ピクセル(映画)

登録日:2015/10/01 (木) 15:18:11
更新日:2024/02/24 Sat 07:20:04
所要時間:約 4 分で読めます







ゲームクリアか、全滅か。






ピクセルとは、2015年公開のアメリカ映画。日本ではソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの配給で2015年9月12日に公開された。

2010年にパトリック・ジャンが監督、ティム・ハーリヒーが脚本を務めた短編映画が原作となっており、1980年代に世間を圧巻したゲームキャラが地球を侵略してくるという物語であり、現代でも誰もが知っているであろうキャラが多く登場する。

日本でおなじみのテレビゲームが盛り込まれているおかげか日本での評判は悪くはなかったが、そういう色眼鏡抜きで見ているアメリカでは滅茶苦茶評判が悪く、ワースト映画賞であるラジー賞にノミネートされてしまった。

同じレトロゲームを題材にしているディズニー映画「シュガー・ラッシュ」と混同されがちである。どちらもQバートが重要な役周りを果たしており、日本ではマイナーゲームであるQバートの知名度を上げた。


[あらすじ]

1982年、子供たちがアーケードゲームに夢中になっていた時代。サム・ブレナーはゲームの腕を磨き、『センチピード』と『ギャラガ』の世界チャンピオンにまでなり、『ドンキーコング』の世界大会に出場したが決勝戦で敗北し、ゲームの道から遠ざかってしまう。

時は流れ2015年。サムはホーム・シアターの取り付け業者として暮らしていたが、大統領となった親友のウィルに呼び出され、そこで信じられない映像を目にする。それはグアムの米軍基地が『ギャラガ』に襲われている光景だった。さらに同じく親友のラドローから「ヴォルーラ星人」を名乗る人物が地球に宣戦布告をする映像を見せられる。

実は1982年に宇宙人へのメッセージとして送った映像の中にゲームの世界大会の映像も入れられていたのだが、それをヴォルーラ星人は「挑戦状」と受け取り、ゲームキャラをピクセルで実体化させ勝負を挑んだのであった。

この前代未聞の危機に、かつてのレトロゲーマー達が立ち上がる。

[登場人物]

サム・ブレナー/アダム・サンドラ― 吹き替え:柳沢慎吾
本作の主人公。
かつては『センチピード』と『ギャラガ』の世界チャンピオンだったが、現在はホーム・シアターの取り付け業者として生計を立てている。
事件発生によりウィルに呼び出され、ヴォルーラ星人との戦いに挑むことになる。
ゲームのパターンを読み取れる実力を持ち、『センチピード』と『ギャラガ』もこれで制覇したが、パターンが無いとされる『ドンキーコング』は決勝戦での敗北のトラウマから苦手としていたが…


ウィル・クーパー/ケヴィン・ジェームズ 吹き替え:木村雅史
サムの親友。どうしたわけかアメリカ大統領になったが小学校で本を何度も読み間違えたり、妻とじゃれあいながらケーキを食べている映像をスクープされたりと史上最大のバカ大統領とみなされ、支持率も最低だったが今回の事件で支持率を回復させていく。
クレーンゲームが大得意であり、終盤ではこれを生かした活躍を見せる。


ラドロー・レイモンソフ/ジョシュ・ギャッド 吹き替え:かぬか光明
サムの親友。過保護に育てられた上陰謀論者であり、友達もいなかったがサムと出会ったことで友達を得る。
現在ではほぼニートと化していたが、ヴォルーラ星人のメッセージにいち早く気づき、彼も戦いに出ることになる。
本作に登場する架空のゲーム『ドージョークエスト』の主人公であるレディ・リサにゾッコンであり、最終決戦では彼女に刃を向けられるが…


エディ・プラント/ピーター・ディンクレイジ 吹き替え:神谷明
サムのライバル。自称「ファイヤー・ブラスター」を名乗る。
『ドンキーコング』の世界大会でサムを負かした。
現在では様々なスキャンダルを起こし刑務所に収容されていたが、今回の事件で協力を要請される。
挑発的な言動かつ傲慢さが目立ち、協力の際には色々と法外な要求をした。トレードマークであるサングラスにはある秘密が…
日本語吹き替え版では中の人のせいか「もっこり」だの「お前はもう死んでいる」だの聞いたことがある台詞を言う。



ヴァイオレット・ヴァン・パッテン中佐/ミシェル・モナハン 吹き替え:本田貴子
本作のヒロイン。
当初はサムがシアター取り付けのため訪れた家の女房だったが、実は軍の中佐だった。
旦那に浮気された挙句逃げられてしまい、泣きながらヤケ酒を煽っていた。
事件発生により対宇宙人用の兵器を作りサム達をサポートし、決戦では息子のマティが攫われたことで彼女も戦いに赴く。


