SOUL CATCHER(S)

登録日:2013/12/26 (木) 22:50:46
更新日:2024/03/18 Mon 22:34:31
所要時間:約 22 分で読めます




概要

SOUL CATCHER(S)とは週刊少年ジャンプ2013年24号から2014年31号まで連載した後、隔月刊誌ジャンプNEXTに移籍し、2014年Vol.4(8月号)より連載した超視覚型(ハイパーヴィジュアル)吹争楽吹奏楽漫画である。
作者はLIGHT WINGで知られる神海英雄。
話数はop(オーパス)と数えられる。サブタイトルにはストーリーに即した楽曲名が付けられることが多々ある(青春の輝き、ボクノートなど)。
その独特な演出やセリフ回し、熱い展開などは健在。

単行本は全11巻。

画力は前作よりは上がっているがやはり癖は強く、「ん?」と思わせる事もある。

連載当初は出だしを滑ったのか掲載順でドベを取りまくっており、打ち切りか?と噂されていたが天籟フェス編中盤あたりから掲載順がV字に回復し52号でついに神海作品初めての自力Cカラーを獲得した。話数が若い作品の中ではかなり安定した掲載順である。
ちなみに2013年の作品で自力Cカラーは19号のワールドトリガー以来の快挙でもある。
さらに3月期のVOMIC化が決定した。
だがそれ以降は下がいなくなって下位やドベになったり下が入って中位になったりと人気の有無がわかりづらい非常に不安定な掲載位置が続き、最終的に予告もなく唐突に増刊号であるジャンプNEXT!!への移籍が決定。
その2号前の話ではセンターカラーを貰えていたり、移籍と同時にノベライズ決定の報告があったりしたため、読者は編集部のソウルに対する扱いに色々と困惑することになった。

ちなみに移籍決定の号のジャンプが発売した日から連日、公式ツイッターに作者のイラストが公開されている。
本編では見られないキャラの絡みなどもあるので、気になる人は見てみよう。

余談だが作者は吹奏楽部に所属していたためサキソフォン演奏や作曲が趣味。

登場人物


鳴苑高校吹奏楽部

主人公である神峰が所属するバンド。
コンクールで「全国行の権利が付かない金賞」である「ダメ金」を数年連続で獲っており、毎年その壁に阻まれ続けている中堅校。
刻阪や音羽を筆頭に優秀なバンドメンバーが多数在籍しているが、全国大会に対する意識の個人差故に誰も気付かない溝がメンバー間にできており、これが部全体において大きな問題となっている。

■神峰 翔太(かみね しょうた)
CV:鈴木達央
本作の主人公。
他人の心が「見える」という超能力を持っている。何故か音も「見える」。また、その人物達が生み出した『音』も明確なビジョンとなって視える場合もある。(刻阪→音符を纏った『手』等)
心を動かすことはできず一方的に見せられるだけの能力に葛藤し、他人との接触を避けてきた。刻阪やモコとの出会いをきっかけに、自身の能力に意味を見出し始め、指揮者志望として吹奏楽部に入部する。
入部時点では音楽に関して完全に素人だったが、奏馬、打樋、音羽と本音でぶつかったり、御器谷から音楽知識を、邑楽からピアノを学ぶなどして、徐々に成長しつつある。
良くも悪くも素直で感情が表に出やすい。また、自分の能力で対人関係に齟齬を起こしやすく、幾度もの過去の失敗から人と向き合うことに対して臆病なビビリ。しかし、勇気を振り絞って出した言葉は周りに大きな影響を与える。
集中力も高く、1週間で楽譜1000枚以上書き写したりした。
心を視る事が出来るが、恋愛に関しては超鈍感で朴念仁。
しかもその行動は天然たらし。好意的な感想を素直に出し、他人からの面白半分なアドバイスを受けてプレゼントを渡したりと読者や登場人物達を2828の渦に巻き込む。
新しい出会いを強要されていると解釈していたため桜が苦手だったが、鳴苑の仲間たちと出会い克服した。
特技は射的。縁日の射的屋を商売あがったりにするほどの実力者。
連載当初は指揮なんて出来なかったため声で指揮をしていた。しかも「火を起こせ」等傍から見ればちょっとアレな人を思わせる発言も多い。
ただ、現実の指揮者もかなりぶっ飛んだ表現を使うので、ある意味リアルと言えなくないそう。
7話から指揮棒を持つようになり、15話から基礎を獲得し声を出す行為は無くなった。

