アーマードトルーパー(AT)

登録日:2011/07/08 Fri 22:40:24
更新日:2024/02/21 Wed 20:59:03
所要時間:約 6 分で読めます




装甲騎兵ボトムズシリーズに登場する人型兵器

そのミリタリーテイスト溢れるデザインや設定から未だに高い人気を誇り、後の作品に大きな影響を及ぼしている。


◆設定

アストラギウス銀河で展開された百年戦争では、ミサイルなどの大量破壊兵器によっていくつもの惑星が消滅した。
このためギルガメス・バララント共に資源不足に陥ってしまい、これを解決する為の有人惑星での資源争奪戦の為に新たに開発された。

正式名称「Vertical One-man Tank for Offence&Maneuver-S」(攻撃と機動の為の直立一人乗り戦車)、これを略してVOTOMS(ボトムズ)とも呼ばれる。

全高4m前後で重量によりライト級、ミッド級、ヘヴィ級の三つに分類され、右に行く程重量の分パワーが高くなるがその分スピードが落ちる。

小回りが利き不整地走行能力が高い二足歩行システムと、マニュピレーターによる多彩な武器の選択運用が強み。
脚部に装備されたローラー等を用いた高速走行が可能。

人間でいう頭部と胸部が一体化した構造になったコクピットとなっており、パイロットが搭乗する際には足を変形させ胴体を沈みこませる「降着姿勢」を取る*1
操縦方法はスティック(操縦桿)とフットペダルを用いたシンプルな作りだが、音声入力や基本動作を自動化したミッションディスク(MD)が操縦を補助してくれる。
これら補助装置により新兵でも容易く操縦可能になっているのが特徴。MDは状況に応じて交換やカスタマイズすることができる。
コクピットには目視窓やモニターなどは存在せず、外部視察・情報表示には専用ゴーグルを必要とする。
ゴーグルは機体頭部の特徴的なターレットレンズに繋がっていて、映像と機体各部にあるセンサーの情報がまとめて投影される。

駆動系にはポリマーリンゲル液を用いた一種の人工筋肉であるマッスルシリンダーを使用しており、定期的に劣化したポリマーリンゲル液を交換する必要がある。

武装は突撃銃にあたるヘヴィマシンガンやバズーカ型リニアガンであるソリッドシューター、
エネルギー兵器であるロックガンなど実に多彩で、白兵戦用に火薬で腕を打ち出すアームパンチやパイルバンカー、クローなどを装備している。

最大の特徴はそのずば抜けた生産性の高さであり、町工場程度の設備があればスクラップからATを組み上げ稼働させる事すら可能。
また改修や換装によりあらゆる戦場に対応可能で、陸戦兵器でありながら宇宙でも運用可能な程。

一個の兵器としては非常に完成されており、高い評価を得ている。


追記・修正お願いします。





僕と契約して

バトリング選手になってよ!





嘘は言ってないです。




上記は全くの嘘では無いが肝心な事が一つ抜けている。それは徹底した人命軽視である。

まず装甲が薄く、小銃はともかくロケット弾を食らえばほぼ確実に一撃で墜ちる。当たり所が悪いと対AT用拳銃にすら撃墜される。
数あるロボットアニメの主人公機の中でも、トラックにはねられただけで爆発しトラックの方は支障なしなんて機体はATと序盤のダイ・ガードくらいであろう。
また使用しているポリマーリンゲル液は可燃性と揮発性が非常に高く、とても引火し易く爆発し易い。
更にこの危険物は血液の如く全身を循環しているので、弾が機体の手足を擦っただけで全身誘爆したなんてザラ*2。運が悪いと転んだだけで爆発する事もある。
サイズもそれほど大きくないうえに上記の脆弱性も相まって、装備や状況次第で生身の歩兵でも十分撃破は可能。スピンオフで主人公がロボに乗らず生身で敵パイロットごとロボを撃破するのが平常運転なロボアニメが成立してしまう有様である。

しかも徹底的なコストダウンの結果、搭乗者の安全に関わる装備は悉く排除されている。
ヒーターと気密性があれば御の字(両方備えた機体もあるにはある)。
生命維持装置はまず存在しないし、引火・爆発し易いのに消火装置は未搭載がデフォ。脱出装置?何それ美味しいの?
そんなATすら脱出させてくれるスパロボの脱出装置は偉大である。

お陰で耐G機能と気密性を備えた耐圧服は欠かせない。というか無いと宇宙のような極限空間では命に関わり、操縦できない。

機体の低コストに加えて、操縦の容易さも人命軽視の風潮に拍車を掛けている。
なんせ人員は腐る程存在する上に育成に手間が掛からないので、いくら使い捨てても簡単に補充可能なのである。
勿論評判は悪く、動く棺桶」「鉄の棺桶」扱いされている。


