決闘おじひんがー(TCG)

登録日:2014/01/31(金) 21:08:00
更新日:2024/01/13 Sat 06:25:46
所要時間:約 5 分で読めます




『決闘(デュエル)おじひんがー』とは、週刊少年ジャンプの漫画家・島袋光年(以下しまぶー)が考案し、2000年12月から展開されたトレーディングカードゲーム(TCG)である。

スーパー戦隊シリーズ『地球戦隊おじひんがー』と連動しており、作中に登場したヒーローや怪人を使った「カード戦闘(バトル)」を楽しむことができる。
1話目でやられた「サーベルおやじ」といったマニアックな怪人までカード化しているのだから驚きである。

小学生を中心として非常に人気があり、まさに「カードバトルの最高峰」と呼んでも過言ではない。
ある小学生は「これはホントの戦闘(バトル)なんだ…。」と評している。

戦隊やライダーを題材としたカードバトルは『ガンバライド』『ダイスオー』などが後にヒットしており、
このTCGはまさにその先駆けともいえるだろう。

小学生向けのホビーに欠かせないリーダーキャラも、なんとおじひんがーの『赤ひんがー』が直接担当し、
公式大会の司会などで大活躍している。

ごく一部の層にマニアックな人気を得ていたものの、肝心の子供が食いつかず存亡がヤバかった『地球戦隊おじひんがー』だが、
このTCGのヒットにより瞬く間にほとんどの小学生が知る超メジャーな公認様となったのであった。





























   *   *
 *   + そんなバカなー
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *


『決闘おじひんがー』とは、島袋光年のギャグ漫画『世紀末リーダー伝たけし! 』に登場した架空のトレーディングカードゲームである。

もちろん『地球戦隊おじひんがー』なんてのも実在しない。
たけしが「サーベルおやじ」のお面をかぶったり、おじひんがーの歌を歌ったりしてみんなに無視されるという小ネタの産物である。
公認様の地球戦隊は『地球戦隊ファイブマン』である。

ぶっちゃけると、同作品恒例の「大会モノ」の一つ『決闘!おじひんがーカード!』に出てきた一発ギャグである。


漫画の『遊戯王』及び『遊戯王OCG』が大ヒットした当時、そのブームをパロディして適当なTCGをでっち上げたギャグ漫画家は大勢いたと思われる。
特にVジャンプで描かれたドラゴソは、テレカとして商品化もされている。

だがその中でも『決闘おじひんがー』は、何をどう間違っても絶対に未来永劫商品化できないTCGであろう。
冒頭の「これは本当の戦闘なんだ…。」というのは作中の天童てんどんによる台詞だが、これには続きがある。

「カードを使った総合格闘技。100パー怪我するよ」

おわかりいただけただろうか。

総合格闘技と言っても


「デュエマは頭脳の格闘技!覇ァ!!

とかいう次元の話ではない。

また、TCGの結果次第でリアルファイトに至る事例は残念ながらよくある話だが、そういうことでもない。

ではどういうことなのか。本編に沿って解説しよう。

●ストーリー
※話のオチまでネタバレする予定です。見たくない人はすぐにブラウザバック推奨。








「魔黒編」という1年余りの迷走に付き合わされたたけし達は、その後文字通りの迷走(1話前参照)を経て、どうにかポッポ小学校1年2組の見慣れた教室に戻ってきた。だがそこでたけしたちを待っていたのは、

ズタボロになった生徒たちと、教室中を飛び交うカードという地獄のような光景だった。
たけしは額にカードが刺さったまま、どういうことなのか事情を聴いてみる。

てんどんによると、クラスの全員が『決闘おじひんがー』にハマって勉強を一切しなくなってしまったらしい。
しかも『決闘おじひんがー』は、

カードを投げつけ、カードで斬り、カードで殴り、カードで防御するという

100パーセント怪我する超危険(デンジャラー)な競技だった。
いわばリアルファイト必至どころか、ゲーム自体がリアルファイトそのものなのである。
冒頭に書いた総合格闘技は全くそのまんまの意味なのである。

この危険(デンジャラー)な競技を明日に延期即刻中止させるため、
たけしたちは都合よくその日に開催されている「決闘おじひんがー全国大会」に乗り込むことにした。

《全国大会》
日本中のカードボーイズ達が集う全国大会に、たけし達は急きょ手に入れたカード一枚だけで参戦することになった。
たけし→《サーベルおやじ》(くささ800)
ゴン蔵→《耳クソキャッシュ》
エージ→《豆ひんがー》
みつる→《たつまきひんがー》

これまた都合がいいことに、決闘おじひんがーには勝者が敗者のカードを丸ごと奪えるというルールがあったような気がしないでもなかった
たけしたちはこの1枚のカードで勝ち残り、ルールで全員のカードを没収することを決意、予選バトルロイヤルの舞台に飛び込んだ。