■刻阪 響(ときさか ひびき)
CV:阿部敦
天才サックス奏者の少年。クールな見た目に反して意外と情熱的な一面を併せ持つ。
心を閉ざしてしまった幼馴染であるモコの心を救うことができないという悩みを抱えていたが、神峰との連携によってモコの心を取り戻すことに成功。神峰に持って生まれた眼の能力の意味を諭し、指揮者として吹奏楽部に勧誘した。
天籟ウィンドフェスで弾と出会い、彼に対抗心を燃やすようになる。
神峰に対しては無条件の信頼を見せるが、この点を姉である楓に明らかに指揮が違っていても心中するのが友情だと思っているのかと指摘された。
モコの兄の様な存在でいるよう心がけており、それ故かモコに男が近付くと心が頑固親父の形状になってしまう。神峰曰く「めんどくさい」。また、神峰程ではないがかなりの朴念仁。
心の形はキーガード(サックスの部品)。

■奏馬 俊平(そうま しゅんぺい)
吹奏楽部の部長。トランペットパート副リーダー。
気さくな性格。神峰をサポートする人物の一人。谺曰く「他の誰よりも、誠実と真心を持って人と接してきた」ことが理由で、部長になる。神峰の入部を谺が断ろうとした際も彼の入部が叶うように口添えしたり、神峰が打樋を怒らせた際にそれとなくフォローしたりもしている。
滅多に怒らないが、仲間のためには手を上げることもある。
音羽の才能の前に心まで二番手になってたが神峰によってそれを克服し、音羽のついでに攻略された。
桜好きであり、花見に行くとキャラが崩壊する。
心の形は表彰台の1位から2位に落ちるハート→青く輝く大きな宝石を内に秘めたハート。

■打樋 透(うてび とーる)
パーカッションパートリーダー。パート仲間からの愛称は棟梁。
自他共に認める「打楽器バカ」。「先代(のパートリーダー)」を目標にしており、先代のような細やかな対応を目指して奮闘するあまり、自分らしさを失ってしまっており、独裁者となってしまっていた(それでも彼の熱意は伝わっていたためメンバーからは慕われていた)。神峰の攻略でそのことに気付き、「みんなと話し合って決めるリーダーがいてもいい」と悟り打楽器パートも一体感を取り戻す。以降は神峰を積極的にサポートするようになる。
心の形はねじり鉢巻きをした三面六臂のハート。

音羽 悟偉(おとわ さとい)
トランペットパートリーダー。
圧倒的な演奏技術を持ち、部員を振り回すことから「暴君」の異名を持つ。演奏技術は部内でも最高で、神峰と出会う前の刻阪の音を「絶望的につまらない」と言い放っている。距離があって音が遅れる状態でもずらさずにセッションしたりとその腕は非凡極まりない。
そんな彼があちこちに顔を出しては部員を振り回す理由は「皆と関わりたい」「自分が全力を出しても周りに付いてきてほしい」という思いがあったからであった。要するに究極の構ってちゃん。それ故に自身にコンプレックスを抱く奏馬との間に溝が出来ていた。
吹奏楽は多人数なら多人数の方が面白いという考えを持っており、一人では絶対に吹かない。第二話では一人で吹いていたとか言ってはいけない、きっと画面に映っていないだけで御器谷とセッションしていたのだろう。
大病院の院長である父親からの重圧で一度は退部するが、神峰の攻略によって父親に部活復帰を認められ、トランペットパートにも受け入れられる。以降は神峰を積極的にサポートする(面白がって遊ぶ)人物となる。
基本的にはノリの良い性格であり、面白そうなことにはまず首を突っ込むタイプ。
心の形は圧倒的な存在感を放つ怪獣。が、その核となっているのは無垢な赤ん坊。

■歌林 優菜(かりん ゆうな)
サックスパートリーダー。ツンデレ。刻阪に好意を寄せている。刻坂に対する独占欲も強め。そしてものすごくわかりやすいので(神峰と刻阪以外の)部員のニヤけ顔をよく誘発する。
神峰に刻阪が付き添うようになってからは、彼と共に過ごせる時間が減ったため、神峰を認めていなかった。だが、天籟高校で見せた指揮への熱意から彼を認めるようになる。
神峰自身もよくわかっていないうちに攻略が完了した。チョロイン言うな。
心の形は焼け焦げるほど燃え盛るハート。

