登録日：2011/07/28(木) 18:38:26
更新日：2023/07/16 Sun 09:44:53
所要時間：約 4 分で読めます
エンターブレイン発行誌ハルタ(旧Fellows!)に連載中の漫画。作者は笠井スイ。
既刊5巻。
現在は作者の体調不良により休載中。
ヨーロッパの街並みを丁寧に再現した繊細な描写と、そこに生きる活力に満ちた人々をオムニバス的に描くのが特徴。
【あらすじ】
舞台は20世紀初頭のヨーロッパ。あるアパートの大家、ジゼル・アランと、同じくアパートの居住者エリックの元に、住人の一人が飼い猫を探していると訪ねてくる。
それを聞いたジゼルは、『大家』ではなく『何でも屋』として仕事を受ける、と申し出た。
何でも屋を開業し好奇心の赴くままに仕事をこなすジゼルと、それに振り回されながらも相方として行動を共にするエリックを中心に、お嬢様の活躍を描く。
「『大家さん』じゃなくて…『何でも屋』ジゼル・アランがです、マダム」
【登場人物】
◇ジゼル・アラン
主人公。
外見は十代前半〜中頃の少女。ボブカットの黒髪に碧眼が特徴。
アパートの大家だが、あるとき何でも屋を開業し、住人や街の人々からの依頼を受ける。
尊大な言動をしており、大人相手でも物怖じすることなく自分の意見を言う。
非常に好奇心旺盛で、面白そうなことには首を突っ込まずにいられない。
元々は良家のお嬢様。尊大な言動はこのため。だがアラン家を捨てる形で家を出た。
家にいたときはあらゆる分野の学問やマナーを学んでおり、その知識は一目見ただけの外国語の文章を翻訳するほど。
子供扱いされることに憤りを感じ嫌っている。
反面、自分が無力な子供であることを突きつけられたときには、悔しさのあまり涙することも。
◇エリック・ルブラン
ジゼルのアパートの301号室に住む青年。
眼鏡をかけた知的で華奢な印象。だがやるときはやる。
ジゼルの何でも屋業に振り回され、呆れながらも保護者のように付き従う。
ジゼルに惚れているようで、指摘されると口では否定するものの顔が赤くなる。またジゼルに対して口や態度ではそっけなくするが、彼女が暴走しかけたり危険に陥りそうになると、心配して体を張って彼女を助ける。
2巻にて小説家を目指していることが判明。投稿した作品が一次選考を通過した。
◇アルセーヌ
ジゼルの飼い猫。品種はロシアンブルー。
依頼で探してきた猫だが、探していた猫とは同種の別の猫だった。そのためジゼルが引き取る。
屋敷にいたとき、ネズミにもアルセーヌと名付けていた。
◇クレペル
201号室の住人。
物腰の柔らかな気品高い印象の老婆。
作中から、フルネームはおそらくリーズ・クレペル。
ジゼルの最初の依頼者。
◇エミリー
101号室の住人。
十代前半頃の少女。内気だが表情は豊か。
母親はいないため、父親と二人暮らし。
◇リシェ
エミリーの父親。
印刷所で翻訳の仕事をしている。
仕事のせいであまり娘にかまっていない。
◇コレット
302号室の住人。
恋人に部屋を追い出されたため、何でも屋のチラシを頼りにジゼルを訪ねてくる。
花街のストリップ小屋の花形。そのためか常に妖艶な雰囲気を出している。
同性愛者のようで、ジゼルに一目惚れする。またマリーという彼女と同棲している。
◇クリストフ・モネ
アラン家の執事。
ほとんど無表情だが性格は真面目で、ジゼルを始め誰にでも小言を言う。
ジゼルが屋敷にいたとかはジゼルの味方となり、彼女のことを非常に心配している。
ある事件で新聞に載ったジゼルを仕事を放り出してまで訪ねに来るほど。
◇ギー
『何でも屋のG』として働く下町の男。
おそらく愛称だが本名不明。
飄々として軽そうな性格だが、仕事に関しては完璧にこなし、街の人々からの人気もある。しかし仕事に手段を選ばず、脅迫や暴力も辞さない。
同じ何でも屋を名乗るジゼルを疎んでいたが、最終的に彼女の仕事を評価し、仕事の師事を頼んだジゼルに「商売敵を自分で鍛えたくない」とまで言った。
【作品に関して】
舞台はヨーロッパとなっているが、具体的な国や地方は不明。
街並みはパリ風、登場人物はほぼフランス語名だが、劇中では英語が用いられている。
コミックナタリーにて特集が組まれており、ウェブ原画展として作中のカットや解説を閲覧することができる。
なお、作者の笠井スイ氏はその作風や画風から、同じFellows作家の森薫氏との関連性がネット上で囁かれ、アシスタント、あるいは同一人物なのではないかと推測されることがよくある。
だが二人による対談があり、その内容からアシスタント等ではないと言える。
追記・修正お願いします。
最終更新：2023年07月16日 09:44
