ログ・ホライズンTRPG リプレイ

登録日:2014/09/11 Thu 05:45:30
更新日:2023/12/23 Sat 23:45:34
所要時間:約 3 分で読めます




エンターブレインより発売された小説作品『ログ・ホライズン』を基にしたTRPGをプレイする様子を描いた書籍。

作者の橙乃ままれをゲームマスターとして、名だたる作家たちが、後に発売されるログ・ホライズンTRPGをプレイする様子が描かれている。
プレイヤーたちは、「『大災害』に巻き込まれた直後の冒険者」という体のキャラクターを使いながらゲームクリアを目指す。
原作の用語をうまく使いながら、TRPGの遊び方が丁寧に解説されており、TRPGに詳しくない人でも問題無く楽しめる作品に仕上がっている。
「ネットゲーム『エルダー・テイル』の冒険者」を演じる「『エルダー・テイル』のプレイヤー」を演じる「『ログ・ホライズンTRPG』プレイヤー」という二重構造となっているため、
突然一人称や口調が変わったり多重のメタ発言が多いため、慣れないうちは戸惑うかもしれない。
また、プレイヤー達がプロの作家というだけあって彼らが扮するプレイキャラが見せるストーリも非常に読みごたえがあり、さらに原作の根幹に関わるであろうキャラが登場するなど、原作ファンにとっても見逃せない作品である。
また、原作の用語の解説も丁寧に書かれているため、既読組でなくても問題なく楽しめる。無論、原作を読んでいた方が、よりすんなり世界観を理解できるため、興味が沸いたら読んでみてはいかがだろうか?


出身が特殊な媒体であるため、関連作品で本作の登場キャラが出演することはほとんどなかったが、この度アニメの第2シーズンで、モブではあるが登場を果たしており、
今や単なるTRPGのプレイ記録ではなく、公式のスピンオフ作品の一つのように扱われている。



<登場キャラクター>

(キャラ名/プレイヤー)

○ギルド『にゃんこ亭』

大災害以降に設立されたギルド。ギルドマスターはセイネ。
アキバから離れた辺境の地でプレイしていたところを、大災害時に巻き込まれたプレイヤー達が、半ば呉越同舟な形で協力し合ったことが、ギルド結成のきっかけとなった。
各メンバーは基本的に対等な関係なのが特徴。



◆セイネ/綾里けいし
CV:種田梨沙
  • 職業:盗剣士 サブ:占い師→辺境巡視 種族:狼牙族
辺境の島「マテル島」でクエストをしていたところを、ウルフとともに「大災害」に巻き込まれ、エルダー・テイルの世界に来た。
「行動で示す」が信条であり、セクハラをしてくるウルフによく鉄拳制裁を喰らわす。戦闘中でもお構いなしに行うボケとツッコミの応酬は、
傍から見ていると夫婦漫才にしか見えなうわなにするやめry
『ツインアーム・スタイル』という、片手武器を装備したとき二刀流状態になるスキルを持ち、手数の多さでダメージをたたき出すタイプの戦闘要員である。
現実世界ではボッチ気味の未成年女子。ゲーム時代の数少ない友達は「大災害」の時には誰もログインしておらず、ゲーム時代からの知り合いはウルフのみ。
大災害当日も、直前までウルフとクエストをしていた。(当時、パーティ募集してもウルフしか応じなかったらしい。)
愛称は「セイネたん」。当初はウルフのみそう呼んでいたが、今や作者やプレイヤーの作家勢だけでなく、
広報のエリッサやファンからも呼ばれる愛称になっている。
GMが原作者であるため、アニメでの登場シーンと辻褄を合わせるためのクエストが用意された。


  • ニコ
CV:大久保瑠美
セイネの秘宝級アイテム『ドゥンの琥珀』で召喚されるペット型モンスター。人語も話せる。
エルダーテイルでは召喚術師でなくても特定のアイテムでペットモンスターや動物を使役できるが、ヤマネコのペットを呼び出せるのはドゥンの琥珀のみ。
普段の大きさは普通の猫と同じだが、戦闘時には巨大化する。



