毛利元就(戦国無双)

登録日:2011/03/31 (木) 18:05:35
更新日:2024/02/23 Fri 17:55:14
所要時間:約 6 分で読めます




百万の矢なら、誰にも折れないさ


CV:石川英郎


【概要】


戦国無双3から追加された武将。「百万一心」を信じ知謀を振るう安芸の大名。
篭手にクロスボウのようなものを仕込んだ矢手甲と呼ばれる武器を使用

癖毛気味の黒髪に若干傾けた烏帽子を被り、非常に穏やかな目付きをしている。見た目は若いが実際は結構な歳を食っていて言動がじじくさい。
歴史家になるという夢を抱いている設定で、歴史書を読みあさっている為か「歴史上〜」「後世は〜」等のどこか達観したような言葉が口癖。おそらく他の理由もあるがそれについては後述。
無双の舞台となるほとんどの戦に関わってない為、シナリオも基本的にオリジナルストーリーである。
孫の滑舌のせいでユーザーからは「大トロ」と呼ばれたりする。

ちなみに信玄や氏康より一回り前の世代だが、実際に死去した年代は氏康と同じ1571年。
有名な戦いが人生の後期に集まり老将のイメージが定着しがちだが、実際は若い頃から多くの戦をこなしている(ただし多くの武将たちに比べ初陣はかなり遅い)。
シナリオが独自性が強いのは単純に中国地方の戦いが中部・関東より遠く離れててクローズアップしにくいからである。
元就以外が全員モブ武将とかしても悲しくなるだけだし…

武将タイプは特殊技。
矢に属性を付加したり敵の防御力を低下させる矢を放ったりと特殊技の使い勝手は良さげ。
攻撃力が低めな代わりにどの技も攻撃範囲がかなり広く技の出も早い。コンボの稼ぎやすさは作中屈指を誇り、気付けばとんでもない数字を叩き出す事もしばしば。
無双奥義は前方へ向けての乱れ撃ち、皆伝の締めには更に後方から矢の雨を追加。
表示される文字は"和"と"識"。


【各作品における特徴】


【戦国無双】・【戦国無双2】
中国地方にスポットが当たらなかったため、モブとしての出番すら無し。


【戦国無双2 Empires】
初登場(ただしモブ)。年長者という事もあってか外見は爺さん系。
息子たちも全員モブだったが三矢の教えを由来とした会話イベントが用意されており、中々の好待遇。


【戦国無双3】
PC化。
前線を退いてから自身を没したことにし隠居を決め込んでいた元就だったが、信長の中国侵攻により不本意ながら戦場へ復帰する事となる。
この戦いで最初は敵対していた立花家と利害を共にし以降協力関係を結んでいく。
尚、史実における織田家VS毛利家となるのは元就死後の事であり上記の隠居設定や「私は死んだはずだぞ」と言う台詞は史実との剥離に困惑するプレイヤーへのメタ台詞&設定であるともいえる。

有名な「三本の矢」(一本では折れてしまう矢も三本纏まれば容易く折れない事を例えに息子達へ結束を訴えたという逸話)を立花夫妻に説くシーンがある。ギン千代が躊躇いなく折るが。

ギン千代「折れたぞ」(宗茂から奪った3本の矢を両手で折りながら)
宗茂「すみません。彼女、空気は読まない主義でして」
「ギン千代様、雄々しい…」


因みに
「うぬは何を望む?」
「安穏とした老後!」
といったやりとりが作中にあるが史実の毛利元就はこんなだった。

元就「そろそろ隠居すっから後ヨロシク」
隆元「そんな!?ならば私も隠居します!」
元就「( ゚Д゚)」
元就「儂今度こそ隠居するわ」
輝元「父上のことは四十まで支えてくれたじゃないですか。私も同じだけ支えてくださいよ」
元就「(゚Д゚;)」


息子&孫ェ…
実際のところは息子は3人とも三者三様(長:内政、次:勇猛、三:知略)で優秀。
事実、隆元が夭折した時に毛利家は一度財政破綻で潰れかかっており、元春・隆景は手紙の中で実力を低く見ていた兄の財政手腕を高く評価し直している。
ただし長男は自己評価がやたらと低かったようであり、戦国無双でもその面がみられる。
親父が偉大すぎて嫡男としてストレスが溜まりすぎてた模様。

また隆元の際は隆元を当主として表に出す事により、自身は裏から謀略を重ねるための行動とも言われる。
事実、隆元が家督を継いだ後も実際に実権を握っていたのは元就である。


