勇騎恐皇フォルテ

登録日:2015/03/07 Sat 13:10:44
更新日:2023/11/04 Sat 22:08:19
所要時間:約 8 分で読めます







異世界よりの刺客は闇により導かれ、その憎悪は業火よりも深く熱い。


「“破壊”…。それがオレの存在理由だ!」




勇騎恐皇フォルテ》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
月刊コロコロコミック2005年3月号に付録として全国の小学生の手元にやってきた。
また、週刊少年サンデー2005年14号付録として全国の中高生や大人の元にもやってきている。

あのロックマンエグゼフォルテがクリーチャーとしてデュエル・マスターズの世界にやってきた。
デュエマに数多く存在するコラボカードの元祖であり、フォルテを皮切りに様々なコラボが実現していった。
デュエル・マスターズでもその凶悪さを発揮してしまう!……はずだったのだが。


解説


勇騎恐皇フォルテ P 闇/火文明 (10)
クリーチャー:ダークロード/ヒューマノイド 6000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーがブロックされた時、「ブロッカー」を持つ相手のクリーチャーをすべて破壊する。
W・ブレイカー

…相手のブロッカーを殲滅させる能力を持つ。

しかしその能力、いや、スペック自体が本当に使い勝手が悪すぎて話にならない。
その理由は以下のとおりである。

その1:コストが重すぎる

まずコストに目を通してほしい。コストは10である。

今でこそ、マナブーストや踏み倒しで出すことは難しくは無くなってはいる。
しかし冷静に考えてみてほしい。

このカードの登場時期は聖拳編
この時期では今ほど、踏み倒し手段が揃っていなかった。
こんな重いカードをわざわざ苦労して出す必要もない時代だったのである。

しかも、聖拳編の時点で既に優秀なブロッカー破壊は多数存在する。
特に8コストで即座にブロッカー殲滅が可能な《クリムゾン・ワイバーン》がいるし…

踏み倒す価値もあるのかというとあまり無い。

当時の基準で言っても《グラディアン・レッド・ドラゴン》なんかがいるし、そもそも10コストを貯めるなら《勝利宣言 鬼丸「覇」》なりゼニスなり出せばよい。
二桁のコストを支払ってブロッカー破壊では割に合わなさすぎる。

10コストの多色クリーチャーの割には、パワーは6000のW・ブレイカーと大したことない。
この大きさは登場当時の環境でも大したことは無いと言える。

実質アンブロッカブルではあるが、さすがにコストに見合ったスペックではない。
というか当時のコスト論から考えてもこのコスト設定ならパワー11000ぐらいあって良いレベルだし、パワー6000にしても8コストぐらいが妥当な所である。

その2:なんとも中途半端なブロッカー破壊

目玉であるブロッカー破壊はどうか。

ブロッカー破壊のためには、フォルテ自体の攻撃が必要となる。
アタックトリガーというだけでも面倒なのに、さらには相手がブロックしなければ能力が起動しない。つまり、能力に安定性が無い。

一応フォルテが攻撃を開始したら、相手のブロッカーはブロックしてこないだろう。
こういう視点で考えると、W・ブレイカーの実質アンブロッカブルであるといえる。

そしてこのクリーチャーのブロックされた時の能力は、バトルする前に解決される。
その都合からスレイヤーブロッカーなどに対しても耐性がある。

とは言え、そもそも相手がブロックをしてくることはまずない。

それに、相手が仮にブロックをしなかったとしよう。
それでも相手の場にパワー6000以上のクリーチャーがいれば、おそらく返しのターンに倒される。
よって、実質アンブロッカブルも意味が無いと言える。

しかしブロッカーに都合の悪いカードも後に登場した。

例えば、相手にブロックを強制させる能力を持った《小結 座美の花》が登場。
それと組み合わせることで相手のブロッカーを無理矢理除去させることも可能になった。
エピソード3では《剛鉄突破 アイアンローズ》の存在により、相手の場の殲滅も可能になった。

結論を言うと

結論を言ってしまうと、このカードの活躍の場があまり見いだせない。

重すぎるコストに起動しにくいブロッカー破壊。
登場当時から、このカードより優秀なクリーチャーは多く存在する。

種族的には優秀ではあり、フォルテも登場当時よりはいくらか強化されている。
しかし悲しいかな、強化されても元々のスペックが貧弱すぎて再評価されるスペックにはなっていない。
この辺りは当時プロモカードには強力なカードを用意しないという方針があったため仕方ない所ではあるが(ヴァルボーグとガルザーク?知らん。)

ロックマンエグゼとのコラボカードでありながら、イラストがカッコイイこと以外に評価点があまりないのが残念なところか。
ただし能力自体が使えないという訳ではないので、場に出せれば相手にとって多少は厄介ではある。