■御器谷 忍(みきたに しのぶ)
ファゴット・バスクラリネットパートリーダー。非常にネガティブな性格。邑楽とはいとこ同士で幼馴染。
過去のトラウマから自信を失い目立つことを恐れていたが、向上心は失わず、神峰の指揮によって自分の持つ全てを出し切ることで自信を取り戻した。だが卑屈な性格は相変わらず。
心の形は薄っぺらなハート。しばしば自ら折れ曲がって心が小さくなる。周囲に機雷が設置されており、卑屈な精神が刺激されると起爆・誘爆する。正にマインスイーパー。
顔立ちが中性的だが男。ただ、初登場時は明らかに女子だった(胸もあった)。脱いだらすごい(筋肉が)。
トラウマ克服以降は演奏する度にこの機雷が爆発する音のイメージとなる。完全に攻撃手段と化している

■邑楽 恵(おうら めぐみ)
クラリネットパートリーダー。本作のヒロイン…多分。
勝気な性格だが、細かいとこに気配りができ、音楽のことも音楽を好きな人のことも好きであるため彼女を慕っている人は多い。そんな彼女を慕う者たちは「邑楽派」と呼ばれている。
壁にぶつかり続けたことで向上心を失っていたが神峰の攻略によって向上心を持つようになる。それ以降神峰に好意を寄せており、ピアノを教えたり、お弁当を作ってきたりとデレまくっている。歌林同様わかりやすいため部員たちのニヤけ顔を引き出すこと多数。
家庭的でもあり、料理の献立も栄養バランスが良いため学食のおばちゃん達は全員邑楽派になってしまっている。
心の形は小さな邑楽自身。向上心を失っていた頃は、小さな部屋に閉じこもって青空の描かれた天井を眺めていた。

■木戸 雅(きど みやび)
オーボエパートリーダー。ぱっつん。コンサートマスターの資質の持ち主。
他人に合わせる、というスタンスをとっておりそれ故に他に振り回されることを苦としない。その性質からオーボエと相性が良かったようで、初心者のころからその難しさからギネスブックに載るほどのオーボエをマスターしていた。
他人に合わせているうちに自分の存在意義に疑問を感じ、退部しようとしたが神峰の捨て身の攻略によって自信を持つようになり、退部を取り消した。
他の女キャラに比べて胸の部分がないせいで、一部読者からは某72さんみたいな扱いを受けている。
心の形は飛んでる小鳥。かなり高い場所を飛んでいるため、神峰は一瞬「心が見えない」と錯覚した。

■吹越 花澄(ふきこし かすみ)
フルートパートリーダー。愛称はカスミン。「(音楽は)楽しまなきゃ」が口癖の平和主義者。天然。
フルートが上手で子供の頃は賞状を沢山取ってたが自分と比較される妹の事を考えて自分から停滞するようになる。神峰の攻略でそんな自分に「さよなら」を告げ、本気を出せるようになった。
意外にもロックに対して知識や興味が深い。
心の形は警戒心をまったく抱いていない花。砂が落ち続ける砂時計の中に咲いている。
天籟ウィンドフェス以降は鎧をまとった戦女神に変化。

■川和 壬獅郎(かわわ じんしろう)
チューバパートリーダー。刈上げ眼鏡。
奏馬と共に話し合いの場でまとめ役をすることが多い。
神峰に「お前に星合美子を掴めない」という謎の言葉を伝える。
金井淵、星合、管崎に比べると過去に対しては冷静だが、不用意にそこに近付こうとした神峰を心のチェーンソーでバラバラにするなど、本心ではやはり過去に対して強い悲しみがあるようだ。
心の形状はチェーンソー。起こせない。起きた。

