尾小屋鉄道

登録日:2012/09/17(月) 02:23:46
更新日:2023/02/06 Mon 13:42:19
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尾小屋鉄道とは、かつて石川県に存在していた地方鉄道である。
鉄道路線は現存しないが、会社自体は現在も小松バスと名を変えて健在である。


◎概要
 石川県小松市には、かつて「尾小屋鉱山」という名の銅の鉱山があり、この鉄道はそこから採掘される銅や沿線住人、様々な物資を輸送する鉱山鉄道として開業した。最初は個人名義(当時の鉱山長)の鉄道だったのだが、数度の経営譲渡の後、「尾小屋鉄道」と名乗ることとなる。線路の幅は762mm、いわゆる「軽便鉄道」である。
 元々遊覧用のおとぎ電車だった西武山口線を除けば、旅客営業を行う本格的な非電化軽便鉄道として日本では最後まで生き残った路線であったが、赤字には耐えられず昭和52年(1977年)に廃止されてしまった。
男はつらいよ」シリーズへの登場や、後述の蒸気機関車もあって世間一般からも注目度は高かったようである。


◎車両

代表的な車両を記載する。
これら以外にも客車、蒸気機関車、そして多数の貨車を所有していた。

【機関車】
  • 5
 1949年に製造された蒸気機関車。地方私鉄向けの日本製蒸気機関車の最後の新造車でもある。
 廃止時まで車籍を残し、現在も石川県の「小松市立ポッポ汽車展示館」で保存されている。
 ちなみに「5」という車号はこれが二代目であり、初代はテンダー機関車のくせに非力だったために数年で廃車されてしまったとか。

  • DC121
 1952年製のディーゼル機関車。現在は小松市のいしかわ子ども交流センター小松館「なかよし鉄道」で動態保存されており、イベント時には客車を牽引して活躍する。

  • DC122
 1958年製造のディーゼル機関車。廃止後も旧尾小屋駅内に残っているが、なぜかこの車両だけ野ざらしの放置状態、錆だらけである。
 他の保存車両と比べてこの扱いの差は何なのだろうか…。

【気動車】
  • キハ1
 1937年製の古株だが、廃線後も「なかよし鉄道」で動態保存されている。
 尾小屋鉄道時代では機械の都合で出来なかった客車牽引も行えるようになり、今もなお主役級として活躍している。

  • キハ2
 1938年製で、前後に荷物用のデッキを持つ。現在も旧尾小屋駅内に保存されている。

  • キハ3
 元は静岡県の遠州鉄道奥山線で活躍していた「キハ1803」(1949年製造)。
 廃止になった後、1964年に移籍してきたのだがその際に「180」の部分を塗りつぶし、「キハ3」として生まれ変わった。ただし切り抜き文字なので元の車番がバレバレ
 現在も小松市立ポッポ汽車展示館で動態保存されており、イベント時に走行するが、片側の前面だけ元の「キハ1803」表記に戻っている。

【客車】
  • ハフ1
1918年の開業時に製造された客車のトップナンバー。現在は小松市立ポッポ汽車展示館で保存されている。

  • ホハフ2
 三重交通から移籍した車両で、元の職場では電車や電気機関車に牽引されていた。
 老朽化によって廃車されたのだが、ガソリンをかけられて消毒されるという処分方法だった。

  • ホハフ3
 三重交通から移籍した車両で、元の職場では(ry
 「なかよし鉄道」で動態保存されており、年に数回のイベント運転時には大車輪の活躍をする。

  • ホハフ7
 三重交通から移籍した車両で(ry
 こちらは旧尾小屋駅内で保存されている。

  • ホハフ8
 三重交通(ry
 「なかよし鉄道」で動態保存されている。

日本最後の本格的な非電化軽便鉄道という事もあってか、数多くの車両が今も残っており、動態保存車も多い。
石川を訪れた際は、ぜひこの小さな鉄道に会いに行ってはいかがだろうか。


追記・修正はDC122をハブらないようにお願いします。

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最終更新:2023年02月06日 13:42