ジャファー(アラジン)

登録日:2014/06/18 Wed 23:32:13
更新日:2024/04/18 Thu 20:58:40
所要時間:約 7 分で読めます







心配するな、小悪党め。褒美はちゃんと取らせるぞ。




ジャファーとはディズニー映画『アラジン』と、その関連作品に登場するヴィラン。

声優はジョナサン・フリーマン。日本語版の吹き替えは関連作品も含め宝田明が担当している。
2019年の実写映画版ではマーワン・ケンザリが演じ、日本語吹き替えは北村一輝が担当した。
ただの怪しいオッサンだったアニメ版とは打って変わり、渋い大人の魅力の中にも危うい危険な匂いを漂わせたハマり役である。なお、このためか実写版ではアニメ版にあったコメディリリーフ的な要素はほとんどカットされている。
イアーゴも同様にコメディリリーフ要素はカットされ、会話は出来るがカタコトのちょっと賢いオウム程度になってしまっている。



【人物】

砂漠の王国「アグラバー」の国務大臣。口やかましいオウムのイアーゴを相棒にしている。
表向きは王国に忠誠を誓う忠実な家臣だが、その実態は王の座を狙いアグラバーを支配することを目論む邪悪な野心家。
宮殿内に隠し部屋を作り、様々な策略を企てながら魔法の研究をしていたり、コブラを模した杖から催眠術を発してサルタン国王を操るなどしていた。
詳しい年齢は不明だが、国務大臣という立場や、サルタン王の「お前ももう年じゃろ?」という発言から40~50代くらいと思われる。

性格は冷血で残忍かつ狡猾という典型的な知性派ヴィラン。
前述通りサルタンに忠実な素振りを見せているが、実際は能天気な国王と生意気なジャスミンに頭を下げることに苦痛を感じているなどプライドも高い。
実写版ではよりプライドの高さが強く描写されており、後述の実写版オリジナルの設定である経緯から自身を「2番目」と呼ばれたり扱われる事を何よりも嫌っている。
劇中でも「国王についで2番目に偉い」と言ってしまった家来を早口で自身のプライドを誇示しながら井戸へ突き落とし殺害したり、終盤「ジーニーの方がずっと強く、お前はまだ2番目」と言われた際、アニメ版では割と素直に認め最後の願いを使用したが、こちらではイアーゴの煽りもあって激情のままに最後の願いを使用している。
また、自身が用済みと判断した者や裏切り者には、例えそれが長年付き添った相棒だろうと、(偶然とはいえ)自分を助けてくれた恩人であろうと容赦なく攻撃を加える非情な一面も併せ持っており、ジーニーと化してからはこれらの部分が更に顕著となっている。
一人称が安定しない。俺(俺様)、私、儂、我などとコロコロ変わる。

作中ジーニーの願いで最強の魔法使いとなるが、それ以前から使える魔法は催眠術ぐらい。また、元々の経歴はアラジン同様の低い身分であることも示唆されており、催眠術と権謀術数だけで現在の身分を築いたディズニーとしては珍しい成り上がり型のヴィラン。
実写版では「リンゴを盗めば泥棒だが、王国を盗めば支配者」「誰よりも強い男かクズのままか」という強い野心を持ち、アラジン同様元は盗みで生計を立てていたという設定が追加され、ジャスミンの母の故郷であるシラバードという国の牢獄に5年間投獄されており、その立場から本人曰く「多くの犠牲を払い屍の山を築いて」今の地位を手に入れたらしい。
「ただのコソ泥だった」と言っているがその盗みの腕は高く、アラジンが持っていたジャスミンの腕輪を全く気付かれずにスって見せる程。
この時は自己紹介代わりに実演しただけだった為すぐに返しているが、終盤はこの技術でアラジンからランプを盗み、ジーニーの主人になる事に成功した。
上昇志向がやたら強いのもある意味納得のいく経歴である。

『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)に同名の(ジャアファルとも)人物が登場するが、設定は全く違う。
元ネタはアラビアンナイトそのものではなくアラビアンナイトがモチーフの1940年の映画『バグダッドの盗賊』の登場人物と思われる。

ちなみに帽子の下はスキンヘッドで、ローブの下も心配になるレベルでガリガリ。



【各シリーズの活躍】

【アラジン】

国務大臣の立場を利用し自身に都合の良い法を作り、王に魔法の杖で催眠をかけて私腹を肥やしていた。
国の乗っ取りを企み、その為にタイガーヘッドから繋がる魔法の洞窟の奥深くに眠る、魔法のランプを狙う。
当初は盗賊のガジームを雇い、鍵となる金のスカラベを手に入れたが、タイガーヘッドはガジームを拒否。
そこでダイヤの原石のような心を持つ青年アラジンに目を付ける。