■星合 美子(ほしあい よしこ)
ユーフォニウムパートリーダー。ショートヘアの少女。
神峰の指揮に対しては「クラリネットに偏り過ぎて金管が響かなかった」という理由で反対派。反対派の中では比較的中立に彼に反対している。
金井淵が神峰に反対する何かについて知っている様で、時折何か言いたげな表情をする。そして、アンサンブルコンテスト関東大会当日に神峰に対して「あなたに金井淵涼を止められない」という謎の言葉を伝える。
心の形状は神崎が閉じている心の門を叩く旅人姿の星合本人→神崎の傍に寄り添う旅人姿の星合本人。掴めない。掴めた。

■管崎 舞(かんざき まい)
ホルンパートリーダー。眼鏡っ娘。
桜が苦手であり、桜に異常なほど心を苦しめられている。
神峰に「あなたに川和壬獅郎を起こせない」という謎の言葉を伝える。
実は、音楽を臭いで感じる共感覚の持ち主。その能力の鋭敏さ故に、嗅ぎたく無いようなにおいすら感じてしまい、苦しんでいた。
心の形状はスパイク状の鎖で桜の木に縛られている全裸の管崎本人→鎖をアクセサリーとして纏い、桜の木に寄り添うフェアリーファッションの管崎本人。縛られていたころは鎖が刺さっているところから血が流れていた。

金井淵 涼(かないぶち りょう)
トロンボーンパートリーダー。
神峰にもっとも反対している部員であり、彼の存在を断固として認めていない。
しかしどうやら神峰の腕や人格以前に、彼自身に何か反対する理由があるらしく、「死ぬまで秘めておかなくてはならないような秘密」が彼の中にあるらしい。
世界のイチョウもが注目する神峰の指揮を「正直何も感じなかったな」と言ったり(不感症先輩)、「めでたい奴だ」という発言を読者に「愛でたい奴だ」と曲解されたり、何を言っても「やるわけないだろう」としか返さない回があったりでネタキャラ化が進行\するわけないだろう/。
本人は至ってマジメだし今のところ一切ギャグもやっていないのにどうしてこうなった。……と思いきやついにギャグをやらかした。
心の形状はエレベーター。時折停電する。止められない。迎えに来る。止められた。

■弦野 政彦(つるの まさひこ)
コントラバスパートリーダー(というかコントラバスパートは彼と演藤しかいない)。最年少のパートリーダーで、神峰の同期にあたる。
サボり魔でありしょっちゅう部をサボっているが、これは他のジャンルのバンドを掛け持ちしているのが原因である。
音楽のことが好きであり、音楽を馬鹿にするような人間には一切容赦しない。どんなジャンルの音楽も好きらしく、少しでもカッコいいと思えばそれを極めたり、うまくなったりしたいようだ。口癖は「真摯に」。
凶暴で人に指図されたりするのを嫌うが、基本的には気さくで音楽に純粋に興味がある人間には明るく接する。
神峰の指揮には反対も賛成もしていないが、そもそも彼は指揮者の存在意義自体を疑問に思っており、自身の演奏があれば指揮者無しでも他の奏者を導けると考えている。
だが、神峰の「演奏者の価値観さえ破壊するパワー」のある指揮を見て、彼を斬りたいと思うようになる。また、これ以降はサボり癖が直り「欠席」をするようになった。
心の形状は日本刀。中身は向上心。

■谺 夕子(こだま ゆうこ)
吹奏楽部の顧問。サバサバした性格。指揮者。
彼女のレッスンを受けると全員ミイラと化す。あの音羽でさえも例外ではない。神峰も指揮のレッスンで手がミイラと化した。
最初は神峰の入部すら認めていなかったが、天籟・竹風の合同練習で伊調が彼に注目したことから天籟ウィンドフェスで一曲振らせ、天籟ウィンドフェス以降は本格的に彼を育成することを決意した。
ちなみに楓曰く「変なところでマジメ」。

■久住 智香(くずみ ともか)
ホルンパートメンバー。長らく本名不明だった。
五話にてホルンパートに現れた音羽の実力に潰されかけていたところ、神峰に助けられる。
それ以降モブでありながら何かと出番が多く(というか下手すると管崎より出番が多い)、しかも可愛いので読者から密かに人気のモブキャラ。
神峰のことはパートリーダーである管崎とは逆に好意的に受け止めている。

