Newニンテンドー3DS

登録日:2016/03/11 (金) 22:24:32
更新日:2022/07/24 Sun 20:38:31
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きせかえて、遊ぶ、持ち歩く




Newニンテンドー3DSとは、任天堂が発売した携帯型ゲーム機。


【解説】


任天堂が発売した、ニンテンドー3DS(以下旧3DSと記載)の上位機種。

前世代のDSシリーズで例えると『ニンテンドーDSに対するニンテンドーDSi』みたいな立ち位置のハード。
2014年8月29日の『NINTENDO 3DS Direct 2014.8.29』で発表され、2014年10月11日に発売。
本体の値段設定は16,000円(税別)となっている。

いわゆるマイナーチェンジに属するハードだが、性能向上・様々な新機能などの追加要素が特徴。
もはや本来の3DSとは別ハードとなっているレベルで変わっていると言っても過言では無い。
実際、Newニンテンドー3DSのみで起動する専用パッケージソフトも登場しているほど。

発売から間もなくして、旧3DSとそれほど変わらない値段設定やコンパクトさ、魅力的な新要素もあってある程度の普及に成功し、一定の評価を得た。


…が、2017年7月13日、「Newニンテンドー2DS LL」と入れ替わる形で生産終了が発表。販売期間は約3年弱と、近年のゲーム機としてはかなり短い期間であった。

「Newニンテンドー3DS LL」も同時発売されていて、こちらは2019年現在も生産中(解説は後述)。

なお、「Newニンテンドー2DS」というハードは存在していない。
2019年6月時点で現役なのは、「Newニンテンドー3DS LL」、「Newニンテンドー2DS LL」。もっとも、ソフトのリリースもほぼ終了してしまったが。

【Newニンテンドー3DSにおける新要素・変更点】


本体外観/新ボタン

基本的な部分に旧3DSとの変更点は無いが、一部デザインに変化・改良がある。

  • 上画面サイズが旧3DSから1,2倍ほど大きくなり、多少見やすくなった。

  • 音調節バーが3D調節バーのお向かい、つまり上に移動した。

  • New3DSの本体は以前のDSiを思わせるマットな質感になった。
旧3DSのメタリックで高級感溢れる色合いとはまた趣が異なる、カジュアルなデザイン。

  • カードスロットは上部中央から本体左下側に移動。タッチペンホルダーや電源ボタンも本体下側に移動された。それに従い充電ケーブルを挿すところが上部中央に移動している。
電源ボタンは位置的に床や膝で誤作動しそうな気もするが、ちゃんと誤作動しないように固くなっている。
タッチペンホルダーもカードスロット周辺では無くなったので、タッチペンを取ろうとして誤ってカードに触れる可能性も減少。

  • タッチペンは前世代のDSシリーズと同じく、単純なプラスチックの棒と化した。
旧3DSのタッチペンにあった伸縮機能はカット。
伸縮機能のあるペンが必要な場合は別売のライセンス商品を使おう。

  • ABXYボタンの配置に変更は無いが、ボタンの配色が特徴的で、
任天堂黄金期を支えた名機・スーパーファミコンのコントローラーのボタンカラーを意識した色になっている。
これまでの携帯機のボタン配色は本体カラーと統一されていたので、そういう面でも珍しい。

  • HOMEボタンは単純な物理ボタンへと変更された。
旧3DSではHOMEボタンが結構強い力でないと押せない仕様だったので、地味に嬉しい改善要素



そして、New3DSでは新たに、Cスティック・ZRボタン・ZLボタンが追加された。
ZRボタン・ZLボタンはそれぞれ従来のL・Rボタンの横に、CスティックはABXYボタンの左上部に小さく配置された。
Cスティックの名称は、ニンテンドーゲームキューブのCスティックにちなんで付けられた。

これらのボタンのおかげで、実質的に旧3DSの周辺機器「拡張スライドパッド」が標準装備されていることになるという経済的な一面もある。

特筆すべきは事実上の右スティックに値するCスティック。
何しろ、あの発想力溢れる任天堂スタッフが「どうしてもっと早く思いつかなかったんだろう」と零すほどのもの。
(本来の3DSはスペース的に右スライドパッドを採用できなかった中、New開発中に思いついたのがCスティック)

