遠い風の中で(超神ネイガー)

登録日:2012/03/12 Mon 00:55:07
更新日:2023/01/04 Wed 17:38:26
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秋田県のローカルヒーロー、超神ネイガーのエンディング曲であり、歌うのはオープニングと同じく我らがアニキこと水木一郎氏。
オープニングと違いあまり電波に乗らないため知名度は低いが、地域の現状を盛り込み郷土愛を感じさせる歌詞は正にローカルヒーローらしいと言える。
秋田県の現状やネイガーの設定の「うら秋田」、未来から来たネイガーの子孫であるビガビガGについて知っておくとこの曲への思い入れが深まるだろう。

さて、この曲のイントロなのだが、切ない。

本当に地域活性化を視野に入れたヒーローの歌なのかという位切ない。

まず哀愁を漂わせるメロディが流れた後牧歌的なメロディに変わり、水木氏の歌が入るのだが、冒頭は秋田弁のイントネーションで歌われている。その部分を標準語にすると「若者達は街を去り、お年寄り達は疲れ果ててしまった」となる。
…確かに、確かに秋田の現状に違いはないのだが…
そして「色褪せてゆく季節の中」「足を止める旅人」という言葉で月日が経つ早さと気付かずに過ぎていった年月、そんな中ふと故郷に目を向け、その未来を考える地元民や帰省した人間を示している。

また未来を担う大切な子供達が年々減少し、県外に出ていく者も少なくないことも歌詞に暗喩されており、自虐的な面もあるが、結構楽天的に構えている秋田県民の漠然とした不安を見事に表現している。

そしてなまはげをモチーフにしたネイガーらしく「胸の中の雷(いかずち)」(=郷土愛ととれる)を呼び起こすという表現を使い、サビの「守りたいものがある どんなに時が流れても」というこの曲の中でも特に心と願いが込められたフレーズに繋がる。
そして一番の最後には、「遠い風の中で」(=たとえ年月が過ぎさっても、たとえ地元から遠く離れていても)変わらない故郷の温もりを感じていたいという秋田県人の、いや東北人の心情が語られている。

そして二番の歌い出しだが、農業の衰退・担い手不足、閉塞感を増幅させ、全てを覆うかのような豪雪、厳しい世相の中で夢や希望が見失われていることが歌われている…

ほんと…どうしてこうなった!

二番のサビは「伝えたいことがある どんなに夜が暗くても」という歌詞で始まり、歌詞の中に登場する「春を呼ぶ鬼」であるなまはげやネイガーのように、我々もどんなに暗く先の見えない状況でも人々を叱咤激励するような存在でありたいというメッセージが込められている。
最後にサビの繰り返しの末、「明日に向かって」という非常に前向きな言葉と共に曲は終了する。

この曲は秋田にとどまらず、東北の現状や解決の見通しの立たない漠然とした不安も歌詞に盛り込まれているが、それでも故郷を、人々の笑顔を、故郷のその温もりを守りたい、自分もそんな存在でありたいという秋田県人の、そして東北人の願いが込められている。

秋田県人、東北人に限らず、故郷を持つ全ての日本人に聞いてもらいたい一曲である。


追記・修正よろしくお願いします








守りたいものがある

どんなに時が流れても

明日に向かって


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最終更新:2023年01月04日 17:38