Time Vault(MtG)

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Time Vault(MtG) - (2016/07/21 (木) 08:13:36) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2016/07/13(水) 04:14:34
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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《Time Vault》は、[[トレーディングカードゲーム>トレーディングカードゲーム(TCG)]][[Magic the Gathering]]のカードの一枚。最初の基本セット、アルファ版にすでに収録されていた。


#blockquote(){Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
Time Vaultがタップ状態である間にあなたがあなたのターンを始める場合、代わりにあなたはそのターンを飛ばしてもよい。そうした場合、Time Vaultをアンタップする。
(T):このターンに続いて追加の1ターンを行う。
}


「時の櫃」を意味するカード名通り、「自分のターンを貯蔵し(=飛ばし)、その後にターンを得る」ような効果をイメージして作られている。

[[追加ターン(TCG)]]の項目も参照してほしいのだが、自分のターンを連続して行うエクストラターンというのは非常に強力な効果を持っている。
このカードは[[パワー9>パワー9(MtG)]]にも数えられた《Time Walk》と同様、たった2マナでそれを発生させる効果を持っているが、タップインであるためターンを得るにはまず相手にターンを渡さねばならず、単純には使いづらい。

そのため、こちらは黎明期によくある使いにくいカードの一枚として埋もれていった…。

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#include(テンプレ3)















&bold(){「あれ、このカードヤバくね?」}と思ったあなたは正しい。

最初に「タップインだから使いにくい」とは書いたが、逆に言えば別のカードでアンタップさえできれば簡単にターンを得られてしまう。
例えば同じアルファに収録されたカードに《ぐるぐる/Twidle》というカード((青)で好きなパーマネントをタップorアンタップできる)があるが、それが&color(red){《Time Walk》と同等のカードになってしまうのである。}
連続してアンタップする手段が用意できれば…、後は「ずっと俺のターン!」状態である。

そうした悪用手段があるため、このカード、実は&bold(){四回}も[[エラッタ>エラッタ(MtG)]]を受けたかなり曰くつきのカードである。


一番最初のテキストはこちら(この項のオラクルは当時の物を現代流に解釈して表記しています);


#blockquote(){Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間に通常のアンタップはせず、あなたのターンを飛ばすことでアンタップする。
(T):この後に追加のターンを得る。
}


最初に書いた通り、連続的にアンタップする手段さえあれば簡単に無限ターンになる。
そのため、アーティファクトをクリーチャー化する《動く秘宝/Animate Artifact》とクリーチャーを能動的にアンタップすることのできる《賦活/Instill Energy》とのコンボが開発された。
(余談だがこの《賦活/Instill Energy》というカード、《サルディアの巨像/Colossus of Sardia》とのコンボや《[[停滞/Stasis>停滞/Stasis(MtG)]]》の維持コストのために《[[極楽鳥/Birds of Paradise>極楽鳥/Birds of Paradise(MtG)]]》につけられるなど、黎明期の[[ジョニー>ティミー、ジョニー、スパイク/ヴォーソス、メルヴィン(TCG用語)]]御用達のカードであったようである。)


あんまりにも悪用が酷いので出されたのが最初のエラッタ;


#blockquote(){Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
Time Vaultがタップ状態でturnカウンターが置かれていない場合、あなたのターンを飛ばすことでTime Vaultをアンタップし、その上にturnカウンターを1個置く。
(T):Time Vaultからturnカウンターを取り除くことで、次の通常のターンの前に追加ターンを得る。
}


Turnカウンターが必要になり、無限ターンも封じられてめでたしめでたし…&color(red){とはならなかった}。

これはそもそも最初のテキストからあった問題なのであるが、そのまま解釈すると、アンタップ・ステップ(当時はフェイズ)が始まってから、そのターンを飛ばすかどうか決めることになる。これではおかしいので、この選択は前のターンが終わってからあなたのターンが始まるまで、つまり&bold(){ターンの間}に行われると解釈された。 


が、この「ターンの間」という概念が&bold(){フェイズ・ゼロ}なる奇ッ怪なバグデッキを生み出すことに…


#region(フェイズゼロって?)
ミラージュに登場したマナ・クリーチャーに《根の壁/Wall of Roots》というカードがあり、タップも不要で毎ターンマナを生み出すが、「各ターンに一回」という制限があった。
が、この能力を「ターンの間」に使うことによって、&bold(){&color(red){「誰のターンでもないため、1ターンに1回の制約を無視し、無限マナを生み出すことができる!!」}}と考えられたのである。
…[[まるで意味がわからない>まるで意味がわからんぞ!]]し、&color(red){「アンタップフェイズにマナ・バーンしちゃうけど《停滞/Stasis》で飛ばせばいいよね!」}とかもっと分からない。
#endregion()

