グワジン級大型戦艦

登録日:2012/03/05 Mon 10:45:32
更新日:2024/01/03 Wed 05:17:26
所要時間:約 6 分で読めます






「我が『グワジン』はここに固定。シャア大佐発進30秒後に援護射撃を30秒掛ける!」



グワジン級大型戦艦



英名:GWAZINE-CLASS BATTLESHIP
所属:ジオン公国
武装:連装メガ粒子砲×3
連装メガ粒子副砲×10
155mm連装機関砲×多数
全長:294.0m(440.0m)
全幅:214.6m(320.0m)
全高:67.6m(103.0m)
全備重量:35,000t (諸説あり)
搭載機:MS×20(24)(10)
主な座乗者
デギン・ソド・ザビ
キシリア・ザビ
エギーユ・デラーズ
マ・クベ
バロム
※( )内はグワデンの数値


グワジンとは、機動戦士ガンダムシリーズに登場する架空の宇宙戦艦である。

ジオン宇宙艦隊の象徴的存在として開発された大型戦艦で、一番艦グレート・デギンは0076年に就役。
主に艦隊の旗艦として用いられ、ザビ家、もしくはそれに準じる人間にのみ与えられたとされる。
装甲と火力は当時の戦艦であるマゼラン級チベ級を凌駕し、一年戦争では最強クラスの艦である。
さらに巨大な艦体の余裕を活かし、豪華客船並みの居住性と、無補給で火星と木星の間にあるアステロイドベルトまで到達可能な航行能力を誇る。
その強力な性能と「戦艦」に相応しい威容からか、それまでジオン最強の戦闘艦だったチベ級戦艦が重巡洋艦に格下げさせられているほど。


【容姿】


さて、ジオン公国軍を象徴する艦だけあってなんとも美しいフォルムをしている。正面からの様子は顔に見え、見るものを威圧する。
流線型で大きく翼を広げた艦形は、元々は大気圏への突入と大気圏内の飛行能力込みで設計された名残であり、
地球侵攻作戦の際、実際に2番艦グワメルを用いて大気圏突入試験が行われている。
しかし、艦体の強度不足からか高度30,000mで空中分解。この事故以後、本級の大気圏突入は行われることがなかったという。
なんとも勿体ない話である。

そして剥き出しのエネルギータンクは、弱い部分をあえて見せる当たりこの戦艦の余裕が見える。
さすがグワジン、格が違う。

何処から見てもジオンの美的センスの良さが感じ取れる事だろう

しかし、この最強の戦艦にも欠点がある。

【コスト面】


言わずもがな。

【欠陥砲】


主砲は二番砲塔が背負い式(前の砲塔よりも高く配置する)配置ではなく同じ高さに並んでいるため、真正面には自慢の三基の主砲全てが斉射できない。
というか、上部船体が真ん中で大きくくぼんでいて、その中央のくぼみに二番砲塔がある=二番砲塔は一番砲塔よりも低い位置にある。しかも一番砲塔の真下にはブリッジが。
つまり二番砲塔を正面に撃つと一番砲塔とブリッジをふっ飛ばしてしまうのである。
そのため二番砲塔は横か斜め上に向けてしか撃てない構造になっており、射角が狭い。
劇中では艦を少し傾けて余裕で全門斉射していた
シーンによっては二番砲塔の砲がVの字に大股開きをしている場面も……

他の砲の配置もどこかおかしい。
メガ粒子副砲が戦列艦よろしく横向き+甲板がせり出しているために斜め下にしか向けられない。
対空機銃に至っては無し。「ある」とする資料もあるのだが、少なくとも外観上は影も形も無い。
収納式かもしれないが、劇中でもそういったシーンは一切確認できないため、ゲームなどでも「無い」設定が多い。
接近した宇宙戦闘機やMS、ミサイルなどには対処できない可能性が高く、近接防御能力はムサイ級軽巡洋艦と同じくあまり考慮されていない節がある。


