混沌魚

登録日:2014/06/09 Mon 11:23:46
更新日:2023/10/17 Tue 18:08:17
所要時間:約 4 分で読めます







昏き海の底から獲物を狙う狩猟者。

水の中にいる限り、狙われたらそれまでだ。




概要

混沌魚とは、デュエル・マスターズのクリーチャーである。
基本セットの第三弾である、DM-03 第3弾「超戦士襲撃(マスター・オブ・デストラクション)」にて収録。レアリティはスーパーレア。
ちなみに、名前の読み方は『カオス・フィッシュ』。

DM-03は単色推しのパックであり、単色デッキで力を発揮するカードが多く作られた。
混沌魚も、その流れに乗って作られた単色デッキで性能が高くなるカードである。

しかし、DM-03のカードは全体的にカードパワーに乏しく、新しいデッキタイプの誕生や既存のデッキの強化に繋がりにくい点が問題視された(一応言っておくが、水単の隆盛に強く影響した《ストリーミング・シェイパー》や、当時こそ紙同然だったが後に評価が見直された《逆転のオーロラ》など、ちゃんと強いカードもある)。
このことから、最終的にデュエマにおける『奇数弾の法則』なるものを生み出すことになった。
そして、このカードも直接的ではないにしろ「奇数弾の法則」というワードが出来るきっかけとなった、様々な難点を抱えた1枚である。


スペック

混沌魚(カオス・フィッシュ) SR 水文明 (7)
クリーチャー:ゲル・フィッシュ 1000+
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分の他の水のクリーチャー1体につき+1000される。
このクリーチャーが攻撃するとき、自分の山札から好きな枚数のカードを引いてよい。ただし、その枚数は、バトルゾーンにある自分の他の水のクリーチャーの数までであること。
DM-03らしい、単色によって効果を発揮するようなスペックである。持っている性能をまとめると、
  • 自分の他の水文明クリーチャーによって強くなっていく
  • カードを大量にドロー出来る。
といったところだろう。
一見ここだけ見ると、悪くないカードに見える。しかし現実は非情だった。



まずパワー強化効果から見ていこう。

自分の他の水文明クリーチャー一体につき+1000される効果は悪くはないように思える。
しかしそれは『素のパワーがコスト論に見合ったパワーだったら』である…

そう、この混沌魚、コストは7と重いくせにパワーはたったの『1000』である。えっ…?

コスト論に見合ったパワーにするには最低でも五体以上水文明のクリーチャーを並べなければいけない。
そしてクリーチャーを五体並べるのは時間がかかるし、そんなに並べられるならとっくに一斉攻撃を仕掛けている。

通常この様なパンプアップ能力を持つクリーチャーは、パワーが6000を超えるとW・ブレイカーが付くなどのおまけがあることが多いが、このクリーチャーにはそれすらない。もっとも、その点は黎明期のカードなので仕方ない事ではあるのだが。

しかも、せっかく並べても他のクリーチャーが倒されるとすぐに元通りの弱さになる。
せめて相手の水文明のクリーチャーも含めるとか、一体につき+2000にとかだったら不満は減っただろうが…


次にドロー性能である。

自分の他の水クリーチャー一体につき一枚引けるという能力自体は悪くない。
しかしアタックトリガーであり、コストの重さも相まって即効性に欠ける。しかもシールドを殴るにしても、W・ブレイカーは持っていないし…

このクリーチャー自体素のパワーが低く、除去耐性が無いので、殴り倒される可能性は極めて高い。
まだcipで能力が起動する方がましだった。

そしてこの混沌魚の最も特徴的な部分は、ドローに関してのテキスト。
実は混沌魚、少し変わったテキストをしている。

『アタックトリガーで、カードをドロー出来る』能力だから、普通は、
  • 『このクリーチャーがアタックする時、バトルゾーンにある自分の他の水のクリーチャー一体につき、カードを一枚引いてもよい。』
といった感じのテキストになるだろう。

しかしこのカードは、
  • このクリーチャーが攻撃するとき、自分の山札から好きな枚数のカードを引いてよい。
と、一見チートのような性能を所持しているように思わせながらその後、
  • ただし、その枚数は、バトルゾーンにある自分の他の水のクリーチャーの数までであること。
…とこのように『プレイヤーを期待させといて落とす』というようなテキストになっている。
しかし、これでまだ他の性能が強ければ『ただテキストがおかしかっただけだね。残念だなぁ。』で終わっていた。
だが、混沌魚は他の能力も相当酷かった。

また、上記の二つの能力は、単色推奨の能力である。そのため多色デッキにも入れにくい難点がある。
まぁ、これに関してはしょうがないが。


ちなみに種族はゲル・フィッシュ。あまり種族サポートは多くないため、恩恵があるとは言い難い。

ちなみにゲル・フィッシュの名称ルールを守っていない。
むしろ名前からして、フィッシュの名称ルールに何故か当てはまっている。

…もしかして開発陣は、フィッシュゲル・フィッシュを混同したのか…?


