アルバフィカ(聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話)

登録日:2011/03/14(月) 22:27:31
更新日:2024/03/18 Mon 20:42:02
所要時間:約 8 分で読めます





声:神谷浩史

■プロフィール
年齢:23歳
誕生日:2月23日
血液型:A型
身長:183cm
体重:78kg


■人物

本編より243年前の前聖戦時の魚座の黄金聖闘士。名前の「アルバフィカ」は恐らく薔薇の品種であるアルバとスウェーデン語で「お茶」を意味するフィカの造語と思われる。
非常に美しい外見で女性と見間違う程の美貌の持ち主。敵である冥界三巨頭の1人、天貴星グリフォンのミーノスですらも美しいと認め、血と泥で汚れる事を惜しむほど。
しかし自身は戦士としての誇り高い性格から容姿だけで「美しい」などと評される事を非常に嫌っており、容姿について触れる事は地雷以外の何物でもない。
代々魚座の黄金聖闘士は猛毒を持つ魔宮薔薇と共に共存しなければならない為、猛毒に耐えうる体質を作らなければならず、その血すらも猛毒と化している。
その為、他人の自身の血が害にならないように普段は人を寄せ付けないよう振舞い、冷たい印象を与えている。
が、本来は気高くも他人を思いやる心優しい性格であり、冥王軍との戦いでも敵の放った毒が周囲の村に広がらないようにする等、強さ、優しさ、気高さを併せ持った聖闘士である。



■技

◆ロイヤルデモンローズ
猛毒の香気を含んだ赤薔薇を放つ。香気を吸えば毒耐性が無い者は5感を失い死ぬ。


◆ピラニアンローズ
触れる物を破壊する黒薔薇の攻撃。冥闘士の冥衣すらも破壊する。


◆ブラッディローズ
放てば敵の心臓目掛けて飛んでいき、血を吸いつくす白薔薇。魚座の即死技である。


◆クリムゾンソーン
自身の猛毒の血を霧状にして噴出し、針状の弾幕にして撃ち込む技。敵の体内に猛毒の血が入り込めば敵は即死する。



■作中での活躍

・孤高の毒薔薇
初登場は3巻。部下を引き連れ聖闘士を次々に葬り去りながら聖域に近づく冥界三巨頭・天貴星グリフォンのミーノスの前に立ちはだかる。
アルバフィカは冥王軍の進撃に備え、聖域への道に魔宮薔薇を敷き詰めていた。魔宮薔薇と赤薔薇「ロイヤルデモンローズ」で進撃する冥闘士を蹴散らす。
続いて地暗星ディープのニオベが対峙。ニオベは自身の毒の香気で魔宮薔薇の香気を無効にする。
が、琴線である容姿に触れられたアルバフィカは黒薔薇「ピラニアンローズ」で一気に追い詰める。しかしニオベはディープフレグランスを使い、魔宮薔薇を枯らしていく。
するとアルバフィカはその毒の香気が聖域周辺の村にして、自身が守っているロドリオ村に広がらない様に技をすべて自分に集める。
毒の香気を受けたアルバフィカに勝利を確信するニオベだったが、自身の血すらも猛毒と化したアルバフィカはニオベの毒の香気を全て無力化していた。
そして必殺技「クリムゾンソーン」で自身の猛毒を直接たたき込み、ニオベに圧勝する。


・黄金聖闘士vs冥界三巨頭
遂に冥界三巨頭ミーノスが重い腰を上げ、アルバフィカと対峙。黄金聖闘士vs冥界三巨頭のドリームマッチが開始される。
魔宮薔薇の防衛陣を張るアルバフィカが有利と思われたが、ミーノスのギガンティックフェザーズフラップで残った魔宮薔薇を全て吹き飛ばされてしまう。
アルバフィカはピラニアンローズで対抗するも、ミーノスのコズミックマリオネーションにより体を操られ、冥王軍の進撃を許してしまう。
しかしアルバフィカは白薔薇「ブラッディローズ」による罠を仕掛けていた。白薔薇により全滅する冥王軍。さらに自身の骨を折りながらもクリムゾンソーンで反撃する。
だがグリフォンの冥衣にクリムゾンソーンは防がれてしまう。そのままミーノスに全身の骨を砕かれ、アルバフィカは血に塗れて倒れる。