ただし、ストロークが従来のスティックと比べて異様に小さく、あまり操作している感覚がないので上手く扱うには慣れが必要。

一部のユーザーからは『固い』『小さいので自分の指のサイズでは微妙』との声が上がったものの、使いこなせると大きさの割には微妙な力の感度でもちゃんと感知し、繊細な操作が可能な点が感じられるようになる。

それでもやはり、特に恩恵を受けるはずだったモンハンプレイヤーなどの中には旧3DSで右スライドパッドの役割を果たしていた拡張スライドパッドの方が指に馴染み、結局旧3DSに戻ってしまう人もいた。




本体外装の着せ替え

デザイン面での最大の特徴
外装のカバーを専用のプレートで着せ替えすることができる。

別売りの着せ替えプレートは1000~3000円程度で様々な種類が販売されている。
人気キャラが刻印された物や、他とは質感が異なる物などバリエーションも豊富。

ちなみに、これがあるからか本体そのもののカラーはBLACKかWHITEの二者択一
「自由にプレートを変えられるから初期カラーを迷わなくていい」と考えるか、「きせかえが命だからこそベースカラーが重要」と考えるかはあなた次第。

地味に本体破損の時にも有効で、汚れた時に取り換えたり予備のカバーを用意できたりもする。
「無地のプレートを買って自分でデコる」と言ったマニアックな芸当が気軽にできるのもこのハードくらいのもの。



きせかえプレートのルーツ?

実は、本体のプレート変更による着せ替えはNew3DSが初めてではない。

「ゲームボーイミクロ」も、プレート着せ替えの展開を予定していた。
しかし、DSの爆発的普及によってミクロ本体はまったく売れず、その展開は脆くも崩れ去る。
結局、ミクロのフェイスプレート変更機能自体は所持者ですら知っている人は多くない。

つまり、New3DSの着せ替えはある意味、ゲームボーイミクロのリベンジマッチ

『ファミコン3Dシステム→バーチャルボーイ→GCの立体視専用回路→3DS』と、
過去に普及しなかった3D立体視に定期的に再挑戦してきた任天堂のことだしね。


余談ではあるが「社長が訊く」で、3DSLLの加飾にゲームボーイミクロのフェイスプレートと同じ技術が使用されていることが明かされている。



本体性能/機能

こちらは従来の3DSより大幅な性能向上が行われた。

まず、CPUの性能が3倍以上の劇的パワーアップ
データの処理速度が爆発的に高速化され、もはや旧3DSとは別ハードというレベル。

CPUの高速化というパワーアップが目に見える例としてはこんな部分にある。

  • 旧3DSユーザーならお馴染みの「HOMEメニューのアイコン表示が遅い」現象が大幅に軽減
  • ニンテンドーeショップでのデータダウンロードが高速化
  • 一部ソフトはロード時間や起動時間が減少し、快適に
  • Miiverse起動がストレスを感じない程度の速さに(すでにMiiverseは終了したが)


また、3DSではできなかった高度な処理も可能に。
New専用のソフトとして移植された『ゼノブレイド』を見る限り、グラフィックこそ原作に劣るがWiiレベルのソフトが動かせるようになっている点は大きい。



その他の新機能としては、明るさセンサーの搭載によって画面の明るさの自動調整を可能としている。

周りの環境に合わせて、画面の明るさを勝手に調整してくれる。
目への負担軽減や消費電力の節約など、携帯機特有の悩みの改善に地味に貢献している。
勝手に画面調整されたくない際には、機能をOFFにも出来る。

また、無線LANによってmicroSDカードを取り出すことなくデータを移動させる新機能も標準搭載。
少量のデータなどの移動に面倒な手間をかける必要が無くなった。
ただし、Class2程度の速度しか出ないので過度な期待は禁物。

ぶっちゃけ本体の引っ越しやSDカードの買い替えに伴う大容量のデータ移動なら、面倒でも取り出してパソコンでコピーした方が速いし確実。
ここで横着すると時間がかかりすぎて泣きを見るゾ。