◆ウルフ/むらさきゆきや
CV:東地宏樹
  • 職業:武士 サブ:狩人→料理人→大工 種族:ヒューマン
種族は人間だが、『森渡りのウルフヘルム』という狼の面の装備をしているため、獣人のような外見をしている。
ゲーム時代からセイネにストーカー紛いの行動をしており、その言動は変態そのものだが、セイネの絡まないところでは、打って変わって、冷静かつ理知的な真人間と化す。
戦闘では、敵の攻めを自分に集中させて仲間をかばいつつ、致命的な攻撃は防御特技で防ぐ典型的な前衛担当。
パーティの主戦力であり、ぶっちゃけ戦闘では中の人のプレイングもあって最も活躍している。
現実世界ではデイトレーダーで、大きな家にパソコンの画面が6個並んでいる部屋を持つお金持ち。ゲームしながら、株取引、深夜アニメチェック、フェイスブックのやり取りを同時に行う凄い人。さらに、料理などの家事、残念系女子なセイネをフォローする機転、トキナギと早々に打ち解けるコミュニケーション力など多彩なスキルを持ち、実はメンバーのなかでもずば抜けてハイスペック。(原作者曰く、セイネに絡まなければ理想の男性になる可能性が高い)。
また、以前からシロエとは交流があり、「大災害」以降も念話で互いに情報交換を行っていた。



◆ヘッジホッグ・AK/丸山くがね
CV:屋良有作
  • 職業:召喚術師 サブ:見習い徒弟→裁縫師 種族:法儀族
パーティの最年長者であり、実質的なまとめ役。
「山羊スライム」と称するモンスターのぬいぐるみを作っているが、仲間たちからは「邪教信仰みたい」「邪神像にしか思えない」など散々な評価をされており、終いには本人も『御利益のある邪神像』と呼ぶなど開き直り始めた。
年齢のためか、パーティを引っかき回すような言動をする反面、トキナギが暗に「自分を引き渡せ=無用な死者を出すな」と言っていることを察するなど、年の功を見せることもある。
火力重視の召喚術師であり、切り札は使役する従者によって異なる効力を発揮する『エレメンタルブラスト』。
また、『方術召喚:ブラウニー』で小人妖精を散らばらせ、モンスターを警戒するという芸当も可能。
現実世界ではエルダーテイル関連のグッズを販売する会社の社長。実年齢78歳で、ゲーム歴18年のベテラン。
彼のプレイ日記は社員に大人気(コメントしないと査定に響くため)。


  • 山羊スライム
ヘッジホッグ・AKが作っているモンスターの人形。書籍では粘液を流すスライム(ドラゴンクエスト)の身体から山羊の頭と四肢が生えたグロテスクな外見だが、
アニメではさすがにヤバかったのか、山羊の毛と角があるスライムに変更されている。
書籍でも3巻以降はアニメ版準拠に描かれる。しかし2巻で「もさもさしてて触り心地がいい」という証言が出てくるためアニメ版の方が元のイメージに近いのかもしれない。
元は『大災害』の時つまり大型アップデートの日に辺鄙な土地にいることの説明づけとして「珍しいモンスター目当て」
とメキシコのヒツジガエルを引き合いに出して1巻の舞台のモデルである小笠原諸島に山羊が多いという情報から口走ったものだが、
ヘッジホッグ・AKは何故かこの人形を流行らせようとしており、5万体も生産しているが、ほとんどのキャラに確実に気味悪がられている。
(トキナギですら不気味がった)
3巻では5万体作って8千体売れたのになぜか4万3千体いるという怪現象がおき、4巻では自己増殖することが自明となっている。
最初の一体の目は最初の戦いで拾った魔力水晶の塊が使用されており、量産品にも謎のエネルギーが宿っている。
そして4巻のエピローグにて 魔力水晶で変異した動物を元に戻す力を持つモンスターとして、生命が宿った。

