七尾線

登録日:2014/02/08(日) 23:55:00
更新日:2024/03/26 Tue 21:20:03
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七尾線(ななおせん)は、津端駅から和倉温泉駅を結ぶJR西日本の鉄道路線である。
*1

なお、和倉温泉~穴水間を走るのと鉄道七尾線と区別する為、本項では「JR七尾線」と表記する。
運行系統上はIRいしかわ鉄道線に乗り入れ、金沢駅から運転されている。

概要

能登半島の南部を走る路線で、石川県の一大観光地である和倉温泉を結んでおり、特急「能登かがり火」が乗り入れている。
過去には「サンダーバード」、「しらさぎ」、「はくたか」も乗り入れ、北部も急行が走っていたんだけどね…(後述)

かつては能登半島の北部まで運行していた非電化路線だったが、国鉄分割民営化後にJR西日本に移行してから和倉温泉に訪れる京阪神からの観光客の利便性を高める為

1991年、電化した!  

そう和倉温泉駅までは…。

残された非電化区間の内、和倉温泉~輪島駅間は第3セクターののと鉄道に押しつ…もとい譲渡された。
因みに穴水~輪島間は乗降客の減少により2001年に「廃線となってしまった」

そして、めでたく電化区間になった南部区間も線内のトンネルの高さの関係で交流では無く直流電化となった。
その為、津幡駅にデッドセクションが設けられた。

北陸新幹線開業後

2015年3月14日に北陸県民待望の北陸新幹線長野~金沢間が延伸開業した。
その為、並行在来線である北陸本線の金沢~直江津間は経営分離され、石川県の区間である金沢~倶利伽羅間はIRいしかわ鉄道に経営を移管された。
そこで問題となっているのが、JR七尾線を始めとする在来接続路線の孤立化である。
既に高山本線大糸線のJR西日本区間と氷見線城端線も共に孤立化されたが、高山本線・大糸線は北陸新幹線と接続、それぞれの路線にJR東海及びJR東日本管轄の区間がある為、厳密にはぼっちでは無い。

城端線は北陸新幹線の接続駅があり、氷見線も城端線と始発駅が一緒の為、ぼっち路線にはカウントされない。
しかし、この七尾線は運転系統上は金沢駅で接続扱いにはなるものの、線路名称上的には他のJR在来路線と一切接続が無い「JR西日本唯一のぼっち路線」となってしまった。
その為、大阪から乗り入れる特急の存続が危ぶまれたが、「サンダーバード」を1往復に減らす代わりに減少分を金沢駅発のシャトル列車「能登かがり火」で補填し、本数的には現状維持するダイヤとなった。

2024年3月16日には北陸新幹線金沢~敦賀間延伸開業により、九頭竜線も他のJR在来路線との接続がなくなったため、JR西日本唯一の孤立路線ではなくなった。
しかし、金沢駅に乗り入れていた北陸本線が経営移管されたことにより、特急列車は「能登かがり火」が1往復増発*2の上で維持されたものの「サンダーバード」は乗り入れがなくなってしまった。


使用車両

現役車両

  • 681系・683系
特急「能登かがり火」で使用。かつては直通していた特急「サンダーバード」でも使用されていた。
グリーン車なしの付属3両編成が使用される。

  • 521系100番台
老朽化した413・415系を置き換えの為、2020年秋から導入。
七尾線向けは100番台と称し、近畿地区最新鋭の225系100番台・323系に準じた設計変更が行われた。また、車体帯も415系を引き継いだ茜色に変更されている。
車内では車載形IC改札機が設置されており、2021年春よりICOCAの使用を開始。
この番台はIRいしかわ鉄道も保有しており、塗装もJR車と合わせておりロゴ以外で見分けは不可能。

  • キハ48形
観光特急「花嫁のれん」に使用される改造車。
北陸伝統文化や伝統工芸品をイメージした豪華な見た目で、事前購入が必要だが食事も出る(内容は列車により変わる)。
現在、七尾線を走るJRの車両では唯一の気動車。

