ヴォイニッチ手稿

登録日:2011/06/22(水) 06:23:15
更新日:2024/03/28 Thu 23:19:59
所要時間:約 3 分で読めます




ヴォイニッチ手稿(手記、写本)とは、1912年にイタリア、モンドラゴーネ寺院で発見された書物。
放射性炭素を用いた年代測定では、用いられている羊皮紙が1400年代前半に作られたことまでわかっている。
ちなみにヴォイニッチとは、発見者である古書商人ウィルフリッド・ヴォイニッチから取られたもので、著者の名前ではない。
別名「世界一の奇書」とも呼ばれる。

オーケー、とりあえずこいつを見てくれ。


何やら植物の解説のように見える。
どうやら根や茎を分解したようだが、それが何を意味するのかはわからない。



節を持つ植物だろうか?
人参のようにも見えるが、人参の特徴とは異なる。

このような詳細かつ鮮やかな挿絵がふんだんに盛り込まれているが、その大部分は現存するいかなる植物とも合致しないものである。
続いてこちらを見て欲しい。


緑色の中に描かれているのは、全裸の女性たちである。
パイプのようなものが繋がった先で液体に浸かっているように見えるため、湯浴みのような印象を受ける。
そんなところで、こちらを見て見よう。


風呂として見ると、かなり近いものに見えないだろうか。
これがローマで書かれたものであれば、15世紀には日常に溶け込んでいたため、不自然ではない。

キリスト教におけるとある宗教的儀式であるとする説もあるが、全裸の人物しか描かれていないがために、年代や文化を推し量ることができていない。

こちらは何を意味するのだろうか?
天文学に関するものとする者もいれば、細胞やアメーバであるとする者もいる。

わざわざ折り込みのページまで用意されたこの図は、銀河系の特徴を捉えているとされる。
しかし考えてみよう。
15世紀に顕微鏡や天体望遠鏡は存在していないはずである。



本書が「世界一の奇書」と呼ばれている所以は、何も奇怪な挿絵のせいだけではない。


230ページにも渡ってびっしりと書き込まれているこれらの文字だが、実はその内容は全く解明されていない。
アラビア数字に似た特徴を持ったアルファベットほどの種類の文字であること、筆跡により著者が二人組だったことはわかっているが、文法すら未だ不明である。
これが未知の言語もしくは人工言語であるのか、はたまた何かを元にした暗号であるのかさえわからないままだ。
現在でも多くの言語学者、暗号解読者、数学者などが解読に挑戦しているが、成果は得られていない。

解読が始まった当初は画期的な内容に寄せられた期待も大きかったが、
今ではたとえ解読できたとしても価値のある情報はないとの見方が支配的。
全くのでたらめによって作り出された、ある種の芸術品ではないかとの意見もある。

『タイムズ』誌の系列雑誌、「THE TIMES LITERARY SUPPLEMENT」にて、歴史研究者のNicholas Gibbs氏がヴォイニッチ手稿の解読に成功したと発表された。
読めなかったのは専門用語をさらに独自の略語にしていたものだからで、ラテン語の同年代の墓石などを参照すると意味が通るのだという。
さらに本来付属しているはずのインデックスがなくなっていたため、解読を困難にしていたそうだ。

内容はと言うと、「当時の健康書の内容をまる写ししたもの」とのこと。
イラストも医者の絵をそのまま写し取ったものであるという。
外部リンク

だが解読の専門家たちからの反応は冷ややかで、「これで5行以上解読できたら大したものだ」とも言われている。
付属の目次なども事実が怪しく、なぜ『タイムズ』誌が大々的に報じたか不明。

事実これで解読の試みが断ち切られたわけでなく、現在も様々な解読の手腕が試されている。


興味深い考察として、これは文字やイラストを使って自分の内面を表現したアート作品なのではという説もある。
さしずめ15世紀の前衛芸術というわけだ。
これが正しいとすれば、もちろん解読の試みは無駄になる。作者によって価値があるのは文字の並びやそれによって形作られる図形であり、文章の内容ではないのだから。


また、日本ではこれに関連する話題で、2011年8月末に2ちゃんねるに立てられた「記憶が2つあるんだが」というスレッドも割と有名。
スレ主は自分が大学生だと明かした上で、タイトル通り「記憶が2つある」ことを住人に相談する。
曰く、彼には普通に小・中・高校を卒業し、今の大学に入ったという現在に繋がる記憶と、
小学校4年生の夏休みに川に流され、裸のおじさんに保護されて彼に連れていかれた先で10年ほど暮らした記憶の2つが存在するという。

件のおじさんに連れていかれた先は森の中で、他の人間もいたがほとんどが全裸であり、自分も全裸にされたという。
そこでは春夏秋冬の区別なく、年齢すら気にしないような文化体系で、草で出来た家具などが置かれていて、
当然言葉や使う文字などもまるっきり違っていたが、長く暮らしていくうちに問題なくコミュニケーションが取れるようになった。
しかし、そんな日常を送っていたスレ主は最近あるきっかけで命を落とし、意識がフェードアウトしていったと思ったら、
次に目を覚ました時には今住んでいる家のベッドにおり、同時にそれまで普通の現代人として暮らしてきた記憶があったという。
件の川に流された事故のことを家族に訊くと、父親に助けてもらったことになっていたとか。

当然俄かには信じがたいスレ住人から「流された先で使われていた言葉や文字を書いて(聞かせて)くれ」という声が上がり、
スレ主は「声に自信がないから」と、IDと件の文字で「こんにちは」と書いた紙をアップ。
すると、それを見た住人たちから「これヴォイニッチ手稿の文字に似てない?」という声が上がった。

どうやらスレ主はヴォイニッチ手稿を知らなかったようで、興味を示した彼は独自に調べ、
「一部の文字は読めないが割と読める」として、アップしたページを日本語訳したものを断片的に投稿したり、
文体から「これを書いたのは大人ではなく子ども」だが、「件の世界の人間ではなくこちらの世界の人間が書いた」と分析したりしたが、
唐突に「ヴォイニッチ手稿を読んでいて全て分かった」と書き、「知らない方がいいこともある」と日本語訳の書き込みを停止。
自分にはやるべきことがあるとして、「アダムとイヴとヴォイニッチ*1は同じ世界の出来事」等と謎めいた書き込みを残し、
これまた唐突に釣り宣言めいたことをしてスレッドを去っていったため、一応は釣りスレッドとして幕を下ろすこととなった。

しかし、「ヴォイニッチ手稿を出したのはあくまで文字を見た住人で、スレ主はそれまで言及していなかった」等、
釣りだとするならどうにも腑に落ちない点が散見されること等から、オカルト板などで考察されたりしており、真偽は不明である。









二十四枚、十二対の葉を持つ植物……
同じものを二つ描いた意図はなんだ……?
二つ……対……対の木……?

ハッ!?まさか!?



「対になる木」……これは転じて「対木」、「ついき」、つまり「追記」と読める。
さらに女性の裸体だが、我々男のサガとしては、見えないものを見ようとしてしまう。
乳房は見えながら乳首は見えず、腰まで浸かった湯のせいで下は見えない……。
そういった場合我々がすることは一つ。
そう、「修正」だ。


つまり、俺達に「追記・修正」しろというメッセージだったんだよ!!!!!


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最終更新:2024年03月28日 23:19

*1 おそらく手稿に書かれている内容。