  • 山羊スラ戦車
文面を見ずに契約書にハンコを押してしまったAKが482万Gの借金を負うのと引き換えに
ロデリックの作った山羊スライム販促用自走神輿。だが足回りはキャタピラ、口の中には 山羊スラキャノン と完全に兵器である。
動力は山羊スライムの人形を炉にくべることで稼働する山羊スラドライブ。クラクションは不気味ないななき。
前述の通り4巻のエピローグにて山羊スライムに生命が宿ったため、炉にくべることはできなくなったが、工廠で拾った魔力水晶を直接入れても動くことが示唆されている。
なお、アルヴは魔力水晶の力をいわば家電に利用しており、ロデリックは意図せずアルヴのテクノロジーを再現してしまったのではないかと語られている。


◆マスダさん/芝村裕吏
CV:M・A・O
  • 職業:神祇官 サブ:料理人 種族:ヒューマン
「さん」までがキャラ名。本名はスズキ。本当の父親は某ゲームデザイナーと自称している。
服のセンスが致命的に無く、巫女服の上にスカジャンを羽織っているというキテレツな格好をしている。
ちなみにはいてないキャラ(公式設定)。途中でちゃっかり手に入れたがな!!
味方のサポートに特化した性能を持ち、仲間の支援に絶大な貢献ができる半面、本人は通常攻撃以外の攻撃手段を持たない。
しかも、そんなビルドでソロプレイしていたらしい。
父親との微妙な距離を持ち出し、GM(=原作者)の肝を冷やすのが持ちネタ。脚注で「素人には真似をお勧めできないスタイル」と言われた。
ナギの件でシロエのことをロリコンとみなして警戒している。



◆ナギ
CV:小澤亜李
「大災害」以降に遭遇した大地人のキャラ。パーティからは「ノウアスフィアの開墾」で新実装されたイベントのキャラと考えられていた。
その正体は、ゲーム時代は設定のみ存在したアルヴ王家の末裔である六傾姫(ルークインジェ)の1人「トキナギ」を何者かが復活させた存在。
だが、不完全な復活であるため、「トキナギ」の人格は基本的に表の「ナギ」の人格の意識が無い時にしか出てこない。
(マスダさんのせいで)私服のセンスがひどいことになっている。
山羊スライムをかわいいと明言した唯一の人物(魔力水晶を嫌ってオリジナルは敬遠している)。

  • トキナギ
CV:小澤亜李
ナギのもう一つの人格。350年前の動乱期に滅びたアルヴ系王国の姫君の一人。人間・エルフなどに滅ぼされたアルヴ系の指導者となり、復讐戦争を企て、
最終的にはゴブリンやトロール、オークなどの亜人間(モンスター)を作り出したというエルダーテイルの根幹に関わる存在。
仮に、完全に覚醒すれば超ボスになってもおかしくないレベルのキャラクターである。
性格は傲慢で尊大。自らの種族を滅ぼした人間に怨みを持っているが、本質的に悪人というわけではなく、たまに非情になりきれない言動を見せる。
直接の仇は既に滅びているため、できればナギの中で眠っていたい様子。
未だ不完全な覚醒で全盛期程の力は無いが、失われたアルヴの秘術の知識を有しているため、その存在が知られれば、多くの勢力から狙われることは明白である。
そのため、にゃんこ亭のメンバーは親しい知人にもトキナギの存在を明かしていない。
出てくるだけで非常にカロリーを消費するため大食い。(それに伴い、アラカビにも妙なキャラが付加された)



<原作からの登場>

シロエ
原作の主人公で、『記録の地平線』のギルドマスター。ウルフとは大災害以前からの知り合いで、立場に関係なく談笑する仲。
実は密かにウルフのことをライバル視しているらしい(ダイスロールによる判定の結果)。
にゃんこ亭のパーティーに招かれた際にナギに豆腐を渡して好物である麻婆豆腐をリクエストしたりGM(=原作者自ら)の手で残念な一面が描かれた。


◆ロデリック
生産系ギルド「ロデリック商会」のギルドマスター。
にゃんこ亭のメンバーに倉庫をギルドハウスとして貸し与えた。
山羊スライムに宿る謎エネルギーを解析し、山羊スライム販促用自走神輿・通称「山羊スラ戦車」を作り上げたが、
エネルギーの正体を考えると何気にアルヴの魔力鉱石家電を再現してしまっている。


