メロ(DEATH NOTE)

登録日:2015/11/17 Tue 22:30:08
更新日:2024/04/21 Sun 12:36:29
所要時間:約 10 分で読めます





メロは『DEATH NOTE』に登場するキャラクター。

1989年12月13日生まれの射手座(初登場時は14歳、その後20歳になり再登場)
※アニメ版では3年のずれがあり、1992年12月13日生まれとなっている。

本名:Mihael Keehl(ミハエル・ケール)
身長:171cm
体重:52kg
血液型:A型
好きなもの:チョコレート
嫌いなもの:自分より優れたもの
CV佐々木望


【人物】

Lの死後、次なるキラの追跡役としてニアと同時に第二部から登場。
幼少の頃はワタリが創設したワイミーズハウスというイギリスの孤児院に住んでおり、ニアに次いで優秀な成績を納めていた金髪の少年。
本名の由来は原作者曰く「特に考えていない」らしい。
名前の感じからしてとりあえずドイツ系っぽい気もするが、国籍等はLやニア同様一切不明。
いくら努力してもナンバー1になれない劣等感からニアを激しく敵視している。
目標としていたLの死をきっかけに施設を出て、ニアとは別行動でキラを倒すべく暗躍し始める。
ニアより先にキラを捕まえることでニアやLさえ越えることを目論んでおり、そのためなら犯罪行為にも平気で手を染めるような危うさを持ち合わせた危険人物。

性格は少し過激な行動派であり、やや感情的になりやすい。
激昂すると短絡的且つ思慮に欠けた行動に出ることもあり、詰めを誤ることもあるため彼の弱点とされている。
一方でその行動力はLや以上のものがあり、単身マフィアに加入しノートの強奪を企てるなど、目的のためならリスクすら顧みない強行手段を取れるのが最大の強み。この辺りは冷静で観察力に長けるが、引きこもりで行動力に欠けるニアとは対象的と言える。
人命を盾にしたメロの作戦は半ば防ぎようが無く、時にニアや月を出し抜くこともあり、最終決戦での決着にも一役買っている。



チョコレートが大好物のようで、暇さえあれば常に板チョコを口にしているL以上の偏食家。
甘いものばかり食べていたL曰く「甘い物を食べても頭を使えば太らない」そうだが、それ以前に健康体を維持できるのか疑問である。
メロもLに負けず劣らずのスリムな身体を維持している……のだが、実は月、L、ニアを含めた四人の中では一番身長に対する体重が重い。
一番アウトドアな気がするが、Lの発言から邪推すると四人の中では一番頭の働きが鈍いということだろうか。(筋肉がついてるからということもあるだろうが)
アジトでは机の上に無造作に置かれた大量の板チョコが確認でき、月が居場所を突き止めた時には板チョコの箱買いで裏付けをとられたこともあった。

ちなみにメロや実写映画版Lのようにパキっと小気味良くチョコをかじるには、実際はかなり固いチョコレートじゃないと難しい。
きっと冷やしてから食べるのが彼の流儀なのだろう。
やってみたい人は一晩冷蔵庫で寝かした板チョコをかじってみると良い。



外見は首にかかるほどに揃えた長めの金髪に、パンクロック風の黒い光沢素材の服や靴を身に着けている。性別は男性で、喋り方もいかにも男性的だが、見た目や顔立ちは女性的な印象を与える。
初期はへそ出しや肩出しなどやたら肌の露出が多い格好をしており、海砂に負けないお色気担当であった。
しかしマフィア壊滅後は顔の左半分に傷が入り、肌の露出も一気に控えめとなった。
流石のメロも冬の屋外の寒さには耐えられなかったらしい。
また髪の毛は手入れができなくなったのかザンバラになっており、作画原作者にも「後半のほうが断然お気に入り」と言われるほど一気に貫禄がついた。
変装時にはサングラスをかけたり、時には引っ越し業者の格好をしたことも。
所持している携帯電話や車などのデザインも特徴的であり、一言でいうとイカツイ。
パンクロック風な私服といい、メロの趣味だろうか。
所持している銃はベレッタM92 INOX。
ついでにBGMもターミネーターっぽいテーマでイカツイ。

目元はニア同様にL譲りの真っ黒な三白眼をしており、三人の中でも特に目つきが悪く、Lのような不気味な雰囲気……

というよりは単純にヒールっぽい面構えとなっており怖い。
マフィアどころか死神すらひと睨みでビビらせる。
流石に弱冠20歳で一大ファミリーを取り仕切っていただけのことはあって、ニアでさえはっきり『怖い』と言ってたりする。



