カルロ・セレーニ(爆走兄弟レッツ&ゴー!!)

登録日:2014/12/04 (木) 19:00:00
更新日:2023/12/08 Fri 04:03:53
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カルロ・セレーニとは、ミニ四駆漫画爆走兄弟レッツ&ゴー!!に登場するキャラクターである。このページではアニメ版について説明する。

CV:結城 比呂(現・優希 比呂)

WGP編で登場。イタリアチーム「ロッソストラーダ」のリーダーである。
なお余談だが、「カルロ・セレーニ」という名前はイタリアでは日本でいう「山田 太郎」並みにありきたりな名前らしい。

使用マシンはディオスパーダ。趣味はナイフ磨きで、作中でもよく磨いたり、壁に投げ刺したりしていた。危ない。

彼について語る前に、ロッソストラーダについて説明しておく必要があるだろう。
前述のとおり彼らはイタリア代表のチームであり、WGP開幕から中盤までは負け無しの快進撃。
順位はもちろんトップを維持していた強豪である(初めて彼らを負かしたのは同じく強豪のドイツチーム「アイゼンヴォルフ」1軍)。

だがその実態はオフィシャルや観客の目が届かないところで対戦相手をマシントラブルに追い込むことで勝利していただけであった。
チームメンバー同士の仲も良くなく、信頼関係も無いに等しい。

特にリーダーのカルロとナンバー2のルキノの関係は非常に悪く、今の地位に不満を持つルキノは、ここぞとあれば虎視耽々とリーダーの座を狙っていた。
これについてはチームのオーナーが「ロッソストラーダにチームのなれ合いなど必要ない。互いにキバをむくオオカミの集団でよい」と言っているため、そもそも採用基準にコミュニケーション能力や温和さが求められていないのだろう。

「なんで対戦相手は何も言わないの?」と不思議に思われた人。
そのとおりである。だが対戦したチームはみんな決定的な証拠を得られなかったので何も言わなかったのだ。
また、「相手が不正行為をするならこちらは正々堂々速さで勝つ」という意思もあったためである。

こんなチームを束ねるリーダーである以上カルロも普通の人であるはずがない。
普段は軟派で陽気な人当りのいい人物を装っているが、実際の彼は非常に気が荒く攻撃的で、無愛想な性格である。
レースでも狡猾に相手のマシンを潰して勝利を目指す。ちなみにカルロを含めチームメンバーは皆、元 浮浪児でスラム街出身。

ロッソストラーダとカルロが本格的に話に絡み始めたのは物語が中盤に入ったころである。
練習走行をしていた豪はロッソストラーダと接触する。

後述のとおり豪はビクトリーズの誰よりも先に彼らの邪悪な側面に気づくのだが、
この時は豪もまだ普通の善良なチームだと思っており、勝負を仕掛ける。だがマグナムはコースアウト。
カルロはマグナムを蹴り飛ばす。当然怒った豪はロッソに突っかかるのだが、豪は暴行を受け、彼らの本性に気づくことになる。

ちなみに豪はこのことをチームのみんなに訴えるのだが、
日頃の行いに加えてロッソの面々が善人を装っていたため誰にも信じてもらえなかった。

その後しばらくたって豪はロッソストラーダとジャマイカのチーム、クールカリビアンズのレースを見学した。結果はロッソの勝利。
勝因はやはりカリビアンズのマシントラブルだった。

カリビアンズのマシン、ジャミンRGはスピードこそ見劣りするが、
ジャミンRGは非常に頑丈なマシンであり、所属レーサーもメンテナンスを欠かさない人物である。
また同じく見学していたアイゼンヴォルフとの会話から豪はロッソの不正行為に確信を抱く。

ちなみにこの話ではレツゴ屈指の名台詞が出る。カルロがチームメイトのゾーラに言った「グリスが固まってるじゃねぇか!!」である。
このため、ゾーラはファンからグリスと呼ばれるように。

ビクトリーズのメンバーが完全にロッソのバトル行為に気づいたのは彼らとの二回目の試合
ビクトリーズのマシンが全て壊されてしまったのだ。

ちなみに一回目では豪のマシンは壊されたが他のメンバーは特に何もされなかったため。
ただ土屋博士やリョウは薄々怪しむ様子を見せていたが豪の孤立は止められなかった。

ビクトリーズは苦肉の策で各自のマシンの部品をマグナムに着けて、
何とか1位はもぎ取った。(チーム戦のため試合自体は負けたがロッソはこの結果を不服としていた)

