沢村正治(美鳥の日々)

登録日:2011/05/07 Sat 02:52:38
更新日:2023/02/25 Sat 06:40:46
所要時間:約 6 分で読めます





沢村正治は、井上和郎の漫画美鳥の日々」の主人公。
アニメでの声優谷山紀章

桜田門高校2年の、街では有名な不良。
喧嘩が滅法強く、「狂犬サワムラ」の異名で恐れられており、
その右手は自他共に「悪魔の右手」と呼んでいた(過去形)。
同じ不良仲間の後輩に慕われていて、後輩の頼みで暴走族や別の高校の不良を叩きのめす事も多い。
しかし本人は弱い者イジメをする趣味はなく、自ら仕掛けにいく事は少ない。
また年頃の男子らしく、性に対する欲求も結構ある。

そんな彼であるが、学園生活を送るのに必要なものとして恋人を挙げている。
惚れた女の子がいればひたすらアタックしていたがその度に逃げられていて、
物語開始時にも一人の女の子に逃げられていた。(通算20回目)
そんな失恋の日々の寂しさのあまり、

「誰でもいいから彼女になってくれ!!」

と叫ぶと、何処からか、

「本当!?」

という声が。そこで右手を見ると、なんと可愛い女の子が自分の右手に現れていた。
彼女がタイトルにもある春日野美鳥であり、3年前から正治に片思いをしていた小倉橋高校の1年生。
最初こそ突然現れた美鳥を邪険に扱うが、正治に倒された暴走族「泥華瑠斗(でかると)」のレディースが敵討ちに来た時に、
美鳥が身体を張って助けてくれたのをきっかけに、美鳥との奇妙な同棲生活を送る事になる。


美鳥が右手に現れてから、荒んでいた生活も徐々に変わり始める。

正治の事を嫌っていた綾瀬貴子が正治を倒しにきた不良たちに襲われそうになった時は、
最初は辛辣な事を言われたバツとして見捨てようとするが、
綾瀬が連れていかれそうになった時に真っ先に助けに入り、そのまま全員を倒した。
しかし翌日その不良の先輩がオトシマエとして正治の一番の後輩の宮原を拉致、
挑戦状と言う古風な方法で正治を呼び出す。
迷う正治だが、美鳥に後押しされ呼び出しの場所へ。

正治が行った後、綾瀬が挑戦状を発見、指定場所に急ぐと、
そこには一切抵抗せずに袋叩きにされる正治の姿があった。

抵抗しなかった正治に宮原が何故一発も手を出さなかったのかを尋ねると、正治は、

「ったく……だから、おめーはバカだっつーんだよ」

「お前、オレのせいで人質に取られたりしたんだぞ」

「ここでオレが勝っちまったらよ、また学校の誰かを巻き込むかもしれねぇじゃねーか」

「オレのせいで誰かが傷つけられるなんて耐えられねぇ……それだけだ」

と答えた。これにより、綾瀬は正治を認め、それまで離していた机を元に戻した(隣の席だった)。
そして正治の知らないまま、綾瀬のハートをゲットしていた。

ちなみに、この後綾瀬から何度も猛アタックを受ける事になるが、
美鳥のブロック+綾瀬の遠回しなアプローチ+正治自身が今までモテなかった事に起因する鈍感さにより、
終盤まで全く綾瀬の好意に気づかなかった。

美鳥のサイズに合う服を求めてフィギュアショップに行けば、
クラスメートでオタクの高見沢修一と出会いなんだかんだで仲良くなったり、
美鳥に好意を寄せていた真行寺耕太とは微妙に怪しい関係に足を踏み入れそうになったり、
姉の策略によって出会った槙葉親娘に捉えられ、解剖されそうになったりと、
美鳥がやってきてからはそれまで触れ合う事もなかったような人々と出会い、愉快な日々を過ごしている。

高見沢の依頼で即売会イベントの手伝いをした事もある。
高見沢が勝手に商品化した「パペットMIDORI」の販売を、利益の半分と言う言葉につられて手伝った。
モデルである美鳥自身の客寄せによってブースは大盛況、美鳥人形は完売するが、
その美鳥が原型としてオークション式にどんどん値段が上昇、
フィギュア収集で有名な俳優の「京本雅美」が20万という金額を提示した直後、
勝手に話を進めた事に正治は激怒、啖呵を切るが、
それに感動した人形好き達に称えられ、と呼ばれるようになった。