そして何といっても、このカードの一番酷い点はレアリティが当時最高のスーパーレアであること。
ガルカーゴ・ドラゴン》や《絶望の魔黒(まこく)ジャックバイパー》などの高レアではなく、このカードを引き当てた人は、脳内が混沌としてしまうことは間違いないだろう。


…と、ここまで散々欠点ばかりを挙げてきたが、唯一の評価点はそのイラストだろう。
DM初期ではその独特の作風で知られたイラストレーターAkifumi Yamamoto氏によるイラストはゴツゴツとした質感を感じさせ、
スタイリッシュで美しいものの多い他の水のフォイルとは一味も二味も違った「迫力」がある。
そこまで大きくないゲル・フィッシュの中では、枠からはみ出るくらいの大きさがあり、インパクトは絶大。

ゲームでの性能は前述の通りだが、観賞用としてなら、ファイルに一枚くらい保管しておいても悪くはないだろう。


関連カード

ガルカーゴ・ドラゴン SR 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000+
W・ブレイカー
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分の他の火のクリーチャー1体につき+1000される。
このクリーチャーは、タップされていないクリーチャーを攻撃できる。
サイクルの火文明を担当するアーマード・ドラゴンで、混沌魚と同様のパンプアップ能力を所持している。

なかなか強力なアンタップキラー性能を所持していて、パンプアップとも能力が噛み合っている。
このことから、インフレ化が進んだ現在ではあまり使われないが、当時はかなり使われたドラゴンである。

その理由から、未だにそこそこの人気を誇るドラゴンである。
愛されるカードとはこういうカードだぞ、混沌魚。

牙男 R 闇文明 (4)
クリーチャー:ヘドリアン 1000+
スレイヤー
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分の他の闇のクリーチャー1体につき+1000される。
サイクルの闇文明担当で、パンプアップ性能とスレイヤーを兼ね備えているヘドリアン。

ややスレイヤーがパンプアップと噛み合っておらず、使用率は高くない。
しかしコストは重くないため、混沌魚よりはよっぽど使いやすい。

奇面ざくろ UC 自然文明 (5)
クリーチャー:ツリーフォーク 1000+
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分の他の自然のクリーチャー1体につき+1000される。
このクリーチャーは、パワー4000以下のクリーチャーにブロックされない。
自然の同サイクル。
パンプアップと4000以下のクリーチャーにブロックされない性能を持つ。

あまり使われることはないが、混沌魚と違い、致命的に出しにくいわけでは無い。何より混沌魚と違い、こちらはアンコモンである。
しかし、イラストが名前の通り不気味で、子供人気は相当低いとかなんとか。

堅牢の伝道師アレーク R 光文明 (7)
クリーチャー:バーサーカー 4000+
ブロッカー
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分の他の光のクリーチャー1体につき+1000される。
光の同サイクル。
攻撃できる光のブロッカーだが、パンプアップを持ってることを考慮してもコストが重すぎる。そのためほとんど使われない。
混沌魚より素のパワーは大きいが同マナ域に大きく劣るのは変わりないため、ドローできる混沌魚のほうがまだマシかもしれない。

シーマイン VR 水文明 (6)
クリーチャー:フィッシュ 4000
ブロッカー
記念すべき初弾のカスレア。

こちらはフィッシュなのだが、種族の命名ルールを守っておらず、むしろ名称はゲル・フィッシュっぽい。
このことから、混沌魚と名前を交換するべきだったという意見が多い。
まぁ、命名ルールを守ろうが、どちらにせよ弱いことには変わりはないが。


デュエル・マスターズ プレイス

アプリ版の デュエル・マスターズ プレイスにも何故か参戦。
第1弾の「超獣の始動 -MASTER OF DUEL-」に収録された。

混沌魚(カオス・フィッシュ) R 水文明 (7)
クリーチャー:ゲル・フィッシュ 1000
自分の他の水のクリーチャー1体につきパワーを+1000する。
攻撃する時、自分の他の水のクリーチャーの数だけカードを引く。

テキストが大幅に変わっている。
しかし、プレイス収録時の能力修正は他のドローカードにもあるドロー枚数が調整できなくなった程度で実質的にほぼ変わっていない。
ただし、プレイスのルールでは手札上限が10枚、バトルゾーンに出せるクリーチャーが7枚までになった関係で能力が更に活かしにくくなった。
前述の通りドロー枚数も調整できなくなったので手札上限に引っかかり無駄に引いたカードを墓地へ捨ててしまったり、下手するとライブラリアウトを引き起こす可能性もある。
つまり、ただでも弱かったのにプレイスでは更に弱体化している。

流石に元が弱すぎるためかSRではなくRでの収録となっており目立つカスレアではなくなっている。まあ、引いたら即分解行きレベルのハズレであることには変わりはないんだけど。
しかし、特徴的な上げてから落とすテキストが普通のテキストにされて最大の特徴も失ってしまったため、存在感がなくなりただの弱いカードに成り下がってしまった感も否めない。
当然、現状はネタ以外で使われることはほぼない。




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最終更新:2023年10月17日 18:08