たまに情にほだされたり失敗も多かったりと憎めないところもあるが、「アラビアンナイトの巻」やポストリア編ではゲストキャラに対して悪徳商法でがっちり搾り取り、後者ではその所為で危機を呼んでしまった。

◆マシンガン・ダンディ
CV:小林恭治
護送中の飛行機から傘をパラシュート代わりに飛び降りて来た元ギャングで、島に住むようになってからは保安官になった。
博士と並んでレギュラー陣の中では事態収拾に携わることが多い。
飛び道具なら水鉄砲からマシンガンまでなんでも持っている。

◆ムマモメム
CV:はせさん治(オリジナル版)→槐柳二(リメイク版)
島にあった金庫になぜか閉じ込められていた医者。
初期レギュラーの中では影が薄く、いつの間にかいなくなっていた。
リメイク版では「アラビアンナイトの巻」冒頭で島を去ったと博士に説明されているが、時系列的に前の方になるグレート・マジョリタンや魔女リカの巻では再び出てくる。
ちなみにオリジナル版の担当声優は後に同じく途中退場したプリンの担当声優と共に『プリンプリン物語』のレギュラーとなった。


【子供たち】

◆博士
CV:中山千夏
成績はオール6と、限界を超えてしまった最強の小学生*2
通称Wikipedia……とは呼ばれてないが物知り。知らないことはとりあえず博士になんでも聞いてみよう!
子供側の主人公的存在であり、事態解決に一番積極的となる。…が同時にその頭脳ゆえに敵から狙われることもある。

◆ダンプ
CV:伊藤牧子
ガタイのいい体格の持ち主。
ダンプカーの運転が上手い。しかし博士といい君たち本当に小学生なのか?

◆テケ
CV:増山江威子
頭が卑猥な形の食いしん坊。それが高じて料理男子でもある。
いつもキノコばっか食べていた。「オレ、ハラヘッタ」
声はあの峰不二子役の方。

◆チャッピ
CV:江美京子
おむすびみたいな頭した女の子。作中で披露した歌の題名が「くたばれ男の子」と放送当時の子供番組としてはぶっ飛んでいる。

◆プリン
CV:堀絢子
美少女。
オリジナル版では「マジョリタンシリーズ(グレート・マジョリタンの巻)」のラストで、なんとワニ王子と結婚した。(リメイク版ではこのくだりがカットされ、時系列的にこれ以後の「アラビアンナイトの巻」「ドクター・ストップの巻」でもマリーの代役で登場。)
担当声優は後にプリンプリン姫の仲間になった、名前が紛らわしいが「プリンプリン役」ではない(カセイジン)ので注意。

◆ライオン
CV:滝口順平
元々はタムレ族の住む「ライオン王国」の王様だったが、自由を求めて島へと移住し博士の相方となった。
その名の通り百獣の王ライオンなのだが、人語を解し獰猛でもないやさしい性格。
リメイク版では加入エピソードがカットされてしまったが、海賊の巻冒頭で加入し、レギュラーの座に残れた。

担当声優は後の人形劇でヒロインゲットに執着を燃やす武器商人という悪役を演じた。

◆キッド坊や
CV:藤田淑子
本名はリトル・キッドで、キャプテンキッドの宝箱から現れたキッドの子供。
口癖は「ケケッ!」でいたずら好き。
トラヒゲら海賊たちからは「坊ちゃん」と呼ばれているが、それをいいことにいじったりすることもあり、「グレート・マジョリタンの巻」冒頭では海賊VS島民の構図を再び生む火種を蒔いた。
レギュラー入りは比較的遅く海賊シリーズ(海賊の巻)のラストで復活後、次のエピソード(オリジナル版「魔女リカシリーズ」、リメイク版は「アラビアンナイトの巻」)から。
ちなみに担当声優はレギュラーキャストでは最年少(博士の担当声優と共に初出演時10代)で、偶然にも生前最後に演じたキャラは女海賊だった。

◆マリー
CV:松島トモ子
本名はマリー・キャッチャーネット・ランニングホーマー。C・S・ランニングホーマーの娘。
「アンコロピン王国シリーズ」(マジョリタンシリーズの次の次)からのレギュラーで、リメイク版には未登場。

【海賊たち】

ひょうたん島に眠る「キャプテン・キッドの財宝」を巡って島にやってくるも、激戦の末ようやく手にした宝が「海賊の未来における希望」=「キッド坊や」だったためなし崩し的に島に居つく羽目に。
それでも状況によっては敵対することは多々あったが、最終的にキッド坊やを島に残して旅立ち、「ドクター・ストップの巻」では劇団一座として大成した。