そういうわけで、ATは人命をガン無視した「最低の兵器」であり、
そんなものに乗せられているAT乗りもまた素行の悪い奴が多いという事情から、AT及びその乗り手は「最低野郎共(ボトムズ)」と蔑まれている。先述の英語による当て字は軍がそうしたイメージを払拭するために後付で考えた物で、当然ながら全く浸透はしていない。



●主な機種

◆ギルガメス連合

ATを最初に投入した勢力。技術的にはバララントに対し優位を保っている。

スコープドッグ

ギルガメス軍制式AT。ミッド級。基本カラーは緑。犬だけど見た目はタコ。
ボトムズシリーズでは最も多く登場し、またキリコ・キュービィーはじめ多くの人物が愛用している事から事実上の主役機にしてボトムズの顔とも言える。
機体の詳細は当該項目を参照されたし。

スタンディングトータス

ヘヴィ級。亀。ヘヴィ級ならではの高いパワーと厚い装甲が持ち味。
ドッグ程では無いがバリエーションが多く、水中戦仕様や宇宙戦仕様、PS専用機も存在している。

◇ダイビングビートル

ヘヴィ級。ペットネームはゲンゴロウではなく水棲甲虫全般を指す。
水中戦用ATとしては最高級の性能を誇るがコストも高騰した為、あまりお目に掛からない。
アッセンブルEX-10の主力機でみんなのアイドルカン・ユー大尉も愛用。

◇ブラッドサッカー

レッドショルダーの項目参照。


◆バララント同盟

AT投入に出遅れ、技術面では劣るがその分を生産力を活かした数の力で補っている。
外見上の大きな特徴として、ギルガメス製ATのカメラアイが複眼切り替え式なのに対し、こちらは基本的に単眼。
詳細はバララント製ATの一覧(装甲騎兵ボトムズ) 参照。

◇ファッティー

太っちょ。これはギルガメス側の通称で、バララント側の正式名称はフロッガー。
小回りは利かないが最大速度ならギルガメス側ATを上回り、宇宙空間での一斉突撃戦法を得意とする。
地上用機体も存在。大型のホイールでターボカスタム並の速度を誇るとされる。

◇チャビィー

まるっちょ。
ファッティーを小型化し、防御力を保ったまま敏捷性を向上させた機体。基本的に運用などはファッティーと変わらない。

◇エクルビス

ザリガニ。バトリングを利用してテストを行っていたバララントの次期主力AT候補。
リングネームは「デンジャーメロン」。
搭乗しているPSの力もあり、化け物じみた運動性能を発揮する。


秘密結社

ストライクドッグ

PS専用AT。ドッグ系列ではなくブラッドサッカーの流れを汲んだヘヴィ級AT。イプシロンが搭乗し圧倒的な戦闘力を発揮するが、稼働時間は短い。

ラビドリードッグ

ストライクドッグの量産仕様。TV版でのキリコ最後の搭乗機。
キリコの技量と相まってギルガメス、バララント両軍相手に鬼神の如き強さを発揮した。
後にメルキア軍にデチューンを施された上で量産されるが…。

◇ツヴァーク

小人。作中唯一のライト級AT。小型で装甲は強化プラスチック製だが、その分運動性は良好。
固定兵装として腕に機銃が格納されている。出現のさせ方がボルテスバズーカっぽい。


◆マーティアル

◇エルドスピーネ

土蜘蛛。聖地防衛隊の主力AT。
銛の付いたワイヤーを発射する装備「ザイルスパイト」を持つ。

◇オーデルバックラー

秩序の盾。ネクスタントであるテイタニア専用機である超高性能機。
特にテイタニアの補助脳が作動した際には、「触れ得ざる者」キリコ・キュービィーすらAT戦では手も足も出ないという圧倒的な強さを発揮する。
しかし、生身のキリコに敗北した。いや、マジで。


◆その他

ベルゼルガ

クエント製ヘヴィ級カスタムメイドAT。
詳細は該当項目参照。










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最終更新:2024年02月21日 20:59

*1 この構造は高地から着地する際の衝撃を吸収する機能も合わせ持つ

*2 ただしこの設定は後付けであり、初代においては手脚を吹き飛ばされたATがそのまま動き続ける場面もあった。というかこの設定の出たメロウリンクでさえ手足が吹き飛んでも普通に動いているATの方が多かった。あくまで当たり所が悪ければ爆発することもあるくらいに考えておくのが無難。