ピカティニーレール

登録日:2012/03/05(月) 15:41:18
更新日:2022/03/07 Mon 14:13:52
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ピカティニーレールとは、スコープなどの各種オプションを装着する取り付け台『マウントレール』の規格の一種である。
銃の機関部の上部に付いているギザギザのあれである。

日々増え続ける小火器用のオプションに対して、アメリカ陸軍の軍備開発研究を行うピカティニー造兵廠が「MIL-STD-1913」として標準化したのが誕生の瞬間。
マウントレールに存在する様々な規格※1の中でもっとも有名な規格でありNATOでは「STANAG4694」として規格化されている。




〇形状
凹凸凸凸凸凸凸凸凸凸凹
↑のようにギザギザの歯が並んでいるだけに見えるが、実は正面から見るとこんな形をしている。
【画像が貼られていました】

横幅が0.835in(約20mm)、横溝(スロット)の間隔は各0.206in(約5mm)、斜めの部分は45度などと細かく決められている。

それでも、ただのギザギザに見えることには変わりないが




〇歴史と現状
ピカティニーレール規格の誕生よりも前にカスタムガンの世界ではスコープの着脱用にマウントレールがよく用いられていた。
軍用としてはコルトM4がキャリングハンドルとスコープの着脱・交換用に導入したのが初である。
更に特殊部隊向けのSOPMOD M4では、KAC社のレイル・インターフェイス・システム(RIS)※2が導入されている。
開発当時はレールマウントがなかった小火器(AUG89式FA-MAS)にも取り付けられたり、H&K USP※3SIGSAUER Proなどの拳銃にも採用されたりなど、
「状況に応じてドレスアップ・カスタマイズが簡単にできる」という有効性が広く認知されている。

しかしレール部は手触りが悪くハンドガード部などにレールがあると持ちにくいといった欠点もあり、カバーをつけると太く重くなる…というジレンマがある。
これらの点を解消することを目的に、新しい規格としてMAGPUL社の「M-LOK」、VLTOR社の「KeyMod」、H&Kの「HKey」といった類似の拡張スロット規格が相次いで登場した。
ピカティニーレール用パーツを流用できるよう、これらの拡張スロットにレールを増設するパーツも存在し、互換性も確保されている。
ピカティニーレールは今後もしばらくは存在し続けるだろうが、徐々に新しい規格に置き換えられてゆくものと思われる。





〇注釈
※1『ウィーバーレール』という規格はピカティニーレールとはスロットの間隔が違うが、ある程度の互換性がある。そのほかにもメーカー独自の規格がある。

※2マウントレールを四面に配置したハンドガードのこと。
スコープ以外にもレーザーサイト、フラッシュライト、フォアグリップ、二脚など様々なオプションが装着可能である。
現在は改良型のRAS(Rail Adaptor System)が標準となっている。
これはKACの商標なので他社は「ハンドレイル」や「ピカティニーフォアエンド」等の名で商品化している。

※3開発当初は独自規格だったが、H&K P2000からピカティニー規格に変更されている。



○余談
ただのギザギザといえど、常に安定した土台でなくてはならず、温度差や衝撃で変形することはあってはならない。
灼熱の砂漠や寒冷の極地、多湿、乾燥など、地球上のどこでも使えるようになっているため、かなり丈夫な部品である。
そのため、素材にはポリマーやアルミ合金を用いる事が多い。
先述の通り金属製で画像のように出っ張りがありなおかつ鋭利な部分もあり、むき出しで握るととても痛い。
その為パーツを取り付けていない部分には手を保護するためのガードを付けることが多い。




追記・修正はピカティニーレールで手を傷めた方がお願いします。

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最終更新:2022年03月07日 14:13