登録日:2011/06/16(木) 18:12:06
更新日:2024/01/19 Fri 01:08:45
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◆概要
ポケモンにそれぞれ擬似的な『役割』を持たせ、PTの構築や戦闘の立ち回りをより円滑に行うという物。
簡単に言うと、ポケモン一匹で戦おうとするのではなくあくまでパーティ全体を一つとみなし、最終的な勝利のために何が出来るかを考えること。
役割理論を知らない人でもポケモン関係のスレやサイトを覗いている際に『○○受け』『○○潰し』といった言葉を聞いた事はないだろうか?
これ等の言葉も元々は役割理論から産まれた言葉である。
前述の通りこの理論は第二世代から産まれた物で、当時の低火力・高耐久な環境による防御的な思考から編み出された。
時は流れ、最近では様々な仕様変更(第三世代の
努力値システムの変更による相対的な耐久力の低下、第四世代の高火力技・火力補強アイテムの充実による火力インフレ)を受けて若干時代遅れと言われているものの、上記のように未だに用語が現役で使われていたりする辺り、役割理論の影響力はかなり大きいと言える。
また、現在でもその定義を少しずつ変えながら語られておりまだまだ現役の理論である。
◆役割理論におけるポケモンごとの主な『役割』
役割理論の中では恐らく最も有名な言葉。
特定のポケモンに対して『交代出し』から降臨し、そのまま
回復技を使ってそのポケモンの攻撃を『耐えきる』事が出来るポケモンの事。
文字通り相手の攻撃を『受け』止める役割。
大まかに分けると物理攻撃を受けきる『物理受け』、特殊攻撃を受けきる『特殊受け』に分類でき、更に派生として『炎受け』『水受け』等の特定のタイプ全体に対する受けや、特定の『ピンポイントなポケモンのみに対する』受け等も存在する。
役割理論設立当初は最も重視された役割。
メジャーな用語だが火力インフレにより本来の意味が最も廃れている用語でもあり、最近では後述の『流し』や『誤魔化し』が『受け』とされる事も多い。
しかし近年では「
しんかのきせき」や強力な受けポケの増加等の要素により若干復活している。
その結果、受けと削りで相手を消耗させることに特化した
受けループなる戦術が誕生。役割理論から誕生したわけではないが、結果的に役割理論における「受け」に近い立ち回りとなっている。
特定のポケモンに対して『鉢合わせやタイマン』の状況から『相手にダメージ勝ち』出来るポケモンの事。
文字通り相手のポケモンを『潰す』役割。
いわゆるアタッカーと言われるポケモンの事で、特に紙耐久高スピードの速攻アタッカーはまずこれに当たる。
『潰し』が出来る範囲が広いほど相手の『受け』の手を狭める事ができ強力だが、その特性上交代出しが出来ない点から柔軟さに欠ける。
特定のポケモンに対して『交代出し』から降臨し、そのまま相手に『ダメージ勝ち』出来るポケモンの事。
このような状況になると相手はまず他のポケモンに交代し、その姿がまるでこちら『交代』で相手のポケモンを『流して』いるような事からこう呼ばれると思われる。
とにかく相手を先に落とす事が重視される最近の環境では『受け』以上に重要な役割で、事実上こちらが『受け』とされる節がある。
特定のポケモンに対して『受け』と『潰し』が同時に成立するポケモンの事。
文字通り『完封』している状態であり、かなり理想的な役割だが火力インフレの現在では滅多に成立しない。
またこれとは別に
ソーナンスや特性「じりょく」持ち等による『交代封じ』から『潰し』等が成立している場合も『封じ』とされる事がある。というか最近ではこちらのほうが現役。
積み技や状態異常技等を用い、無理矢理『受け』や『流し』を成立させる事が出来るポケモンの事。
文字通り補助技によって役割を『誤魔化している』状態。
当然通常の『受け』より不安定だが、素の状態で『受け』が成立しにくい現在では通常の『受け』よりメジャー。
