神崎ユウイチロウ(カードファイト!ヴァンガードG)

登録日:2015/12/21 (曜日) 00:00:00
更新日:2022/08/01 Mon 21:39:35
所要時間:約 5 分で読めます



ジェネレーションゾーン、解放!!

天上天下・唯我独尊!真なる力よ、我が元へ!!
超ォォォォォォォ越ッ!!


神崎ユウイチロウとは、「カードファイト!!ヴァンガードG」に登場する敵キャラクターである。担当声優は子安武人。
高身長に黒いスーツ、紫色のかなりボリュームある長髪で、目の上には髪と同じ色のアイシャドウをした派手な見た目の男。
ヴァンガード普及協会ユナイテッドサンクチュアリ支部の支部長であり、シャドウパラディンのクランリーダーを務めている。
強さを絶対至上主義として「弱さは罪」というスローガンを掲げており、強者は勝ち続けることにより絶対的な地位が約束されるが、弱者や敗者はその地位を失い、苛烈な責め苦、最悪の場合切り捨てるという体制を取るユナサン支部の支配者なだけはあり、非常に高慢かつ尊大な人物。
ヴァンガードG第一シリーズの実質的なラスボスであり、その存在感は強大である。

趣味は乗馬。
彼の勤めるユナサン支部には何故か乗馬コースが存在している。
そして、馬に乗りながらユナサン支部のコーチを務めている伊吹から書類を受け取ったり思案にふけながら障害物を飛び越えるシーンも存在する。
……色々おかしいが支部は支部長の趣味が反映されていることが多いので、乗馬コースがあってもなんら不思議ではない、と思いたい。
実際、ドラゴンエンパイア支部も支部長の趣味で仕事部屋に木馬などの玩具が置かれていたりするし。













と、ここまで書いたはいいが彼は(ネタ的な意味でも顔的な意味でも)非常に濃い人物なのである。



【神崎支部長の活躍(ネタバレ注意!)】

初登場は第一シリーズ第27話。サブタイトルは「神崎ユウイチロウ」。
彼の初登場シーンから見たい!と言う方にはすぐに見つけやすいサブタイトルをしているので非常に親切である。

地区大会予選前のエキシビションマッチでゲストとして招かれ、前回大会優勝者の「たちかぜ」使いの男、豊山と戦う。
豊山のたちかぜらしくパワフルな戦術に押され、ダメージ5の状態にまで追いつめられる。
その時、神崎の取った行動とは……

観客「な、泣いてる…?

そう、神崎の目から涙がこぼれていたのだ。

「お、おい、いくら追いつめられたからって泣かなくても……」

ついに対戦相手に気を使われる始末。だが……




「弱い! あまりに弱い! これが優勝者だと!? 悲しいほどに弱いぞォォォォォォォォ!!」

エキシビションマッチだというのに、まさかの落涙→暴言のコンボ。
そして、自分のターンが回ってくると、《覇道竜 クラレットソード・ドラゴン》をライドし、さらに切り札のG4《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》を超越。
……超越コストである手札のグレード3を拳で叩きつけながら。台パンはマナー違反なので皆は真似するなよ!
《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》の能力により手札を稼ぎ、更にパワーを上げることでたちかぜの恐竜ユニットを文字通り踏み潰した。
このたちかぜ使い、その当時まではなかなか不遇な扱いを受けていたクランであるたちかぜで大会に優勝したぐらいなので、実力は相当なものであると思われるのだが、それを正面から叩きのめしたわけである。

あまりの奇行……もとい強さに観客達は静まり返った。うん、そりゃそうだろうね。
勝利した際のインタビューでは彼なりの激励を観客に浴びせ、マイクをブン投げて立ち去った。


その後、ユナサン支部でヴァンガードの訓練を受けていたクロノの友達、タイヨウの様子がおかしくなったことから、クロノ達トライスリーがユナサン支部に潜入するも、神崎は彼らの不審な行動を察知、ドッグトレーナー達にトライスリー全員を自分の前まで連れて来させた。
物怖じしないクロノからユナサン支部の体制に異を唱えられたため、「ファイトに勝利すれば変えてやろう」としてトライスリーに勝負を挑む。
特殊な装置を使い、三人同時にヴァンガードファイトを並行しトライスリー全員を3タテした。

あまりの化け物ぶりである。

だが、そのファイトでクロノの使用したクラン「ギアクロニクル」がかつて自分を打ち負かした人物と同じクランであったため、彼に興味を持つ。
また、確かにトライスリーは全員負けたが、神崎はトライスリーの強さを認め激励の言葉を送っている。

