ドクタースランプ(テレビアニメ)

登録日:2015/08/22 Sat 17:11:32
更新日:2024/03/08 Fri 13:46:03
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んちゃ!アラレだよ!

 『』は、1997年から1999年まで全74話+テレビスペシャル1話+劇場版1作が製作されたアニメ作品である。

○もくじ○


★あらすじ

 ペンギン村に住む(自称)天才の発明家・則巻千兵衛。彼は新発明として、ムッチムチのナイスバディなお手伝いロボット『則巻アラレ』さんを製作しようとしていた。
 ところが、そのデータを打ち込んだコンピュータに雷が直撃し、アラレは計画とは全く異なる、中学生以下の体型ハチャメチャパワーや性格の持ち主として完成してしまった。しかもコンピュータもアラレちゃんによって破壊されてしまう始末。

 そんな訳で、千兵衛は彼女がロボットだという事は内緒にして一緒に暮らすことになった。

 こうして、アラレちゃんや愉快な仲間たちによる賑やかな日々が始まるのであった…。


★がいよう

 かつて爆発的な社会現象を巻き起こした『Dr.スランプ アラレちゃん』から十数年、ドラゴンボールシリーズ最終作『ドラゴンボールGT』終了後にもう1度製作されたアニメ2作目。「リメイク版」と呼ばれる事も多い。

 最大の特徴は、90年代と言う時代設定に合わせてキャラクターデザインが原作と大幅に変わっている事だろう。特にあかねちんタロさみどり先生は原作からがらりと姿が変わっている。
 ただしあかねちんの「ワル」さやタロさの「サングラス」など基本的な要素はそのまま維持されている。こっちのあかねちんやみどり先生も可愛いのは言うまでもない

 アラレちゃんの髪の色が「茶色」(原作・アニメ1作目は「紫」)、ガッちゃん「黄色」(原作・アニメ1作目は「緑」)と主役勢でも一部が変更されている他、ピースケ君やきのこも含めて全体的にキャラクターの等身が高くなっている。他にもスッパマンの顎が長くて顔がでかかったり、千兵衛の顔が大きかったりなど細かい所をあげるときりがない。

アラレちゃんの髪の色を「茶色」に変更したは原作者の希望とのこと。
 一方、ニコチャン大王&家来は、原作・アニメ1作目と比べてほとんど変わっていない面々もいる。

 キャラクター自身の設定も少し変わっており、アラレちゃんの性能が原作よりも良くなっていたり(まともな料理を製作可能)、ニコチャン大王&家来が比較的アラレちゃんたちに協力的だったりしている。
 また、則巻家の外見が天文台のようなスタイルになっていたり、比較的都会の出番が大きかったり、うんちや動物の出番が少なめだったり、きのこの口癖が「イケてる」「ダさいわね」に変わっていたりとアレンジされた箇所は非常に多い。

 これらのキャラクターデザインを担当したのは「鳥山先生の絵を描きたい!」と自ら志願し『ドラゴンボール』以降の鳥山作品にアニメ・漫画問わず多数携わっている中鶴勝祥さんと、『アラレちゃん』の頃から鳥山作品に関わっている山室直儀さんである。
 スッパマンやマシリトなど一部のキャラデザは、中鶴さんが作画を手掛けたフィルムコミック「ちょっとだけかえってきた Dr.SLUMP」から受け継がれている。
 なおキャラクター原案(デザインの原案)は作者の鳥山明先生本人が担当。アニメ作品では今作が鳥山先生にとって初めてのキャラクター原案作品となった。

 レギュラーキャストのほとんどがアニメ1作目と異なる面々に変更されており、アラレちゃんの声も川田妙子さん、千兵衛博士は屋良有作さんに代わっている。

 作画は当時最新鋭だったフルデジタル制作方式を導入。
 コストダウンなどの効果もあるが、それ以上に様々なノウハウ蓄積や取得のための実験的な要素も多く、原作の持つスタイリッシュ、ポップ、そしてキュートなイメージをより強調する形となった。後述の「顔でかーい」のOP映像がその代表例である。

 番組内のBGMは「Funta」、「鍵山稔」さんが担当している。


1999年春の「東映アニメフェア」で劇場版『アラレのびっくりバーン』が上映。今のところこれが唯一の劇場版となっている。ゲスト声優は「キャイ~ン」の2人(天野ひろゆきさん、ウド鈴木さん)。