基本的に劇中での扱いはあまりよろしくない。
登場直後こそ物語をめちゃくちゃに引っ掻き回し月を追い詰めたが、一度撃退された後は出番のほとんどをニアに奪われてしまった。
最後こそニアのトリックに一枚噛む活躍があったものの、基本的にこれといった見せ場はないまま死んでしまって、作画は大いに落胆したそうである。
終いに公式からでた解説本には『かませ臭漂う負け犬』とまで書かれてしまった。
なんとも残念なキャラである。


【性格・思想】

Lやニアの比ではないレベルで手段を選ばず、人質を盾にした法外なやり方でキラを追い詰める。
これについて13巻では「Lよりキラに近い発想」と評されたり、作中でニアに「ノートでキラ同様世界を牛耳るつもりかもしれない」と邪推される場面もあった。
しかし上記の通りあくまでメロ本来の目的はLやニアを超えることであり、ニアより先にキラを倒すことが唯一の行動理念だったようだ。
ただしキラを捕まえることはあくまで手段としてしか捉えていない節が強く、L・ニア・月らと違い作中でキラ社会の是非について語ったことは一度もない。
目的遂行のために罪のない人間を殺害・拉致したり、アメリカ大統領を脅迫した結果月の後押しがあったとはいえ彼の自殺を招いたり。
社会秩序や倫理を乱すことにもまるで躊躇がみられない、ある意味でキラ以上に危険な思想の持ち主。



幼少時から一貫して敵わなかったニアに対しては多大なコンプレックスを抱いていて、そのことが人格形成にも大きく影響したようである。
時にはニアの挑発じみた言動に対して本気で銃口を向けたこともあり、殺意にすら転じかねない強い敵愾心を燃やしている。
そのためニアに勝つためならばどんな犯罪行為に手を染めることも厭わず、キラ事件もあくまでニアとの勝ち負けを競うゲームだと考えているようである。

ワイミーズハウスにいた頃はいじめっ子だったようで、年下と思われるちびっ子の髪の毛を引っ張りながら連れ回していたシーンもあり、施設の管理人であるロジャーに止められていた。
一方でニアに勝つための努力は怠らなかったようで、夜な夜な書物やパソコンに向かっていた秀才としての側面もあるようである。
このような秀才タイプの才気や感情的になりやすい性格、また犯罪で犯罪を制する考え方はLよりも月やキラの方に近い性質であり、作中では「キラを追う犯罪者(キラ)」と評されたり、月やニアに「何を考えているかわからない」とまで言われてしまっている。



マフィアのファミリーを取り仕切っていた時には仲間のことは単なる駒としてしか扱っておらず、必要とあらば顔色一つ変えずにその命を切り捨てることさえあった。
またノートを強奪した後に元々の持ち主である死神シドウが降りてきた際は、たまたまノートの所有権を有していたカル・スナイダーに対して残り半分の寿命を失う目の取引を底意地悪い笑顔で強要した。
この時の恨みからなのか、スナイダーのプロフィールには『嫌いなもの:メロ』と直球で書かれており、組織の新参者ということもあってボスであるロッド・ロス以外のファミリーには疎まれていた様子。

一方で、高田誘拐時にワイミーズハウスの仲間であったマットが死んだ時には「すまない……」と心の中で謝るところも見られ、更に自らも危険を冒して「俺がこうしなければ……」と自己犠牲ともとれるような独白をしている場面もある。
ニアやキラへの敵愾心以外に人間らしさを覗かせた、数少ないシーンであったといえるだろう。


ただ、道徳や倫理に縛られないメロの行動はある種キラに対する強みでもあり、ノート強奪の一幕はもちろん、Lが成し得なかったノート検証等によってニアのキラ捜査を大きく進展させることもあった。
ニア自身、メロの行動を犯罪と知りながら黙認している部分があり、時に助け舟を出して庇ったりしながら積極的に泳がせている。


ちなみにプロフィールにある『自分より優れたもの』というのは、主にニアのことを指していると思われる。
キラに関しては、彼が語り手を務めるノベライズ版のプロローグで『殺人ノートの能力と頭の悪い死神に終始おんぶにだっこしているらしい調子づいた殺人鬼』と手厳しく評価しており、原作でも敵意をむき出しにする場面が見られた。
一方でLのことは『世紀の名探偵』として尊敬しているようで、原作でも「メロの行動は尊敬するLの死に報いるため」と嘘っぽい表情のニアに庇われたりしている。



【劇中での活躍】

過去にワイミーズハウスでLとモニター越しに対面する機会があり、その時に何も喋らずLを観察しており、かつ目付きが悪かったという理由でニアと共にLの後継者候補として見出される。
しかしLの死後、二人で力を合わせて頑張ったらどうかというロジャーの提案を断り、Lの座をニアに譲って1人施設を出て行く。