程なくして、リベンジとしてトライスリーはユナサン支部からの挑戦でスペシャルマッチに参加することとなる。

シオンとトコハは以前地区大会で自分を打ち負かした相手「チームディマイズ」のメンバー、東雲ショウマと羽柴リンにそれぞれリベンジを果たす。
が、その最中で神崎は研究途中であった奇跡のカード「ディペンドカード」を自分の腹心である伊吹に盗まれてしまう。
その時に伊吹が残した聖書の一遍が英語で書かれた手紙を再び潜入してきたクロノ達の前で読み上げ、裏切られたにも関わらずしてやられたと腹を抱えて笑い声を上げる。
……感情表現があまりにも豊かで、まるで少年のようなお方である。

ディペンドカードとは何も書かれていない白紙のカードではあるが、持つ者に奇跡を与えるとされているカードである。
ヴァンガードファイターの持つイメージ力から抽出される奇跡を呼ぶ力を「ストライドフォース」と呼び、そのストライドフォースを集め、ディペンドカードに注ぎ込むことによりカードを覚醒させるというのが神崎の目的である。
ユナサン支部に独裁体制を敷きファイターを過酷に育成しているのは、ユナサン支部のファイターからストライドフォースを集めるためである。
……色々突っ込みどころが多いが、カードゲームアニメではよくあることである。
神崎は、自分を矮小に感じるほどに強い存在に打ち負かされたことから、いつしかその敗北で垣間見た奇跡と呼べるほどの存在を見たいと思うがために奇跡のカードを作り上げようとしていたのだ。
伊吹にディペンドカードを奪われてしまったことでその野望も潰えてしまったが、神崎支部長は伊吹の強さを認めており、彼のような男にしてやられたのであれば構わないと言う器の大きさを見せている。


そして最終局面。
タイヨウを倒したクロノが、神崎に挑戦を申し込む。神崎もこれに応え、クロノとの最終決戦が始まる。
《暗黒騎士 エヴニシェン》《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》など強力なGユニットを超越するも成長したクロノにはこれらも決定打にはならず、遂に一度目で使うことのなかった切り札《覇道黒竜 オーラガイザー・ダムド》を超越し、最大の壁としてクロノの前に姿を見せることとなる。
しかし、クロノの「ファイトを楽しむ心」にクロノの仲間達も、神崎を応援していたユナサン支部のファイター達も、そして神崎も心を動かされる。
絶対王者と言う立場からではなく、一人のファイターとしてクロノと同様にユナサン支部のファイターから声援を受ける神崎。
最終的には、クロノがディペンドカードとは別に伊吹に託された切り札《クロノドラゴン・ネクステージ》を超越、《クロノドラゴン・ネクステージ》のアタックと能力が決定打となり、勝負はクロノの勝利で幕を閉じた。
……が、熱いシーンのはずなのに非常にシュールな展開が起こる。

現実のものとなった《クロノジェット・ドラゴン》が神崎の顔面に右ストレートをぶち当てる
 ↓
神崎、足場から吹っ飛ばされステージに設置された水面に池ポチャ
 ↓
沈められるもぷかぷか浮き上がり、ずぶ濡れ状態でステージに戻ってくる

という、なんとも締まらない負け方をしているのである。

……まあそれはさておき、神崎はクロノの熱い想いによって自分では到達できなかった奇跡を目の当たりにしたことで自身の敗北を認め、自分自身の「弱さは罪」という信念に従い、支部長を辞任することを表明。
奇跡を起こすには自分の力が足りなかった、そう気付いた神崎支部長はユナサン支部を立ち去るのであった。
……ビルの壁面を馬に乗って垂直に駆け下りながら。


ビルの壁面を駆け下りる馬と、それを乗りこなす神崎元支部長の方が奇跡のような存在であるような気がするが、深く考えてはいけないのだろう……。

なお、ユナサン支部の事後処理は腹心であった伊吹が行い、神崎支部長の後釜にはレジェンドファイターである雀ヶ森レンを置くこととなったらしい。



【使用デッキ】
超越をメインとした【シャドウパラディン】のデッキを使用。
デッキからのスペリオルコール、ユニットを犠牲にしてアドバンテージを得るといったシャドウパラディンのお手本のような戦術を得意としている。
特に《覇道竜 クラレットソード・ドラゴン》の能力でグレード1以下のリアガードを増やし、自身の象徴でもある《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》の能力によりリアガードを犠牲にする代わりに山札の上から2枚を公開し、公開したグレード1以下のカードの枚数だけパワー+5000を得る、後に公開したカードを手札に加えて返しのターンに備えるという攻防一体の戦術を主軸としており隙がない。
攻撃を守りながらも相手を踏みつぶす、まさしく彼の敷くスローガン「弱さは罪」を体現したデッキであると言える。
《覇道竜 クラレットソード・ドラゴン》も《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》もドラゴンに見えないというのは言わないお約束。
ちなみに、《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》の能力を初めて使ったときは「山札から2枚を手札に、完全ガード!」と宣言したため、完全ガードを手札に加える能力か!?と勘違いした視聴者も少なくなかった。