■演藤 さやか(えんどう さやか)
コントラバスパートメンバー。中学時代はアンサンブルコンテストの全国大会に出場していたほどの名プレイヤー。生真面目な性格。
金井淵達の中学時代の後輩でもある。
初心者でしかも学生である神峰が指揮者を目指していることに対しては「音楽を馬鹿にしている」と認めていないが、実際に彼の指揮で演奏し心地よさを感じる。以降は彼に対して闘争心を抱くようになった。
パートリーダーである弦野とは性格の不一致から反目しあうが、神峰を倒したいという目標は一致しているため「神峰叩きっ斬る同盟」なる恐ろしい結束を持っている。
金井淵達の事情は詳しくは知らない模様。

■黒条 善人(くろじょう よしひと)
神峰と同じく心が「見」える少年。
しかし、心が嫌なものに染まることに苦しんでいた神峰とは逆に、心の変化を楽しんでおり、必要とあらば積極的に心を塗り替えたり壊そうとしたりする。曰く「生き甲斐」。
ピアノを小さいころからやっていたが、親にやらされるピアノには不満を抱いていた。そんな折、神峰と出会い、「彼と潰しあうために音楽に出会った」という彼なりのピアノをする意味を見出す。
心の形状は巨大なブラック・ホール。


天籟高校

全国大会で金賞を獲ったバンド。
その圧倒的な演奏スキルは、合同練習をした竹風高校のバンドメンバーや時阪と音羽、歌林の音を天籟サウンドに染め上げてしまうほど。
そのスタンスは「お客さんを楽しませること」だけに一点集中しているというもの。
そのためにホールをダブルステージにするなど、工夫を怠らない。

■重松 宏(しげまつ ひろし)
天籟高校吹奏楽部部長。サックス奏者。
何の取り柄もなく部員からは「ミスター平均点(アベレージ)」と呼ばれている。だが、その「平均点」がどこをとっても全国レベル。
刻阪に「何が”ミスターアベレージ”だ」と至極まっとうなツッコミを受けた。彼から言わせれば「平均点は上げるもの」らしい。個人で光るスタープレイヤーは決して多くないものの全体のレベルが最高水準の天籟を、そのまま体現したような男。
常識人。天然な弾の保護者的な役回りになることもある。
弾を吹奏楽の世界に誘った張本人。

■弾 徹也(だん てつや)
天籟高校一年。サックス奏者。中学までは陸上をやっており、吹奏楽歴はなんとウィンドフェス編時点で八か月。それでいて天籟サウンドの核となる男であり、その腕前は刻阪を凌駕する。
音や雰囲気を「風」と表現するが、これは陸上をやっていた時代、走った際に感じる風に生き甲斐を見出していた過去からきている。また、彼自身が音楽を触覚で感じる共感覚能力者であることも、この表現の由来である。
群馬弁訛りがキツく、最近は以前にも増して訛っているらしい。
部長である重松とは幼稚園時代からの幼馴染であり、本来は「シゲちゃん」と呼んでいる。
同じく吹奏楽初心者の神峰にはシンパシーを感じており、強い興味を示す。刻阪より自分と組んだ方が良いと言い放ち、刻阪の闘争心に火をつけた。
陸上を辞めた理由はケガと、そこから無理をした結果選手生命を絶たれたため。その後はしばらくふて腐れていたが重松に誘われ吹奏楽を始めた。吹奏楽を始めたことを生まれ変わったと解釈しており、その吹奏楽を始めた春を好んでいる。
失敗、挫折をバネに変え、大きく飛躍できる強靭な精神力の持ち主。

■田丸(たまる)
天籟高校顧問。
天籟の指揮者でもある。今のところ活躍はモブ同然。
神峰や伊調の成長に非常に期待を寄せている。


竹風高校

創部三年目という非常に若いバンド。
三年目の伊調加入と共に県大会で金賞を獲るという大躍進を見せた新興勢力であり、その演奏は天籟高校が認めるほど。
メンバーは約30人。

