メタルギア・サヘラントロプス

登録日:2016/2/27 (土) 12:54:41
更新日:2023/12/07 Thu 18:41:53
所要時間:約5分で読めます




サヘラントロプスが 報復心を未来にうち放つのだ!



注意 この記事はMETAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAINのネタバレを含んでいます
















MGSV:TPPに登場する兵器

機体コードはST-84
STはサヘラントロプスの略称 

名前のサヘラントロプスは人類で初めて直立二足歩行をした類人猿「サヘラントロプス」から来ている
これはアウストラロピテスクよりも前に直立していたことを示している最古の人類。現実では2001年に発見された化石であり、なんで80年代の設定なのに出てくるんだよ!と思う方も居るかもしれないが、作中の設定では本編以前にサイファーによって発見、何らかの理由で世間には公表されなかった、という事になっている。


「直立二足歩行兵器」

概要


スカルフェイスが自分の指揮下にあるサイファーの実働部隊XOFとエメリッヒ博士(以下ヒューイ)を使いOKBゼロで開発していたメタルギア。
他のメタルギアと違い直立して二足歩行する点と、後述のメタリックアーキアを搭載しているのが特徴。
見た目はREXに胴体と手が付いた物と想像すれば大体合ってる。肩の謎のボールを除いて。
口の所にある骸骨のマークはスカルフェイスのマークだが、ヒューイの言い訳によると「これはMSFのマークで自分が裏切り者では無い印だ(要約)」との事。


直立二足歩行
開発にあたっての一番のネックであり、かなり試行錯誤が行われた結果、ひどく大胆なブレイクスルーによって実現した。

1.水を緩衝剤にした有人機
当初の案。パスZEKEにしたのと同じ様に、コックピットに水を注水して操縦する予定だった。
が、問題は姿勢制御AI。外側に付けると急所になるので装甲の内側に付けるため小型化するも、コクピットは大人が入ることができず、子供でギリギリ乗れるほどの小ささにまで縮小してしまうちなみにあのクズは自分の息子をサヘラントロプスに搭乗させていた。

2.遠隔操縦
操作精度も悪くラグったりするし、電波妨害されたら終わりだったので没。

3.完全AI制御
ニカラグアからピースウォーカーのハイブリッドAIを引き上げストレンジラブに協力させるも、前述の通りサヘラントロプスにあのクズヒューイが息子ハルを乗せた事でストレンジラブは怒り、研究は頓挫。
ハルを隠すもそれでヒューイの怒りを買い、ストレンジラブはAIポッドに閉じ込められ、そのまま窒息死したため没。

4.別形態
普通のAIでも上体を畳み重心をさげる事で何とか歩ける様になるがこれも没。(いわゆるREX形態)ただし、これはこれで便利だったのか変形機構がオミットされたりはしなかった。

最終的に外付けのAIで稼働させようとするも、時間が掛かりすぎたせいでスカルフェイスに未完成のまま引き取られてしまう。
で、そのスカルフェイスがどうしたかと言うと・・・



5.超能力で動かす
スカルフェイスは自分の報復心に反応し手下になっていた第三の子供の超能力を使い動かした。
「最後は超能力頼みってどういうことだおいボートを用意しろ」とツッコミが飛んできそうだが、作中の過去(及びゲーム的にも過去作)を振り返ると、サンヒエロニモ半島事件に登場するメタルギアRAXAもサイキックの補助で全力稼働している例がある。つまり、(オプスが正史に含まれるかちょっと怪しい事を除けば)実際の稼働実績がある方法であり、あの時の黒幕の副官であった所か、下手をすれば事件にどこかで関わっていたスカルフェイスが取り得る方法としては別におかしなものでは無いと言えるだろう。
ちなみに超能力で動いている事を知らなかったヒューイ曰く「技術革新なんてものじゃない。ライト兄弟が月へ行くようなもの」だったとの事。
無線をかけると「動き方がおかしい」「まるで操られているような」などのコメントが聞ける。


なお、「そこまで開発に時間が掛かってたなら別にREX形態で良かったんじゃ...」と思った人もいるだろうがアフガニスタンの様な高低差が激しい地形では垂直方向に強い機体が必要だったからである。まあヒューイからすればそこが一番大事だったんだろうが