過去の車両

  • 415系800番台
電化開業時に導入された車両。
415系を名乗っているが九州や常磐線の車両とは無関係で、113系の車体に485系の交直流機器を設置した魔改造車である。
KATOが415系を塗り替えて発売したとか言ってはならない
また、種車は福知山線で使用されていた800番台で、あのサンパチ君は遠い親戚にあたる。
これに加えてねん出分の追加改造など車両経歴が初見殺しになっているので、興味のある人は調べてみよう。
基本的に3両編成だが、朝夕のラッシュ時のみ6両編成で運行していた。
塗装は当初下半分がグレー、上半分が先頭車は薄いブルー、中間車がピンクに塗られていたが
末期色化に伴い輪島塗りをイメージした茜色に変更された。
2020年秋から521系による置き換えが進み、翌2021年3月に60年にも及ぶ歴史に幕を閉じた。

  • 413系
国鉄末期に誕生した、455系を2ドアの車体に載せ替えて更新した近郊型電車。
色は末期色による塗装変更で青となっていたが、北陸新幹線開業によってJR西日本が所有する本系列は七尾線専用となったため、415系800番台と同じ茜色とされた。
この内2両は急行列車用として作られた455系の最後の生き残りでもあった。
運用終了後は解体を待つのみと思われていたが、上記の455系を含む4両がえちごトキめき鉄道に譲渡され、日本海ひすいライン及び妙高はねうまラインで営業運転に供されている。

駅一覧

金沢…北陸新幹線IRいしかわ鉄道線小松・大聖寺方面、北陸鉄道浅野川線(北鉄金沢駅)乗り換え。
運転系統上の始発駅で、石川県の県庁所在地&第1の都市である金沢市の代表駅。東口にある木造の「鼓門」はとにかく目立つ。
けど中心市街地から少し離れている。
ここから津幡まではIRいしかわ鉄道線に乗り入れている。

津幡…IRいしかわ鉄道線との分岐駅。線路名称上の起点駅にして津幡市の中心駅。

中津幡…県立津幡高校高や石川高専の利用者が多い。

本津幡…津幡市の中心駅のようでそうでもない駅。

能勢…すぐ隣に国道159号のバイパスが通っている。

宇野気…かほく市の中心駅。特急「能登かがり火」も一部停車する。
乗降客も直営駅の和倉温泉駅を抜き、津幡、七尾、羽咋駅に次ぐ4ケタ台を誇る。

横山…周辺には富士通などのIT関連の工場がある。

高松…一部列車がここで折り返す。特急も一部停車。

免田…線内唯一の島式ホーム構造。能登地方最南端の駅でもある。

宝達…「ほうだつ」と読む。宝達志水町で一番利用の多い駅。

敷浪…参天製薬能登工場最寄り駅。
アニヲタ的にはこのキャラを連想するかもしれない。

南羽咋…羽咋市内の駅だが宝達志水町役場に一番近い駅でもある。

羽咋…UFOのまち羽咋(はくい)市の中心駅で全列車停車。
アニオタとしては駅前の「ジャーン!」「ゴゴゴゴゴゴゴ」「ドドドドド」「ズズズズズ」の擬音の石像がある駅として有名かも知れない。

千路…駅前にとなりのトトロのモニュメントがある。
近くの邑知潟では白鳥が見られることも。

金丸…駅舎内には近くの山に生息していた朱鷺の写真を展示するギャラリー朱鷺という施設がある。

能登部…中能登町で一番利用が多い駅。

良川…中能登町の代表駅的ポジションであり、特急が一部停車。

能登二宮…全国には〜一宮/一ノ宮という駅が多数存在するが、〜二宮となっているのは実はここだけ。
由来となっているのは周辺にある天日陰比咩神社から。
中部の駅百選に選定。

徳田…県立七尾東雲高校最寄り駅。

七尾…のと鉄道七尾線乗り換え。石川県最東端の駅にして七尾市の中心駅。
ここから和倉温泉駅まではのと鉄道との共用区間であり、普通列車の運行はのと鉄道で行われる。
因みに先代の駅舎はなんと移築され高山本線の越中八尾駅の駅舎となっている。

和倉温泉…終点駅。和倉温泉の最寄駅。のと鉄道との境界駅で、電化もここまで。


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最終更新:2024年03月26日 21:20
添付ファイル

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/415nanao.jpg 日時:2016/01/03

*2 1往復だけ残っていた「サンダーバード」の置き換え分なので、線内の特急列車本数自体は変わっていない。