ティアマトの11の怪物

登録日:2012/03/07(水) 01:29:07
更新日:2023/08/25 Fri 13:12:33
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メソポタミア文明に伝わる叙事詩「エヌマ・エリシュ」に記載されているティアマトが生んだ11の怪物について解説する。

原初の女神たるティアマトが、自らの子供である若き神々に夫であるアプスーを殺された怒りで11体の怪物を生み出した。
それにティアマトは神性を与え、生み出された怪物達は敵を恐れぬ勇猛さをもっていた。

11体の怪物の内訳は、合成獣に7本の頭を持つ、狂犬に翼を持った牡牛、巨大な獅子サソリ人間、毒蛇等である。
この怪物達はウーマー(嵐の獣達)、ウーマーマーヌ(獣達)と呼ばれた。


【一覧】

ムシュマッフ

ムシュマッヘーとも言う。
7つの首を持つ蛇で、体内は血ではなく毒で満たされている。
性格はとても残忍で獰猛とされる。

外見は鱗はパッパルディル石、鼻はサームトゥ石、目はムッシャル、顔はラピスラズリと金であると言う。


ムシュフシュ

名前の由来は怒れる蛇、シルシュとも言う。
外見は頭は蛇で2本の長い角と2つの耳を持ち、足は獅子と鳥の足、尾はサソリの尻尾である、翼を持っているともされる。

様々な神々に使え瑞獣として祀られる。
仕えた主な神々はティシュパクやマルドゥーク神等。

ユダヤ教のダニエル書にも門番として登場している。
……ダニエルに爆弾で爆殺されるという役割ではあるが。


バシュム

神々が怯えるほどの毒を持つ蛇。
2本のツノと蛇ながら前足を持った姿をしている。

海の中で創造されたされ、魚や鳥や野生の驢馬、そして人間を貪り食ったという。
神々はこれを従えさせる為に、ソロモン72の魔神やバビロアの神話における冥界の神であるネルガル神を派遣し従えさせたという。


クルール

ティアマトが生み出した怪物、その姿は男性の姿をした魚人である。
同じくバビロニアの神話に登場した魚人であるオアンネスとは関係はない。


ウリディムマ

ウリディシムとも呼ばれる。
名前の由来は狂った犬、凶暴な猛犬であるとされる。
人の姿をしてるとされ、その際は上半身は人間、下半身はライオンで尾はくるっと巻いているという。


ウガルルム

ウガルルとも呼ばれる巨大な獅子。強烈な日差しや熱をもたらすという。
人の姿してる場合はソロモン72柱のライオン型の魔神に似てるという。


ウームー・ダブルートゥ

嵐の怪物という名を持つ。
その姿はドラゴンであるとも。
ライオンの体に鷲の頭と翼をもった姿で風の悪霊を操る、バビロニアに伝わる風の魔王パズズであるとされる。


ギルタブリル

バビルサとも呼ばれる半身半獣の怪物。
その姿は上半身と足の部分は人間、腰はサソリでサソリと同じ尻尾をもつとも鳥の足に翼があるとされる。

ギルガメシュ叙事詩にはマーシュという山で、地獄の門の門番をしている。


ラハム

傲慢や凶暴と言う名を持つ。
その姿は巨大な海の怪物であり、ドラゴンと表現されることがある。
実際にはドラゴンではなく、水の精霊であるとされる。
ユダヤ教キリスト教ではラハブという名前で登場している。


クサリク

巨大な羽を持った牡牛または人面牛とも言われおり、頭が人で腰から下は雄牛で角と羽が生えているされる。
実際にバビロニアでは人面牛のレリーフ等が見つかっている。

ギルガメシュ叙事詩では、ギルガメシュに惚れた女神イシュタルの聖なる牛とされ、彼がイシュタル神の求婚を断った際に送り込んだとされる。
実際の所はこのクサリクとは別の牛であったらしいが。





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最終更新:2023年08月25日 13:12