ダブルクロス・リプレイ

登録日:2014/10/11 Sat 00:10:00
更新日:2023/12/27 Wed 20:30:32
所要時間:約 7 分で読めます


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(GMによる)いともたやすく行われるえげつない行為 DX3rd F.E.A.R. TRPG 「し、支部長駄目だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 「こ、コイツ化け物ぎゃああああああああああああああっ!?」 「UGN最強と言われた俺達がうぎゃあああああああああああああああ!?」 いつものきくたけ きくたけ節 こいのぼり はんにゃ インスタントヒロイン セッション ダイナスト ダブルクロス ダブルクロス・リプレイ 両手には降り注ぐかけらを 伝説の暗殺者 台詞もなく死ぬ精鋭部隊 異様に濃いモブキャラ 精鋭部隊(笑) 菊池たけし 誰も知らない知られちゃいけない。檜山ケイトが誰なのか←檜山ケイトは檜山ケイトである


雪の中、青い〈悲しみ〉が動き出す




『ダブルクロス・リプレイ』とは、富士見書房より販売されているTRPG『ダブルクロス』の第二版である『ダブルクロス The 2nd Edition(以下、DX2)』を使用したリプレイ作品である。
著者は同作の制作会社であるF.E.A.R.の副社長にして自称『TRPGリプレイと読者参加ゲーム専門の局地戦用物書き』こと菊池たけし。
イラストはしのとうこと佐々木あかね。
全2巻(完結)
後のシリーズ作品と区別するため、「無印」と呼ばれることもある。

なお、本作はダブルクロスリプレイシリーズにおける初の文庫本形態での出版作品である。




[既刊一覧]

ダブルクロス・リプレイ 闇に降る雪 -Queen of Blue-
ダブルクロス・リプレイ 聖夜に鳴る鐘 -Dynast-





[概要]

本作はDX2での初のリプレイ作品であるとともに、基本ルールブック発売とほぼ同時期に刊行されるという経緯もあって、ダブルクロスというゲームの紹介という側面が強く出ている*1
そのためシナリオ自体は非常にシンプルだがGMの性質もあってシリアスな展開の合間に容赦なくネタが挟み込まれるため、プレイヤーとのコミカルな応酬は見所の一つとなっている。
また短期間で世界滅亡の危機に陥り、プレイヤー達がそれに立ち向かうという「きくたけ節」も健在。



[あらすじ]

人に超常の力を発現させるレネゲイド・ウィルス。その感染者は“オーヴァード”と呼ばれ、ほとんど死ぬか力を暴走させ破壊者と化した。
しかし、その力を持ったまま、人であろうとする一握りの者達がいた。
北の街S市に頻発する殺人事件を追って4人の“オーヴァード”が集う。
あるものは任務のため、またあるものは復讐のため、そしてあるものは自らの平和な生活を守るため。
だが、その影には想像を絶する陰謀があった。





参加者及びPC(プレイヤーキャラクター)


菊池たけし

本作のGM(ゲームマスター)。
特技は尻で水道管を破裂させること。
GM兼リプレイ著者に本作デザイナーではなく自分が抜擢された事に対して内心ではかなりプレッシャーを感じていた模様。
スケジュールの関係とはいえ、第2巻では同日に2本のセッションを続けて行い、しかも最終話は参加者を終電に間に合わせるため
3時間で収録を終わらせるという荒業を行っている。


檜山ケイト

プレイヤー:かわたな(田中信二)
コードネーム:“ソニックブレード”
シンドローム:キュマイラ/ハヌマーン
ワークス/カヴァー:高校生/高校生
Dロイス:起源種(オリジナルレネゲイド)
S市市内の高校に通う男子高校生。UGNとFHの双方に知られている有能なオーヴァードではあるが、過去の出来事からその力を疎んじ、平穏な日常を愛している。
現在は非日常から身を引いているが、自身の力を疎む余り友人達とも距離を置いており、鬱屈した毎日を送っている。
薬王寺結希と出会ったことで再び非日常の世界へと足を踏み入れ、同時に自分や結希に関する過去の因縁との対峙を余儀なくされる。
戦闘時は肉体を獣人へ変化させて接近戦を行う。

