吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnus(MtG)

登録日:2012/06/05 Tue 19:18:55
更新日:2021/01/12 Tue 22:41:19
所要時間:約 5 分で読めます




「お前の命は太陽とともに沈む。」


吸血鬼の夜侯とは、TCGの草分けであるMtGに存在するカードである。
色は、ジョー・カディーンでお馴染みの「」。

Vampire Nocturnus / 吸血鬼の夜侯
(1)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー-吸血鬼
あなたのライブラリーの一番上のカードを公開した状態でプレイする。
あなたのライブラリーの一番上のカードが黒である限り、吸血鬼の夜侯とあなたがコントロールする他の吸血鬼は+2/+1の修整を受けるとともに飛行を持つ。
3/3

2009年夏に発売された基本セットM10の神話レアとして登場。
特定タイプのクリーチャーを強化する、いわゆるロード能力を持ち、自身も強化される。
ライブラリートップをチェックする、という変わった条件こそあるものの、黒単デッキなら黒でないカードは精々土地が24枚前後だけなので、約6割の確率で4マナ5/4飛行となる。

だが、夜侯が登場した当時の評価は低かった。
そもそも吸血鬼クリーチャーというのが「ドラキュラ伯爵のような、城に住まう貴族的な吸血鬼」ばかりなためおのずと重量級になり、センギアの吸血鬼のような、数を並べることよりも、単体での性能を優先したクリーチャーしかいなかったのだ。

並べられる吸血鬼がいないなら、夜侯の価値は半減する。

確かに単体で使ってもそれなりとは言え、トリプルシンボルと能力から単色デッキ、それも強化されたりされなかったりと不安定にしかならず、同期の悪斬の天使の前にはかなわない―。












―しかし、夜は唐突に訪れる。
恐るべき闇の軍勢を率いて―。

2009年秋、ゼンディカー発売。

このゼンディカー・ブロックでは、吸血鬼が黒のメイン部族として取り上げられた。
結果、往年の貴族的な吸血鬼ではなく、民衆に溶け込んで生きる、「実は私、吸血鬼なんです!」的な吸血鬼が大量に出現。
そしてそれは、軽量で優秀な吸血鬼の登場を意味していた。


Vampire Lacerator / 吸血鬼の裂断者
(黒)
クリーチャー-吸血鬼・戦士
あなたのアップキープの開始時に、いずれかの対戦相手のライフが10点以下でない限り、あなたは1点のライフを失う。
2/2

コスト・サイズ比でサバンナ・ライオンを上回る、古きよきスーサイドな吸血鬼。相手を追い詰めればデメリットがなくなる。
フレーバーテキストがドM。


Bloodghast / 恐血鬼
(黒)(黒)
クリーチャー-吸血鬼・スピリット
恐血鬼ではブロックできない。
恐血鬼は、いずれかの対戦相手のライフが10点以下である限り速攻を持つ。
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはあなたの墓地にある恐血鬼を戦場に戻してもよい。
2/1

土地を出すだけで復活する、攻撃専用吸血鬼。
吸血鬼デッキの過労死。


Vampire Nighthawk / 吸血鬼の夜鷲
(1)(黒)(黒)
クリーチャー-吸血鬼・シャーマン
飛行
接死(これが何らかのダメージをクリーチャーに与えた場合、それだけで破壊される。)
絆魂(このクリーチャーがダメージを与える場合、さらにあなたは同じ点数のライフを得る。)
2/3

注釈文を除けば僅か6文字のテキスト。
そこには強いことしか書かれていない。
無理やりデメリットを挙げるなら、パワーが3ない、ダブルシンボル、などか。


更に、デッキトップが黒でない場合にシャッフル手段として使え、恐血鬼の能力を誘発できるフェッチランドまでもが登場。

その他、様々な吸血鬼が現れ、夜侯率いる吸血鬼デッキが環境に出現。
単色ビートダウンの筆頭として、赤単スライなどと共にメタゲームを突っ走ることになる。



「お前の命は太陽とともに沈む。」


このフレーバーテキストの通り、夜侯が動き出して数ターンで葬られるプレイヤーはさぞ多かったことだろう。


2010年秋、夜侯スタンダード落ち。
1年間吸血鬼デッキを引っ張りつづけた夜の侯爵は、多くの黒使い達に見送られた。
中には様付けする者さえいた。
夜侯は、吸血鬼デッキの切り札として遺憾なく力を発揮した実績、雄々しい強烈な色拘束、最高のレアリティ、イラスト、フレーバーテキスト等、ありとあらゆる要素から、歴代の黒いカード達の中でも、最高クラスのカリスマが溢れ出している。

これほどまでにカリスマ溢れる吸血鬼は、マジック内外問わず中々見られないだろう。


夜侯を見送ったゼンディカーの吸血鬼達は、2012年秋のスタンダード落ちまでしっかりと活躍し、環境のビートダウンデッキの一つとしてその存在感をアピールした。



◎夜侯のその後

スタンダード落ちしてからも、吸血鬼大好きなプレイヤー達は下の環境で夜侯を使い続けていたが、スタンダード環境に名乗りを上げた夜侯の後継者達は、残念ながらあまり活躍できていない。

七三、ケツ、コルセットを巻いて乳首出してる吸血鬼、固有名詞を直訳された隊長…。

ケツ以外はそれなりのスペックがあるのだが、七三は他の吸血鬼が優秀すぎてスペースが無く、コルセット乳首と隊長は現環境の吸血鬼デッキが弱すぎた。
















―そして2012年夏、それを見かねた夜の侯爵は、再びスタンダード環境にその姿を表す―。
吸血鬼の夜鷲他、優秀な黒いカード達を引き連れて。



追記・修正は、登録を押せば終わる。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • MtG
  • 吸血鬼
  • ヴァンパイア
  • 黒スレの英雄
  • 溢れ出るカリスマ
  • カリスマの塊
  • 夜の侯爵
  • ケツ王とは違うのだよ、ケツ王とは!
  • 吸血鬼の夜侯
  • Vampire Nocturnus

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年01月12日 22:41