■伊調 鋭一(いちょう えいいち)
学生指揮者。1年生男子。本作のライバル。
絶対音感と共感覚を持ち、竹風高校を県大会金賞に導いた。人の声をメロディにして伴奏を付ける癖がある。神峰を「自分よりも鋭敏な共感覚の持ち主」であると解釈し、ライバル視している。世界的指揮者である伊調剛健の孫であり、幼少から音楽を叩き込まれたサラブレッドとして名高い。
心の形はピアノの鍵盤に囲まれた音符模様のハート。神峰曰く「音楽無しでは成り立たない危うさすら感じる」とのこと。
天籟ウィンドフェスにて事実上神峰に敗北したことが原因でなんらかのドス黒い感情が彼を浸食しようとし始めている。
……が、アンサンブルコンテスト編では何故か心が元通りとなっていた。代わりに、祖父の話をされると複雑な構造の箱に心を閉じ込めるようになる(また、この瞬間心がドス黒く染まっているのが確認できる)。
心の形状は音符で構成されたハート。

■律田定義(りった さだよし)
竹風高校部長。チューバ奏者。
常に目を瞑っている(か、もしくはそう見えるほど目が細い)。
厳格なしゃべり方だが、ウィンドフェス打ち上げで奏馬と盛り上がったり、校内の刻阪ファンが倍に増えたことをキョクリス先輩と嘆いたりとノリの良い人物。



ソニトゥス学院高校

音楽を勝負事として捉えるスタンスをとるバンド。
基本的にはコンテストやレースにのみ参加し、年に一度だけ開く定例の演奏会も入場料をとって、「反響」という形でメンバーの向上心に繋げている。
そうすることで、結果的に演奏者も観客も楽しめる、と考えているようだ。
メンバーの層が厚いらしい。

■吹越 聖月(ふきこし みづき)
ソニトゥス学院高校吹奏楽部一年生女子。フルート奏者。吹越花澄の妹だが、姉妹仲は良くないらしい。音を味として感じる共感覚を持っている。そのためかよく舌を出す。
自身のせいで花澄が全力を出せなくなったことを気に病んでいたが、花澄が神峰の指揮で全力を出すようになってからは彼女と和解した。
かなり競争心が強く、勝気な性格。
二年生に上がるとともに副部長となった。
心の形状は大きな団扇を持ったハート。

■曲山・クリストファー・晴海(きょくやま・―――・はるみ)
ソニトゥス学院所属。二年生。トロンボーン奏者。通称キョクリス先輩。本人はクリスと呼ばれたいらしいが、キョクリスで何故か浸透してしまう。
帰国子女のハーフ。
嫌味なキャラかと思いきやそんなことなかった。むしろ愛すべきバカ。
口癖は「面白いですねー」。
神峰にトロンボーンの良さを教えたり、彼がロックバンドのメンバーを募った際に参加したりと彼との仲は学園の枠を超えて良好。鳴苑の先輩方よりよっぽど神峰の先輩してる


その他


■滝沢 桃子(たきざわ ももこ)
CV:内山夕実
通称「モコ」。刻阪の幼なじみ。
非常に高い歌唱力を持っていたが、ある日突如喉に病気を患い声が出せなくなり、その現実に絶望していた。だが、神峰の指揮の下行われた刻阪の演奏により気力を取り戻していった。
現在は治療も完了し、退院済み。
そして、『リンギン・ガーデン』のボーカルを務めた。
後に鳴苑高校に進学。軽音部に入るつもりの模様。
心の形状はセイレーン姿のモコ本人。

■伊調 剛健(いちょう ごうけん)
伊調鋭一の祖父で、世界的指揮者。通称「世界のイチョウ」。
普段は気まぐれかつ飲んだくれ、指揮も我儘千万だがそれでも最高の音を引き出せる。
また、期待している人には厳しく、普段からは想像できないほどキツいダメ出しを行う。
神峰に期待を寄せており、天籟ウィンドフェスで見せた彼の指揮に「グッドじゃない 最高(ファンタスティック)!」。と称賛を送った。
鋭一の危うさに気付いており、いつか彼が道を外したときに立ちはだかって止めてくれるような人材を探していた。
ちなみに鳩を指揮することもできる。どういうことだってばよ。
余談だが、神峰を称賛した際のセリフはやめっちゃんほどではないが汎用性が高かったようで早速コピペ化している。
心の形状は全体像が把握できないほど大きな『世界』。

■刻阪 楓(ときさか かえで)
刻阪の姉。ヴァイオリニスト。滅茶苦茶怖い人であり、帰ってくるのが遅かった刻阪にボディーブローを食らわせた。他人ことはファーストネームで呼ぶ。
弾と出会った刻阪が、彼に打ち勝つためにレッスンを依頼した人物。
また、弦野の存在に悩む神峰も刻阪の紹介で彼女のレッスンを受けており、彼女から指揮者とはなんたるかを教わった。
ちなみに谺は音大時代の三コ上の先輩。

