インサイド・ヘッド

登録日:2015/12/25 Fri 18:24:09
更新日:2024/04/27 Sat 21:15:55
所要時間:約 4 分で読めます





はじめまして 私たち、あなたの中の<きもち>です
観終わったら、あなたはきっともっと自分を好きになる―


「インサイド・ヘッド(原題:Inside Out)」とは、ピクサー長編アニメーション20周年の記念CGアニメーション映画である。
監督/脚本は『トイ・ストーリー』や『カールじいさんの空飛ぶ家』を手掛けたピート・ドクター。
2015年7月に日本で公開された。

制作:ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ


この映画の制作当初、なんとスタッフはわずか8人しかいなかった(最終的な人数は200人を超えている)。
制作期間も、これ一つで何本もの長編映画が作れるほどだと言われている。
映画制作のきっかけは、監督の娘の成長による、娘の感情の変化によるもの。また、監督はこの映画を作るにあたって、多数の心理学者の意見を参考にしたという。


「頭の中」を舞台にした映画であり、人々の感情に着目したものである。
「頭の中」という抽象的で一見わかりにくいものを絵で表現する技術はさすがディズニー・ピクサーといったところか。

続編『インサイド・ヘッド2』が2024年に公開。

あらすじ

アメリカのミネソタに住む11歳の少女、ライリー。
おふざけ大好き、アイスホッケー大好き、両親とも仲が良く、「楽しい」日々を送っていた。

しかし父の仕事の都合で慣れ親しんだミネソタから、都会のカリフォルニアに引越しをすることになる。
新しい土地での生活になじめず、笑う機会も次第に減っていってしまった。

そんなライリーの頭の中に居る5つの感情。「ヨロコビ」「カナシミ」「ムカムカ」「イカリ」「ビビリ」。
彼らが「司令部」のコントローラーを操縦することで、ライリーの「感情」が表現される。

引越しによって苦しい心境が続き、そうした中それが原因で「ヨロコビ」と「カナシミ」が司令部の外に放り出されてしまう。
このままではライリーから「喜び」と「悲しみ」が永遠に失われてしまう…
はたして、ライリーの運命は?


登場人物

  • ライリー・アンダーソン [CV:鎌田英怜奈(幼少期) / 伊集院茉衣(現代)]
元気いっぱいな11歳の女の子。父の仕事の都合で、ミネソタからカリフォルニアに引っ越してきた。昔から活発でホッケーが大好き。
以前の環境が良かったと思って止まず、新しい地での生活に苦労している。
嫌いなものはピーマン(アメリカ版ではブロッコリー、これはアメリカの子供と日本の子供の「嫌いな食べ物」が異なるため)。

なお、予告動画などを見るとライリーが主人公であるかのように映るが、実際に主導権を握っているのは以下の感情たちで、 ライリー本人の映像はかなり少ない。


  • ライリーのママ、パパ [CV:田中敦子、花輪英司]
「パパは一生懸命がんばってる だからライリーとママの笑顔で元気にしてあげたい パパのためだから、できる?」
「木曜日って約束してた投資家が来たそうだ すぐに行かないと」

ライリーの両親。
引越しするまではライリーにたっぷりの愛情を注いでいたが、引っ越し後は仕事や引っ越し業者とのトラブルのせいでしかめっ面をすることも。
ライリーの心境の変化を理解できずにいた。

ちなみにパパは、かつて若いころにバンドでギターを演奏していた。


  • ヨロコビ [CV:竹内結子]
「わかるでしょ、ライリーをよく知ってる私に全部任せて!」

本作の実質的な主人公。姿形は人と同じ。
人一倍働き者で、「ライリーを幸せにしてあげたい」という確固とした思いの元活動している。
とにかくポジティブ思考で、悪い環境の時も明るい話題を欠かさない。

一方で、場の空気を読めない一面もあり、時として自己中心的になることも。
特にカナシミの存在を嫌っており、司令部内で隔離しようとしたこともあった。他者の意見を聞かずに強引に自分の考えを押し通すことも少なくない。

今回はそのカナシミと共にライリーの頭の中を彷徨うことになったのだが、その中でヨロコビは、カナシミのある「可能性」を発見し…。


  • カナシミ [CV:大竹しのぶ]
「わかった…前向きに迷子になるように…考える」

大きな頭とメガネが特徴の感情。

ヨロコビが「超ポジティブ」なら、カナシミは「超ネガティブ」。非常に根暗な性格。
やることがマイナスに働いてしまい、また周りのテンションを下げることも得意。
ヨロコビもこいつにはウンザリしている。