◆ガラクータ
CV:若山弦蔵
海賊友の会の理事長で、元・貴族。ステレオタイプの西洋海賊の格好だが、義手のフックに銃を仕込むなどとハイテク装備。

◆トウヘンボク
CV:柳沢真一
元・馬賊の中国人で、三度の飯よりラーメンが好きなラーメンバカ。
キセルと青龍刀が武器。

◆ドタバータ
CV:千葉信男
元・人足。頭が悪く「っていうことは。」と現状や相手のセリフを再確認する癖がある。

◆ヤッホー
CV:谷幹一
元・山賊。それ故、海が苦手で船酔いがヒドイ。
甘い物好きで炭焼きが得意。

【シリーズゲストキャラ】

基本的にリメイク版には該当エピソードごと登場しない。
  • 酋長
CV:玉川良一
タムレ族のリーダー。

  • クラウン・リラックス
CV:山崎唯
サーカス団に登場する赤鼻のピエロ。
ギャバジン団長と共に、島民をアフリカのチーターに売り渡し、猛獣の子をもらって、サーカス団を結成しようと企む。

  • ポチ
CV:油谷佐和子
ブルドキアに登場する人間。
奴隷にした犬が許せない。

  • コンチキ
CV:4代目三遊亭小圓馬
ライオン王国に登場するタムレ共和国の大統領。
最初は、国立気象観測所・探知機主任だった。総選挙で当選し、出世する。
ブルドキアでは、クジラに乗って、酋長を迎えにブルドキアまでやって来た。

  • トンカチーフ
CV:青島幸男
南ドコニカに登場する売れない脚本家。
4海賊やゼロと三つ巴をして、アンカ帝国の秘宝を見つけようとした。スパニオルと同じタイプが打てる。
ランニング・ホーマー一族で、ランニング・ホーマーが劇団を作ることになり、ムマモメム・ドビン・ポットと共に、旅に出る。
ちなみに担当声優は後にいじわるばあさん・直木賞作家・都知事とキャリアを重ね、博士の担当声優と日テレ昼の顔も経験した放送作家出身の青島幸男。





オリジナル版とリメイク版があるが、オリジナル版は昔のビデオの特性(重ね撮り)によりフィルムが8話分だけ現存しており、DVD化されている。
当時は全回カラー放送であったがカラーで残っているのは2話分のみで6話は白黒である。

実は最初に遠足に来た時の火山活動により、サンデー先生と子供たちは既に死亡している。劇中に「御詠歌」や「四国霊場物語」が登場するのもその為。
……という話は講演会に於いて島の食糧問題を問われた井上が、「こんな話もありかもしれませんね」と「冗談的」に語ったエピソードが誤解されて報じられたものであり、オリジナル版製作当時にそのような設定は存在せず、当時のディレクターやスタッフも認知していなかった。

原作者の幼年期が投影されている。原作者は二人とも「親」を持っていなかった為、子供たちは全員「親」がおらずサンデー先生が親代わり。

第1035回「郵便泥棒」(ポストリアシリーズ、1968年6月3日)の郵便局員がネコババをするストーリーが、NHKの監督官庁である郵政省の逆鱗に触れて番組終了の原因になったと言われている。
この影響でポストリアシリーズは第1074回(1968年7月26日)で放送中断、グッバイジョウシリーズの再放送を急遽実施した後、ポストリアシリーズ後編とガン・マンシリーズ、完結編を放送して1968年度末である1969年4月4日で放送を終了した。
井上によると本作は人気であったことから翌年度も放送継続の話があったが、特定郵便局長会で番組が批判されたことを受けてNHK幹部が動揺し、打ち切りになった。

元々オリジナル版で使用された人形は損傷が激しく、番組終了後破棄されたが、NHKの倉庫で予備の人形が発見され、リメイクの企画が持ち上がった。
オリジナル版の映像やシナリオは大部分が失われていたが(台本は4分の1が散逸、映像は8話分のみ現存。当時は全回カラー放送であったが、カラーでの現存は2話、6話は白黒での現存。)、
オリジナル版の視聴者である伊藤悟が書きとめたセリフ、セットなどのデータを基に復活することができた。
伊藤が記録していた「ライオン王国シリーズ」の3週目からガンマンシリーズ~エンディング(最終回)は、NHKにも映像の保存がほとんどないものばかりであった。

評価が悪い『ふしぎの海のナディア』の南の島の後半は本作の「ひょうたんじま」が舞台になっている。

2003年2月1日に「あなたとともに50年 今日はテレビの誕生日 人形劇・大集合」内で、
オリジナル版放送終了以来34年ぶりの新作「人間レコードの巻」が放送された。
ストーリーは未完であるが、仮に制作される場合、名古屋章と小林恭治と滝口順平と熊倉一雄は亡くなっているため、
ドン・ガバチョとダンディとライオンとトラヒゲの声優は変えなければならない。
また主題歌の歌手、エンディングのアレンジもリメイク版と違っている。井上ひさしも2010年4月9日に逝去したため、今後の製作時期は不明。


みなさ~ん!追記・修正よろしくお願いしますぞ~!

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