メタリックアーキア
極限環境微生物と呼ばれる生き物の一種で、本機の武装に用いられている。
簡単に説明すると、生物は皆何かしらを食べて出している。そうした代謝活動は微生物と言えど例外は無いのだが、メタリックアーキアの元となった微生物は有機物では無く金属を食べ、また特異な物質を排出するのである。そうした微生物をコードトーカーが更に改良したものがメタリックアーキアであり、その生態と代謝は兵器として非常に有用なもの。具体的には、起爆性のある物質を作り出したり金属を瞬時に腐食させるなどである。そして、この微生物が本機の最大の特徴にも用いられている。

この機体の装甲には劣化ウランが用いられている。当初のヒューイの説明では技術的に他に選択肢が無かったから*1と言う理由だったが、本来の目的は別にある。
一言で言ってしまうと、この機体は「核兵器手作りキット」なのである。具体的に説明すると、この機体には後述の爆発物生成型や腐食型のメタリックアーキアの他に、ウラン濃縮型のメタリックアーキアが搭載されている。これは、ウランを食べて濃縮ウランを排出する性質を持ち、兵器として使用可能な濃度のウランを作り出す事が可能なのである。*2
早い話がサヘラントロプス自体が核爆弾の一種であり歩いて自爆させればあのリトルボーイと同程度の破壊力となる。

この方法のいやらしい所は、まず核開発に関するほとんどの条約や規制を回避できる点。大元の放射性物質が劣化ウランで、量も戦車の装甲に用いる場合と変わらない程度、かつ大袈裟なウラン濃縮施設などを持つ必要もなくなるので、他者から警戒されにくい。濃縮速度が非常に速い上に即自爆するので、兵器利用可能な濃縮ウランとして存在している時間が非常に短いのもそれに拍車をかけている。
またメタリックアーキアと言う非常識な微生物を知らなければ何をやっているのかが分からず、技術のみを勝手に利用される心配がまず無い点も大きい。実際、それと知らずにウラン濃縮アーキアを手に入れたダイアモンド・ドッグズの面々も、コードトーカーから教えられるまではそれが一体なんなのか全く分からなかった。
そして、そうした物を更に技術力の無い勢力に売りつければ、その他のフェイルセーフと併用してその使用すら実際には自由に制御できる点。
スカルフェイスは核を持たない小国にこの「核兵器手作りキット」を都合よく世界中にバラ撒き、核抑止を大国限定から世界中に広めて「世界を報復で一つにする」事を目的としていた。



装備


  • 機銃
REXにもあった目みたいな場所にある機銃。
本機は直立形態ならば「首が動かせる」ため射角の自由度が高い。

  • 火炎放射機
股間砲股の部分にある火炎放射機。
パラサイトスーツ(ARMOR)をキャンセルしてくるためある意味ではこの機体で最強の兵装。

  • アーキアルブレード
メタリックアーキアの力によって地面から爆発性の金属塊を出す。
ブレードを地面に叩き付けるパターンと地面に突き刺すパターンがあり、金属塊の生え方が異なる。
また、ブレード自体も攻撃力を持つ。ビームサーベルではない。
この装備を使う時は腹部の装甲が展開し、与ダメージが大きくなる弱点として設定されている。

  • アーキアルグレネード
腐食性のメタリックアーキアを貯蔵しており、煙幕を発生させると共に、車輌やDウォーカーなどの兵器が使えなくなる。
煙幕は色がついている分濃霧などよりも格段に視界が悪くなる。暗視ゴーグルでも見づらい。

  • レールガン
崖から狙撃してくる。狙撃する場所は赤いレーザーが映っている。
直撃すれば瀕死/即死は免れない。地形を盾にしよう。

  • ミサイル
ピースウォーカーのSマインの様な物を発射してくる。
銃弾を当てれば撃ち落とすことができる。

  • 脚部
巨大兵器なだけあり、人に対してはその一挙一動自体が武器となる。
動いている時は脚部に接触しただけで吹き飛ばされてしまうし、ジャンプ→着地の衝撃は至近距離だと瀕死レベル。