その後行われた日、伊、露、豪州、ジャマイカの5か国レースではカルロは露、豪州はリタイアさせるが、
前回のレースで豪に負けたことをルキノに煽られ熱くなりすぎていたのもあり、
豪のニューマシン、ビートマグナムと成長した豪の前に敗れ、ルキノから罵倒されることとなってしまう。

その後前回は完勝したアメリカにもバトル対策を講じられて3台が返り討ち、
残ったカルロとルキノは仲間割れで共にコースアウトと最悪の結果になりルキノ以外のメンバーもカルロへの不満を露にする。

そして3回目のビクトリーズとの対決でルキノがオフィシャルと観客の目前で不正行為をしてしまい、
ビクトリーズの不戦勝となるが、正々堂々と勝ちたいビクトリーズ側の拒否によりレースが再開されるも、
頭に血が上ったカルロが再び不正行為を行ったため、ロッソは2ヶ月の出場停止を言い渡される。

出場停止にはなったが前半の戦績で貯金があったため決勝レースには出場
(ルキノはチームを裏切り新しいチームのリーダーになるも、存続競争に負けて追放された)。

そしてこの決勝レース第2ステージこそがカルロ最大の見せ場かつレツゴの事実上のクライマックスである。

第1ステージでは1位スタートながら4チーム中3位と冴えない結果に終わったロッソ。
第2ステージはカルロが1人で走ることに。

この時リタイアを心配するチームメイトを「リタイアなんざ三流のレーサーがやることだ!」と突っぱねるのだが、
「三流のレーサー」が空耳で「サンリオのレーサー」と聞こえるためこちらもよくネタにされる。

コースは急斜面、急カーブが連続する高速での突破が難しい物で、他チームは軒並みスピードダウン(例外はビクトリーズ)。

だがカルロは
「さぁディオスパーダ! 奴らにイタリア式の走りを見せてやろうぜ!!」
とドリフトとリアステアリングによる豪快なノンブレーキ走法で一気に首位陣に迫る。
だがタイヤを酷使したせいでリアタイヤがバースト、一転して最下位になってしまう。
おまけにいい思い出の無い雨まで降りだす。とそこで
「トップ争いはアイゼンヴォルフのミハエル君とビクトリーズの星馬烈君に絞られたようだ」というミニ四ファイターの実況が。

するとカルロは……
ふざけるな・・・ふざけるなふざけるなぁっ!! この俺にもう一度ゴミの生活に戻れってのか!! 俺はごめんだぜ…このレースに勝って優勝賞金と最高の名誉を手に入れてみせる!」

ディオスパーダのGPチップが輝き…
「いくぞー!!! ディオスパーダー !!!」

ディオスパーダとカルロは弾丸のように突っ走り、前を走っていたアストロレンジャーズをあっという間に追い抜き、なおもトップを猛追。
「先頭はまだか! 先頭がまだ見えねぇ!!」

各チームの選手が見守るゴール周辺。
ここでは烈とミハエルの一騎討ちが行われていた。結果は烈の勝利。
そしてミハエルは無敗神話に終わりを告げられ茫然自失。誰もが烈の勝利を確信したとき……
「うおおおおーーーーーーっ!!!!」
カルロが遂に追いついてきたのだ。あっという間にミハエルをかわし、カルロは烈に迫る。
チームメイトのジュリオの無線にも一瞬葛藤しつつも耳を貸さない! だがディオスパーダの加速が止まった!*1 このまま烈がトップで……

「まだだぁーーー!!! 抜けぇーー、ディオスパーダぁ――――!!!!!」

ディオスパーダは息を吹き返したかのように再加速。
そのまま烈のバスターソニックからトップをもぎ取った。ファイターからの勝利の宣告。

「うあああああぁぁぁぁ――――!!!!!」

カルロが初めて真の勝利の雄叫びをあげた瞬間だった。

……そう、カルロは良くも悪くも勝利を何よりも求める性格だったのだ。
実際カルロがバトルを仕掛けるのは勝つために必要な時だけであり、マシンを壊すことが彼の目的ではないのだ。