・守るべきもの
アルバフィカを倒したミーノスは、彼が守るロドリオの村を襲撃する。そこで会ったアルバフィカに縁のある少女・アガシャを殺そうとした時、牡羊座のシオンが現れ彼女を庇う。
しかしミーノスはシオンすらもコズミックマリオネーションで操ってしまう。一気に決めようとするが、突如黒薔薇が糸を切り裂く。
そこには全身の骨が砕かれ、血塗れになりながらも小宇宙だけで体を動かしてミーノスを追ってきたアルバフィカが立っていた。
アルバフィカがこれ以上泥にまみれる事を惜しむミーノスは見逃そうとするが、アルバフィカはまだ全力を出し切ったつもりはないとそれを一蹴。最期の戦いに臨む。
全身の血を使ったクリムゾンソーンを放つアルバフィカ。しかしミーノスはそれすらも防いでしまう。遂に力尽き、完全敗北を喫した…かに思えた。


しかしアルバフィカの真の狙いはクリムゾンソーンではなく、それを目くらましにして放つブラッディローズにあった。


アルバフィカの猛毒の血を吸った白薔薇を受け遂にミーノスは倒れる。死の間際に村を破壊しようとするがシオンに阻まれ、毒が全身に回り死亡する。
ミーノスを倒したアルバフィカは死の直前、吹き飛ばされ香気の抜けた魔宮薔薇の花びらが散りゆく様を見ながらシオンとアガシャに看取られ、その生涯を終える。


・死後
聖戦の最後で完全復活したハーデスに対し、他の黄金聖闘士と共に魂の姿でシオンと童虎に助成、「誇りのため」にその力を発揮した。



■外伝におけるアルバフィカ

第1章 魚座(ピスケス)
猛毒の血をその身に宿すがゆえに厳しき修羅の道をひとりあゆむ
魚座の黄金聖闘士アルバフィカを襲う悲しくも壮絶なる闘争の結末とは!?
白き鈴蘭の園に断罪の赤き薔薇が舞う!!
前聖戦で激闘を繰り広げた雄々しくも美しき黄金聖闘士たちのもう一つの激闘の記録
ここに開幕!!

時系列は本編の2年前。北欧での冥闘士討伐任務を終えたアルバフィカは、帰りの道中で冥闘士に襲われていた少年・ペフコを助ける。
しかし自身の血による害をおそれるアルバフィカは、お礼を言いに近寄るペフコを突き放してしまう。これで良いのだと思いながらも心の底ではそのことへ後悔を残す。
その後教皇から薬師の島に住む天才薬師・ルコの話と島に凶星が輝いたという言葉を受け、薬師の島の調査に向かう。港へ向かうと、なんと島への案内人はペフコであった。
ペフコから薬師の島とルコのことを聞く。ルコはペフコの師であり、幼いころ捨て子の自分を拾い育てた恩人であると言う。
薬師の島でルコと出会が、彼が師である先代魚座のルゴニスと瓜二つの容姿をしていることに驚く。
アルバフィカはルコから魚座の血の宿命と、自分が作り上げた白い鈴蘭でその宿命から解放される事を伝えられる。が、多くの重圧から気を失う。

夢の中でアルバフィカは幼少期を思い出す。彼は幼いころ親に魔宮薔薇の園に捨てられ、そこを師である先代魚座のルゴニスに拾われて育てられた。
生まれつき耐毒の素質を持つアルバフィカをルゴニスは後継ぎにすることにし、厳しい特訓を施す。アルバフィカはそれに応え、修業を乗り越える。
そしてルゴニスは彼に魚座の黄金聖闘士を受け継ぐ儀式である「血の儀式」への選択を迫る。それは命賭けであり、成功しても生涯孤独であることを説明しながら。
優しい性格であるアルバフィカはルゴニスを孤独にしないためにそれを受け入れる。幾度も死線をさまよいながらも彼は儀式を乗り越える。
しかしこの儀式の成功は、自身の師の死を意味するものでもあった。儀式が成功した時、アルバフィカは孤独になってしまう。

目覚めたアルバフィカにルコは自身とルゴニスは兄弟だという事を知らされる。そして魚座の血の宿命を解放するのが自分の使命だとも。
悩んでいた所、ペフコから薬師の島から逃げるように先導される。そして彼からルコが癒した患者が冥闘士に変貌するのを知らされ、それを目撃する。
そこへ天立星ドリュアスの冥闘士となったルコが現れる。ルコの植物を操る能力で黒薔薇は機能せず、猛毒の血も白い鈴蘭で封じられてしまう。
そこへペフコが割って入る。ペフコはルコへ元の優しい先生のもどってほしいと叫ぶが、ルコは聞き入れずに攻撃する。その危機をアルバフィカが庇う。
ルコに弟子を踏みにじってまでの大義は認められないと再び対峙。しかし依然劣勢であった。さらにルコはアルバフィカをルゴニスの道具だと言う。
勝負あったと思われた時、冥界の木々が枯れ出す。アルバフィカは鈴蘭の園を全て自分の血で染める事で相殺していた。アルバフィカの毒血は師との儀式の中で白い鈴蘭の効果すら上回るまでになっっていたのだ。そしてその血を打ち込むクリムゾンソーンの一撃でアルバフィカは勝利する。

