COLLECTION SIMPLE PLUS

登録日:2012/05/13(日) 22:51:47
更新日:2022/05/22 Sun 10:15:24
所要時間:約 6 分で読めます




2006年に発売されたALI PROJECT3枚目のベストアルバム。読み方はフランス語で、“コレクシオン・サンプル・プリュ”。


初回限定盤には「亡國覚醒カタルシス」のビデオクリップと「月蝕グランギニョル」のライブ映像が収録されたDVDが付属。

通常盤はDVDがつかない代わりに「亡國覚醒カタルシス」のオーケストラアレンジバージョンが収録されている。

後続のベストアルバムにも言えることだがケースが厚紙製となかなか保管泣かせ仕様。取り扱いには注意が必要である。


アリプロ初のアニメで使用された楽曲中心に集めたベストアルバムであり、アニソン関連での経歴を追うのにうってつけな作品。
いわゆる白アリから黒アリへの変化過程が端的に表されている曲集であり、アルバムの前半・後半で大きく雰囲気が異なるのが特徴。

ローゼンメイデン→.hack関連あたりからその存在を知った人への入門的な一枚でもある。

そしてこの辺りからの参入者の中には黒アリの歌詞に魅かれたそっちの道の人も少なくなく、聞き始めて速攻で浄化曲コンボがクリティカルヒットした人もいたとかなんとか。

ちなみに前半はCLAMP関連の楽曲が多い(というか前半は全てCLAMP作品曲とそのカップリング曲)。

なお、本アルバムの次にローゼン関係の楽曲を中心にまとめたベストアルバム『薔薇架刑』が出ることとなるためか、ここにはローゼンの曲は収録されていない。



【収録曲】

◆Wish
「I wish, my wish 小さな頃に 星に願いをかけたの I wish, my wish 大切な人に 巡り逢えるように」
『Wish』のドラマCDおよびアニメーションクリップOP。これを機にアニメソングを手掛けることが多くなっていく。
作中人物の名前から取ってか取らずか、歌詞中には“琥珀”の語が一度だけ出てくる。

◆夢のあとに apres un reve
「おやすみ おやすみ もう おやすみ 夢の欠片」
『Wish』のドラマCD内で挿入歌(作中人物の子守歌として使用された)。Wishのカップリング曲。同タイトルのクラッシック曲としてフォーレの『夢のあとに(原題Apres un reve)』が存在している。
携帯だと表記できないが、どちらの曲も正確には1つめのeの上には`が、2つめのeの上には^がつく。

◆ピアニィ・ピンク
「あでやかに 競う ピアニィ・ピンク あなたのために 笑顔が いちばん すてきな 私になる」
『CLAMP学園探偵団』OP。小難しかったり比喩的だったりする言い回しも少ない非常に明るくストレートな曲であり、しばしば対厨二病兵器などと呼ばれたりする。
一途に恋して好きな人をこっそり見つめてはドギマギしたり、誰にでも優しいから悔しいけどでもそんなところが好き!なごく普通のピュアな女の子の歌。
アリプロのテレビ放映アニメOPEDにおける最初の曲であり、後続作品から知って辿ってきた人の多くを驚愕させた1曲。

◆月夜のピエレット
「月夜のピエレット 瑠璃色螺子巻 くりかえすセレナアデ」
ピアニィ・ピンクのカップリング曲。こちらも一途な恋の歌だが対照的にバラード調のしっとりとした曲となっている。

◆Anniversary of Angel
「Anniversary of Angel 凛ときらめく 夢におやすみ もう泣かないで」
OVA『Wish Gift Box』の特典『Anniversary of Angel -Wish Gift Box-』収録。
『Wish』関連で天使の単語を冠したタイトルとなっているうちの一曲。

◆天使に寄す
「目覚めよ 天使 さあ 瞳をあけ」
同上収録。上記曲の白さとはまた少し違い恋愛的要素は含まない真っ白な歌詞の曲。こちらも天使の単語を関している。

◆コッペリアの柩(Noir Ver.)
「コッペリアの柩 流れる涙はもう枯れ果て 血に飢えた孤独 死は天使の和毛の 匂いをさせて舞う」
NOIR』OP。ここからアルバムの雰囲気が一転。過去にミニアルバムに収録されていたVerのアレンジであり、そちらがAメロから曲が始まるのに対してこちらはサビから始まる。
コッペリアとはホフマンの小説『砂男』の作中に登場する自動人形の名前。
また、それをモチーフにしたバレエ作品およびその作中に登場する人形の名前(ちなみにバレエは喜劇)。RPGなどでもしばしば動く人形に対してこの名称が使われる。

◆apres le noir
「Tu vois lumiere あなたは かがやく私しか 見てない」
コッペリアの柩のカップリング曲。
本アルバム中唯一のスローペースな黒アリ曲。とはいえ人によってはグレーゾーンかもしれない。切ない系は歌詞でも前半にもあるが、そこにはない虚無的要素を含んだ〆となっている。
正確には1つめのeの上には`がつく。

◆赤と黒 [original ver.]
「眠れる獅子は目覚め 見果てぬ夢を追う 眠らぬ街は永久に 未来なき明日を追う」
『NOIR』のイメージソングであり、サントラに収録されていた曲。タイトルの原点はスタンダールの小説から。
オリジナル版と明記されているのは、他のオリジナルアルバムにアレンジ版が存在する為。そちらはヴァイオリンパートが豪華になっていたりする。
サビ、アウトロにヘンリク・グレツキの『弦楽四重奏曲第1番 Op. 62』が引用されている。

◆月蝕グランギニョル
「頭上には星屑 堕ちるは奈落の底 幕開きし暗黒グランギニョル」
『AVENGER』OP。歌詞は中井英夫の『虚無への供物』が題材となっている。OP映像は歌詞中の単語を拾い、その言葉通りのシーンを映す演出がところどころでなされている。

余談だが、綾辻行人がお気に入りだと語っていたこの一曲、綾辻行人の『Another』がアニメ化された際にOPとなった「凶夢伝染」のカップリング曲である「夜見のたそがれの、うつろなる蒼き瞳の。」ラストにて本曲サビが1フレーズ引用されている。

◆未來のイヴ
「未來のイヴ メフィストフェレスの骨から生まれた 涙もないアンドロイドの堕落の女神よ」
『AVENGER』ED。タイトルの原点はヴィリエ・ド・リラダンのSF小説より。歌詞もSF的で理想のアンドロイドについて描かれていたりと元ネタを思わせる部分が多々ある。エロス。

◆地獄の季節
「ああ祈りの 季節がはじまる」
『AVENGER』最終回の特別ED。退廃に満ちみちた歌詞の一曲。タイトルの原点はアルチュール・ランボーの詩集タイトルより。サビは『ペール・ギュント』第1組曲「山の魔王の宮殿にて」より一部引用されている。
サビ直前にプッチーニ作曲の『ラ・ボエーム』からの引用が見られる。
冒頭にMiguel Manzanoの『Spanish Preludes Del Olor de la Hierbabuena』が引用されている。

◆亡國覚醒カタルシス [orchestral crowd ver.]
通常盤のみに収録。2ヶ月前に発売されたシングル曲のアレンジ版。オーケストラ演奏とバックコーラスのついたアレンジ。






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最終更新:2022年05月22日 10:15