演じるのはかわたな(かわいそうな田中の略)こと田中信二。
見た目は普通の高校生、強大な力への恐怖、日常への憧れ、獣化といったダブルクロスの主人公らしい属性をこれでもかと揃えたザ・主人公。
数々のセッションで主人公を演じてきただけあって今回もシナリオの展開を先読みし、ここぞというところで主人公らしい熱い台詞を連発。
戦闘においても爆発するダイス目で大活躍する一方、結希との絡みでは天然、鈍感っぷりを遺憾なく発揮する。



薬王寺結希

プレイヤー:藤井忍
コードネーム:“運命の導き手(フェイト・インジケーター)
シンドローム:ノイマン/ノイマン
ワークス/カヴァー:UGN支部長B/中学生
Dロイス:複製体(デュプリケイト)
僅か14際でS市支部長に就任したUGNきってのエリートスタッフ。
普段はドジッ子で、困った時や気が抜けた時に「はにゃ~」というのが口癖。
しかし任務に当たっているときはノイマンらしく冷静になり、的確な指示で仲間をサポートする。
また、怒るとはんにゃのような顔になる。
第1巻のオープニングで部下が全滅したため、協力者を求めてケイトの高校に転入。
その高校生とは思えない慎ましい体型から「こいのぼり」というあだ名で呼ばれるようになる。

演じるのはフリーライターの藤井忍。
基本的にはいじられ役で何度も体型のことをいじられる他、演出の都合とはいえ3度も部下を失うというトリプルパンチを食らってしまい、
「全滅支部長」という大変に不名誉なあだ名を授かってしまう。



上月永斗

プレイヤー:田中天
コードネーム:“ガンズ&ローゼス”
シンドローム:モルフェウス/エンジェルハイロゥ
ワークス/カヴァー:暗殺者/伝説の暗殺者
Dロイス:生還者(リターナー)
父親と自身を「ロード・オブ・アビス」というオーヴァードに殺害されて以来、その仇を討つために暗殺者となった男。
殺害された後自らはオーヴァードとして復活し、ジャームとして復活した父親を殺害している。
一時期UGNにエージェントとして所属していたため、UGNから非合法な依頼を受けることもあり、
その縁で接触してきた結希に協力してロード・オブ・アビスを追う事となる。
自らを伝説の暗殺者と称して憚らないが実力は確かであり、戦闘ではバラの花を銃器や弾丸に変化させて戦う。

演じるのはTRPG界の大惨事発生装置こと田中天。
上述したどシリアスな設定に対してセッション中の行動はネタキャラ全開であり、ハイテンションかつエキセントリックな言動で本筋から脱線することもしばしば。
  • 何故か学食の給食員として学校に潜入(しかもコートの上から割烹着を着ている)
  • 関係ないシーンで唐突に登場してモブと大乱闘(結果的にシナリオのボスがパワーアップ)
  • オープニングでヒロインをでっち上げた上で殺してモチベーションにする(ご丁寧にロイスを結んで即タイタス化)
  • 肉体をバラの花びらに変えて来日(密入国)
  • 前回のエンディングで黒幕を倒すために日本に滞在すると言っておきながら次話のオープニングで外国にいる、
などとにかく予想の斜め上をいくプレイで読者の腹筋を暗殺しにかかってくる。



上月司

プレイヤー:矢野俊策
コードネーム:“紺碧の刻印(アイスブランド)
シンドローム:オルクス/サラマンダー
ワークス/カヴァー:高校生/高校生
Dロイス:変異種(イレギュラー)
ケイトの同級生で彼と違いUGNに積極的に協力するイリーガル。
母親は彼を生んだ際に死亡しており、兄である永斗が唯一の肉親。
やや斜に構えたクールな性格だが兄が兄なだけあって貧乏くじを引きやすく、
破天荒な兄の行動に振り回されて頭を悩ませている。
永斗の浪費(主に戦闘で消費するバラの花)や失踪によって仕送りが途絶えがちなため、
家計は常に貧乏である。
戦闘では自身が支配する領域内に氷の槍を出現させ、遠距離から攻撃する。