喧嘩が強く、女とは闘わない主義の彼であるが、
そんな彼が唯一恐れ、闘う女性が姉の沢村凛である。

元々いじめられっ子だった正治に見兼ねて修行を付けたのは彼女である。
正治よりも凶暴で、事あるごとに正治を厄介な事に巻き込み、
闘えばその度に正治は叩きのめされてきた。

喧嘩で正治の右に出る奴はいないと言った宮原に対して正治は
「野郎相手じゃ負けた覚えはない」
と含みのある言い方で返しているが、これは凛の事があるから。

正治は水が苦手で泳げないのだが、その理由は幼い頃に一緒に風呂に入っていた時に、
100数えるのを誤魔化した罰としてその度に犬神家の一族の刑(逆さにして湯に沈める)を喰らっていたから。……恐ろしい。

ちなみに正治は眼鏡で巨乳の女の子が好みらしくよく鼻の下を伸ばしているが、これは凛の外見的特徴と同じである。つまりはシスコ…おや誰か来たようだ。


俳優、「愛川ショウ」の大ファン。

DVDプレイヤーがないのにショウの出演する映画のDVDを欲しがったり、
彼が出演する映画の撮影が近くであると聞くと補修をほったらかして見に行ったりする程入れ込んでいる。

その映画の撮影では、ショウの手下として監督から抜擢される。
ショウからのアドバイスにより役になりきるが、なりきり過ぎてショウが銃で撃たれるシーンで、
本気で激怒して相手方のイケメン俳優(主役)を宮原達と共にタコ殴りにしてしまう。

これを監督が面白いと採用、ショウのアドリブもあって映画は完成する。

後日その映画のビデオを借りるが、そこには正治の右手……そう、美鳥が映っていたのである。
その事でその映画は一部で心霊映画として評判になった。


途中まで、あまり美鳥を一人の女の子、彼女として扱っていなかった正治だが、
耕太との話し合いや美鳥との共同生活を経て、
美鳥を失いたくない、大切な人として認識するようになる。


――しかし、別れの時は訪れようとしていた――

以下ネタバレ。



正治との共同生活を経て、多くの人々と出会い、正治の優しさに触れ、
自分のあるべき姿を確認した美鳥。
彼女は、元の姿に戻り、もう一度そこから始めようと決意する。

その事を聞いた正治は、それまであまり口にしなかったありったけの想いを吐露して美鳥を引き留めようとするが、
美鳥の決意は変わらず、彼らの奇妙な生活は一時の別れを迎える。

美鳥が消えた後家に帰った正治は、美鳥が付けていた日記帳を発見。
それを読んでいく内に、改めて喪失感を味わい、涙を流すのだった……。


そして


――新しい日々――

以下更にネタバレ。


美鳥が元の身体に戻った事で、正治の右手も元に戻った。
美鳥を失った事の喪失感に苦しむ正治は、
元々好きだったのだからOKするだろうと自分から美鳥に告白しようと思い立つが、
美鳥の決心を無駄にすると気づいて断念した。

その頃、美鳥は元の身体で目を覚ましたが、正治の右手だった頃の記憶を失っていた。
見舞いに訪れた耕太が美鳥の部屋を去る際、置手紙を置いていた。
それは、正治が公園にいるだろうという手紙。
それを見つけた美鳥はすぐさま家を飛び出し、正治がいるであろう公園に向かう。

一方、正治は耕太の予想した公園にいた。
傍でたき火をしていた爺さんに、美鳥の日記帳を一緒に燃やしていいか尋ねるが、
その決心がつかない所に、美鳥が現れる――


緊張しながらも、自分の言葉を精一杯伝える美鳥。
ずっと正治の事を見ていたという美鳥に正治は答える。

「知ってるよ……オレもお前のこと……ずっと見てたからな」

その言葉に戸惑う美鳥に、

「オレもお前のこと……好きだってことだよ」

と告げ、晴れて美鳥と正式に恋人になった。



追記・修正は右手に女の子がいる人だけお願いします。


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最終更新:2023年02月25日 06:40