無闇に攻撃を仕掛け、勝利よりも相手マシンの破壊にこだわっていたルキノにかけた
「てめぇは勝ちたいのか! それともただマシンを壊したいのか!」というセリフがそれをあらわしているだろう。
またバトルなしのレースの腕前も文句なしでGPレーサー中最速クラスでありミハエルなど一部のレーサーはその点は高評価している。

この第2ステージでの雄姿は視聴者にもうけ、カルロは一躍人気キャラとなった。
またカルロの陰に隠れがちだが他のメンバーも高いテクニックを持っており、
決勝レースでも他のチームがピットボックスで作業を自動化していたのに対し、ロッソはピットボックスを使わず人の手で作業していた。

ちなみに最終ステージでは皮肉にも真の勝利の味を知ってしまったがための葛藤が原因で思わぬ失態を招いてしまったが、完走は果たした。

○使用マシン ディオスパーダ

車名はイタリア語で「神の剣」という意味。
見た目はフェラーリF50に似た姿のスーパーカーのようなマシンであり、後部にリアステアリングシステムを備える。

だが実際は前部には飛び出しナイフ、後部には衝撃波を発生させるショックレゾネーターが仕込まれ、
相手マシンを「アディオダンツァ」(イタリア語で「別離の踊り」という意味。作中では「死のダンス」と呼ばれていた。)という技で破壊する。
大神博士もびっくりのバトルマシンである。

再出場後はバトル装備を外しつつ、三台横並びで走行中に味方のマシン同士をぶつけ合い、
横を並走するマシンを玉突きの要領で攻撃してバランスを崩すと言う戦術に変わった。
事故を装いつつ衆人環視の状況でも相手を攻撃できるようになったが、
攻撃の威力がガタ落ちしてしまい、思うような効果は得られなかった。

ただカルロ同様バトル以外の走行性能も非常に高く、
WGPマシンの海外勢ではアメリカのバックブレーダー、ドイツのベルクカイザーと並ぶ最速候補の一台である。

というかレツゴではバトルマシンは速いのが常識である。
なぜなら敵に追いつける速さが無いとそもそもバトルなんか仕掛けられないから。
言われてみれば当たり前のことだが、飛距離のある飛び道具を使えない以上、自分から離れた地点にいる相手には手も足も出ないのである。

このことは無印で烈も指摘している。
もっとも、バトル出来る→追いつけないと意味がない→速く走れる→普通に走って勝てる→わざわざ攻撃する意味がない…ということになり、
結局バトル装備は無用の長物になってしまうのだが。
余談だが速さに関係なく追いつく機会が用意されている仕様のゲームだとバトルレースがとんでもなく猛威を振るってしまい、図らずもこの説を逆に裏付けてしまった。

例えば大神博士のバトルマシン、プロトセイバーJBは空気砲が使えるが、
射程が短い上に横と後ろにしか撃てないため、攻撃のためにエアブレーキでわざわざ減速することまであった。本末転倒というやつである。
バランスが繊細な大神博士のマシンと違って拡張性も高いのかカルロは使うつもりが無い時はその重さでスピードが遅くなるナイフを外したりしていた。

バトルマシンという側面こそあれど、モータースポーツが盛んでフェラーリ、アルファロメオ、
ランボルギーニといった超有名メーカーを数多く擁するイタリアを体現するマシンと言うにふさわしいだろう。


○余談


レツゴは当然日本以外でも放映され、ロッソの故郷のイタリアでも放映された。だが主役は日本のビクトリーズのままであり、
悪役もイタリアのロッソストラーダである。イタリア人は気にならなかったのだろうか。

他の国でも基本的にチームの国籍は変わっていないが、
唯一韓国版だけはビクトリーズが韓国のチームに変更され、TRFのTも「The」の略称になった。


なんだこりゃ? 追記修正されてねぇじゃねぇか!
二度とあの時の生活に戻りたくないなら項目は最高の状態にしておけ!

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最終更新:2023年12月08日 04:03

*1 これはディオスパーダのGPチップがアディオダンツァの指示待ちをしていたのでは?という説も。