約1ページの激闘の末、たけしとゴン蔵は決勝トーナメントに進出。
エージとみつるは残念ながら敗退し、カードを奪われた上その場でウンコをさせられるのだった。

そして二人は
《サーベルおやじ》の「巨大化盾」で《必殺カード手裏剣》を防ぐはずが、盾を縦に構えて全部喰らったり、
《クレジットカード》の「36連カード払い」に対し《耳クソキャッシュ》の「現金一括アタック」でいちかばちかのカウンターを喰らわせたりしながら
決勝トーナメントをトントン拍子に勝ち進み、

たけしVSゴン蔵による決勝戦といういつもの流れに突入するのであった。

最初は呆れてやめさせようとするエージだったが、ちょっと考えて

「ここで二人がもう見てらんないくらい激烈で危険なバトルをすれば、みんなバカらしくなって『決闘おじひんがー』を止めるかも!」
「たけしー!ゴンちゃーん!血とか出して!虫の息になるまでーー!!」
非情な決断を下すのだった。

以下、二人の棋譜を大まかに書いてみる。

先攻:ゴン蔵《10枚重ねカッター》
奪ったカードを10枚重ねてたけしに投げつける。

たけし《リーダー金縛り》
「結構動けなくなると思う…。」→自分が動けなくなり10枚重ねカッターを喰らう。

後攻:たけし《カードナックル&パンチャー》
拳にカードを括り付けて顔面パンチ

先攻:ゴン蔵《同上》
拳にカードを括り付けてカウンター

後攻:たけし
巨大化したカードでゴン蔵を叩き潰す

先攻:ゴン蔵
巨大化したカード二枚でたけしを押し潰す

後攻?:たけし?
両手両足にカードを括り付けてゴン蔵と殴り合い

と、まさに全くエージの想定通りに試合?は進み、それを見ていたカードボーイズ達は

「醜いね」

と吐き捨てて全員帰宅

当然全国大会は中断され、ここに『決闘おじひんがー』のブームは潰えた。

その後、カードゲームの恩恵を失った「地球戦隊おじひんがー」は瞬く間に人気がヤバくなり、
「青ひんがー」のダンデーさでどうにか人気をつなぎとめるという惨めな結末を迎えるのだった。

(ネタバレ終了)

●補足
しまぶーは当時、全てを賭けていた魔黒編がグダグダになって終わったことで、
今後のたけしをどうするかという「新世紀問題」(20世紀から21世紀に変わるので、タイトルをどうするかという問題)で悩んでいた。
そんなコンディション最悪な状態で、しばらくぶりに描いたギャグがこれであった。

のちにしまぶーはオマケページで、「当時の精神状態が生み出したワケのわからない話」と言っており(うろ覚え)、
只でさえ画力の低かったたけすという作品の中でも、クオリティは最悪に近い物である。
だが、東京ドーム事件から一年を経て猫も杓子も遊戯王に踊らされていた当時、
こんな話をぶっこんだしまぶーはある意味すごく「リーダー的」だと言えないだろうか。

なお、ネタバレには書かなかったが
  • 赤ひんがーの恋の行方
  • 歴代最凶と言っていい絶校長の気持ち悪さ
なども話のアクセントになっているので、是非「決闘!おじひんがーカード!」を一度読んでみてほしい。

ちなみに、新世紀問題についてはこの次の回で答えが出され、その結果『世紀末リーダー伝たけし!』は
次の回『涙のリーダーお別れ会!』をもって一度「最終回」を迎えることとなる。
だがその後、ジャンプどころか漫画界でも類を見ない衝撃の展開が待ち受けているのである。
コミックス的にはどちらも同じ巻に収録されているはずなので、そちらも必見である。

それでは最後に。
決闘おじひんがーの真似は絶対にしないように。
紙の切れ味は侮れないものがあるし、遊戯王やデュエマなどの一部TCGでは、武器にできそうな金属製カードが存在するので大変危険である。
100パーとはいかないが油断してると大怪我である。

『トランプとか武器にして戦ってたら』『笑われるぜ(笑)』


ああ!追記・修正!!
そーんな時こそおじひんがー♪

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 島袋光年
  • デュエル脳
  • TCG
  • ウンコ
  • ブーム
  • スーパー戦隊
  • スーパー戦隊?
  • 世紀末リーダー伝たけし!
  • トリコ
  • デュエル
  • リアルファイト
  • サーベルおやじ
  • 総合格闘技
  • 地球戦隊ファイブマン
  • 決闘おじひんがー
  • パロディ
  • 誰得項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月13日 06:25