一方で落ち込んだビンボンに寄り添い、立ち直らせる一面もある。

ラストでは「自分なんかいなければいいのに」と自暴自棄になってしまうのだが…。

実は本映画のテーマの一つが、この「カナシミの存在」である。


  • イカリ [CV:浦山迅]
「そうか、駆け引きしようってのかおやっさん?デザートなし?ああ、わかったよちゃんと食ってやる その前にお前は、これでも喰らえ!」

低い身長とスーツが特徴の感情。
5人の中で一番行動力があり、またうるさい。曲がったことが大嫌いで、正々堂々と売られた喧嘩は買う。
暴力に身を任せた乱暴な性格でもあり、また激昂すると頭から炎を噴射する。

中盤、ヨロコビとカナシミがいない間に司令部の舵を取り、ライリーのためにある計画を実行するが、そのせいでライリーが腑抜けになってしまう。


  • ムカムカ [CV:小松由佳]
「言ってもいいけど、どうせ言っても理解できっこないでしょ 頭の中身スカスカだもんね〜 あなたのレベルでわかるように話さないとダメよね〜」

長いまつ毛とおしゃれなドレスが特徴の感情。
ライリーが嫌いなものを遠ざけることができるが、一方で陰湿でワガママだったりする。
女の子らしい性格でもあり、5人の中で一番オシャレや清潔さに敏感。
毒舌と煽りスキルが5人の中で最も高く、ドS全開の表情でイカリをキレさせることも。そしてこれがヨロコビとカナシミを救出する決定打となった。


  • ビビリ [CV:落合弘治]
「ここには少なくとも37個、怖いものがある!」

ノッポ体型と蝶ネクタイが特徴の感情。
ライリーを危険な事から守る役目を持つが、心配性な一面もあり隕石の衝突を四六時中恐れている。
イカリの暴力を常にくらうハメになっている可哀そうなやつ。

ちなみに、当初の案では冒険をするのは「ヨロコビとカナシミ」ではなく、「ヨロコビとビビリ」の2人であった。



これらの5つの感情は、ライリーの頭の中にだけ起きている特殊現象とはなっておらず、全ての人が感情を持っている。
映画の途中ではライリーだけでなくパパとママの脳内の感情も描かれる他、
スタッフロール映像では街中の様々な人物の脳内を映している。そのおかげで大変カオスな映像が繰り広げられている。
「すべての人物に感情があり、その感情にも理由がある」ということをよく表している。


  • ビンボン [CV:佐藤二朗]
「大丈夫だよ、いつも通っているんだから 近道なんだって ほら、入るなキケン、ほらね〜」

かつてライリーが幼い頃、ライリーの空想の友達として一緒に遊んでいた存在。
胴体は綿あめ、尻尾はネコ、鼻はゾウ、鳴き声はイルカ、涙はキャラメル味のキャンディーと多彩な特徴を持つ。

現在ではライリーが成長したこともあり、殆どお呼びがかかることがなくなった様子。
しかし彼はライリーのことを今でも覚えており、声がかからなくなった今ではライリーの「記憶の保管庫」を彷徨っていた。
女子高生になっても「エア友達」として空想の友達と仲良くやっている奴がいた?おいやめろ!

幼少期のライリーの友達ということもあり、性格は陽気。ライリーとバンドや鬼ごっこをしたこともあり、「歌」をエネルギーとして飛ぶロケットも持っている。
一方で(本人に悪気はないものの)幼稚で浅はかな思考のために周りに迷惑をかけることも少なくない。

司令部から飛ばされたヨロコビとカナシミに偶然遭遇し、「もし司令部に無事戻れたら、ライリーとまた遊ばさせてあげる」という約束の元ヨロコビ達を司令部まで案内する。

本映画における涙腺破壊兵器の1つ。


  • 空想のボーイフレンド
「ライリーのためなら死ねる」
つい最近、イマジネーションランドで生まれた少年。造形が他の住人と違ってリアルでナルシストな言動をする。量産可能。
終盤、思わぬところで再登場する。



用語

  • 司令部
ライリーの感情や過去の思い出を呼び覚ますコントローラーが設置されている場所。ライリーが起きている間はヨロコビたちがここで感情を操作することで、様々な色をした思い出の玉が生まれる。


  • 思い出の玉
ライリーの様々な記憶が詰まった玉。それぞれの感情に対応した色をしている。
1日が終わるとチューブを通して保管場所へ送られ、古いものや興味のない玉は係によって定期的に捨てられる。たまにガムのコマーシャルソングみたいな変な玉を残したりする。
ライリーの人生にとって特別な意味を持つ玉は司令部に厳重に保管されている。


  • 性格の島
ライリーの性格を表す重要な場所で、特別な思い出の玉によって生まれる。
例えば、初めてホッケーでゴールを決めたときの喜びの玉は「ホッケーの島」となって存在することで、彼女の人生に大きな影響を与えている。
思い出を捨てることで崩壊し、復活はしない。


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最終更新:2024年04月27日 21:15