演じるのはクレバー矢野ことダブルクロスのデザイナーである矢野俊策。
元々、兄に振り回される弟というコンセプトで作成されたキャラクターということもあり、、
話が進むごとに暴走の度合いを加速させる永斗(というよりはプレイヤーの田中天)のストッパーとして
兄弟セットで扱われるようになっていった。





NPC(ノンプレイヤーキャラクター)


佐島祐一

ケイトの友人で、彼の隣の席に座る同級生。
小学校時代、一緒にいたずらや冒険をしていた幼馴染である。
転校してきた結希に一目惚れし、ケイトに協力を依頼しようと接近するのを妨害したりラブレターで呼び出したりする。
他人と距離を置きがちケイトにとっては気心の知れた数少ない友人であり、かけがえのない日常の象徴であったが……。


長瀬明

UGN本部に勤める幹部で、両親に疎まれて見捨てられた結希をUGNに引き取った人物。
任務中こそ厳しい態度を見せるが、結希と二人きりの時は彼女の甘えに応える優しさを見せる。
年若い結希にとっては唯一の拠り所となっている。
が、GMの怪演もあってその言動は非常に胡散臭い。


神埼葵

1巻1話のエンディングで転校してきた少女。
髪の長さと左目が青いことを除けば結希にそっくりだが、雰囲気は葵のほうが上品である。
後、こいのぼりではない。
転校初日にケイトに懐かしげに話しかける一方、結希には冷たい視線を向ける。


“ネームレス”

永斗の知り合いの情報屋。永斗が彼の名前をころころと変えたため、「いくつもの偽名を使い分けているため、本名は誰も知らない」という設定となった。
動物を操って情報の収集や依頼人との接触を行っているため性別すら不明であるが、その情報は確かである。


“ロード・オブ・アビス”

S市で頻発している連続殺人事件の裏で暗躍しているFHのエージェント。
UGNのS市支部精鋭部隊(笑)をたった1人で壊滅させるほどの実力者。
第1巻でのラスボスを務め、彼の暗躍と死によってDX2は始まったと言っても過言ではない。


“ノーブル・グレイ”

2巻から登場した謎のオーヴァード。
再編されたS市支部の精鋭部隊(笑)をモノともしない実力者。
とある目的のためにケイトに近づき、彼の他者との繋がりを断ち切らんと殺害や記憶処理を行って回る。
デザイナーですらドン引きしたケイトへの攻撃方法はある意味伝説。


“ダイナスト”

本シリーズのラスボス。
世界の支配者と称される強力な力を持ったオーヴァード。
決戦に備えて招集されたS市支部の精鋭部隊(笑)を皆殺しにする実力者。
温和な性格で見る者に安らぎを与える好人物だが、
その笑顔の裏には目的のために犠牲を厭わない危険性を秘めている。
何故かケイトに対しては我が子のような愛情を抱いており、
ケイト自身も彼に対して憧憬の念を抱いている。
UGNとFHの二大組織をもってしても正体を掴めておらず、
太古の昔から存在している原初のオーヴァードともレネゲイドそのものとも推察できる描写が見られる。




[余談]

GMをデザイナーである矢野俊策ではなく菊池が執筆した理由については、当時文庫本形式のリプレイを執筆・出版できる人物は
F.E.A.R.社内では彼以外に存在しなかったためらしい。
また元々は第1巻のみで完結している作品であったが、好評であったため急遽第2巻が出版されることになったと第2巻あとがきで語られている。








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最終更新:2023年12月27日 20:30

*1 基本ルールブックには本作第1巻で起きた事件について言及されており、巻末の付属シナリオでも本作と関連した事件を取り扱っている