【ファイトの実力】
強い。とにかく強い。
前述した通り、トライスリーと同時にファイトを並行したとしても3タテするほどの実力者。
しかも引きがやたら強く、ダブクリなどは当たり前、《覇道黒竜 オーラガイザー・ドラゴン》の能力では高確率で《カルマ・コレクター》を公開し、終いには2枚どちらとも《カルマ・コレクター》であったこともある。
余談だが、作中では珍しく「超越」を「ストライド」ではなく「ちょうえつ」と読んでいる。



【ユナサン支部】
神崎支部長の圧倒的強さによるカリスマ性と「弱さは罪」の理念に賛同し集まったファイターで形成されている支部。
他のクランリーダーは神崎支部長と理念が合わないために退任したとされているため、クランリーダーは神崎支部長ただ一人。
コーチに伊吹コウジを置き、代表選抜チームの「チームディマイズ」が存在している。
チームディマイズのメンバーは東雲ショウマ、羽柴リン、明日川タイヨウの三人。当初は刈谷スギルというメンバーがいたが、地区大会でクロノに負けたためチームを外され、現在は便所掃除を務めている。
使用デッキは東雲が「ジェネシス」、リンが「エンジェルフェザー」、タイヨウが「ゴールドパラディン」と全てユナイテッドサンクチュアリのクランで統一されている。ちなみに刈谷はあの星輝兵を軸とした「リンクジョーカー」。
支部のファイターは日夜特訓に励んでいるが、その特訓内容が

  • 講堂で「弱さは罪」と大きく書かれた看板を全員が胸に手を当てながら声を揃えて読み上げる。
  • 「スタンドアップ!」と掛け声を上げながら上半身裸で腕立て伏せをする。

……など、非常にシュール極まりない訓練内容もある。
これでどうやってヴァンガードが強くなるというのだろうか。確かにアイチ達も似たようなことはしていたが。
また、ファイターを管理する職員として鞭を所持し、ファイトに敗れたものを羽交い絞めにし強制的に連行する刑務所の看守のような恰好をした「ドッグトレーナー」と呼ばれる者達も存在している。彼らもヴァンガードファイトの実力は高いようだ。

ちなみにヴァンガードZEROで語られた内容によるとやはり実力者揃いの支部ということもあり取材や見学者は多いものの、ユウイチロウの暴走で台無しになっているのが日常だったらしい。



【ラスボスとして】
この神崎支部長、実はヴァンガードのラスボスとしては異例の人物である。
今までのラスボスはアイチ、櫂、レン、レオンなどといった少年だったのに対し、神崎のみ成人男性である。
また、今までのラスボスは力に憑りつかれ暴走したり、世界の命運よりもライバルを倒したいという動機で動いていたり、クラン復興のために他のクランを滅ぼそうとしたりしていたが、彼は奇跡の力が見たいというなんともロマンチックな目的のために動いていた。
感情表現豊かな上目的もロマンチックであるため案外少年のような心を持っているのかもしれない。手段が支部の独裁運営、しかも内容が内容だったので褒められたものではないが。

さらに言うと自身の敗北を認めてこそいるが、完全に改心したわけではないという点もこれまでのラスボスとことなり、今後再びクロノたちの前に敵として立ちはだかるであろうことを匂わせている。

また、特殊能力持ちだったりリンクジョーカーの力により強化されていた今までのラスボスとは違い、神崎はそのような特殊な力を使わない、ただ純粋に突出した実力を持っているだけラスボスである。
支部長クラスの実力は歴代のレジェンドファイターには及ばないものだと推測されるが、支部長はPSYクオリア並みの引きの持ち主であるので下手をすれば彼らに匹敵するかも知れない。




【馬】
少なくとも三頭の馬が飼われている事が確認されており、何故か「週刊ヴァンガ情報局」にて三頭とも名前が公開されている。
白い馬が「ヴンダー ヘルシャフト(支配)」、茶色は「ヴンダー エーアガイツ(野心)」、黒が「ヴンダー アドヴェンド(降臨)」とそれぞれドイツ語で名付けられている。
ビルから駆け下りたのはエーアガイツ。これは野心を捨て去った、というメタファーなのだろうか……。




追記修正は馬でビルの壁面を駆け下りてから。

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