また、カメラ機能も強化され、暗いところでもある程度撮影が可能となった。


3Dブレ防止

これまでの3DSの立体視には少なからず問題があった。

正面から見ないと立体映像がぶれて、顔を本体に真正面に向ける必要があった。
また、3DSはジャイロセンサーを搭載していたが、これを利用するソフトは多かった。
しかし、肝心のジャイロセンサーと立体視は相性が悪く、両者を両立して楽しめないという問題もあった。
そういった、見えづらい、他の機能と併用しづらいという理由から、せっかくの立体視機能が利用されていないという事態が起きていた。


そこでNewでは立体視の機能を強化しブレの防止に成功。

本体の内側カメラとジャイロセンサーで顔の位置や向きを認識することで、ブレを防止している。
元々ジャイロセンサーの性能は高いからか、顔の認識度は相当正確。
本体を左右に振っても、顔を傾けても立体映像が楽しめる。

これによって、常時立体視でゲームを楽しむことが非常に容易となった。


NFCリーダー内臓

Wii Uに続き、NFCリーダー/ライターを搭載。

これにより、3DSでもamiiboを使った遊びが展開されるように。
また、Suicaなどの交通系ICカードでの決済にも対応。

旧3DSではNFCリーダーの周辺機器を別売りで購入して対応させる形をとっており、後々導入することを考えるとNewを買った方がお得である。



記録媒体の変更

旧3DSでの記録媒体はSDカードとなっていたが、New3DSではmicroSDカードに変更。

SD及びSDHCに対応し、SDXCは非対応(ただし原因はexFAT)。
New3DSでは一度裏側のバッテリーカバーを外して取り付ける必要があり、ここは旧3DSよりかなり面倒。
前述しているが、少量のデータは無線LANによる転送が行えるので、それを有効に活用しよう。
さすがにClass10のカードとなると80Mbps~数百Mbpsなので、Wi-Fi5非対応のNew3DSの無線通信では厳しい部分があるが。

なお、購入時に内蔵されているで内蔵されているmicroSDの容量は4GB。ぶっちゃけ足りない。



インターネットブラウザーの変更

旧3DSでもネット閲覧は可能だったが、重くて快適ではなかった。
ちょっと重いサイトを見るだけで読み込みに失敗する、ほとんどおまけに近いレベルである。
動画を再生する機能なんてものは当然なかった。

しかし、Newのインターネットブラウザーは比較的軽い動作で快適にネットの閲覧が可能。
動画再生も可能とし、専用ソフトを用いずともYouTubeを3DSで観ることができる。


ところが、最初からフィルタリング機能が有効になっているという変更が行われた。
これを解除するにはクレジットカードを使用して認証し、手数料の32円を払わないといけない。

任天堂的にはお子様が危ないサイトやアダルトサイトを快適に見ないための対策なのだろう。
親切な配慮ではあるが、大人のユーザーからしたら正直面倒な仕様である。

もっとも、クレジットカードを使えるユーザーがNew3DSでしかネットを閲覧しない、なんて状況はほとんどないだろうが。



対応ソフト/Newニンテンドー3DS

これまでのニンテンドー3DS用ソフトにも全て対応(当然DSシリーズとの互換性も保持)。

ただし、New発売より前のソフトでは、『モンスターハンター4』でインターネットブラウザー/miiverse同時起動が可能になる仕様があるくらいで、
それ以外のソフトは性能向上に伴う恩恵は残念ながら殆どなく、ロードが短くなるとかキャラ表示数が増えるとかそういうことはない。
初期の3DSソフトはロードが長かったりするソフトも多いので、そこは仕方ないが惜しい点。

先述の通り、New発売以降のソフトはロード短縮などの明確な恩恵を受けている。
ちょっと改善されたとか言うレベルではなく、ほぼ別物なくらいの違いがある。


また、『ゼノブレイド』の移植などNew3DS専用のソフトも展開。
間違って旧3DSユーザーが買わないように、パッケージではちゃんと専用と強調されている。
また、スーパーファミコンのバーチャルコンソールはそのほとんどがNewニンテンドー3DS限定。



【Newニンテンドー3DS LL】

Newニンテンドー3DSのLLサイズ。
国外ではNewニンテンドー3DS XLとして販売されている。

値段は定価18,800円(税別)と、3DSシリーズでは(初期の旧3DSを除くと)最も高価。
ニンテンドー3DS LLの新型機種という立場になる。
前世代で例えると、DSiに対するDSi LLのような位置づけでもある。