これらの装備や機体各部(手足、頭など)はいわゆる部位破壊が可能で、破壊に成功すると一部の攻撃を封じる事ができる。
また、損傷状態は以後のカットシーンに反映される。


作中での活躍


エピソード6「蜜蜂はどこで眠る」で初登場
だがこの時は手だけしか分からず全身は写し出されなかった。

エピソード12「裏切りの容疑者」で遂に全身が明らかになる。ヒューイを抱えてヘリまで逃げよう。
地形に隠れながら隙を突いて進むことになるが、距離が近いと岩に隠れた程度では上から見つけられてしまう。視点が高いという利点を早速見せ付けてくれる。
この時に倒すのは不可能。*3
ヘリに乗り込んでも結局見つかりミサイルを発射してくる。最後にはヘリに飛びかかってくる。機銃で撃退しよう。...実は飛びかかってくる時は機銃を撃たなくても勝手に自爆して落ちていく。そのため「ミサイル破壊だぜ!ヒャッハー!」→「ってオーバーヒートしたあああ!」→「って飛びかかってきたあああ!」→サヘランボカーン→「え」となった人もいるのではないだろうか。

エピソード31「サヘラントロプス」にて遂に勝負。
銃弾では大したダメージを与えられない。グレネードやロケットランチャーを存分に活躍させるチャンスだ。
容赦なく破壊しよう。
ちなみにこの時サヘラントロプスを動かしていたのは燃える男の報復心でも、スカルフェイスの報復心でもなく、イーライの大人に対する報復心である。

破壊した後はスネーク達によって研究開発プラットフォームに設置されるも、これにより研究開発プラットフォームは2フィート(60センチほど)も沈むはめになり当分は嵐に耐えられなくなった。これに関してカズに問われたスネークは「ダイアモンド・ドッグスの目印として」「これは俺達が第一章を終えた証」だと言った。
ちなみに英雄度が一定数を越えると閲覧可能になる。

だがサヘラントロプスに異常なほど執着していたヒューイが、イーライ達に教えて修理した事で、イーライ達はサヘラントロプスを奪取しそのまま何処かへ飛び去った。

これ以降サヘラントロプスは本編に出てくる事は無くそのままフェードアウトする。

未収録のエピソード「蝿の王国」ではイーライが操縦するサヘラントロプスVSスネークとダイアモンド・ドッグスによる戦いが起こったとされている。
兵力や武装ヘリなどを総動員した文字通り「総力戦」だったようで、最終的に本機は木っ端微塵に破壊されることとなる。

メタルギアサヴァイヴでの活躍

物語終盤においてまさかの登場。タイムリープを繰り返し進化する「塵の王」への切り札として、カロン部隊の生き残りが捜索を行っていた。
朽ち果てた状態でディーテ世界に流れ着いており、キャプテンが回収する際も下半身は投棄されたまま放置している。

ベースキャンプに回収された後はダンがハードウェアを、クリスがソフトウェアを修復することで戦力として復活。
ただしコクピットは使用不能らしく操作はiDroidで行う。また、上半身だけの状態のため格闘戦はおろか殆ど動くことがない。
実質的にはレールガンによる砲台。

同化したヴァージルごと塵の王を撃ち抜き、塵の王の侵攻に終止符を打つ。
その後はベースキャンプの端で放置されている。


追記・修正は超能力で動かしてお願いします。

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最終更新:2023年12月07日 18:41

*1 実際に劣化ウランは戦車の装甲として用いられた例もあり、頑丈な素材には違いないため全くもって不自然な選択という訳では無い。しかし他の頑強な金属や装甲材に比べて重量比で劣る、つまり他の装甲材向きの金属と比べると強度に対して重いため、結局のところ劣化ウランの装甲材としての評価は「使えない事もないが、他にもっと良い素材がある」という位置付けとなる。

*2 余談だが、この「戦略物資を生成できる微生物」と言うネタはメタルギア2(雷電が出ない方)で一度やったネタ。石油を生成できる微生物が話の焦点の一つになっている。

*3 一応強化した多弾誘導ミサイルを補給数セット分撃ち込めば行動不能状態にまでは追い込めるが、それでも止まるのはヘリに乗るまでの間。