【エネルギータンク】


上記にも触れたが、横の方に付いている丸いやつ、グワジンの端麗なフォルムを象徴するのに欠かせない存在だが……ぶっちゃけ弱点丸出しである(しかし後継艦であるグワダンはジェリドが乗ったバイアランビームサーベルで串刺しにされたが、対した爆発はしなかった)。
ただ、やはり問題は多かったのか、作中では艦砲射撃に沈められたグワジン級もいる。

このようにお茶目な弱点もあるグワジンだが、更に厄介な問題がある。それは……


設定が曖昧。


【生産数】


戦略戦術大図鑑などのグワジン級は8隻という記述されているが、公式百科事典では10隻以上、との記述がある。

どっちだよ…。

劇場中ではア・バオア・クーで4隻以上宙遊していることから後者が正しいだろう。


【大きさ】


全長は294mが公式設定だが、映像を見るとどうも怪しい。
劇場中でサラミス級巡洋艦(全長220m)と正面衝突するシーンでは サラミスの2倍ある

更にザンジバル(全長255m)とグワジンが並ぶシーンがあるが、明らかにキシリアの座乗艦(グワジン)は ザンジバルの1.5倍以上は大きい

公式百科事典でグワデンだけが440mと特殊であるとされる(0083公式サイトでもグワジン級の解説で294mと書かれている)が、映像から受けるスケール感としてはこちらの方が自然である

では294mとは?

グレート・デギンとマゼラン級フェーベと並ぶシーンでは、グレート・デギンとフェーベの大きさ(327m)がほぼ同じである。
一番艦グレート・デギンだけが294mで二番艦以降は440mである、と解釈してもいいだろう。
また、そのフェーベとグレート・デギンが並んだ場面でも、フェーベが手前、グレート・デギンが奥だった。
その上で真横から見ると同じぐらいなので、グレート・デギンもマゼランより大きい可能性もなくはない。
ただしこれは筆者による考察に過ぎず、あくまでも公式設定が最も優先されるべきであることは留意してほしい。

マゼランも大きさが変わるが……。
そもそも、大和に毛が生えた程度の大きさで18m以上もあるMSを20機以上搭載できる筈もない。

ちなみに艦載機の数も諸説ある。
だいたい20機ぐらいとされるが、テレビ版41話だとグワジンはリック・ドムを6機しか発進させていなかった。
他にザンジバルとムサイ3隻から3機ずつ発進した(計18機)後、全体で「15,6機はいるようです」とされているので、グワジンがこの時投入したのはやはり6機で間違いないようだ。
たぶん20機とは「積み込める限界の数」であって、運用できる数ではないと思われる。
ドロス級空母のMS運用数が182機というのは有名だが、はるか小型のコロンブス級輸送艦も運ぶだけなら50機から100機ぐらいまで積み込めるらしい。しかしこれはあくまで「積み込むだけの数値」、整備や冷却など「運用できる数」を考えるともっと少ない)



【活躍したグワジン】


艦籍番号は現在、計画段階で付けられるのが一般的である。

◆グレート・デギン◆一番艦 BB-36
デギンの座乗艦。
和平交渉の為、連邦艦隊に近づくがソーラ・レイにより消滅。

◆グワメル◆二番艦 BB-37
大気圏突入実験の際に空中分解。

◆グワジン◆三番艦 BB-38
キシリアの座乗艦。
ア・バオア・クー戦で撃沈。

◆グワラン◆四番艦 BB-39
ソロモン戦でソーラ・システム討伐のため発進するも、連邦艦隊と交戦の末に撃沈。この時連邦ティアンム艦隊はMSすら展開しなかった。

◆アサルム◆五番艦 BB-40
シャアを乗せアクシズへ逃亡。

◆グワデン◆六番艦 BB-41
デラーズの座乗艦。
ア・バオア・クー戦でSフィールドを防衛していたが宙域の友軍と共に撤退。後のデラーズ紛争で轟沈。
よく勘違いされるがIGLOOでEフィールドを通過して撤退したのはグワデンではない