マティ/マシュー・リンツ 吹き替え:沢城みゆき
ヴァイオレット中佐の息子。ゲーム好きでありそれがきっかけでサムと仲良くなる。
FPSゲームが得意であり、「ラスト・オブ・アス」などのバイオレンスなゲームも好む。
決戦でヴォルーラ星人に攫われてしまうが、宇宙船に潜入したサムに33年前の真実とアドバイスを送り、サムのトラウマを払拭させる活躍を見せた。


Qバート
1982年に発売された同名ゲームの主人公。
「パックマン」をクリアしたサム達に「トロフィー」として贈られ、サム達の仲間となる。
身体はピクセルで構成されているが、砕かれても再生する。
ヴォルーラ星人がメッセージを勘違いした原因を「戦争ばかりしていて、争うこと以外頭になかったから」と説明した。
最後ではなんと…


ポーター大将/ブライアン・コックス 吹き替え:浦山迅
アメリカ海軍提督で、ヴァイオレットの上司。
典型的な軍人…というか反ゲーム派で宇宙人の攻撃も他国の侵略と決めつけたり、サム達の事も認めず、彼らの活躍に不満を抱くなど終始信用しなかった。


ヒル伍長/ショーン・ビーン 吹き替え:田中正彦
イギリス軍伍長。サム達を信用しなかったが、結局何もできなかった。
とはいえ宇宙人の攻撃に際し事情をカモフラージュしながら市民を遠ざけるように誘導しているあたり、そこまで頭の固い人ではない。


バグショー首相/フィオナ・ショウ 吹き替え:一城みゆ希
イギリスの首相。宇宙人撃退のためアメリカ軍に協力する。
小難しい単語や言い回しを使って話すため、ウィルは殆ど理解できていなかった。妙にテンションが高く、印象に残る。


岩谷徹/デニス・アキヤマ 吹き替え:原康義
パックマンの生みの親。
パックマン戦で助っ人として呼ばれ、パックマンを説得しようとするが通じず、右手を食べられてしまった。
その後右手は最終決戦後に元に戻った。

ちなみに岩谷氏ご本人は序盤のゲームセンターでナムコのエンジニアとしてちらりと登場している。




(以下ネタバレあり)

【登場ゲーム】

・ギャラガ
1981年にナムコから発売。グアムの米軍基地を襲撃する。
宇宙に送られた映像が1982年の物だったためか、サムは1981年の物だと見抜いた*1


・アルカノイド
1986年にタイトーから発売。インドを襲撃し、タージ・マハルを破壊した。


・センチピード
1980年にアタリから発売。イギリスを襲撃し、サム達の訓練を受けた米軍が迎撃したがほぼ何も出来なかった。
サムとラドローが交代し見事クリアに成功する。
ちなみに一匹街に逃げたムカデは、何故かエアロビクスをしている老婆のマネをしていた(直後サムに仕留められた)。


パックマン
1980年にナムコから発売。本作ではパックマンが敵で、サム達は専用に改造した車である「MINI・ゴースト」で追い詰めようとする。
パワークッキーを食べればゴーストを食べれる点も再現されており、これにサム達も苦しめられる。
エディのテクニックとサムの機転でクリアするが…
後に別の映画でも敵キャラとして登場した。


ドンキーコング
1981年に任天堂から発売。宇宙船に潜入したサム達に最後のゲームとして用意された。
他のゲームと違いパターンが無いことと、過去のトラウマからサムは苦戦してしまうが、マティの助言を受けてトラウマを断ち切り、クリアに挑む。
そして…


・ドージョークエスト
本作オリジナルの架空のゲーム。
盗賊ピディーとドラゴンから道場を守るため女剣士レディ・リサ(アシュレイ・ベンソン)が立ち向かう…といった内容。
レディ・リサにはラドローをはじめ多くの少年たちが魅了された。最終決戦で敵として現れ、ラドローに刃を向けるが…


スペースインベーダー
1978年にタイトーから発売。最終決戦で上空から現れる。


テトリス
1984年に発売。現テトリス・ホールディング管理。最終決戦でビルを並べたブロックで崩し、消していった。


この他、「マリオ(ドンキーコング仕様)」や「ディグダグ」など一瞬だが数多くのゲームが登場している。




追記・修正はQバートとの間に子供を設けてからお願いします。


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最終更新:2024年02月24日 07:20

*1 現在ではスマートフォンのアプリとして配信されているが、それとも仕様が異なっている