3DS LLは巨大な画面で立体視を楽しめるのが強みだった。
New3DS LLの場合は、そこに加えて立体視がブレないためその辺の強みがさらに強化されている。
さらに、従来の3DS LLでの弱点だったスピーカーの音質を大きく改善させている。


他にNew3DSとは異なる特徴としては、

  • 旧3DS同様、高級感のあるメタリックカラー

  • 「ボタンの色」がSFCのボタン配色と同じ色合いになっていたNew3DSとは逆に、New3DS LLの場合は「ボタンの文字(ABXY)」がSFCカラーになっている

と、カジュアル系のNew3DSと比べてリッチな造型が目立つ。


ただし、これらと引き換えにコンパクトさは若干失われ、おまけにNew3DSにあったきせかえプレートは非対応。ゆえに最高級でありながら、ハイエンド(最上級)モデルとは一概に言えない。

New3DSが生産終了した今、何気に3DSシリーズで3D表示を楽しめる唯一のハード


【Newニンテンドー2DS LL】

あのニンテンドー2DSの後継機と見せかけて、実情はNewニンテンドー3DS LLの廉価版。

値段設定は定価14,800円(税別)と、値下げ後の旧3DSと同等であり、2DSの名に恥じないコスパの良さが魅力。


3DS特有の立体視を排除した他、2色構成の本体カラーが印象的。
1枚板形状だったニンテンドー2DSとは異なり、折りたたみによる携帯性も改善された
LLなので、やっぱり着せ替えプレートによるテーマ変更・外観変更は行えない。

一方で、microSDカード挿入口がゲームカード挿入口の隣に移動し格段にアクセスしやすくなる、
これら挿入口に飛び出し防止用のフタが付くなど、地味だが堅実な改善点もある。



New3DS販売終了→New2DS LL発売の事情

DS時代にDSiLLを展開して以来、大画面とは言え高価で後発のLLがノーマルより売れる状況が続いていた
New3DSシリーズでは

  • きせかえプレートによる外装のカスタマイズ
  • SFCに倣ったカラフルなボタン
  • 携帯に適したサイズ
  • LLより安価

と、ノーマルNew3DSに固有の付加価値をつけた上でLLと同時発売。
しかし、やっぱり大画面でシンプルなLLを選択するユーザーが多いことが売り上げから判明し、一足先にノーマルNew3DSが販売終了する運びとなったと思われる。

また、ウリであったきせかえプレートも安い無地のものでも1000円程、キャラ物や特殊素材のプレートなら3000円程と決して安くはないのも向かい風になった可能性がある。


一方その頃、3DSのソフトの中には3D表示に対応しないソフトが増加する傾向があった。遡ると海外で2DSの展開と重なった『ポケットモンスター X・Y』の時点で、マップの大部分が3D非対応だったりする。

以前から3D表示の必要性を疑問視する声があったり、右目用と左目用で2倍の画を作らなければならないが故に制作者の負担が大きい、電池消耗が激しいなどの欠点があった3D表示。
新しい遊びを提案した一方で、「使わない人は使わない」機能と化していた一面があった感は否めなかった。


このような状況から3D機能を切ったNew3DS LL廉価版の投入に踏み切ったようだ。




~周辺機器~

  • 《ハンティングギア》
Newニンテンドー3DS LL専用のグリップアタッチメント。
モンスターハンタークロス用、モンスターハンターダブルクロス用にそれぞれ存在する。

  • 《ACアダプタ》
実はNew3DSシリーズは、コストカットのためにACアダプタが標準で付いていない
DSi以降のDS・3DSシリーズと同じ規格なので持っていればそれを使おう。
持っていなければ…買うしかない。

  • 《専用充電台》
旧3DSでは本体付属品だったが、使わない人も少なくなかったからかNewでは別売に。
しかし旧充電台とは違ってコンパクトな縦置きになり、デザインも洗練されたものにイメチェン
やっぱり使わない人は使わないが、従来よりはかなり勝手が良くなっている。



追記・修正は、Newニンテンドー3DSを購入してからお願いします。

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最終更新:2022年07月24日 20:38