ロックマンエグゼのファンであり、デュエリストでもあるならば使ってみる価値はあるかもしれない。


組み合わせたいカード


大邪眼バルクライ王 R 闇文明 (7)
進化クリーチャー:ダークロード/ナイト 11000
進化-自分のダークロード1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、進化ではないダークロードを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー

ダークロードのリアニメイトができるダークロードの救世主。
コイツを使えばフォルテを踏み倒せるので、いくらか楽になる。
墓地肥し手段も数多くあるので、フォルテを墓地に送るのも難しくは無い。

もっとも、バルクライ王で出せるダークロードにはもっと優秀なクリーチャーが数多くいるが

小結 座美の花 UC 闇文明 (2)
サイキック・クリーチャー:リビング・デッド/エイリアン 1000
相手のクリーチャーは、可能であればブロックする。
《横綱 義留の富士》《大関 地男の里》と覚醒リンク後《雲龍 ディス・イズ・大横綱》

剛鉄突破 アイアンローズ VR 光文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
バトルゾーンにある相手のクリーチャーはすべて「ブロッカー」を得、可能であればブロックする。
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある相手のクリーチャー1体につき+2000される。
W・ブレイカー

相手に強制的にブロックさせる能力を持つクリーチャー達。コイツらと組み合わせれば、フォルテのアタックトリガーを確実に起動できる。
特にアイアンローズは相手の非ブロッカーもブロッカーにしてしまうため、相手の場を壊滅させられる。


補足


コラボの事情

このクリーチャーは、ロックマンエグゼのライバルキャラクターであるフォルテをDMのカード化させた物。

一見DMと縁のなさそうなロックマンシリーズだが、何故コラボしたのか疑問に抱く人もいるかもしれない。
それは、2005年春のに上映された映画『劇場版デュエル・マスターズ 闇の城の魔龍凰』が関係する。
この映画の同時上映が『劇場版ロックマンエグゼ 光と闇の遺産』だったのだ。その事情からコラボしたのだろう。

欲を言えばこのカードの能力が原作のように、ゲットアビリティプログラム(倒した相手の能力を得る能力)を再現したの性能だったなら……
まぁ、DMにおいて相手のスペックを真似するというカードを作るのは難しいかもしれないが。

ちなみにデュエマ側からはコラボとして、《暗黒王デス・フェニックス》と《龍炎鳳エターナル・フェニックス》がそれぞれ「デスフェニックス」「フェニックス」の名前で、ギガクラスのバトルチップという形で「エグゼ5」に登場している。

後にDMX-22「超ブラック・ボックス・パック」において、ロックマンエグゼとの新たなコラボカード《ロックマンエグゼ&勝太》も登場した。
イラストも最初のコラボの理由となった劇場版を元ネタにしたデザインとなっており、気付いた人にはクスリとくるネタになっている。

なお、フォルテというキャラに関する権利は「ロックマンエグゼ」の株式会社カプコンが有している。
その版権の制約上、本編の漫画やアニメに出演したことは残念ながら無い。

PlayStation2用ゲーム『邪封超龍転生』では、特定の条件を満たすとこのカードをフォルテ本人が出演して託すイベントがある。
なお、邪封超龍転生の販売元はキッズステーションであり、カプコンはゲーム自体には関係していない。

ソーシャルゲーム『デュエル・マスターズ プレイス』でもロックマンエグゼとのコラボイベントが行われ、フォルテが参戦。
しかし、《勇騎恐皇フォルテ》がこちらに輸入されて登場することはなかった…。というかフォルテ自身がデュエマしてくる
その代わりというには微妙だが、コラボイベントで手に入る《ブレイン・チャージャー》の新規イラストにフォルテが登場している。

漫画での活躍

上記では、本編漫画に出演できないと記載したが『デュエル・ジャック!!』では出演を果たしている。

劇場版公開に合わせたコラボからか、ロックマンエグゼ推しのデュエリスト「六九 万太」が使用した。
しかし、対戦相手のマナトのデッキにはブロッカーが1体も入っていなかったため、殆ど意味は無かった。

それどころか「重い普通のクリーチャー」と言われ、返しのターンに《地獄万力》で破壊されてしまった。
…確かに褒められたスペックのカードではないが、なかなか酷い扱いである。
因みにこれ、このカードが付録として付いてきたコロコロコミックに掲載された内容である。

後に作者の伊原しげかつ氏がTwitterにてこの回に触れ、
「あらためて見直してもやっぱひでぇな。よくこれでOK出たな」(ほぼ原文ママ)
と語っている。


余談


  • 実はデュエマで初めて登場したコスト10以上の多色クリーチャー。
    2体目の《機動聖霊ムゲン・イングマール》は、フォルテが世に出てから2年後の極神編でようやく登場している。




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最終更新:2023年11月04日 22:08