その後はマフィアと手を組み、独自にキラを倒すために行動を始める。
優秀な頭脳と卓越した行動力で巨大ファミリーを牛耳り、法外な行動力と権力を手に入れたメロは、日本の警察庁にノートがあることを知り長官の誘拐を企てる。
しかし長官がキラによる殺人で死んでしまうと、次は警察庁次長の娘である夜神粧裕を拉致し、ノートとの交換を日本警察に持ちかける外道っぷりを披露。
(ちなみにここから徐々に夜神家の人々は追い詰められていくことになる。特に月の妹である粧裕は一部の大きいお友達のハートをがっちり掴んでいたため、悲壮感漂う人選となった)
ハイジャックや殺人、果てはミサイルの発射まで、ありとあらゆる法外な手段を使ってキラとニアを出し抜きノートの強奪に成功。
これにより強気になったメロは敵対組織であるSPKのほとんどのメンバーを殺害、更にアメリカ大統領(アニメではカット)やL率いる日本捜査本部を脅迫する。
順調にキラを追い詰めていくメロだが、死神の目のトリックによって状況が逆転。
月にアジトを突き止められファミリーも壊滅し、夜神総一郎により名前を暴かれノートをも奪われたメロは爆発の中1人逃走する。


寝床を失ったメロはSPKメンバーのハル・リドナーの元へ転がり込み、得意の脅迫によって寝床と捜査情報を入手。
一週間のヒモ生活を経て、ニアにリドナーとの内通を読まれたメロはバスルーム内でのリドナーからの誘惑に動じることもなく直接ニアのところまで出向き因縁の再会を果たす。
その後はリドナーを解放し放浪生活へ。しばらくは鳴りを潜め、ワイミーズの仲間であるマットと組んで裏から行動の機会を伺うようになる。

この辺りからメロの影は一気に薄くなる。

ちなみにこの間もリドナーとは連絡を取り合っていたようで、SPKや日本捜査本部の状況を随時把握していたようである。

そしてキラの代役をこなしていた魅上によってNHNアナウンサーの高田清美がキラのスポークスパーソンに選ばれ、リドナーがその側近になったことを利用して行動を開始。
リドナーに便宜を図らせて高田の誘拐を強行し、高田を全裸に剥いて発信機を処分して追跡を振り切り、高田からキラを辿ろうとする。

しかしこの時ばかりは流石に焦っていたのか、高田のことを拘束することもなく、更に高田の下着を脱がせる際に毛布を渡す紳士的行動さえ見せた。また、この時に囮役となったマットは過激派の一斉射撃によって落命している。
切れ端で殺せることを知らなかったのか、単純に油断していたのか、いずれにせよ既に本名を晒していたメロは高田の隠し持つ切れ端に名前を書かれ、あっさり殺されてしまう。
メロの劇中での出番はここで終わっているが、実はこの誘拐によって月とニアの対決に不確定要素が入り込み…







【実写版】

ドラマ版ではなんとニアの持つ人形として登場。
原作の指人形オマージュとかいう話ではない。本当に人形なのである。
その正体はニアの中に眠る別人格であり、人形を媒体に腹話術で会話している……というもの。
人形の造形や設定がなんともホラーチックであり、狂気を感じた視聴者も少なくないとか。

ちなみに映画版の方には一切登場せず、またアニメも二部以降のストーリーの尺が削られていたため、カットされたメロのシーンも多かった*1
したがってストーリーを再構成するにあたってメロの扱いは悪くなることが多いが、このドラマ版の思い切った設定はまさに別格であった。

一度見てしまえば、一体メロとはなんだったのだろうかと考えずにはいられないであろう。



【スピンオフ】

スピンオフ小説「ロサンゼルスBB連続殺人事件」では語り手役をつとめる。人気や能力とは裏腹な不遇ぶりとは対象的にこちらではメインキャラの一人となっている。
この小説は「Lから聞いた事件の思い出をメロが遺書代わりに書き留めたもの」という体なのだが、
この行動からすると彼は「高田を誘拐すれば自分も殺されかねないもののキラが本物のノートを持ち出す」という予測をした上で動いていたのかもしれない。
本編でもこれを匂わせるような発言はしているが、明言はしていないので真相は闇の中である。



【余談】

  • 命日は2010年1月26日(アニメでは2013年1月26日)であり、主要人物の中では最も若い21歳にしてこの世を去っている。



「キラの首……そしてキラに関わらず邪魔なものは追記・修正し、一番になる!」

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最終更新:2024年04月21日 12:36

*1 特にディレクターズカット版ではメロが最も活躍したと言えるマフィアのエピソードとのが丸々カットされ、メロの出番は序盤と最期のシーンのみとなっている。他にもメロの相棒のマットや夜神総一郎等も一切登場しない