パラダイ星人/キングパラダイ

登録日:2016/01/18 (月) 08:45:15
更新日:2024/01/20 Sat 09:33:50
所要時間:約 4 分で読めます





パラダイ星人及びキングパラダイとは、ウルトラマンレオ第28話「帰ってきたひげ船長」に登場した宇宙人とその宇宙人が変身した怪獣である。


●概要

■パラダイ星人

別名:海棲人

(大人)
身長:1.8メートル
体重:98キログラム

(子供)
身長:1.3メートル
体重:35キログラム

  • 特徴
典型的なヒューマノイド型宇宙人で、緑色をした長髪と鋭い爪を持っていること以外の外見はほぼ地球人と同じ。
固有の能力としては、テレパシー、テレポートを使い、身体能力も地球人よりは上。
地球には海洋調査のために来訪し、亀型の宇宙船で海底に潜んでいた。

劇中に登場したのは大人ふたりと子供ひとり。ほか、女王と呼ばれる存在*1が彼らを統率している。
地球人に対して積極的な敵意は抱いていないが、
攻撃をされると事情も考慮せずに報復をかけるなど血の気は多い模様。
基本的におとなしい星人ではあるものの、劇中で度々見せたように問題行動も多い。


■キングパラダイ

別名:星獣
身長:60メートル
体重:4万トン

  • 特徴
ふたりのパラダイ星人が合体して変身巨大化した怪獣。
半魚人のような姿をしており、武器は怪力と長い尻尾。
その他にヒレのような耳から青色の破壊光線を発射し、口からは緑色の煙を吐く。
また、体を球体に変えて飛行することも可能。


●作中での活動

地球に密かに来訪し、海中に宇宙船ごと潜んでいた。
だが、星人の子供がひとりで周辺の漁村へと上陸し、星人と見破られてしまったために村人たちから暴行を受ける。
(上記のとおり、ほぼ地球人と同じ姿をした宇宙人なのにどうして星人と見破られてしまったかは不明。
 もし外人の子供だったりしたら村人全員殺人犯だがわかっていたのだろうか?)

そこへトオル少年たちとたまたま近くにいた遠洋漁船の船長が通りかかってかばわれたおかげで難を逃れる。
パラダイ星人たちは船長を恩人として宇宙船に招く一方で、村人たちに対しては大人ふたりを上陸させて報復を開始する。
しかしトオルからの連絡を受けて駆けつけたおおとりゲンの妨害で大人ふたりは度々現れるも撤退する。
(この際は逃げ惑う村人を無言で一方的に追い立てていた)

対して船長には宇宙船の中で見たこともないごちそうを振舞って歓待し、おみやげとして黄金のパイプを渡す。
(この時点で嫌な予感がした人は正解)

そして地上では、ついに地球人を悪魔とみなした女王の命令でふたりのパラダイ星人が空中で合体してキングパラダイとなる。
ゲンはキングパラダイの攻撃で失神し、出撃してきたMACもあっさりと撃退され、キングパラダイは漁村を破壊しまくる。
だが、ようやく目覚めたゲンがウルトラマンレオに変身し、戦闘へ突入。

戦いは最初こそ破壊光線や黒煙からの目くらましで互角に戦うものの、
レオが切り返しを始めてからは尻尾をだんご結びにされて封じられたあげく耳を引きちぎられて光線も使えなくなってしまう。
それでも戦いを続けたが、レオに格闘戦でかなうわけもなく、一方的にボコボコにされてしまう。

そして球体に変身して空中に逃れようとしたが、耳を投げつけられ戦闘再開。最後は再び球体に変身して逃走しようとするがレオクロスビームで狙い打たれて爆死してしまう。
結果、終始レオのテーマが流れ続けた上でカラータイマーも青のままで戦いが終わってしまった。
その後、宇宙船と残ったパラダイ星人の行方は不明。



●余談

物語の流れを見ればわかるとおり、本作のエピソードは「日本名作民話シリーズ」のひとつで「浦島太郎」を下敷きにしたものである。
星人の立ち位置としては、悪意のない宇宙人が地球人からいわれのない差別を受けるという、
ウルトラシリーズ普遍のテーマを使用しているが、この場合は星人側にも非が多く、『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」でのメイツ星人とは違い被害者とは扱われにくい。

  • 地上に身を守る術を何も持たない子供をひとりで上陸させている。船長が止めに入らなければ本当に殺されているところだった。
  • 地球人から攻撃を受けたことは確かだとしても、自分たちが勝手に他人の土地に上がりこんだ侵入者だということを自覚していない。(メイツ星人は、メビウスに登場したビオが「勝手に地球に侵入したこちらにも非がある」と認めている)。
  • 地球人に対して、自分たちの立場を一切説明しようとしていない。
  • 子供を囮にして村人をおびき寄せて大人が襲うという卑怯な真似をしている。
  • 船長がおみやげにもらった黄金のパイプを吸ったらおじいさんになってしまった。(一応、そのパイプでたばこを吸うなと警告してはいるが完全に恩を仇で返している)。

とは言え、村人達も大人達の報復を受けた後、それを逆恨みして無害な子供を再び殺そうとしているため、悪魔と見なされても仕方がない。
村人達が子供に以前の暴行を詫びていたなら、パラダイ星人もそれ以上暴れる事は無かったはずである。

村人達もパラダイ星人も、お互いに全く歩み寄ろうとせずにただ暴力に訴える事しかしなかった結果、このような事態を引き起こしてしまったと言える。

ちなみに村人の一人は、キングパラダイが漁村を襲い始めた事で、漁村にいる自分の子供を守ってくれとゲンに頼み、
ゲンに「あんたは星人の子供を殺そうとしたんだぞ」と指摘されて、ようやく自分の罪を認めている。

パラダイ星人、キングパラダイは共にその後のシリーズへの登場はない。

ウルトラシリーズ全般でもマイナー系の怪獣だが、星人たちが合体変身する際のポーズは、
ウルトラマンA北斗星司と南夕子がウルトラタッチするポーズのオマージュであり、その点ではよく知られている。


なお余談であるが『ウルトラQ』第6話「育てよ!カメ」と『ウルトラセブン1999最終章』第4話「約束の果て」も浦島太郎伝説を題材としている。
カメや龍などわかりやすい浦島モチーフの怪獣が登場するこれらに比べ、河童みたいな外見のキングパラダイはいかにも取って付けた感があるが…。


●派生作品

ウルトラマン超闘士激伝』では宇宙貿易船の船長としてキングパラダイが、船員にパラダイ星人が登場。
修業を終えた闘士ウルトラマンタロウを第3回銀河最強武闘会まで運んだ。
(『タロウ』第1話で東光太郎が来日したシーンのオマージュであろう)




追記・修正をしない地球人の心には悪魔が棲んでいるのです!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ウルトラマンレオ
  • ウルトラシリーズ
  • ウルトラ怪獣
  • 特撮
  • 宇宙人
  • ウルトラマンA
  • 浦島太郎
  • パラダイ星人
  • キングパラダイ
  • 海棲人
  • 星獣
  • 怪獣
  • 水棲怪獣
  • 竜宮城
  • 黄金のパイプ
  • 河童
  • 反面教師

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月20日 09:33

*1 劇中では声だけの登場