◆ドルチェ
『西風の旅団』のメンバーで、女だらけの同ギルドで最高クラスの女子力を持つ漢女(誤字にあらず)。
マスダさんが心の師匠として尊敬している人物で、にゃんこ亭結成のパーティに招待した。
他にも、『疫毒』の一件でマスダさんがウルフの次に相談するなど、何かと頼りにされている。


◆アイザック
戦闘系ギルド『黒剣騎士団』の団長。『疫毒』の事件の際に原因を探るべく「ボダレルの原野」の強硬偵察を行う隊の指揮をとり、
にゃんこ亭のメンバーと共闘したが、元凶であるシスラウは近づく相手を問答無用でステータス異常『疫毒』にする存在であったため、
不本意ながらシスラウは『疫毒』を無効化できるにゃんこ亭に任せ、自分達はその他の雑魚の露払いに務めた。


<エネミー>

◆アラカビ
CV:子安武人
1巻ラスト(第二部)のボスキャラ。
かつてトキナギに仕えていたアルヴ族の臣下の1人で、トキナギをして「よりすぐった近衛の一人」と言わしめる実力者。
本来は大地人に属するはずだが、かつてトキナギが人間達に討伐されるのを阻止できなかったことを悔い、いつか彼女が蘇ることを信じて
自ら不死のアンデッドと化しているため、並みの冒険者を凌ぐ戦闘力を持つ。また、クラーケンや多数のモンスターを手なずけている。
長年アンデッドとして生きながらえた影響か、元からそうだったのか定かではないが、非常に短気で人の話を聞かない傾向にある。
トキナギの復活を察し、転生体であるナギを確保しようとしたことで、セイネ達と戦うことになる。
アンデッドのなかでも『レブナント』という特殊な系統で、セオリーである『光輝』『火炎』ではなく『邪毒』属性が弱点。
本気で戦うときは、「霊刀・時ノ魂守」という刀を使用する。


◆疫病のシスラウ
2巻ラストのボスで、海外編にも登場した典災の1人。外見は30センチほどの妖精の姿をしている。
『洗脳毒』で多数の巨人を洗脳した後、河を自身の毒で汚染してアキバの冒険者や大地人を未知のステータス異常『疫毒』で無力化したところで、
巨人たちを率いてアキバを攻め落とそうと画策していた。
だが、汚染に巻き込まれたトキナギが弱った体を押してアルヴの秘術で自分の体内にある『疫毒』の物質を媒介にして抗体を作り出し、
にゃんこ亭のメンバーに与えたために、意図せずして自分の切り札が効かない天敵を作り出してしまう。
最終的に、ナギやアキバの人々を守ろうと奮起したにゃんこ亭のメンバーに敗れ、消滅した。彼の消滅と共に、『疫毒』に汚染された人々も回復した。


◆悪評のザフン
3巻ラストのボスで、典災の1人。外見はバレーボール大のハリセンボンの姿をしている。
直接攻撃能力を持たないが、サポート能力と話術に長けており、冒険者の間にデマを流して連携を殺し、
オークを扇動してアキバを攻め落とす作戦や、ネズミ講によるアキバの経済支配を画策していた。
だが、ゲーム外で社長とデイトレーダーのためリテラシーの高いAKとウルフ、そして交渉能力の高いマスダさんにことごとく論破され、敗れ去った。
なお、1巻の最初の敵が4巻のラスボスの手で生み出されたことが明かされたため『大災害』以前から活動していたことが明らかになった。


◆幻影宝石の工廠長
4巻ラストのボスで、アルヴの生み出した人工生命。魔力の蓄えられた宝石が軍服の男の幻影を浮かべている。
本来は小動物に魔力水晶を食べさせてブラウニーを作るアルヴの工場だが、ザフンによって再起動され、
ザフンの入れ知恵によって強力なモンスターを生み出し大地人への復讐を企んでいた。


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最終更新:2023年12月23日 23:45