【戦国無双3猛将伝】

本人のシナリオ追加はないが、追加シナリオである阿国の章で重要キャラに。
色々な戦場を巡っていい男探しをする阿国が、毛利の戦う木津川口に乱入。元就に目をつける。
最初は元就も阿国を胡散臭がっている様子だったが、阿国の自分と一緒に来れば色々な歴史の節目が見られるーという旨の説得にあっさり手のひら返し。
「輝元……」
「お任せください、この女を摘み出すんですね!!」
「……ごめん」
「えぇぇええーーーー!!?」
と孫にコミカルなズッコケを演じさせつつ毛利家を出奔して阿国について行ってしまう。*1
以降、阿国の脇で解説役のような役回りを担いつつ、歴史上主要な戦場を巡る。
その途上、関ヶ原にて別の孫に出会い、公式で「年齢不詳」呼ばわりされる。元就公はぽやんとしているが、この戦場は西暦1600年の出来事で彼は1400年代の生まれである。ということは…
孫って可愛いなあ、と和んでいるとその孫が阿国に殴り倒されるハメになりさすがに少し引いていた。
「ほんとに倒しちゃうんだ?」

なお、勘のいい人は分かると思うが、この章で阿国が集めていた人は、史実においてその戦場で死ぬ人である。


【戦国無双3Empires】
元就が隠居する前、つまり謀神時代の戦史演舞が用意されている。
その為に3本編で見られなかった史実の尼子家や大内家との本格的な闘いが無双で拝めるようになった。
他の戦史演舞と違い、モブ祭りとなっている(味方に出来る無双武将は阿国のみで、しかも任意加入)。
息子達に三本の矢の教えを説く、そして山中鹿介のムービーが見所。


【戦国無双chronicle】

隠居前の一番有名な戦いである厳島合戦が新たなステージとして追加された。
陶晴賢、弘中隆包との遭遇会話も用意されており、そのシリアスな会話内容は多くのプレイヤーを驚かせた。
また、厳島の特殊戦前イベントではその謀略の才を遺憾無く発揮。のほほんとしながらも真っ黒な一面を覗かせた。

その後ストーリー中では暫く出番がないが、木津川口の戦前会話にて再登場。松永久秀と荒木村重が信長に謀反起こした件の黒幕だった事を輝元にのほほんと語っていた。相変わらず真っ黒である。

その後メインストーリーでの出番は無いが、外伝にて立花夫妻と主人公を巻き込んでミッション全部が戦国クイズなシナリオ『毛利元就の変』を勃発させる。
クイズの内容から見るに、年代は1616年以降と思われる。
もはや不死身…かと思いきや、幽霊でした。
ついでに言えば、このシナリオに出てくるモブ含めた武将のほぼ全てが史実では既に故人となった人間である。(例外は宗茂と真田信之くらいのもの)
戦国クイズ大会だと思いきやとんだホラー会場だった。

他にも桶狭間の特殊戦前イベントで、この戦いは信長の仕組んだ罠だったという前代未聞の珍説をぶち上げたり、秀吉の中国大返しの背景に信長の横死があったことを正確に推察したりしている。
後者のイベント「本能寺の元就」では、さらに毛利家存続を第一に考え、謀反人をも捨て駒とした追撃戦と天下取りの策を家臣たちに語る。
しかし、その策に圧倒されていた家臣たちは「敵に対しても味方に対しても、守るべき信義が欠けている」とする隆景の反論に賛嘆し、恥じ入った元就もその正しさを認めた。
上記の通り、同作では色々と黒い一面が目立つ元就だが、ここでは珍しく、自嘲とも解釈できる台詞を口にしている。
「時代は変わったんだね、[主人公名]。私の若い頃なら、隆景の論は通らなかった」
「人が、少しずつ優しくなってきているんだ。泰平の世が近づいてきているんだね」
「そして、私はどうしようもなく乱世の子なんだな」

ユニーク武器が比較的取りやすい上に性能も今作の戦技システムと噛み合いすぎており、さらにチート戦技の恐慌も習得するので難易度:地獄でお世話になった人も多いだろう。

また今作にて、彼のテーマである『百万一心』は、かつて親交のあった友であり、厳島合戦にて討ち果たした敵将でもある弘中隆包より贈られたものだという設定が付与された。 


【戦国無双4】

中国の章で操作可能。二人一組で戦うシステム上からか、息子の小早川隆景が無双武将に昇格した。
厳島合戦では友人の弘中隆包に関する会話・ミッション・イベントがある。ちなみに今回も元就の前に阿国が現れるが、撃破対象なので3猛将伝のようにはならない。
英賀合戦からは毛利親子と二兵衛との奇妙な友情にも似た軍略合戦がメインとなる。

あと、とうとう白髪になった。

流浪演武のイベントでは今回も「三本の矢」のエピソードが登場するが、3での反省なのか矢を鉄製にするという強引な方法で折れなくなっている。
また流浪演武主人公も元就の扱い方は心得ているようであり、貴重な歴史書は丁重に扱うが元就の著作は容赦なく燃やすといった行動を見せる。