 上記の通り、「Vジャンプ」では1997年から2000年までコミカライズ版も連載されていた。作画担当は山室直儀さん。
 今のところDVD-BOXの特典でのみしか単行本化されていない。

 また、著作権を分かりやすく理解できる漫画作品として、1999年に『コミックでわかる著作権 ドクタースランプ ニコチャン大王チタマ脱出作戦』が制作されている。学校でこの漫画が無料で配られた世代の方もかなり多いだろう。


★ほうそうないよう

 序盤はCMを挟んだ2話構成で放送されていたが、22話以降は基本的に1話30分構成となっている。ただ、一部の話はタイトルは1つだが実質CMを挟んだ2話構成である。
 前半は原作を基にした話が多いが、後半以降は大半がアニメオリジナル作品になっている。それに伴いバーサンやアンコロモチなどのオリジナルキャラも多数登場したほか、キャラメルマンのバージョンがかなり多くなっている。

 複数話に跨る長編作品も多いが、その中でも56話~59話は『ドラゴンボール』で行われた『Dr.スランプ』とのクロスオーバーをリメイクしたものになっている。原作に登場しなかったレッドリボン軍の面々も多数登場し、村人をも巻き込んだドラゴンボール争奪戦が勃発した。最終的にはのんきおじっさが願いを叶えてもらったが なお、『ドラゴンボール』とのコラボで孫悟空を演じたのは勿論野沢雅子さんである。『GT』終了後に放送されているが『GT』ではなく『無印』シリーズの悟空である。
 また、これも含めてちらほら『ドラゴンボール』ネタが織り込まれている。

 アニメでの物語はターボ君が誕生するまでとなっており、それ以降のエピソードはコミカライズ版でのみ展開されている。そのため、原作ではターボ君が修理する事になっていた悟空のドラゴンレーダーは、時間はかかったものの千兵衛博士がしっかり完成させている。

 残念ながら視聴率はアニメ1作目や『ドラゴンボール』シリーズよりも伸びず(最高視聴率20.3%)、この作品終了を最後に2009年の「ドラゴンボール改」放送まで鳥山明原作アニメは製作されなくなってしまった。また、近年のDr.スランプ絡みのメインは『アラレちゃん』に取られる形になっている。

なお、本作が放送終了するまではフジテレビの水曜19:00枠は実に18年半に渡って鳥山明作品のテレビアニメが放送されていたことになる(ちなみに本作終了後の次番組は今なお続くあのONE PIECEである)。…鳥山先生マジパネェ。



○OP

  • 初代:顔でかーい(歌:Funta)
    • 後に様々なアニソンを手掛けることとなる音楽バンド「Funta」のデビュー曲。
    • 作詞はメンバーのU子(現:U)さんが担当したが、あまりにも顔がでかすぎる歌詞に苦情が殺到してしまい、28話までの使用となった。
    • OP映像の皆がダンスするシーンは、実はそれまでのセル画による製作では不可能だったシーン。どれだけ重ね撮りしても大丈夫なデジタル作画の長所を存分に生かしたものになっている。
    • 当時、鬼太郎4期などでデジタルアニメのクオリティ面でオタクから指摘されまくっていた東映アニメだが、このOPの作画・動画は後の二作のOPと比較しても異常なくらいハイレベルで、ほとんどオーパーツ。是非一度は見てもらいたい。
    • また、千兵衛たちの顔のでかさも存分に生かされている。

  • 二代目:HELLO,I LOVE YOU.(歌:YURIMARI)
    • テレビ東京系の番組『ASAYAN』オーディション出身の女性デュオ「YURIMARI」の3rdシングル曲。
    • メンバーのひとりであるYURI(現:中村ゆり)は女優として活躍している。

  • 三代目:アラレ!パラレ!(歌:ドクタースランプオールスターズ)


○ED

  • 初代:鼻毛がちょっととびだしている。(歌:Funta)


  • 二代目:Let me go!(歌:Favorite Blue)

  • 三代目:あなたがいてわたくしがいて(歌:くまいもとこ)








追記・修正は、鼻毛がちょっととびだして顔がでかい人でもそうでなくてもお願いします。

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最終更新:2024年03月08日 13:46