その後、ルコが本心で冥王軍へ堕ちたとは思えないと介抱。彼の本当の思いを知る。ルコは自分の兄が残したアルバフィカを認め、冥闘士にした患者を最後の力で元に戻す。

任務を終え帰還する際、ルコの後を継ぎ世界一の薬師を目指すと言うペフコに、楽しみにしていると告げる。
己の血を本心から受け入れたアルバフィカは、迎えに来たシオンに笑いかけるのであった。


第4章 蟹座(キャンサー)

同僚のマニゴルドと共に暗黒聖闘士討伐の任務に当たり、自章でも見せなかった聖域の任務服で登場。
小宇宙に目覚めているジョーカの覚悟を買い、渋るマニゴルドを窘めて同行させる。

討伐任務では暗黒聖闘士の2番手・暗黒烏座のリュゼと対決。ロイヤルデモンローズ、ピラニアンローズを防がれ、アヴィドの積尸気冥界波によって魂のみを黄泉平坂に移動することで毒の血を封じられる。
技を大幅に封じられ窮地に陥ったかと思いきや、寧ろジョーカやマニゴルドへの毒血や香気の影響が無くなった事を喜び、拳による肉弾戦でリュゼをボッコボコに叩き伏せ、血や薔薇に頼らぬ黄金聖闘士の圧倒的な地力の差を見せつけた。
リュゼ撃破後、アヴィドの鬼蒼焔から逃れる途中で積尸気の穴からマニゴルド、ジョーカとは別の場所に飛ばされる。

現世帰還後、暗黒聖闘士のレマルゴスをブラッディローズで撃破。ジョーカを襲った暗黒猟犬座のユドもブラッディローズで撃破し、5人の暗黒聖闘士の内、3人を討った。


■関連人物
  • 牡羊座のシオン
アルバフィカの毒の血を全く恐れずに接する黄金聖闘士。最初はその行動に対して厳しい姿勢を取っていたが、外伝の任務以降は軟化している。

黄金聖闘士。暗黒聖闘士討伐の任務の際に共に行動した。シオン同様に毒の血を恐れていない。

  • 魚座のルゴニス
先代魚座にして育ての親であり聖闘士としての師匠。アルバフィカを自分以上の魚座の聖闘士として育て上げる為に命を落とした。

  • アガシャ
聖域近隣の村の少女。黄金聖闘士の中でも特にアルバフィカを慕っており、彼から貰った薔薇を大切に身に付けている。聖戦後は聖域復興の手助けをしており、外伝の牡牛座編ではセリンサと共に聖域の墓地を訪れてアルバフィカの墓参りをしていた。

  • ペフコ
外伝のゲストキャラクター。作者のあとがきではルコの死後に薬師を継いでおり、アガシャとも後に知り合ったりしたらしい。


■主な台詞
  • 私に近寄るな

  • この顔が、何だって?

  • 顔でも腕でも足でも好きに潰すがいい!! だが、お前だけはここを一歩も通さん!

  • すまなかったなシオン面倒をかけて、私はまだ戦えるよ

  • 美しいという言葉は貴様がしたように常に私の誇りを傷つける。貴様一体何を持って私をそう評した!? 私は力も小宇宙も生き様も、まだ貴様の前で出し切ったつもりはない!!

  • 私はいつもこの毒薔薇と共にいた… だが、今初めて思う… この花を美しいと

  • 弟子にとって師とは追うべき親よ… 見果てぬ夢をともに追う親

  • 感謝するぞ。戦いの中でジョーカにこの血がかかるのではないかと案じていた。
 …良いのだな?ここでは血も香気も振り乱して殴り合っても。


■付記
作中、最初に激戦を繰り広げ死亡した黄金聖闘士。
LOST CANVASは当初数巻で終わる予定で、絵柄も腐向けと言われ、人気も微妙であった。
当初アルバフィカが登場した際も、原作で星座カースト最底辺であった魚座であり、「どうせかませ犬だろう」と注目されることもなかった。

しかしいざ戦いとなると三大巨頭と真正面から渡り合い、一度は倒れたかと思いきや復活、人々を守り抜いて散っていく、
とバトル漫画の王道たる怒涛の熱い展開を見せ、読者を興奮させた。

これにより作品そのものの人気も急上昇、さらには作者がガチの星矢オタであること、
それまでの1,2巻も原作オマージュにあふれていたことなどが検証され、再評価につながった。
その後、この漫画は長期連載となり、数々の黄金聖闘士が数々の名バトルを繰り広げるが、
作品そのものの運命を決めることになった彼の活躍を忘れてはいけないだろう。



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最終更新:2024年03月18日 20:42