【戦国無双4Empires】
元就の他に家康、信玄、直江、隆景、孫市、久秀が君主でも発生する、限定のムービー「三本の矢」が存在する。
部下3人に矢を折ってみろと明示、普通なら3人全員が折れずに、逸話通り協力する事の大切さを説くという内容だが、たまに3人目がへし折る。今作もか……。
しかも折った時のセリフは男女全員分ある。
見事折ったことを誇らしくする者、趣旨を理解しつつも開き直って折る者、空気読んで忖度するつもりが折れちゃって慌てる者*2とバリエーション豊か。
元就本人や隆景が矢を折ってしまう事も。「私が折っちゃダメ…だよね…」「折れました…ね。まさか私が折るとは…」
なお折られた時の前2人のドン引いた視線とその場の空気感、君主のセリフもやはり見どころ。「はい! この家にも馬鹿正直者が一人いました~!」

家康「なんで折…!」(ブチ切れ寸前)


【戦国無双5】

ヤン・ウェンリー度は鳴りを潜め冷酷な老将という部分がピックアップされた。
声優はそのまま石川英郎氏が務めるが、曰く「全くの別人だと思うくらい設定が違っていましたので、全くの別人と思ってやらせていただきました」との事。
優秀な息子たち二人や孫とともに冷徹に戦を進める老獪な存在であるが、そんな自分に真正面からぶつかる山中鹿介に興味を抱く。
今回は舞台となる時代がいつもより前倒しとなっているが、元就公はめっちゃ老けた
信長が桶狭間で今川義元を討って台頭し始めた段階で彼は還暦越えなので、本作でようやく史実に寄った形となる。設定年齢も主要キャラでは最年長との事。


【無双OROCHI2】

「さ、歴史上の人物に会いに行こう」
当初は思惑があって妲己率いる妖魔軍を毛利軍総出で守っていたが、その後素戔嗚たち仙界軍の襲撃→撃退を経て妲己・アキレウス共々討伐軍へ参加する事になる。
なお、OROCHIシリーズに元就が参戦したのは本作が初で、それ以前のOROCHIシリーズにはモブで登場すらしていなかった。

関羽の髭を触りたがる、賈クの離間の計を自身の目で見られる事に感動するなど、もしかしなくても元の世界よりも楽しそうである。
誾千代に無双3で息子&孫たちに言った「当主たる者が目を輝かせるんじゃないよ」をそのまま言い返されるほどにフリーダム。
冗長な書物については、この世界でも酷評されている。アキレウスにはホメロスの出来損ないと言われる。
シナリオ上での出番は控え目だが、大殿は楽しそうなので余り関係ないかもしれない。
アクション面では閃属性で、皆伝が出しにくいなど不遇気味の戦国組の中でも属性付与のタイプアクション、使い勝手の良い奥義などのお陰で高難易度でも安定した立ち回りをする事ができる。

続編の「無双OROCHI2 Ultimate」では空中タイプアクションで難易度:修羅ですらどんな相手でも瞬殺できる火力を手に入れた。


【ヤン・モウリー】


無双元就を語る上で欠かせない要素。
それは容姿・性格・境遇・仕草や口調など元就を形成する殆どが銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーに酷似している点。

例:
「いずれ歴史が答えを教えてくれるさ」
「気楽に行こう。たかだか一国の存亡の問題さ」
「何をやっても駄目なものは駄目〜、か…」
「言わないより言って後悔した方がいいと。(中略)要は…その、一緒に居て欲しいんだ…」

最早オマージュを超えた何かである。
相違点を探す方が難しいかもしれない。
OROCHI2の2Pカラーが同盟軍の軍服と同じ緑色だったり、
ポケモン+ノブナガの野望でのブショー進化後の姿も、所々銀英伝っぽい服装になっている為もはや隠す気も無いらしい。

元ネタのヤンのほうは戦術こそ天才だが射撃や戦闘機の才能はどうしようもないくらいからっきしで「首から下はいらない」と言い切られるほどだったわけで、その部分では元就のほうが上回っていると言える。
それにしても元ネタのほうは歴史家になる夢も引退して年金生活を送る未来も叶うことなく凶弾に倒れたのに対し、パロディである元就は(本編中はプレイヤーキャラなので現役だが)その本懐を遂げたのは皮肉というかなんというか。



「今思えば、これまでの何もかもが符合する。我が項目は、貴様にすべて定められた身なのだな」

『wiki籠り…十五年前、冥殿の反対を押し切り追記、修正に来てくれたのが君の初陣だった…

それは、今でも感謝してるよ』

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最終更新:2024年02月23日 17:55

*1 なお、おの直前に輝元から「大殿には、頼りない私を助け毛利家を支える務めがある!」と高らかに情けない宣言をしているのでズッコケ度も2倍

*2 くのいち、光秀、秀吉など