始祖村正

登録日: 2014/05/01 (木) 01:17:00
更新日:2024/02/25 Sun 22:21:40
所要時間:約 5 分で読めます






如何なる者の助けとなり、如何なる者を討ち滅ぼすのか、

……まずそれを見定めねば、何も始まらぬ





装甲悪鬼村正』の登場人物。
本編の【魔王編】、外伝『妖甲秘聞』などに登場する。
CV:屋久島杉太郎、菅原淳一(ドラマCD)


勢州千子右衛門尉村正。
本編より500年前の南北朝の時代を生きた人物。勢州桑名千子村に住む劔冑鍛冶の鍛冶長。
始祖、と呼ばれる通り大和でも広く知られる伝説の妖甲・村正一門の初代。銀星号の劔冑こと二世村正の実父であり、三世村正にとっては祖父にあたる。

娘たちと同様に蝦夷の民であり鼻筋にある横一文字の傷跡が特徴。
不老とされる蝦夷ながら既に老境に差し掛かったことが見て取れる。しかし精悍さを失ってはおらず威厳のある男性。
同じく蝦夷の妻がおりこちらは若く美しい外見を保っている。……美人妻に可愛い娘、ナイスバディな孫娘持ちとはうらやまけしからん。

劔冑鍛冶としても天才と呼ばれる程の才覚を持つ(「相州五郎入道正宗の再来」とか云われてたらしい)。

強い忠誠を持って南朝に仕え、同じく南朝の将である飽間とは一族包みで親交がある。



南北朝末期。
動乱の折、勅命で最高の劔冑を差し出すよう命じられた始祖。しかし鍛冶の工夫、方向性に悩み十余年を過ごしてしまう。
飽間から紹介された浦夢(ニコラフラメル)を居候させ劔冑に関わる様々な知識を教授されるも、その迷いは消えることはなかった。
更に飽間の寝返り、北朝に攫われ劔冑として敵になった自身の妻など様々な悲劇の中で信ずるべきものを見失ってしまう。

正義と邪悪、善と悪を見出せず苦しみ悩む始祖。
だが彼は浦夢に「善悪とは物事の見方でしかなく、真の悪とは他者を悪とする独善により戦いを広めることである」という真実と浦夢自身の命を繋いでいた”神の血肉(ラピス・サギー)”を授けられ、至高の劔冑を作る願いを託される。

遂に答えを得た始祖は戦を世から滅ぼし世に和をもたらすことを願い二世と共に善悪相殺を秘めた劔冑となった。






いのち・めぐる
《輪廻転生》


銘:勢州千子右衛門尉村正
所属:北朝
生産国:大和/伊勢國
種別:真打/重拡装甲
時代:南北朝末期
兵装:野太刀、太刀、脇差
仕様:汎用/白兵戦
合当理:熱量変換型単発火箭推進
独立形態:甲虫
陰義:磁力制御/基素操作
誓約の口上:鬼に逢うては鬼を斬る。仏に逢うては仏を斬る。ツルギの理ここに在り。
仕手:足利義持
諸性能
甲鉄錬度:5
騎航推力:3
騎航速力:2
旋回性能:3
上昇性能:3
加速性能:2
身体強化:5

始祖村正が心鉄に魂を刻み鍛造した真打劔冑。
分厚い漆黒の甲鉄を持ち、色や頭部・肩部の形状を除けば外見や武装等は三世村正と非常によく似ている(三世が始祖の影響を受けたものと思われる)。
一方で基本性能自体は三世を上回っており始祖の才能の高さが垣間見える。

独立形態は黒くてデカいカブトムシ

千子村正鍛冶の理である”敵を殺せば味方を殺し憎きを殺せば愛するを殺す「善悪相殺の呪い」”と”他者の精神を侵す「精神同調の能(くるわし)」”を備える。
また、「卵」を作り出し他の劔冑から自身の複製体を生み出すことも可能。


浦夢が語った”宇宙の根源となる三要素”の一つを司る陰義を持つが媒体によって能力が異なり、ドラマCDでは「磁力制御」、小説では「基素操作」となっている。
前者は三世村正のそれと同じ能力であり充分に強力。

そして後者「基素操作」はマジモンのチート能力。
素粒子への干渉能力により火炎、冷気、甲鉄や太刀の金属の自在操作等他の劔冑が一つの陰義として使うレベルの特殊能力を無数に扱う。
攻撃以外にも仕手の負った即死級の傷を瞬時に回復させるといった芸当まで出来る化け物。
この異常な能力には鍛造の際に”神の血肉”(恐らくは金神の一部)が打ち込まれていることが関係すると思われる。



◇術技
主に仕手が修める相国寺流甲冑礼法に基素操作を合わせた崩し技。

焦〈コガレ〉
相国寺流甲冑礼法”蟒蛇”が崩し。
陰義で野太刀の刀身を伸縮させ鞭のように振う。

姦〈ミダラ〉
相国寺流甲冑礼法”蛇蠍”が崩し。
焦同様野太刀を伸縮させ間合いの外から突きを放つ。

貪〈ムサボリ〉
相国寺流甲冑礼法”蠅聲”が崩し。
投擲した脇差を無数の鏃へと変化させ鉄の雨を降らす。

髑髏〈ドクロ〉
相国寺流甲冑礼法”蠅聲”が崩し。
味方の首を刎ね飛ばしそれを善悪相殺の帳尻として敵に放つ。生首大砲。
もはや技とも言えない狂気の行い。

時間加速〈ときかけ〉
文字通り時間の流れを変えて超加速を行う。クロックアップ
この世の理の外にある力であり二世村正の辰気すら超える速度を得られるが連続使用すると自身がダメージを受ける。



おわりをはじめる
《蒐窮開闢》

しをおこなう
《終焉執行》

そらをあらわす
《虚無発現》

瞋〈ウラミ〉
相国寺流甲冑礼法”悪竜”が崩し。
陰義により物体を跡形も無く消し去る「基素分解」を引き起こし、その効果を野太刀の軌跡に乗せ広範囲を消滅させる。
尚、”悪竜”自体は吉野流でいう”雪颪”に相当する技である。





鍛造後、一方に戦力を偏らせない意図から両軍へと贈られた始祖と二世。
始祖は北朝主将・足利義持(小説では足利某)が装甲。
精神同調に善悪相殺を乗せて南朝軍に広めることで敵軍を瓦解させ次々と戦に勝利。その武威を示し村正の存在を南朝へと知らしめた。

しかし自身に差し向けられた刺客を咄嗟に殺してしまった足利は善悪相殺の代償に弟を手にかけ、乱心。
始祖は彼の狂気を精神同調により伝播させ南北朝の戦いを地獄へと変えた。

精神同調と善悪相殺による凄惨な虐殺の末、二世村正を駆る南朝主将・楠木と配下十三騎と交戦。
人智を超えた力の応酬の末”神”に届かんとした足利だったが二世と楠木らに打倒され死亡。
始祖村正も原型を留めぬほどに破壊され、至高の劔冑は長き動乱と共に消え去った。


だが始祖の願いとは裏腹に南北朝の惨劇を経てなお人の世から戦が消えることは無く、村正一門は大和に大きな災厄をもたらした妖甲として500年後までその名を残すことになったのだった。



【余談】
独立形態が甲虫なのは人間にとって益か害か分からないものというイメージから



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最終更新:2024年02月25日 22:21