ウィリアム・ガードラー

登録日:2014/10/03 Fri 18:41:57
更新日:2022/01/09 Sun 18:01:54
所要時間:約 3 分で読めます





アメリカの映画監督。1947年生まれ。
決して知名度は高くないが、彼の作品は一部でカルト的な知名度を誇っている。
その理由は、彼の撮る映画はほぼ全てがヒット作の二番煎じだからである。

ガードラーの最大のヒット作は「グリズリー」という作品だが、
そのあらすじは「自然公園に突如現れた巨大な人食い熊を動物学者・公園の管理人・ベトナム帰りのパイロットが退治に向かう」というもの。
どこかで聞いたような話だと思った人もいるだろう。この映画はスピルバーグの大ヒット映画「ジョーズ」の二番煎じである。ストーリーもほとんど「鮫」を「熊」に変えただけ。

他の作品も同じようなもので、

  • アサイラム・オブ・サタン(1971)
とあるピアニストが精神病院に入れられて悪魔の生贄にされそうになる→ローズマリーの赤ちゃん

  • アビィ(1974)
聖職者の妻が悪霊にとり憑かれる→エクソシスト

  • プロジェクト・キル(1976)
殺人マシンを作るプロジェクトに関わっていた軍人が軍を逃げ出し、彼を追う軍とプロジェクトの秘密を狙うマフィアとの三つ巴の抗争→燃えよドラゴン

  • アニマル大戦争(1977)
オゾン層に穴が開き、その影響で動物たちが人を襲い始める→鳥

  • マニトゥ(1978)
インディアンの悪霊にとり憑かれた女性を救うため、コンピューターの精霊を使った宇宙での決戦に挑む→エクソシスト/スター・ウォーズ


アサイラム・オブ・サタンはデビュー作だが、デビュー作からいきなり二番煎じである事にある意味本気を感じる。
どれもB級映画の域を出ないが、ヒット作を元にしているためかそれなりに面白いという評価が多い。
ちなみに、アビィはエクソシストの盗作とされてワーナーから訴えられた。

彼の最後の作品であるマニトゥは、これまでの二番煎じのテクニックをフルに使い、
挙句に「最初は悪霊を退治するホラーだったが、最後は何故か宇宙での決戦を行うSFになる」という斜め上のオリジナリティを加えた怪作である。

数々の二番煎じ作品を撮り続けたガードラーだが、1978年に次回作のロケハン中にヘリの墜落事故により亡くなった。まだ30歳の若さだった。
もし、彼がまだ生きていたらどんな二番煎じを製作していたかと思うと残念でならない。


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最終更新:2022年01月09日 18:01