また、このオラクルのままならturnカウンターを「増殖」手段とはアンタップ手段があれば初代と同様に無限ターンも可能だった。
(例:《伝染病の留め金/Contagion Clasp 》+4マナ出せる状況で一度turnカウンターを出せば、後は増殖→アンタップ→起動で無限ターン)。

&color(red){ルールの穴を拡大解釈してそのままブラックホールにまで拡張した}かのようなこのバグを封じるため、二度目のエラッタ;


#blockquote(){Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
あなたの次のターンを飛ばす:Time Vaultをアンタップし、時間カウンターをTime Vaultの上に1個置く。
(T),Time Vaultからすべての時間カウンターを取り除く:この後に追加のターンを得る。この能力は、Time Vaultの上に時間カウンターが置かれている場合にしかプレイできない。
}

先の増殖を利用した無限ターンは封じられた…が。このテキストだと《Time Vault》は時間カウンターを乗せればいくらでもアンタップできるため、これはこれで問題があった。
パーマネントをタップすることでダメージを与える《炎の一斉攻撃/Flame Fusillade》と組み合わせることとにより、無限ダメージを与えられるようになったのだ。
他にもクリーチャー化して《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》で無限マナ。
…なんか&color(red){どんどん趣旨から外れてる気がしてきた…}。


ええい! それならアンタップ状態になるときに、タップ状態にしたままにするかアンタップして次の自分のターンを飛ばすかを選択させりゃいい!!
…ということで出された三度目の正直のエラッタがこれ;

#blockquote(){Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。
Time Vaultがアンタップ状態になる場合、代わりに以下の2つから1つを選ぶ。「Time Vaultをアンタップし、あなたの次のターンを飛ばす。」「Time Vaultをタップ状態のままにする。」
(T):このターンに続いて追加の1ターンを行う。
}


だが、時間カウンターが必要なくなったので《ミジウムの変成体/Mizzium Transreliquat》を毎ターン《Time Vault》にコピーさせ続けることで無限ターンが可能に…



&bold(){&color(red){も う い や だ !!!}}

開発部の中心でWotCの誰かがそう叫んだのか、さすがにイタチごっこに嫌気がさしたのかはわからないが、四度目のエラッタが出され、その結果出されたのが最初のテキストである。

他の事情としては、もともとこのカード、カードプールの都合上構築環境で使用可能なのはエターナルだけだったというのもある。
またWotCが「カードパワー調整のためだけのエラッタは解除する」方針に転換していたことも理由の一つであるようだ([[エラッタ(MtG)]]の項目も参照のこと)。

そんなこんなで《Time Vault》は晴れてレガシーの[[禁止カード>禁止カード(MtG)]]、ヴィンテージの[[制限カード>制限カード(MtG)]]に指定されましたとさ。

カードプールの広がりもあって悪用手段は現在はさらに増えており、特に《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》との相性は最高クラス。
自力で《Time Vault》のサーチもアンタップも賄え、さらに勝利手段まで備えている。
また、《通電式キー/Voltaic Key》との組み合わせなら「たった4マナで無限ターン」も可能であり、これらのギミックを搭載した&bold(){Tezzeret's Vault}ないし&bold(){Vault Control}と呼ばれるデッキはヴィンテージで猛威を振るっている。
コンボパーツが少ないので他のデッキにもしれっと組み込まれてる事が多い。


《Time Vault》の項目にも&ruby(エラッタ){追記・修正}を四回お願いします。



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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- なんでエラッタする度にコンボしてるんだろこのカード…  -- 名無しさん  (2016-07-13 10:17:59)
- ↑ 他のカードだって、熟慮すれば良いコンボできるんだろうけど、このカードは得られる効果が絶大だから、意地でもコンボしたいイメージ  -- 名無しさん  (2016-07-13 10:32:18)
- 単体の起動条件がキツイだけでカードパワー的にはパワー9と同等なんだからそりゃ悪用も後を絶ちませんわ、最初に手探りでTCGと言うモノを作り上げた苦心が滲み出ているとも言える  -- 名無しさん  (2016-07-13 14:28:30)
- 「このカードの効果以外の効果でアンタップすることはできない」とかあったら悪用はされなかったかも 黎明期のカードに言っても仕方ないけど  -- 名無しさん  (2016-07-20 22:02:02)
- ↑ミジウムの変成体でコンボできます。…何をどういじっても上手くいかないから、WotCも諦めたのよ。  -- 名無しさん  (2016-07-20 22:21:11)
- 被覆持ちにすれば悪用はされないが使う人も居なくなる  -- 名無しさん  (2016-07-21 08:13:36)
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#areaedit(end)
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