◆グワリブ◆
劇中でグラナダからの出航後、キシリアがグワジン級に座乗している時に窓からこのグワリブが見える。
さらにア・バオア・クーへ先に向かわせたことを言及するシーンがある。
ギレンの座乗艦とする説もある……が、それならなんでグラナダにいたのか(明確にキシリア麾下となっている)という問題がある。
ア・バオア・クー戦で戦没。

◆ズワメル◆
グラナダに待機。その後、 行方不明
ぶっちゃけると小説版で登場したキシリアのグワジン級のため、本編設定には組み込みにくいのだろう。
(ちなみに小説版だと、最初はザンジバルとして登場したのに、いつの間にかグワジン級になっている)

◆ガンドワ◆
宇宙攻撃軍所属で、ソロモンに配備されたうちの一艦。
これも元は小説版のドズル・ザビの旗艦。

◆ギドル◆
ソーラ・レイのコントロール艦である(名称は小説版より)
サイド3で終戦

◆グワシュ◆
『宇宙のイシュタム』に登場。
ルウム戦に参加後は不明。

◆グワダン◆
ホビージャパン発行の書籍『一年戦争史』に登場するが詳細不明。
後のネオ・ジオン旗艦グワダンとの関係も不明。

◆グワザン◆
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場。
宇宙世紀0077年、マハラジャ・カーンがアクシズへ赴任するための長期航海に使用された他は詳細不明。


【後継艦】


グワダン
グワンバン
サダラーン
レウルーラ
グワーシャ
デギン・ザ・グレート

詳細はグワジン級の後継艦を参照。


ガンプラ

旧モデルの1/2400が発売されている。EXモデルはまだですか?


【ゲームでの活躍】

原作通りキシリアやデラーズが座乗し、ジオン編ではいずれのミッションでも母艦として登場するので撃沈すると作戦失敗になる*1
一方で連邦編ではアムロ編の「光る宇宙」のみ登場し、マップ北西に鎮座する。ここではザンジバルの撃沈が勝利条件なので必ずしも倒す必要はないが、ポイントを稼ぐためにも可能であれば倒しておきたい。
設定通り優秀な戦艦として位置づけられており、ホワイトベース以上の耐久力に強力な武装を誇る。

初めジオン軍でプレイする際にサイド3に一隻だけグワジンがある。
総帥やキシリア閣下、デラーズ閣下を乗せると圧倒的強さで序盤お世話になったプレイヤーも多いだろう。
搭載8とかなりの高性能。
地球連邦編ではギレン、キシリア、ドズル、デラーズらが搭乗した計4隻が初期配備されており非常に手強い。
マゼランより強く、序盤の宇宙戦はザクよりグワジンをどうにかする事が勝利の鍵となる。
グワジンは伊達ではない

ただ、射程1の武装が無いため、周囲6マスぐるりと囲めば自力では動けなくなる弱点がある。
トリアーエズ6機で囲んでなぶり殺しにするもよし
動けないうちに拠点を占領してしまうもよし
他所へ行かないよう拘束したままにするもよし
お好きなように料理してください。
  • ジオン独立戦争記
こちらでも高性能。
初期配備は総帥とキシリアの2隻用意されているので衛星軌道を守る際にお世話になるだろう。
しかし量産はできなく、たったの5隻しか造れない。
これじゃあアサルムまでしか再現できないじゃないか!
だが、部下の忠誠心を犠牲にすれば‥‥。

ちなみにデギンはメインキャラではないのでグワジンに乗艦出来ず、デギン・ザ・グレードには改造できないので注意。


地形適性が宇宙にしかないのと、対空火器がなく接近されると対抗のしようがないことなどから、不遇気味。
PS時代はなぜか移動力が10もあった(他の軍艦はたいてい5~6ぐらい)。



追記・修正は、ザビ家に認められ、グワジン級への乗艦を許された人にお願いします。

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最終更新:2024年01月03日 05:17

*1 シャア編の最終ミッション「ルナツー攻略指令」では一般兵が座乗。設定ミスで敗北条件に記載されていないが、例外なく撃沈するとアウトである。