役割が成立している相手に対し、特殊な手段を用いてその役割を成立させないようにするポケモンの事。
有名どころでは『
だいもんじ』で『物理受け』の
エアームドを突破する『物理アタッカー』、『
めざめるパワー』で『
電気受け』を突破する『電気タイプ』等々。
文字通り相手の『役割』を『破壊』する。
いわゆる相手の裏をかいた『奇襲』のような物。(上記の例はメジャー化して奇襲になってないが)
上記の例以外にも「じわれ」等の一撃必殺や「がむしゃら」によるコンボ、積み技による無理矢理突破、「こだわりスカーフ」による素早さ逆転で『潰し』を逆に『潰す』等が役割破壊に当たる。
ぶっちゃけると「
変態型」のほとんどはこの『役割破壊』が目的。
ある意味最も個性が産まれる役割とも言え、多大な可能性を秘めている。
本来お互いに役割を持たないポケモン同士を戦わせる、本来の役割を成立させないようにする事。
文字通り『間接的』に『役割破壊』を行う事。
略して『間接破壊』とも言われる。
例えば本来『特殊受け』の
ハピナスが本来の役割とは関係無い物理アタッカーと戦ったとしよう。
ハピナスはその物理アタッカーを「カウンター」で返り討ちにしたが、残りHPは僅かでもう『特殊受け』としての役割を遂行出来なくなり『役割』を『破壊』されてしまった。
この場合に、物理アタッカー側は『間接役割破壊』を成立させたと言える。
他にも『
だいばくはつ』で無理矢理『受け』を排除するパターンがある。
成立のさせ方次第では強力な『潰し』を暴れさせる起点になるため何気に重要な役割。しかし積極的に持たせる事が難しい役割でもある。
基本的にこれら7つの役割が役割理論の基本となる。
しかし飽くまでも『基本』であり、これら以外にも役割は存在する。
例えば「
バトンタッチ」や「
ステルスロック」によるサポート型は上記のどの役割にも該当しないが立派な役割の一つである。
…とまあ長々と難しい説明をしたものの実はこの『役割理論』、別に知ってなくともそんなに問題なかったりする。
何故かと言えば、この役割理論の本質は
『自分のポケモンはどのポケモンに有利でどのポケモンに不利か?』
『自分のポケモンはどのように動く事が出来るか?』
という事を『整理』してPT構成や立ち回りに活かすという物であり、つまりポケモン対戦における『当たり前な事』を『役割』という用語に置き換えて分かりやすくしているだけである。
役割理論を知らない人でも、ある程度ポケモン対戦をこなしているなら役割理論的な考え方は自然と身に付いている場合は多く、飽くまで『役割理論』は参考程度に理解するだけで問題無いだろう。
追記修正は自分の役割を理解してからお願いします。
- >ポケモン対戦における『当たり前な事』を『役割』という用語に置き換えて分かりやすくしているだけである。
バトレボの時期はタスキや半減実でごり押し、高種族値のポケモンを使うのは絶対悪みたいな風潮があったから、「当たり前な事」では無かったんだよなあ。廃れてた理論を普及した際、「マイナーポケは役割を持てないのが多く、高種族値のポケモンありきの糞理論」みたいな反発がかなり多く、その流れで生み出された産物が役割論理。 -- 名無しさん (2014-07-10 13:00:10)
- 第四世代は技や道具、しかも攻撃面で強力なものが一気に増えて有利不利を覆す手段がたくさんあったからな。 -- 名無しさん (2014-07-10 15:17:42)
- 6世代はそれなりに技がデフレしたから受けも昔より成り立つようになった -- 名無しさん (2014-10-18 19:25:11)
- 火力インフレ z技によるワンキルゲーの加速 麻痺、混乱を始めとした状態異常 変化技の弱体化で誤魔化しもできなくなってきてる -- 名無しさん (2017-06-08 12:38:52)
- ある意味受けループもこれ(収斂進化だけど) -- 名無しさん (2018-09-24 17:05:14)
最終更新:2024年01月19日 01:08