管崎 咲良(かんざき さくら)
管崎の双子の兄で、金井淵、川和、星合の幼馴染。この四人を苦しめている原因。金井淵曰く「もういない」。
「音を匂いで感じる共感覚」の持ち主で、かつては彼の主導のもと五人で「桜の匂いがするような音(桜の音)」を目指していた。
桜が散る季節に四人とは離れ離れになったらしく、それ以来四人はかつての音を失っている。そのため、四人はその音を取り戻し部内を桜の音で満たしたいと願っているようだ。



用語


■攻略(こうりゃく)
その名の通り攻略。
悩みの多い鳴苑高校吹奏楽部員の悩みを神峰が攻略し、迷いを切り払って迷いが出ていた音を改善する。
その攻略の過程で邑楽は神峰に好意を持つようになる。
非公式用語…だったはずが公式でも使われてしまった。

共感覚(シナスタジア)
ある刺激に対して2つ以上の感覚が生じること。作中の共感覚は2つの感覚の間に一定の脈絡がある(演奏が素晴らしいほど豊かな色彩が見えるなど)ことから、現実の共感覚とは厳密には別物であると思われる。
てか超能力。特に神峰のは。現時点では神峰以外に、伊調(視覚)、聖月(味覚)、管崎(嗅覚)、弾(触覚)の四人がそれぞれ共感覚能力の持ち主であることが判明している。

■天籟ウィンドフェス(てんらい)
天籟高校が主催する、群馬県内の強豪校4~5校による演奏会。毎年12月に開催される。今回は鳴苑高校、竹風高校、ソニトゥス学院高校などが招待された。表向きでは懇親を兼ねた切磋琢磨の場だが、その後の観客投票によって実力差がはっきり出るため、地区コンクールの前哨戦とされている。
魔王が顕現したり神峰が流血したりした。

■虹指揮(にじしき)
※非公式用語
神峰の指揮棒から発される文字が書かれた虹色のテープライン。複数の争者の脳内に直接指示を出すことができる。通常の指揮棒では表現し得ない言葉も伝達することができるチート能力。
ちなみに部員からの評価は「限りなく実戦に近い指揮」。ちょっと色々麻痺し過ぎである。

■指揮ビーム(しき - )
※非公式用語
神峰によって天籟ウィンドフェスで初披露された神峰の更なる必殺技超能力。刻阪を土台に仲間になったパートの具現化した音の全てを乗せて観客に放つ。投球を意識したフォームが重要でとにかくジャンプする必要がある。
初披露時は足元に意識を寄せなかったため最後はジャンプして落ちて血を流してしまった。
ロックフェス編では刻阪に限り相手からの意志を受信できるようにもなり、彼とテレパシーできるようになった。なにこのチート。
今後もさらなる成長が期待される必殺技である。

■合宿(がっしゅく)
その名の通り合宿。吹奏楽部の毎年恒例行事で天籟ウィンドフェスの時の気持ちを保ってる間に土日を使った2日間の合宿をする。
朝は打樋達打楽器パート全員によって叩き起こされ谺先生のレッスンによって夜までミイラにされたりとかなり過酷な行事。

■アンサンブルコンテスト
毎年年の瀬に県大会が行われる少人数編成の合奏コンテスト。
性質上普段は同じバンドのメンバーでも、この大会には違うバンドとして参加してライバルとなる可能性がある。

■リンギン・ガーデン
鳴苑高校吹奏楽部の一部のメンバーに、キョクリス先輩とモコを加えて結成されたロックバンド。
指揮者がいたり、ジャンルを問わず演奏を行ったり、挙句の果てには最終ナンバーで吹奏楽コンクール課題曲の「風紋」を演奏したりと型破りながらも観客の心をつかんだ。

■スプリング・コンサート
伊調剛健が個人で企画した、「全国の剛健が選んだ面白い高校」を集めて、彼の元で開く演奏会。
神峰はパートリーダーに認められるテストの期限をここと定められた。


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最終更新:2024年03月18日 22:34