衛兵を使い、アラジンを冤罪(でもない)で捕らえ、みすぼらしい老人に変装して脱獄に協力し、魔法の洞窟に導く。

崩れる魔法の洞窟から脱出しようとするアラジンからランプを奪い、
彼を洞窟に落としたが、アブーにランプを奪い返され、そのまま洞窟は埋まってしまった。

ランプが手に入らなかったことで焦るが、イアーゴが王女のジャスミンと結婚すれば王となれると提案。
実行に移そうと王に催眠をかけようとするが、アリ王子(アラジン)のパレードに王が気を取られ失敗。
城内に入ろうとする、アリの一団を食い止めようとするが押し切られ扉に挟まれ潰れる。
アリがアピールしている横で、必死でアリ以外の一団を城から追い出している。

アリの素姓を疑うが、王がアリを気に入った為失敗。
衛兵を使い、アリを海底に葬り王に催眠をかけなおし、ジャスミンとの結婚を強行しようとするも、魔法のランプの力でアリが戻ってきたことで失敗。
更に催眠についても見破られ反逆の罪で捕らえられそうになり逃亡。その際、アリがランプを持っていることに気付く。

イアーゴを使いランプを手に入れ、呼び出したジーニーへの願いでアグラバーの王の座を手に入れた。
二つ目の願いで、最強の魔法使いとなる。アリの正体を晒し、一面雪だらけの場所まで吹き飛ばす。

王に道化の格好をさせ、ジャスミンに給仕をさせ王の座を満喫。
反抗的なジャスミンを最後の願いで、自分に惚れさせようとしたが、ジーニーの禁則事項に当て嵌まり出来なかった。

雪国から帰還したアラジンを、大蛇に変身するなどの魔法で圧倒するが、
「ジーニーこそが最強の魔法使い。ジャファーは二番目」というアラジンの言葉に乗せられ、最後の願いでジーニーと同一の存在になる。
溢れ出す驚異の大宇宙パワーを堪能するが、ランプの精になったことで不自由な制約を自らしょい込むことになってしまい、直後にランプに封印されて砂漠の彼方に投げ捨てられた。


【ジャファーの逆襲】

狭いランプ内でイアーゴと仲違い。ランプから脱出したイアーゴに井戸に捨てられた。
盗賊のアビス・マルがランプを手に入れたことで、彼を利用しアグラバーの王の座と自由を手に入れようと画策。

王宮に取り行っていたイアーゴを脅し、王とアラジンを人気のない場所に誘い出させる。
邪魔なジーニーの前に現れ、自由になったことで弱体化した彼を捕らえた。

魔法で創り出した盗賊たちを利用して、王を誘拐しアラジンを滝に落とす。だがその際、命を奪えないジーニーの制約で彼を助けてしまっている。
アラジンが戻るまでの間に、ジャスミンも捕らえ城を制圧。
ジャスミンに化けて、衛兵たちを動かし戻ってきたアラジンを捕らえさせ死刑を告げる。

邪魔者が皆いなくなった(と思い込んだ)ことで、自由になる為にアビス・マルと交渉。
くだらないことに最後の願いを使おうとするアビス・マルに危害を加え、
自由を願わなければ死ぬより酷い目に合わせるとジーニーにあるまじき脅迫も駆使した。

生きていたアラジンがランプを奪おうとするのを妨害し、庭園に地割れを起こし溶岩の池を作り出し彼を翻弄。

自身を裏切ったイアーゴに光線を浴びせ、その弱さを嘲笑うが、
イアーゴは力を振り絞りランプを蹴飛ばし溶岩に落とした。
ランプの消滅に伴い、苦しみもがきながら消滅した。


【アラジンの大冒険】

彼が生前集めていた魔法の道具が原因で騒動が起こっている。
また、黒い砂漠の王モーゼンラスの邪悪さを目の当たりにしたイアーゴが、ジャファーを連想している。


【盗賊王の伝説】

序盤にジーニーが、ジャファーの仮面を被っている。


ヘラクレス

TVシリーズの中の一話「ヘラクレスとアラビアンナイト」にゲスト出現。
死亡したことでジーニーでは無くなったが、最強の魔法使いのままではあるようだ。

死者の国の神ハデスに取引を持ち掛け、ヘラクレスを倒すことと引き換えに杖を媒介に復活した。

修行中のヘラクレスを襲撃し怪物を創り出し襲わせたが、ヘラクレスの単純な力で押し切られ撤退。

ペインとパニックが、アラジンを倒すことに失敗したこともあり、
ヘラクレスとアラジンを戦わせて、潰し合わせようと計画。

一定間隔にバナナを並べて、人気のない路地裏に誘き寄せる作戦で、ヘラクレスの友人のイカロスを誘拐。
イカロスを探すヘラクレスに老人の変装で近付き、アラジンが誘拐したと嘘を吹き込む。

アラジンとヘラクレスが誤解を解き、死者の国まで追って来たことで迎え撃つ為に動く。
戦略が得意なアラジンには怪物をけしかけ、力押しのヘラクレスは魔法で翻弄しようとしたが、
二人が服を交換して入れ替わっていたことに気付けずあっさりと突破された。
杖を破壊されたことで幽霊へと戻り、死者の川に沈んだ。


ハウス・オブ・マウス

タイガーヘッドを乗り物にしている。

ハウスオブマウスが消滅した際にはミッキーに解決を依頼され、アグラバーの都を交換条件に引き受けた。
「ビビデバビデブー」をノリノリで熱唱しながら、魔法を使いハウスオブマウスを復活させたが、
ミッキーが支払った報酬は「アグラバーの都(のスノードーム)」だった。

『ミッキーの悪い奴には負けないぞ』では、
ヴィランズを率いてハウスオブマウスを乗っ取った。
ハウスオブウィランズの開幕を祝い、奇妙なダンスを見せている。
魔法使いの弟子状態のミッキーと火の玉で野球対決をし勝利。
勝ち誇るが、駆け付けたアラジンがミッキーに手渡したランプに封印された。


【キングダムハーツ】

他の世界のウィランズと手を組んでいる。
ハートレスを操る力を身に付け、既にアグラバーを乗っ取ることに成功していたが、ソラたちが現れたことで暗雲が立ち込み始める。
アグラバーの鍵穴を探す為に魔法のランプを奪い、鍵穴が眠る魔法の洞窟に潜入。
ダイヤの原石しか入れない魔法の洞窟を、闇の力で操り内部もハートレスの巣窟へと変えた。
原作通り、最後の願いでジーニーとなる。物理攻撃無効で氷属性の魔法しか通じないが、ランプを持っているイアーゴ攻撃しランプを取り返されたことで敗れた。

『キングダムハーツ2』では、XIII機関の介入でランプから解き放たれる(ジャファーをハートレスに変えようと目論んでいたらしい)。
イアーゴと自身の幻影を使い、ソラたちを遺跡を誘き寄せ葬り去ろうとする。
しかし、イアーゴが裏切り罠だと伝えたことで失敗。
誘い出している隙に王宮を襲撃しジャスミンを捕らえようとしたが、ソラたちが駆け付けたことで失敗。アグラバーの上空でソラと一騎打ちで戦う。
前作と異なり普通に攻撃が通じる。原作設定からして自由になったことで弱体化していると思われる上、元々その世界の法則すら破り得るキーブレードをソラが以前より使いこなせている証か。
アグラバーの建築物を崩壊させ、その瓦礫をぶつけたり、異空間にソラを引きずり込むなどの攻撃で翻弄したが敗れ消滅した。

『CoM』の漫画版(天野シロ)はゲーム版とかなり展開が変わっている。
というのも、アラジンがジーニーに「大金持ちの王子になる」という願いを叶えてもらったことに満足し、早々にジーニーを解放してしまったのである。
魔人がいなくなってしまったため、ソラたちは自らが魔人になりすましジャファーの願いを叶えたように見せかけるも、次第に誤魔化しきれなくなっていく。
しかしそこへ自由になったハズのジーニーが来訪。願いを叶えてもらおうとするジャファーに対しジーニーは「どうせなら自分と同一の力を得たほうがお得」と唆してジャファーにジーニーの力を得させ、ソラたちによってランプに封じられるのであった。


【余談】

海外でのみ発売されているゲーム『Aladdin: Nasira's Revenge』では、妹のナシーラ(Nasira)が登場しており、アラジンに倒された兄を復活させるために奔走している。
兄そっくりで頬のこけた悪人面。

ディズニーヴィランズの子供達の活躍を描いた海外ドラマ『ディセンダント』にはジャファーの息子であるジェイが登場している。

ディズニー公式のスマホゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』の登場人物であるジャミル・バイパーはジャファーをモデルにしている。

オーレリア・ボーポミエ氏の著作『魔法使いの料理帳』では、各種創作作品における「魔法使い」達が劇中で作った創作料理のレシピが掲載されているのだが、
『アラジン』からはジャファーの愛飲するカクテルドリンクとして「グレート・ワズィール」が紹介されている。
レシピは「頭の回転を良くするための赤トウガラシ」「悪巧みが次々思いつくようになるためのフェンネルシード」「計画を実現させるためのマスタード」
「偉大なるワズィールに相応しい色である黄金のターメリック」とのこと。
……刺激的な味かもしれないが、果たして美味しいのだろうか?



そう怒るなイアーゴ。私が国王になった暁にはあのウスラマヌケな項目などすぐに追記・修正してくれるわ!

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最終更新:2024年04月18日 20:58